秦野の新たな観光資源として『丹沢ジビエ』の可能性を模索しようと、秦野商工会議所の佐野友保会頭が主催する「ジビエ試食会」が8月30日、渋沢駅北口のスペイン食堂ビバラーチョで行われた。
丹沢には鹿や猪などの野生動物が多く生息しており、鳥獣被害なども問題となっている。佐野会頭はこの問題に着目し、新たな観光資源に生かせないかと「丹沢ジビエ」を提唱。ビバラーチョのオーナー・嶽石康昭さんも、地産地消の推進や他店との差別化などのためジビエを研究していたことから、今回、地元で味わってもらおうと、高橋昌和秦野市長や市川和雄秦野市観光協会会長らを招いて試食会を行うことになったという。
当日は同店のスーシェフがコースメニューを組み立て、地産地消を味わってもらおうと(株)Shune365(平沢)の野菜や秦野名産落花生なども食材に使用された。メインのジビエ肉は、まず味や食感を味わってもらうため、ピジョン(鳩)と子猪、夏鹿、丹沢鹿を炭火焼きで提供。クセがない味や肉質の違いなどを体験し、参加者らは「肉自体が美味しい」「ジビエの印象が変わった」などと話した。
高橋市長は「ジビエの可能性を感じた。鳥獣被害対策としても研究に値すると思う」と話す。鳥獣被害対策としても注目されるジビエだが、食肉として流通させるには鳥獣の捕獲から2時間以内に処理加工施設等への搬入が必要で、施設の建設はどうするかという問題もある。またブランド化するには、安定供給と安定消費が必要だ。
嶽石オーナーは「山のまち・秦野のジビエ肉を提供できるよう、皆さんにも体験していただきたい」と話し、今後同店でのジビエフェアも企画しているという。佐野会頭は「試食をした皆さんの反応を見て手ごたえを感じた。商業者として需要を伸ばしていくことが役目。ジビエ料理を普及していきたい」と話した。
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