秦野市は新型コロナウイルス感染症対策として、風水害時の避難所を増設することを決めた。これまでは各地区の公民館11施設だけだったが、10施設を新たに開放し、避難者のソーシャルディスタンスを保つ。
市では緊急事態宣言や新型コロナウイルス感染症感染拡大の長期化から梅雨時期に入る前の5月中には新たな避難所の整備に動き始めた。
秦野市の避難所の利用者は昨年の台風19号の際に急増。計646人が避難し、風水害時の避難場所となっている公民館に加えて広域避難場所も開放した。今年も大型台風が上陸すると予想されており、昨年と同程度の避難者数が見込まれる。さらに今年は新型コロナウイルス感染症の感染防止のためには一世帯あたり3m×3mの9平方メートルのスペースが必要とされるため、十分なスペースを確保できるよう避難所を増やすことに。これまでの各公民館11施設に加え、本町中学校と県立秦野曽屋高校、総合体育館、保健福祉センター、東小学校、北小学校、大根小学校、鶴巻中学校、西小学校、渋沢小学校の10施設が開放される。なお、保健福祉センターについては体調のすぐれない人専用となる。
各避難所では受付時に全ての人を対象に検温と健康状態を確認。受付で記入が必要な受付用紙は市ホームページに掲載されているので、事前に準備しておくことでスムーズに受付を済ませることができる。発熱など体調の悪くなった人には避難所ごとに発熱者用の部屋を用意。移動の際の導線も分け、感染防止に努めるという。
また、「新型コロナに感染するのが怖い」「ペットも連れていきたい」という人のため、これまでは対応できなかった車中泊についても、災害時応援協定を締結した業者の立体駐車場を借りる計画で進めている。
感染対策など各自危機管理を
避難所への持ち物としてこれまでは常備薬や食べ物、飲み物、ブランケット等を求めていたが、感染症対策の物資が十分に備蓄できていないためマスクや消毒液、体温計も持ってくることを勧めている。また、秦野市の過去の避難者数の半数近くは災害危険エリアではない場所に住んでいる人だという。「避難所に来れば自宅にいるよりは感染リスクが上がってしまいますし、避難所に来ることが必ずしも最良ではありません。防災マップを見て自宅がどれくらい危険があるのかを確認していただき、危険度が高くない状況であれば自宅で身を守ることをおすすめします。風雨で一人でいるのが怖い時には親戚の安全な家に行くなどの選択もぜひ考えていただければ」と防災課は話している。
熱中症対策なども課題に
体育館など空調設備のない場所もあり熱中症対策も必要だ。避難者それぞれがスポーツ飲料や麦茶など熱中症を予防できるものを持ってくるよう呼び掛けている。また現状、体調不良者には各避難所ごとに専用スペースを設けているが受け入れ可能者数は十分ではない。せっかく足を運んでも他の施設への移動を促される場合もあり、その際の搬送手段もないという。そのため、体調に不安のある人は事前に市防災課に連絡し、避難について指示を仰ぐよう勧めている。
今年も九州等で豪雨が大きな被害をもたらし、9月頃には大型台風の上陸も警戒されている。「今のうちから避難所の確認やハザードマップの確認、避難用物資の準備を進めておくのが大切です」と防災課は話す。
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