妊婦健診助成拡大へ 2回目以降は5千円に
安心して子どもを産み育てられる環境づくりの一環として秦野市は、妊婦健康診査公費負担拡充を来年度の予算案に盛り込んだ。助成の拡大は、2回目以降の妊婦健診費用に適用され、上限が現在の3千円から5千円に引き上げられる。
妊婦健康診査、通称「妊婦健診」は、妊婦や胎児の健康状態を定期的に確認することで、安全に出産してもらおうと実施される。厚生労働省は標準的な妊婦健診の回数を14回としている。
助成の対象は秦野市に住民票がある妊婦。国内の産婦人科がある医療機関・出産の介助を業務とする助産院であれば利用できる。妊娠届を市に提出した際に母子健康手帳と合わせて渡される母子健康手帳別冊内の「妊婦健康診査費用補助券」によって支払われる。
1人あたり7万5千円を助成
2012年度現在、秦野市が行っている助成は、1回目が1万円上限、2回目以降は3千円。14回全て受診した場合、1人あたり4万9千円の助成額になる。
助成金額は全国の各自治体の助成費の平均値をベースに決められたが、秦野市の助成額は県内では平均をやや下回る額だった。
市内の2回目以降の妊婦健診費用の平均額を元に5千円となった。助成額引き上げに伴い、14回全て受診した場合、1人あたり7万5千円の助成額となる。
市は年間の妊婦数を約1300人と見込み、来年度の予算案で8549万円を計上した。差額分は地方交付税を活用する予定。今年度の予算5849万円から2700万円の増額となる。
市健康子育て課は「より一層経済的負担を軽減し子育てをサポートできれば」と期待する。
飛び込み出産対策にも
秦野市では、1998年から妊婦健診の助成を開始した。これは出産寸前になって医療機関にかかる、いわゆる「飛び込み出産」が全国的に社会問題になったことを背景にしている。助成事業は、お金の問題だけでなく、妊婦健診受診の重要性を認知してもらう意味もあるという。2012年度の市内の飛び込み出産の報告数は2件(2012年3月5日現在)。同課は「助成により妊婦健診の認知度が上がったのではないか」と話している。
助成増額について、秦野・伊勢原・中郡産婦人科医会会長の平井規之医師は「母子共に幸せな出産のサポートをする立場である産婦人科としてはありがたいこと」と話す。「若い世代の経済的な負担の軽減をはかり、より安心なお産に臨んでもらうため、こうした政策は大変に重要」と指摘し、「7万5千円は子育てをする家庭にとって決して安くはない額。2人目・3人目を産む時の手助けにもなるはず」と話した。
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