秦野市消防では若手消防職員、女性消防職員が数多く活躍している。消防署西分署の救急隊員・矢島さん(28)もその一人だ。
子どもの頃から看護師である母の影響を受け、医療職に就きたいと考えていたという矢島さん。大学で救急救命士の資格を取得し、これまで学んできたことを生かせること、また最前線で傷病者と接したいという思いもあり、消防を希望した。「消防というと男性が多いイメージですが、だからこそ女性の需要があるのではと思いました」。県内の消防の説明会にいくつか足を運ぶ中で、ピンと来たのが秦野市消防。「あったかい空気感があった。長く働くならこういう職場がいいと感じました」と振り返る。
2018年に入庁。本署で消防隊・救急隊を経験し、3年前に西分署の救急隊へ。「入る前はやっぱりゴリゴリの体育会系のイメージがあったけど、先輩方は優しく、いい意味でギャップがありました」とニコリ。「今の職場は、男性隊員も女性隊員も、互いにないものを補い合える環境だと思います」
仕事のやりがいは、やはり命を救えること。「女性傷病者に『女性の救急隊員さんが一緒に乗ってくれて良かった』と言われるのも、この仕事に就いて良かったと感じる瞬間」と話す。「まだ経験はありませんが、いつか妊婦を運ぶことがあるかもしれない。救急で唯一『おめでとう』と言える現場なので、力を入れて勉強をしています。今後も経験を重ね、女性隊員としてまちの救急を支えられるようになりたい」
警備第一課救助第一担当救助小隊 小林さん(26)
秦野市曽屋出身の小林さん。小さい頃から消防本部で働く消防士を見て「格好いいな」と憧れていたという。生まれ育ったまちへの恩返しという意味合いも込め、2017年に入庁。消防隊を経て、現在は救助隊で活躍する。「事故や救急、災害など最前線で仕事をする職業はあまりない。人命を救えた時はうれしいし、やりがいを感じる」と話す。「入庁当初からなりたかったのが救助隊なので、これからも仲間と共に研鑽を積み、目一杯まちに貢献したい」
警備第一課西第一担当消防小隊 江藤さん(22)
「説明会で生き生きと楽しそうにしていた女性の先輩に憧れ、消防に入りました」。体を動かすことが得意だったこともあり、2021年に入庁した。現在は西分署で火災現場等に出動する。「訓練の内容が現場に直結するので、仲間と一緒に真剣に取り組んでいます。きつい時もあるけど、訓練後は和気あいあいとしていてそのメリハリがいいです」と江藤さん。今は消防車を運転する機関員を目指しており「現場にガンガン出たい」と話している。
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