秦野市が2016年から進めていた市役所本庁舎の耐震補強工事が7月末で完了した。これに伴い、仮移転していた市民サービスに関わる担当課の事務室などの移動も8月4日に終了した。
市役所本庁舎は1969年10月に開庁し、今年で築49年となる。1997年・98年に補強工事を行ったが、耐震改修促進法の改正により2013年度に実施した耐震診断で、Is値(構造耐震指標)が国が定める安全基準Is値0・6を下回る結果に。特に2〜4階でIs値が低く、最低値で0・20を示しており、速やかな人命の安全確保のため建て替えではなく、耐震改修で本庁舎の長寿命化を図ることになった。資産経営課によると、耐震改修工事を行うことで、標準的な鉄筋コンクリート造の耐用年数である60年間の使用が「十分に可能である」という。
教育庁舎を建設移転先に活用
本庁舎の耐震改修工事に伴い、西庁舎の西側(大秦野高校テニスコート跡地)に2016年4月に教育庁舎を建設し、供用を開始。教育庁舎の空きスペース等を利用し、各課の事務室を順次移転しながら、本庁舎の耐震改修工事が行われることになった。工事は全体を3工区に分け、2016年10月から2018年7月までの工期で実施。工事期間中も継続して本庁舎を使用するため、特に騒音や振動などを伴う工事については、土日の閉庁日を中心に行ったという。
耐震改修工事は、建物外周部窓枠への鉄骨ブレースの設置を主に行われた。また、2階・3階については建物内部に各階2カ所ずつ、新たに鉄骨ブレースを設置し、補強を図っている。
このほか本庁舎のシンボル的存在として設置されていた塔屋3階の展望室も撤去された。当時は憩いの場と同時に火の見やぐらとして設けられたが、近隣の民家が見渡せることから、長年プライバシーに配慮し使用が控えられてきた。耐震診断では塔屋の耐震性が低いと判断されたが、耐震化に約3億円かかることから撤去を決定。2017年に撤去された。
構造耐震指標0・74を確保
本庁舎の耐震補強工事は7月31日で完了し、これにより耐震改修促進法の安全基準値を上回るIs値0・74を確保したという。市民サービスに関わる事務所の移転も8月4日で完了し、その他の細かな調整も8月下旬までに終了する見込み。耐震補強工事に関わる事業費は7億8187万2480円となった。
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