秦野市消防は12月16日、化学災害や生物災害に備えるため「特殊災害合同訓練」をメタックス体育館はだのとその周辺で実施。本署及び各消防署の部隊が連携を確認した。
市消防では年1回、大規模な合同訓練を実施している。今回は、大阪・関西万博や世界陸上選手権といった大規模なイベントを控えていることから、特殊災害の発生時における初動対応や救助対応力の向上を図ることを目的とした。
訓練は、体育館内で年齢不詳の成人男性が液体をまき、施設内ではその影響で複数人が倒れ、目の痛みなどを訴えていると通報があったと想定。当日は本署、西分署、南分署、鶴巻分署から指揮、消防、救助、救急隊員など34人が参加し、化学剤の検知や要救助者の救出、除染などの一連の流れを確認した。
会場は化学剤除染前のホットゾーンと、除染後のコールドゾーンにわけられ、ホットゾーンに侵入する隊員は酸素ボンベなどを着用。通報を受け、防護服を着た隊員らは体育館内に侵入し、要救助者を捜索した。酸素ボンベの活動時間はおよそ20分ということもあり、隊員は体育館メインアリーナの2階客席にまかれた化学剤から要救助者を遠ざけるため、まずは汚染度が高いメインアリーナからロビーへと移動させるショートピックアップを実施。交代で任務に当たりながら、重症者から外へと運び出し、救急隊へと引き継いだ。
施設内で救助活動を行った隊員は「防護服は普段の活動よりも効率が落ち、体力の消耗も激しい。普段から訓練をしっかり重ねていきたい」と話す。
訓練を見守った加藤和博消防署長は「各隊が自分たちの役割を認識しており、連携が取れていたのではないか」と総評。今後は、訓練の中で見つかった課題などを上げ、現場へとフィードバックするという。続いて加藤消防署長は「引き続き訓練を実施し、有事の際は適切な対応ができるようにしたい」と話した。
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