はだの野鳥の会の会長を務める 八木 茂さん 尾尻在住 63歳
『興味』にまっすぐ
○…5月16日までは愛鳥週間。秦野市内で1978年の発足以来、野鳥調査やデータの記録など独自に活動を行っている。会員数は約30人。会長を務めて5年になる。「今はシニア会員がほとんど。会費を安くしたり、会報を電子化して、運営を続けています」。今年は発足35周年を記念し、報告書や市内の探鳥地案内のパンフレットも作成予定だ。
○…相模原市出身。東工大大学院を卒業後、富士ゼロックスに入社し、研究畑で仕事を続けてきた。その間に取得した特許は数知れず、新規事業で開発した紫外線測定器では、TV番組で取り上げられたことも。秦野に引っ越してきたのは約30年前。まだ田畑が多く「星空が綺麗に見えて、嬉しくなりました」と当時を振り返り、笑みをもらす。同会には子どもが小学生の頃、野鳥観察に付き添った事がきっかけで入会。趣味でバードカービング(鳥の木彫り)をしていたこともあり、図鑑で分からない細部を観察できる同会はうってつけだったようだ。
○…退職後は一転、農業関連に活動を移す。市内の農家に古くから伝わる『かりんとう』を再現したのもこの御仁。一般的にイメージする黒糖を使わず、小麦粉を原料に油で揚げたものだ。知り合いの農家から話を聞き「油は高級品だったのに、なぜ秦野の農家で使えたのか。気になって調べずにはいられなかった」。研究家気質に火がつき、市史を調べ上げ、聞き取りも行った。「タバコ栽培が盛んだった秦野では肥料に菜の花を育てていたため、油を自由に使えたようです」。研究成果を元に作った『かりんとう』は「じばさんず」で販売。現在も興味は尽きず、似たような食文化を持つ場所の研究を続けている。
○…その他にもワサビ田の整備を行ったり、百名山単独登頂をめざし全国の山を巡る。現在は72座まで踏破したそうだ。キリリとした真面目な表情で説明をする合間に、ふと浮かぶ柔らかな笑顔が印象的。
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