10月〜12月期の概況
2018年10〜12月の全業種総合の業況判断D.I.は11・2を示し、前回調査(7〜9月期)に比べ4・4ポイントの改善となった。堅調な受注を確保する製造業・建設業に加え、福祉・介護関連の利用者数の増加、個人消費の持ち直しなどの動きから、全業種の景況感は調査開始以来、最も高い値となっている。
一方、人手不足感は依然として根強く、生産・営業等の幅広い分野でみられるほか、最低賃金の改定で人件費増加を懸念する企業も増加している。
1月〜3月期の見通し
来期の業況判断予想は8・7ポイント悪化の2・5。売上額D.I.は▲3・0、収益D.I.は▲6・7の見込み。
製造業
業況判断D.I.は前回調査比8・3ポイント改善の37・3。売上額・収益D.I.についても、ともに改善している。
自動車部品や金属部品関連を中心とした受注状況の好調さに加え、一部企業では機械設備の導入に伴う稼働率の向上や原材料、人件費等のコスト上昇分の価格転嫁も見られ、景況感は過去最高となった。また、増産・販売力強化に向け工場の移転・拡張や、多様な受注案件に対応する先端設備の導入を検討する動きが見受けられる。
卸売業
低調が続いていた卸売業は1年ぶりに景況感が改善し、業況判断D.I.は前回調査比22・2ポイント改善の▲20・7となった。経営上の問題点として仕入先からの値上げ要請を挙げる企業が増加し、仕入価格D.I.は上昇するなか、建材卸や食料品卸を中心とした売上の回復、台風の影響による復旧需要も見られた。
来期の予想業況判断は再び低調の様相を見せ、10・4ポイント悪化の▲31・1となっている。
小売・飲食業
業況判断D.I.は前回調査比2・0ポイントの小幅悪化となり▲12・8となった。
季節・年末需要の取り込みに加え、地域活性化イベントに参加する企業もあり、飲食店や食料品小売業を中心に客足の回復が見られたものの、人手不足や最低賃金改定に伴う人件費の増加が足かせとなった。
経営上の問題点として約半数が売上の停滞・減少を挙げている一方で、販路拡大や情報発信などで販売強化に努める動きも見受けられる。
サービス業
景況感は3期連続の改善となり、業況判断D.I.は前回調査比2・5ポイント上昇の▲7・1となった。
高齢化の進展や競合他社との差別化を狙った自助努力により福祉・介護事業で利用者数の増加が見られ、売上額・収益ともにプラス域に転じた。
経営上の課題として機械・設備の更改を検討する動きがあるものの、今後の業況見通しが不透明なことから設備投資に慎重な様子も伺える。
来期の業況判断は悪化の見込みで、▲19・6となっている。
建設業
建設業は公共工事や大型の民間工事の受注により売上額・収益ともに改善しているものの、業況判断D.I.は前回調査比6・3ポイント悪化の19・1に。建設資材不足で材料価格の高止まりに加え、外注費や材料費の支払い先行に伴う資金繰りの悪化が足かせとなったようだ。
また一部では、東京五輪特需による資材不足を背景に、工期の遅れや遠方の工事受注による移動費用や燃料費の増加から、収益確保に苦慮する企業も見受けられる。
不動産業
景況感は調査開始以来最も高く、業況判断D.I.は20・0(前回調査比14・3ポイント改善)。消費増税の動向や増税に伴う負担軽減策の影響も注視される中、協力会社と共同した仕入規模の拡大や広告・宣伝等の販売強化で、秦野・伊勢原エリアでも物件の販売に動きが見られている。
しかし、来期の予想は一転して大幅に悪化すると見られており、予想業況判断は31・4ポイント悪化の▲11・4となっている。
【調査概要】
■調査時期/2018年12月上旬
■調査地域/秦野市、伊勢原市、平塚市、厚木市、開成町
■調査企業数/347社
■回答企業数/333社
D.I.値とは、ディフュージョン・インデックス(Diffusion Index)の略で、「良い」「やや良い」と回答した企業の割合から、「悪い」「やや悪い」と回答した企業の割合を引いた値。値が小さいほど業況判断は悪いということを表す。
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