県動物愛護センター(平塚市土屋401)の殺処分が、2021年度もゼロになった。犬は13年度以降9年連続、猫は14年度以降8年連続で殺処分ゼロになった一方で、猫は社会問題になっている多頭飼育崩壊で保護数が一時約250匹まで膨んだ。ホームページの充実や譲渡会等のオンライン化など工夫を凝らし、現在では150匹ほどに数を減らしている。
昨年度、同センターが「飼えなくなった猫」として保護した数は416匹。このうち11件346匹が多頭飼育崩壊で、一昨年度の6件181匹の倍近い数となった。
管轄区域で起きた多頭飼育崩壊のほとんどは、飼い主の高齢化による病気等だったという。「報道などで世間の多頭飼育崩壊への認知が進み、こういった事例が表面に出やすくなったのでは」と担当者は推測する。これに伴い保護猫収容可能数約90匹に対し、最大約250匹に増加。施設には殺処分機能がなく、限界を超えると苦しまぬよう一匹ずつ注射で殺処分しなければならない。これを避けるため譲渡会で使う部屋や犬用の部屋を臨時で開放し、他部署の職員もケアに当たるなど一丸となって対応した。
オンライン化追い風に
譲渡が進んだ要因としてHPリニューアルや、譲渡前講習会・譲渡会のオンライン化が背景にある。動物の詳細情報をHPやSNSで発信し、動画配信にも力を入れたほか、マッチング機能追加やオンライン化で入口のハードルが下がり、参加者増加に繋がった。
危機的状況は脱したが同様の事態や災害時に備え、同センターでは旧本館跡地に臨時の収容施設を設置。今後も譲渡会の不定期開催や、避妊・去勢手術の必要性等適正飼育の啓発を継続し、殺処分ゼロの維持を目指す。
「センターはあくまで最後の砦。命に最後まで責任をもち、飼えなくなった時は自分で引き取り手を探すなど最大限努力して欲しい」と訴える。また、犬猫はゼロだが亀の殺処分は行われており、「譲渡先を切実に探しています」と話す。
動物愛護センター(旧動物保護センター)は犬猫の殺処分ゼロ継続による機運の高まりから、2019年に動物を処分するための施設から生かすための施設に建て替え、ガス処分設備や焼却設備を撤去した。現在は1階が保護動物のケアの場、2階が出会いの場となり、譲渡やグルーミングを行う登録ボランティア(31団体・46個人)と協同で活動している。
秦野版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>