はだの都市農業支援センターと市内生産者15人が今年5月から試験栽培を行っていた青パパイヤの収穫が始まり、10月2日、農産物直売所「はだのじばさんず」で初の販売が行われた。鳥獣被害対策作物としても期待されており、特産化をめざし取り組んでいる。
秦野市内では耕作放棄地の増加や里山での活動減少に伴い、鳥やシカ、イノシシ等による農作物の被害が年々増加している。生産者の鳥獣被害による収入減少に歯止めをかけるため、JAはだの・秦野市・秦野市農業委員会からなる「はだの都市農業支援センター」は、これまでルバーブやニンニク、葉ニンニクなど被害が少ない作物の生産支援を進めてきた。
こうした状況の中、生産者から「新しい作物に取り組みたい」という相談が。そこで同センターに所属するJAはだの職員の安居院賢治さんと秦野市職員の桐山篤さんがタッグを組み、新たな対策作物として青パパイヤの生産に乗り出した。
鳥獣被害が少ない作物
青パパイヤは作物特有の酵素をはじめ、18種のアミノ酸やビタミンC、食物繊維など豊富な栄養素を含む野菜。脂肪や糖質を分解し、ダイエット効果を高めるほか、抗酸化作用、整腸作用などを促進するという。
実は無味無臭で、完熟前に収穫するため鳥獣被害がほとんどなく、また成長も早く病気にも強いため手間もかからずに生産できるのが特徴。酵素に肉を柔らかくする作用があるため、現在秦野市がブランド化をめざす「ジビエ」との相性も良く、「うまくいけば、特産化も可能では。まずは市内で実際に育てられるのか、試験的に取り組むことになりました」と安居院さんは話す。
生産者を募ったところ、手を挙げたのは安居院さん、桐山さんを含め15人。県農業技術センターから基本的な栽培方法を学び、今年5月に苗を植えた。夏に長雨が続き一部実の成長が遅れたが、9月から収穫を開始。秦野市では霜が降りる11月中旬頃まで収穫が可能だという。
「順調に実を収穫できた」
初売りとなった10月2日、じばさんずに納品したのは5人。売り場には『スーパーフード青パパイヤ 秦野名水の里で育んだ農産物』というラベルが貼られた青パパイヤが、約80個並んだ。
鶴巻地区で栽培する沼田良雄さんは4Lサイズを持ち込み「消毒もする必要がなかった。ハクビシンもきたけど素通りしているみたいで鳥獣被害もなかった」と話す。「成長が早かった」と話す足立勲さんは震生湖の近くで栽培しており、カラスが多い地域だが被害もなく収穫できたという。「新たな特産品となれば、秦野の農業も活気づく。ぜひ市民の皆さんも消費者として一緒に参加してほしい」と安居院さん。桐山さんは「JAと市が一からタッグを組み新たな作物の生産支援に取り組むのは初めて。収穫や販売状況などを検証し、来年につなげていきたい」と話していた。
じばさんずでの初日の販売数は80個で、ほぼ完売に。土日合わせると約160個を売り上げ、好調だという。売り場では、初めての人も手に取りやすいように効能やレシピが書かれたチラシも配布されている。
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