7月〜9月期の概況
2019年7〜9月期の全業種総合の業況判断D.I.は▲(マイナス)4・5を示し、前回調査(4〜6月期)に比べ5・4ポイント悪化。景況感は3期連続で下降しており、18年4〜6月期以来のマイナス域に転じた。
要因としては、建設業を中心に人手不足による受注抑制や、消費増税に伴う個人消費低迷への懸念などが足かせになったとみられる。また、消費増税に伴い小売・飲食業を中心に売上減少を見込んでいるほか、軽減税率制度導入に向けた対応も課題となっている。
10月〜12月期の見通し
来期予想は1・5ポイント改善の▲3・0。売上額D.I.と収益D.I.も改善の見込み。
製造業
業況判断D.I.は前回調査比から大きく落ち込み16・5ポイント悪化の▲7・6となった。海外情勢の不透明感に伴う影響や、夏期休暇等による稼働日数の減少、人件費負担の増加などから、景況感は3年ぶりにマイナス域に転じている。
企業の一部は人手不足の中、パート従業員の雇用促進に向けた職場環境の改善に着手しているほか、各種認定や表彰制度などで企業の認知度や従業員のモチベーション向上に努める動きもある。来期は小幅悪化の予想。
卸売業
依然としてマイナス域ではあるものの、業況判断D.I.は18・0ポイント改善し▲3・4となった。建材卸を中心とした受注の増加に加え、商品やサービスラインの拡張に伴う売上増加が売上額、収益に影響し、大きく改善したとみられる。
経営上の問題としては、小口注文・多頻度配送の増加を挙げる企業が増加しており、配送の効率化が課題となっている。
来期予想は10・4ポイント悪化の▲13・8。
小売・飲食業
小売・飲食業の業況判断D.I.は前回調査比2・3ポイント改善の▲18・4となった。一部では消費増税前の駆け込み需要がみられ景況感は僅かに改善したものの、増税後の個人消費低迷の懸念や仕入先からの値上げ要請等を背景に、依然としてマイナス域が続いている。また、軽減税率制度導入の対応策として、補助金を活用したレジ改修を行う動きや、品揃え・メニュー改善を行う動きもみられる。
来期予想は1・7ポイント改善の▲16・7。
サービス業
業況判断D.I.は大きく落ち込み、前回調査比14・1ポイント悪化の▲16・0となった。介護事業や運送業を中心に、人件費の増加による資金繰りの問題から景況感は悪化に至っている。また、運送業では人手不足に伴う受注機会の損失や燃料費負担増加がみられた。
一部の介護事業所では、入所利用率の維持に向け、ケアマネージャーに対する施設の周知に注力する企業が見受けられる。
来期の業況判断は大きく改善する見込みで、18・0ポイントUPの2・0となっている。
建設業
建設業の業況判断D.I.は横ばいの11・3となった。一部企業では、労務費や資材価格上昇分の価格転嫁により請負価格が改善し、収益が上がっている。しかし、人手不足感は過去最も強まり、受注抑制の要因となっているようだ。
また、建材資材不足や天候不順で工期が延長している企業がある中、効率化を図るため業務管理システムの導入を検討する動きもみられる。
来期予想は3・4ポイント改善の14・7となっている。
不動産業
不動産業は、建設事業者の工期遅れにより、仕入物件の商品化に時間を要している企業が見られ、景況感を示す業況判断D.I.は前回調査比5・0ポイント悪化の13・9となった。
企業の中には仕入価格上昇分の価格転嫁に苦慮する様子も見られるほか、一部の建売事業者では、施工単価の上昇から建設事業者の見直しを行う企業もあるようだ。
来期の予想業況判断は8・3ポイント悪化の5・6としている。
【調査概要】
■調査時期/2019年9月上旬
■調査地域/秦野市、伊勢原市、平塚市、厚木市、開成町
■調査企業数/345社
■回答企業数/330社
D.I.値とは、ディフュージョン・インデックス(Diffusion Index)の略で、「良い」「やや良い」と回答した企業の割合から、「悪い」「やや悪い」と回答した企業の割合を引いた値。値が小さいほど業況判断は悪いということを表す。
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