秦野市と伊勢原市は、消防行政の効率化と市民サービスの向上を目指し連携を強化している。その柱となるのが、2025年4月に運用を開始する秦野市・伊勢原市共同消防指令センターだ。
これまで秦野市と伊勢原市はそれぞれが指令センターで業務を行い、応援要請が必要な時に電話で対応していた。高齢化による救急需要の拡大や、頻発する災害対応など迅速かつ広域的な対応が求められている状況を受け、両市は20年8月11日に消防指令センターの共同運用に関する協定を締結。これに基づき、秦野市消防本部に共同指令センターの建設が始まり、今年2月に建設工事が完了した。来春4月から、本格的な運用が始まる。
消防指令センター始動後は、両市からの119番通報をセンターで一括受信。市境に面した地域などは、互いの消防本部に直接出動指令を出すことが可能になる。広域的な災害発生時にも、両市の消防資源を効果的に活用することで、より多くの市民の安全を確保できる体制の構築が期待できる。
本格運用に先立ち新システム導入
秦野市消防本部と伊勢原市消防本部は、消防指令センターの本格運用に先立ち24年5月から新しい映像通報システム「Live119」を導入した。Live119は、119番通報時に通報者がスマートフォンなどで撮影した現場の映像をリアルタイムで消防指令センターに送信できるシステム。消防隊員は送られてきた映像を通して火災や事故の状況をより正確に把握することができる。これにより、必要な人員や資機材を迅速に判断し、現場に派遣することが可能となる。また、通報者がパニックに陥っている場合でも、映像を通して状況を把握することで、より的確な指示やアドバイスを与えることができる。
秦野市・伊勢原市の消防指令センターの統合とLive119の導入など、消防体制の強化と効率的な運用が進められる。
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