第11回INTERNATIONAL PIANO COMPETITION J.S.BACH(バッハ国際ピアノコンクール)で、樋口舞さん(32・秦野市南矢名在住)が3位を受賞した。
世界各国の「バッハ好き」のピアニストが3年に1度集い、バッハのみを弾くコンクール。30年以上の歴史があり上位入賞者には賞金も与えられる。コロナ禍で今回は動画審査となったが通常はドイツのヴュルツブルクで開催され、まちは盛り上がりを見せるという。
昔からバッハが好きだという樋口さんはドイツ留学時代に同コンクールに参加している。この時は緊張で実力が出せず、2次で落選という結果に終わった。
学生で練習時間がふんだんにあった当時と違い、昨年4月に自宅で立ち上げたピアノ教室の仕事をしながらの結果だけに、喜びもひとしお。一方で、「かなり自分の好きなように弾いたので、まさか入賞できるとは」と驚いた様子も見せた。
母がピアノ講師で物心ついた頃からピアノは生活の一部。3歳から教室に通った。結果が出ず伸び悩んだ時期もあったが、負けず嫌いな性格と一番得意なピアノを進路にという思いで桐朋学園大学音楽学部へ。入学後は様々なコンクール入賞や卒業演奏会抜擢など実力を伸ばし、ドイツの大学院に留学。帰国後も大学や新宿の教室でピアノに携わる仕事を続けた。
コンクール用動画は編集不可の一発撮り。いかにノーミスで自分の納得いく表現を乗せられるかに苦心した。観客もない中で、何度も弾き直す自分との闘い。一時は出場をやめようとも思ったが、「今回は演奏がウェブ上に残りみんなに聴いてもらえるので、出て良かった」と笑顔で語る。
誰もが知るが、難解で敬遠されることも多いというバッハ。樋口さんは「構築美と疾走感、禁欲的で敬虔な音楽表現の楽譜は絶妙なバランスで成り立つ美しい図形のよう」と表現する。演奏はバロックの形式を踏まえつつ、バッハが好きという自信に溢れた演奏と、絶妙なバランスで振り切った表現が評価されたのではないかという。動画は公式HP(https://www.bach-competition.de/)で見ることができる。
「今後は演奏を通し敷居が高いと思われがちなバッハの魅力を伝えたい」という樋口さんは、7月2日のクアーズテック秦野カルチャーホールでのティータイムコンサートに出演を予定。
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