秦野市立上小学校(中村克己校長)が4月から市内唯一の「小規模特認校」として新たにスタートする。市内在住者であればどこからでも通える制度で、初年度の2020年度は6人が利用することになった。
上小学校の小規模特認校化への取り組みは、地元からの要望がきっかけ。人口減少が進む上地区では同小の児童数も年々減少しており、秦野市は地域の防災・コミュニティ拠点となる小学校の活性に向けて対策の検討を開始した。近隣市町での先進事例も研究し、同校の特色を生かして学区にかかわらず市内全域から通学することができる「小規模特認校」としての位置づけが可能であると判断したという。
その後、同校PTAをはじめ、上地区住みよいまちづくり推進委員会等の地元団体なども交えて、制度導入に関する経緯や今後のスケジュールなどを説明。昨年11月には各学年15人を上限とし、募集を開始した。
市外からの転入者は3人
募集の結果、制度を利用した通学希望児童は6人。うち3人が市内、3人(2世帯)が市外からの転入予定者だった。
市教育委員会学校教育課では12月に面接を行い、同校の特徴のほか、保護者が毎日送迎をしなければならないといったデメリットなども再度説明。意思を確認し、6人全員の就学を決定した。
これによって2020年度同校児童数は合計57人(3月23日時点)となり、うち特認校生は1年で2人、3年で3人、4年で1人となった。通学を希望した世帯の保護者からは「良い意味でのんびりしており、子どもの個性を発揮できるのではないか」「校庭で遊ぶ時でも、一人あたりの面積が広いのでのびのびと運動できそう」といった声が出たという。
先進的な授業独自に推進
上小学校は2016・17年度に秦野市の研究委託を受けICT教育モデル校となっており、その後も独自に授業を実施。タブレット端末を駆使した授業やプログラミングなど、先進的な授業を行っている。このほか、周辺環境を生かした教育やすもう大会、遠泳など、特色のある教育を進めている。
「違う価値観を持った特認校生や保護者が入ることによって、地域のさらなる発展につながるのでは」と同課は期待を寄せる。また、児童の就学にあたり、保護者には同校PTA活動への協力も求めており、「子どもたちと一緒に学校を盛り上げてもらいたい」と話した。同課では今後、特認校生や保護者へのヒアリングなども行っていく予定。
秦野版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>