子ども用や買い物用の自転車、ロードバイクやマウンテンバイクなど様々な種類の自転車を乗る人の体型や用途に合わせて組み立てる―。秦野市本町、片町通りの片野自転車店の店主、片野宏美さん(58)。同店の創業は1925年(大正14年)。祖父の八郎さんの代から秦野市で自転車販売店を経営してきた。
100年前、まだ自家用車が普及する前の話。当時は移動手段として自転車が重宝されていた。そんな時代に宏美さんの祖父・八郎さんが市内の自転車店で”丁稚奉公”をした後、独立。市内の工場に、敷地内を社員が移動するための自転車を大量に納品することもあったという。
その後、宏美さんの父・公平さんの代では自動車やオートバイも販売。公平さんは秦野駅を利用する人向けの駐輪所も経営、競輪選手でもあった。
宏美さんが店を継いだのは大学卒業後。今では”自転車のメッカ”として有名なヤビツ峠へ、30年前から先駆けとして、店の利用者や友人と出かけたこともあるという。
「自転車が普及し始めた当時は今みたいに組み立てた状態じゃなくて、買う人が全ての部品の素材から選んでいくのが一般的だったよ」と、宏美さん。今でも同店では買い物用の自転車であっても、住んでいる場所や生活スタイル、体型に合わせて必ずカスタマイズしている。
8月9日、店先に届いた子ども用マウンテンバイクを宏美さんが箱から丁寧に取り出す。「カタログに好きな色がなかったから、お父さんと一緒にうちの店で色を塗ることになったんだよ」。持ち主の小学生が色を塗りやすいよう分解しながら、宏美さんは言う。「一時停止とかの交通ルールは自動車と一緒。乗る人にはマナーを守って安全に乗ってほしいな」
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