スイカやキュウリなど夏野菜が実る秦野市内の畑で、シカなど野生動物による農作物の食害が相次いでいる。食害は通年で発生しており、2014年に市が農協を通して実施した調査では、被害額は約1200万円にのぼる。
静かな畑の中で、パーンパーンと響く音。権現山の麓で家庭菜園をしている80代の男性は、「毎日朝の9時頃にシカ除けの爆竹の音が響いている」と話す。同地域ではシカやハクビシン、イノシシなどによる食害があり、インゲンやサツマイモなどが被害に遭っている。
日中に現れる例も多く、目撃や遭遇した人も少なくない。畑作業中にシカを目撃した男性は、超音波を出す機械で追い払った。周辺で家庭菜園をする住民からは「ここ1、2年で被害が増えたように感じる」という。各自で防護ネットや電気柵などを設置し防止対策に力を入れているが、人間のすぐそばまで近づくこともあり、警戒心があまり無いという。
秦野市によると、市内で最も被害を及ぼしている獣はニホンジカで、嗜好的な片寄りが無く幅広い作物で被害が発生している。さらに体に付着したヤマビルを運び、住民の吸血被害も報告されている。
市担当者は「エサとなる農作物と水、隠れることができる場所の3条件がそろう所は住み着きやすい。丹沢山中から川に沿って降りてきたのではないか」と話している。
市は県や農協、猟友会などと連携し、食害の発生原因やプロセスの解明に取り組み、被害防除を推進している。2015年度計画作成の秦野市鳥獣被害防止計画によると、銃器や罠箱による捕獲に加え、狩猟免許取得への支援や罠設置講習会の開催、猟友会による現地指導などを行っている。
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