震生湖誕生100周年記念式典が9月2日、クアーズテック秦野カルチャーホール小ホールで開催された。当日は高橋昌和市長や県議会議員、市議会議員らが参列し式典を実施。その後、震生湖に関する講演と、地元小学生による学習発表が行われた。
震生湖誕生100周年記念事業の一環として行われた式典。関東大震災の規模の大きさを今日に伝える地質遺産であり震災遺構でもある震生湖を、「さらに100年後にも震災の記憶と教訓を伝えるとともに、自然豊かで皆に愛される震生湖を後世に引き継ごう」と実施された。
式典には高橋市長をはじめ、牧島かれん衆議院議員、井上義行参議院議員、神倉寛明県議会議員、谷和雄県議会議員、小菅基司秦野市議会議長、戸村裕司中井町長ら来賓も出席。
30秒間の黙とうのあと、高橋市長は「秦野と中井にまたがる震生湖は、湖面の風景や季節の移ろい、自然の素晴らしさを感じられる観光資源であると同時に、身近な地形が地震で変わってしまうという自然の脅威を残した地質遺産でもある。人は自然の力に逆らえないということを理解し、過去に学び防災・減災に備え、次世代につなげていく必要がある」とあいさつ。来賓のあいさつと紹介後には講師として招かれた文化庁文化財調査官の柴田伊廣氏が講演し、「震生湖の魅力と災害遺構のこれから」について話した。
小学生の発表も
最後は南小学校3年3組の児童12人が登壇し、震生湖学習の成果を発表した。
児童らはまず、秦野駅南口から震生湖までのルート上にある太岳院、南小学校の桜、白笹稲荷神社などの見所を写真で紹介。震生湖に生息する虫や水生生物、植物などの調査結果も発表し、トンボが速すぎて捕まらなかったこと、小さいバッタを捕まえたが小さすぎて逃げられてしまったことなどのエピソードを語り、会場の笑いを誘った。
発表の最後に、震生湖そばの峰坂にある供養塔も調べ、「震生湖の良いところも悪いところも知って欲しい」と締めくくった。担当教諭によると、同クラスは2学期には紅葉の震生湖について学習するという。
21年に国登録記念物に
震生湖は、大正12(1923)年9月1日に発生した関東大震災によってできた堰止湖(せきとめこ)。震災直後の1924年に地元有志によってこの名が付けられ、東京帝国大学(現東京大学)の寺田寅彦など専門家が調査に訪れている。
100年経った今でも「湖面」「崩落地」「堰止地」が現存するのが稀有として、2021年3月に国登録記念物(動植物地質鉱物関係)に認定されている。
秦野版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>