秦野市消防本部(谷和之消防長)と西湘秦野保育園(社会福祉法人西湘福祉会・相原佳江園長)は7月19日、映像通報システム(Live119)を導入した消防訓練を実施した。市内にある保育所施設で同システムを活用した訓練は、今回が初となる。
Live 119は、スマートフォンからの119番通報者に動画の送信を依頼し、消防隊や救急隊到着前に現場の映像を消防指令センターで受信し、確認することができるシステム。秦野市では5月7日から運用が開始されており、火災や救急など32件の現場で活用されている(7月19日時点)。
「慌てず答える」を意識
同園は毎月1回、火災や水害、地震などを想定した避難訓練を実施している。今回は保育士の対応力及び消防機関との連携強化を図ることを目的に、Live119を導入した消防訓練を行った。
当日の訓練では、遊具を片付けに来た3人の5歳児園児と保育士が、保育室から噴出している煙を発見したと想定。「火事だ!」という大声を皮切りに、119番通報や園児の避難誘導、初期消火を実施した。通報を行った熊澤多香(たか)主任は、消防からスマートフォンに送信されたSMS(ショートメッセージ)の案内に従い、システムを起動。カメラで現場の様子を映すとともに、通信指令員と連絡を取り合った。熊澤主任は「実際に動作を行うと緊張しましたが、消防の人が聞きたいことを慌てずに答えることを意識しました。色々な人が訓練を行う必要があると思います」と話した。市消防本部の担当者は「現場の状況を視覚で把握することで、効率的に適切な指示ができ、被害を最小限に抑えることにつながる。今後は他の保育所施設でも同様の訓練を行い、火災予防等の推進を図ります」と語る。
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