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秦野版 公開:2015年11月19日 エリアトップへ

SON神奈川高橋芳和さん 「フロアホッケー」知って プログラム設立から10年

スポーツ

公開:2015年11月19日

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ゲーム形式の練習でパックを奪い合う湘南フェニックスの選手たち
ゲーム形式の練習でパックを奪い合う湘南フェニックスの選手たち

 「ナイスシュート」――体育館で選手たちが汗を流しているのは「フロアホッケー」。知的発達障害のある人たちが参加する国際大会「スペシャルオリンピックス」の正式種目だ。高橋芳和さん(64・秦野市曽屋在住)らがNPOスペシャルオリンピックス日本・神奈川(SON神奈川)に、フロアホッケープログラムを設立して10年あまり。普及に向けた活動を続けている。

 フロアホッケーは、長さ1・2mのスティックを使い直径20cmのフェルト製パックを相手ゴールに数多く入れた方が勝ちという、アイスホッケーに似た競技。 日本に広くに紹介されたのは2005年、長野市で開催されたスペシャルオリンピックス冬季世界大会。高橋さんは同大会で8人だけの上位組織SON認定レフリーの1人で、同時期にSON神奈川の同競技プログラム立ち上げに携わった。

 神奈川県内では、高橋さんがコーチの一員を務める「湘南フェニックス」が唯一のチームだ。10年程前の設立当初はチーム名も決まっておらず、選手も大会に出場できるレベルではなかったという。

 現在は秦野、藤沢、小田原市と大磯、愛川町在住の知的発達障害がある高校生から40歳代まで約15人が所属。サンライフ鶴巻のほか、湘北短期大学(厚木市)や三の丸小学校(小田原市)で毎週2時間半ほど練習している。2011年のナショナルゲーム(国内大会)には県代表として出場も果たした。

 手軽に誰でもできる点が、競技の特徴のひとつだという高橋さん。国内各地で行われた体験会でも、子どもから高齢者までが2時間ほどで一緒にプレーできる様になっているという。

 11月15日、スポーツ施設「サンライフ鶴巻」(秦野市鶴巻)の練習で、はつらつとしたプレーを見せた会社員・山下大介さん(26)は自閉症だ。

 大介さんの母親(56)は4年前にチームに誘われた時、他人とのコミュニケーションが取りにくい自閉症の特徴などから、「他人と競う団体スポーツは無理だと思った」と振り返る。最初の頃は相手からのタックルに恐怖を感じている様子も見られたという。時間をかけて競技に取り組み、「この前はフェイントを覚えたと言っていました。良い経験ができていると思います」と笑顔で話した。

 高橋さんは「大掛かりな用具も必要なく、障害がある人もそうでない人も一緒に楽しめる。体験してもらえれば好きになってくれるのでは」と、競技への参加を広く呼び掛けている。

 SON神奈川ではフロアホッケー普及のため、プログラムの参加や練習の見学も受け付けている。問い合わせは事務局(横浜市)【電話】045・650・5216へ。

フロアホッケーで使用するスティックとパック
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