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秦野市社会福祉協議会 夏のふくし体験学習 Pick Up ”ふくし”体験で、考えるきっかけに
社会福祉法人秦野市社会福祉協議会(以下、社協)が、毎年夏休み期間を利用し、小学生と保護者、中学生・高校生を対象に「福祉体験学習」を実施している。小学生から父母、祖父母世代まで幅広い世代に向けて、「ふくしってなんだろう?」と体験を通して考えてもらうきっかけづくりとして、ボランティア活動に関心を抱いてもらう機会として行っている。今年開催された体験学習を取材した。
体験学習は、7月から8月にかけて行われた。小学生と保護者を対象に行われたのは、手話、点字、障害がある方が働く福祉施設でのパン作りのボランティア体験3つ。また、障害の有無にかかわらず楽しめるパラスポーツ体験として、車イスバスケ、ボッチャ体験が行われた。
中学生対象には、高齢者施設・障害者施設でのボランティア活動体験を実施。高校生に対しては、市内保育園での「保育ボランティア」が行われ、進路を考える参考にもなったようだ。
手話体験想像力働かせる大切さ
7月27日・8月3日の2日間、「手話」の体験学習が秦野市保健福祉センターで行われた。
ボランティアグループ「秦野手話サークル秦の会」を講師に行われた同講座では、初めに自分の名前を表す手話や簡単な挨拶を学んだ。
その後、ろう者(聴覚障害者)からこれまでの体験談や「暮らしの中で一番困ること」を聞いた参加者ら。「災害時や避難所などで自分だけがまわりの情報がわからない」という話題では、子どもたちを中心に「そんなときにどうしたら、ろう者とのコミュニケーションが取れるか」を考えた。子どもたちからは「紙に書いて知らせる」「肩をたたいて指差して身振りで伝える」「手をつないで(必要な場所まで)連れていく」などの案が出て、相手の立場になって、想像力を働かせて動く大切さを学んでいた。
点字体験身近なもう一つの文字
「点字」体験は7月31日に行われた。日頃から視覚障害者のため情報を点訳しているボランティアグループ「秦野市点訳赤十字奉仕団」から点訳の仕組みなど基礎を学んだあと、参加者は点字を実際に打ち、文章を作ったり、点字を触って読む体験を行った。
また、ジャムの瓶や缶ビール、シャンプーのボトル、ふりかけなどにも点字がついていることを知り、身近な場所に”もう一つの文字”があるこを知った子どもたち。しかし、商品の銘柄や詳しい情報までは点字で表されていないことにも気づき「どうやって買い物をするんだろう」「困らないかな」などという疑問の声も上がった。講座では親子で真剣に学んでいる様子が見られ、参加した保護者の一人は「子どもに点字という情報伝達のツールがあることを知ってほしかった」と話した。
中学生の福祉施設体験「楽しむ心は自分と同じ」
南が丘中学校の生徒6人が8月4日、社会福祉法人常成福祉会「花鳥デイサービスセンター」を訪問した。
生徒らは利用者と一緒に製作活動をしたり、自分の好きなアニメや学校での部活動の話、好きな食べ物の話で盛り上がった。また、体が不自由になったきっかけを聞くなど、利用者とコミュニケーションをとった生徒ら。「思っている以上に生活をするのは大変そう。でもやりたいことや楽しむ気持ちは自分たちと全く変わらないと気づいた」と感想を述べた。
パン作り体験学びながら一緒に作業
今年初めての試みとして「にこにこパン工房」(運営/社会福祉法人成和会)で8月5日に行われたパン作り体験。4家族が参加して、菓子パンの元となる生地の成型やオリジナルピザ作りなどを行った。
障害がある方の作業訓練や就労支援の場である同店。当日、子どもたちはスタッフから50gに生地を切り分け、丸めて成型するやり方を教わった。「お店の人は簡単にやっているように見えるのに、実際にやると難しい」と感想を話した。
「ここにいる方は言葉に傷つき、それがきっかけで病気を発症してしまった人が多い。言葉はとても大切だということを知ってほしい」と屋嘉比康次店長。普段、障害のある方と交流がない保護者からは「とても丁寧に教えていただき、貴重な話も聞けて良かった」と語った。また小学6年生の女子は「障害があると聞いたけど、私と全然変わらないと思った」と話した。最後に屋嘉比店長は「障害があるからと壁を作らず接してくれたらうれしい。またパンを買いにきてね」と呼びかけていた。
工夫次第で、誰とでもコミュニケーションを
「体験学習を通し、身体や脳(精神)に障害があっても同じように感じ、自分が考えているより自然に接することができることを知ってもらえたら」と社協。「少しの工夫でどんな人とでもコミュニケーションが図れるんです」と話す。そのことを知るきっかけとして、今後も事業を継続していくという。
社協では、福祉活動をしたい人と施設等をつなぐ支援を行っている。問い合わせは【電話】0463・84・7711へ。
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