秦野市長選 現職古谷氏が圧勝 実績強調、批判退ける
任期満了にともなう秦野市長選は1月19日に投開票され、現職の古谷義幸(66)氏が、前市議で新人の高橋徹夫氏(65)、会社役員の岡本治郎氏(43)の挑戦を退け、3選を果たした。前回が無投票のため8年ぶりの選挙となったものの、市民の盛り上がりに欠け、投票率は過去2番目に低い39・62%だった。
関心低く盛り上り欠く
選挙戦は古谷氏と高橋氏との事実上の一騎打ちとなった。行財政改革や公共施設の再配置など、2期8年の実績を強調する古谷氏に対し、高橋氏は「8年間何もしていない。国や県とのパイプがなく孤独な秦野市を招いた」と、痛烈な批判を浴びせた。しかし労組、商工をはじめ幅広く団体支持を取り付け、支援市議を14人に広げるなど手堅く票を固めた古谷氏が高橋氏を大きく押し切った格好だ。
高橋氏を支持した自民党秦野市連合支部は、当初から候補者選びに難航。自民党系市議の間で古谷氏と支持が割れるなど、党員らの支持を高橋氏に一本化できなかった。
横浜市在住の岡本治郎氏は、選挙事務所を置かず、たばこ祭の廃止や職員給料20%カットなどを訴えたが浸透しなかった。
候補者の政策は独自性や魅力に乏しく選挙は盛り上がりを欠いた。有権者からは「このまちをどうしたいのか全く見えない」と言った冷ややかな声が多く聞かれた。「いつまでたっても古い選挙。純粋な政策論争が行われないのは秦野市の将来にとっても悲しいこと」といった声もあった。
古谷氏
「今回が最後の選挙戦」
吐く息も白い寒空のもと、入船町の古谷事務所では午後10時過ぎ、当確の一報が入ると歓声と拍手が湧き上がった。挨拶に立った古谷氏は「皆様のご支援のおかげ」と深々と頭を下げた。今回が最後の選挙戦と明かし「次の世代にたすきを渡す準備をしていきたい」などと挨拶した。
一方の大秦町の高橋事務所は、落選が決まると集まった支持者から大きなため息が漏れた。高橋氏は「現職の壁は想像以上に強かった。今後も冷静にしっかりと市政と向き合っていきたい」と話し、選対本部長を務めた久保寺邦夫県議は「これにくじけず、秦野の発展のため、高橋さんの経験に期待したい」と激励していた。
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