選挙に行こう デスク・レポート
▼8月30日、任期満了に伴う秦野市議会議員選挙が実施される。秦野市議会は定数が2議席減り、今回は24議席を争う選挙となる。本紙の取材によれば現職の24人は全員出馬に意欲を見せている。新人も10人前後が立候補するとみられており、激しい選挙戦が繰り広げられることが予想されている。
▼その一方、有権者の選挙離れには歯止めがかからない。秦野市議選の投票率は回を追うごとに下がり続けている。1995年の市議選では58・40%だった投票率が1999年には57・01%となり、2003年の選挙では4ポイント近く下落し53・02%となった。さらに2007年の選挙ではかかろうじて半数を超え50・85%に留まり、2011年の前回選挙では、選挙離れが加速したかのように一挙に7ポイント下降し43・84%まで落ち込んだ。数字上も選挙離れが浮き彫りとなっている。今回の市議選には大きな争点もないことから、さらなる投票率の低迷が懸念されている。
▼中でも特に若者の選挙離れが指摘されている。秦野市選挙管理委員会では年齢別の投票結果を調べていないため、20〜30代の若い世代の投票率を知ることはできないが、市内の若者の選挙離れが実際にどの程度進んでいるのか気になるところだ。
▼その一方、選挙権年齢を18歳以上に引き下げる公職選挙法の改正案が今年6月に参議院で可決され、来年夏の参院選から適用される。神奈川県では高校教育の一環として県立高校で「シチズンシップ教育」を導入。その一つに政治参加教育を組み込み、2010年度から参院選の際に実際の候補者や政党に対する模擬投票を実施している。各候補や政党などの主張を比較するなど、グループ学習等に取り組む高校もあるという。さらに総務省と文科省が連携し作成した、政治的な教養を高めて、選挙の意義や重要性を学ぶための副教材を、この秋から各高校に配布するという。選挙がいかに大切かということを勉強している高校生に、50%にも満たない投票率を示すことは、我々先輩として恥ずかしい。未来を担う若者に「別に選挙に行かなくても…」などと、決して思わせてはいけない。
▼投票率向上に秦野青年会議所も一役買って出た。市民に関心を持ってもらおうと、出馬予定者に対してアンケートを実施し、結果を同組織のホームページ上で公開している。「わかりやすい選挙」をめざし、それぞれどの分野に力を入れているのかが、グラフで比較できるようにしている。
▼民主主義における選挙は、私たちの代表を選び、意見を政治に反映させる重要なチャンスだ。「良くわからない」「面倒」「どうせ変わらない」などと言って、この大切な機会を安易に手放してはいけない。投票日に都合がつかなければ期日前投票もある。この夏、皆で選挙に行こう。市議選は間もなくだ。
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