任期満了にともなう秦野市議会議員選挙は8月30日に投開票が行われた。前回から2減の定数24に、34人が立候補する激しい選挙戦の結果、3人の新人を含む新たな議員24人の顔ぶれが決まった。
今回の選挙には、現職24人全員と新人10人が立候補。それぞれが地域経済の活性化や人口減少、高齢化社会対策、秦野赤十字病院の産科再開などを訴えた。
投票率は、過去最低だった前回(2011年)を3・06ポイント上回ったものの46・90%にとどまった。
最多得票は3507票の八尋伸二氏(52)。日立労組からの手堅い支持で、初当選の前回からは650票ほど減らすも唯一3千票を超えた。
新人では、加藤剛氏(42)、相原学氏(67)、谷和雄氏(54)の3人が当選した。 新人トップ、全体でも4番目の2531票を集めた加藤氏。子育て環境の再整備や生産年齢減少の歯止め等を政策に掲げ「まさにドブ板選挙」と振り返る地道な選挙戦で支持を広げた。当日、選挙事務所に当選の一報が届くと支持者らと万歳三唱。「新人の私にいただいた票は『加藤これからやってみろ』という声だと受け止めたい」と話した。
相原氏は、2279票を獲得。地元の北地区を中心に、2030年開通予定の新東名高速道路スマートインターチェンジを契機とした地域活性化などを訴えた。「子育て世代が、秦野を変えていきたいという考えに同調してくれたのでは」と振り返った。
谷氏は、人口減少が進む地元上地区に危機感を抱き、1年前から活動を開始。毎朝渋沢駅や秦野駅の駅立ちや、地元でのミニ集会を重ねてきた。当選後、安堵の表情を見せながら「本当の仕事はこれから。行政と地域のパイプ役をしっかり果たしたい」と話した。
「組織・地盤」から「政策・政治活動」へ
新人は10人中3人の当選にとどまった。マンネリ化、多選批判などの声もあったものの、争点に乏しく投票率も低迷。組織戦に勝る現職が有利に進めた。
初当選したのは加藤剛氏、相原学氏、谷和雄氏。加藤氏は南地区の有力元市議からの支援に加え、「ゴーゴーレッツゴー加藤剛!」のキャッチフレーズを小学生が口ずさむなど広く浸透した。相原氏、谷氏は早くから名乗りを上げ地元票を手堅くまとめた。相原氏は北地区、谷氏は上地区と、ともに新東名ICやSA整備に絡むエリアが地盤。IC等の整備を契機に地域活性化へ向けた期待の大きさが票に表れた。
新人乱立で票が割れる中、前回より大きく伸ばした現職もいた。彼らは4年間朝立ちやビラ配りなど市内で頻繁に姿を見かけたり、議会で市民目線で市執行部を質すなど、日ごろの政治活動が目立っていた。
各陣営とも後援者の高齢化など組織弱体化が進む。18歳選挙権施行もあり、組織や地盤に頼った従来型選挙手法は薄れ、政策や政治活動を純粋に評価する選挙戦への移行が加速していくだろう。
現職では古谷市長に近い込山弘行氏、佐藤敦氏が落選した。先の県議選での安藤氏の敗北に続くもので、「今後市長の求心力低下は免れない」との声もある。
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