秦野市が埼玉県教育委員会と協定を結び、「学びの基盤プロジェクト」をスタートさせる。自尊心・自己有用感・協調性・自制心など非認知能力育成に着目した埼玉県の手法を軸に、全国の好事例を組み込んだ「秦野スタイル」の確立を目指す。初年度となる今回は北・南が丘・広畑・東小、東中の5校がモデル校となり、取り組みを推進していく。
学力学習状況調査を通じて授業改善・学力向上を図ることを目的にした同プロジェクト。秦野市は埼玉県が先進的に進めている「埼玉県学力学習状況調査」を視察し、その調査資材の利用に関する協定を結んだ。
これにより秦野市は京都府や福島県、小田原市など全国13の府県・市町が参加する学力学習状況調査の枠組みに参加。5月中旬に、手を挙げたモデル校5校の小学4年生と中学1年生を対象にした国語・算数(数学)のテストと質問紙調査の実施を予定している。
埼玉県が委託する民間事業者による個人・学級・学校単位の調査結果が8月に返却され、これを踏まえたうえで授業改善や学力向上を図り、「教える」から児童・生徒が自ら「学ぶ」授業への転換を図っていく。
「学びのカルテ」
秦野市はこれまでに秋田県や水戸市など教育先進事例の視察を行い、教育委員会から指導主事を派遣し機能的に授業力を向上させる「水戸スタイル」を導入。さらに10年間にわたり継続して行っているという秋田県の取り組みにも着目した。
「秦野スタイル」では埼玉県・秋田県・水戸市のやり方を掛け合わせ、個々の学習状況を経年変化で追っていく方式をとる。「学びのカルテ」としてデータを蓄積し、児童生徒の成長や授業改善の成果(教員の授業力向上)を可視化していく。
「これまではPDCA(計画・実行・評価・改善)の中のA(改善)が弱い傾向にあると感じていた」と市教育委員会は話す。学びのカルテで課題を明確にし、ICT活用などで教員の負担を軽減することで子ども達へのフォローを強化し、学習意欲を高めていく。
現在、東小と東中は市内で唯一小中が一貫したモデル校となっており、市教育委員会は今後の成果に期待を寄せている。今後は情報共有することで全市的な取り組み拡充を目指すほか、国が推進するCBT(コンピュータを使用したテスト)導入にもつなげていく。
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