本紙では年頭にあたり、秦野市の経済の舵取りを行う秦野商工会議所の佐野友保会頭に新春インタビューを行った。(聞き手/本紙・渡部賢)
─昨年2023年を振り返った感想はいかがでしょうか。
「まずは、コロナの収束がより鮮明になったということ。経済界にとってもそうですし、一般市民の皆さんにも日常生活が戻ってきたのかなと思います。
コロナは終わったが、生活を元に戻すのは相当時間が掛かる。そんな時期にロシアのウクライナへの侵攻、イスラエルとハマスの戦闘なども我々の生活に影響している。特に日本は食料自給率38%で多くを輸入に頼っており、このようなことが結果的に、物価上昇につながっている。戦争は子どもたちや老若男女を不幸にしてしまう。心が痛むそんな一年でした」
─2024年の秦野市の経済の展望はいかがでしょうか?
「2027年度中に全線開通予定の新東名。我々がどう活用していけるのか『入口を出口にするか』『出口を入口にするか』、その違いがとても大きいと思います。
表丹沢の魅力づくりについての仕込みは、まだ十分ではない。秦野は山紫水明の地。自然豊かで、盆地の中に日常品を買える店舗が充実し、コンパクトにまとまっていて便利。人口減少も止まってきていて、新しい住民が増えてきていると感じています。昨年11月には産科医院が開院し、『秦野に住んでもいいかな』と若い世代に思ってもらえ、東京のリタイア世代が地方へと考えた時には、終の棲家として考えてもらえるようにできると思います。そのためにも秦野をもっとPRする必要があります。
そのための一つが『食』です。『来て良かった、住んで良かった』と思われるために、年間50万から70万人といわれる自然を求めて秦野を訪れる観光客に、秦野の良さを知ってもらう仕掛けをつくるべきです。特に力を入れているのがジビエの活用。ジビエ料理を扱ういろいろなバリエーションのレストランができるといいですね。
もう一つ欠けているのは文化。自然と文化がコラボすればもっと良い街になります。そこに経済が一緒に回っていくようになれば。例えば、誕生から100年となった震生湖がもっと市民に親しまれるように、震生湖の周りが”彫刻の森”になったり、またビエンナーレなどを行うことで、街全体を”彫刻の街”にすることができると思います。しかし、どんな事業にもお金が必要ですし、市の助成だけでは難しい。我々経済界がお手伝いできるように、法人が所得税の中から『みらい基金』として拠出する仕組みを考えています。そして、表丹沢の魅力づくりに”彫刻の街”を標榜していくのはどうだろうかと思っています。新年はぜひ具体的に進めていきたい」
─改めて市民へのメッセージをお願いします。
「市民の皆さんが秦野に住んで良かったと思えるためには、まちに無関心になってはだめ。この街をより良くするために、元々秦野に住んでいる人と新住民が力を合わせ、次の秦野の将来を担っていきましょう」
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