本紙では2025年の年頭にあたり、秦野商工会議所会頭の石井時明氏に新春のインタビューを実施した。石井氏は新会頭に就任した24年を振り返るとともに、新しい年への思いを語った。(聞き手/本紙・渡部賢)
――2024年を振り返った感想はいかがでしょうか?
「2024年に新会頭に就任し、佐野友保前会頭の意思を引き継ぎ、地域産業の振興に邁進してまいりました。地域経済の発展と会員企業の持続可能な成長を支援する責任の重さを、改めて実感しました。
商工会議所の活動は、各部会の事業が大きな柱の一つです。各部会との連携を深める中、特に工業会を中心に進めた東海大学や行政との連携事業は、地域企業の技術力向上と未来に向けた人材育成の土台づくりに貢献できたと思います。
また、工業・建設・観光飲食業など、多くの業種で人材不足が顕在化する中、人材確保に向けた支援や労働環境の改善が大きな課題となりました。課題解決に向け、部会活動を通じて経営者同士の情報交換が活性化したことは、大きな成果でした」
――これからの秦野の経済についての展望はいかがでしょうか?
「2025年は地域間競争が一層激化すると予想されます。その中で秦野が『選ばれる地域』であり続けるために、産業の競争力強化と地域の魅力発信を両輪で進める必要があります。
27年度に全線開通予定の新東名高速道路により、秦野市が広域的な経済圏の中核となる転機を迎えます。地域に新たなビジネスチャンスをもたらすと同時に、周辺地域との競争も激化します。各部会が協力し、地域資源を活用した新しい観光コンテンツやサービス開発を進めていきます。特に地元農産物を活用した『ジビエの街』の推進や、農商工連携による地産地消の拡大を図ります。
また、地域内消費の拡大とキャッシュレス化普及を目的に、昨年12月からスタートした電子地域通貨OMOTANコインを活用したイベントやキャンペーンをさらに強化し、地域経済を活性化させていきたい。秦野が持続可能な成長を遂げるためには、行政、教育機関、民間企業が一体となり、課題解決に向けた『共創』が不可欠。引き続き、産学公の『連携』を深化させ、地域全体で経済の発展を支えていきます」
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