秦野市と中井町にまたがる震生湖(今泉1814)で口にルアーが刺さった野鳥が相次いで発見されている。ブラックバスフィッシングが盛んで市内外から多くの愛好家が訪れる震生湖。これらの野鳥は釣り人が残していったルアーを捕食しようとしたものと推測されている。
震生湖は1923年9月1日の関東大地震によってできた堰止湖。フナやコイ、オオクチバスなどの魚が生息しているほか、カワセミ、コゲラなど多くの野鳥の姿を見ることができる。
豊かな自然に恵まれ、春には桜、秋には紅葉が楽しめるなど観光スポットとして人気。例年ハイキングや釣りをしに年間約5万人が訪れている。
獲物と間違え食べる
2月1日、震生湖で口にルアーの針が引っかかっているキンクロハジロが発見された。発見したのは、はだの野鳥の会の会員。昨年にはホシハジロの口にもルアーが引っかかっているのが確認されているという。同会会長の八木茂さんは「潜水性のカモは潜って小魚などを捕るため、湖に沈んでいたルアーを魚と間違えて食べてしまったと考えられます。捕獲しないと外してやれないので難しい」と話す。
市の管理は「湖」以外
震生湖は散策道や駐車場などは秦野市の観光振興課が管理をしているが、湖は私有地。湖以外の箇所については定期的に清掃しているという。
昨年11月の市環境共生課らで行われた湖の生物調査では、魚を捕る網にルアーの針が2個引っかかり、外す作業も大変だったという。環境共生課は「半日で限られた範囲での調査。その中で2個もルアーの針が引っかかったというのは沈んでいるルアーが相当数あるのでは」と話す。
市では「ゴミの持ち帰りや糸や針などの回収に努めるなど、余裕をもって釣りを楽しんでほしい」といい、これまでにも釣り客のマナー向上として看板を立てたりと工夫をしているが、今後も啓発をしていくという。
国登録記念物に
震生湖は昨年11月20日に国登録記念物(動物、植物及び地質鉱物関係)に登録するよう文部科学大臣に答申を行い、今後正式に認められる見込み。そのためにも震生湖や周辺の環境を保全していくことが不可欠。震生湖周辺を守る活動をしている南地区自治会連合会の「南地区まちづくり委員会」は「回収ができないルアーもあり解決は難しいが、そうしたことがあると認識し、皆で注意を促し守っていきたい」と話した。
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