堀川在住のキックボクサー三上義満(リングネーム・GARU(ガル))さん(41)が11月10日、東京都の新宿FACEで行われたキックボクシングイベント「NICE MIDDLE」のヘビー級タイトルマッチに勝利し、3代目王座に就いた。10年間王座にいた2代目チャンピオンを3対0の判定で下しての勝利だった。
NICE MIDDLEは、旗揚げから17年目の35歳以上を対象にしたアマチュアキックボクシングイベント。配送業や作業療法士、印刷業、不動産業、内装業、歯科医師など様々な本業をもった選手が集い、ヘッドギアなしで戦う。40歳以上かつ2勝以上の選手が王者への挑戦権を得ることができ、三上さんは2勝1敗の戦績で、4戦目で初のタイトル戦に挑んだ。
38歳からキックボクシングを始め、2年ほどでベルトを手にした三上さん。今年9月には別団体の「THE TEMPEST」の一般(高校生以上)男子+80kgで初代王座も獲得している。
きっかけは友人
三上さんがキックボクシングを始めたきっかけは、現在自身がコーチを務めるエクササイズ教室「ガルザップ」。代表を務める友人が「痩せたい」と教室を立ち上げたのが始まりだった。
元プロボクサーで総合格闘技(MMA)経験もあった三上さんだが、現役時代60kg台だった体は教室開始時100kgに。「これでは説得力がない」と試合に出ることにし、ジムに所属しないと出場できないボクシングと違い個人で出やすく、かつMMAで足技の経験もあったことからキックボクシングを選んだ。
結果、初戦で当たった初代ヘビー級王者を開始15秒でKO。強さを示したことで参加者や経験者のトレーナーも増えたという。今ではそれがいい練習相手になるとともに、試合出場を目指す子どもが増えるなどいい影響を与えたそうだ。
一方で、「せっかく遠方に応援に行ったのに一瞬だったと言われてしまって。じゃあまた出るよとやっていたら、ベルトが欲しくなった」と今に至る経緯を話す。
プロで華々しい戦績も
三上さんは元高校球児で、相洋高校に特待生として入った。レギュラーになれなかったが、K-1が流行っていた当時、部員同士でやっていた格闘技の真似事で一番強かったため、学校の近くにあったボクシングジムの門戸を叩いた。
そこでプロに手も足も出ず身の程を思い知るが、生来の負けず嫌いからそのまま入門した。父からは「1年以内に結果がでなければ続けさせない」という期限を設けられたが、人の倍練習しプロライセンスを取得。3戦3勝1KOという華々しい戦績だったが、拳を壊し引退した。
その後、父の元で働くが20歳の成人式で同級生に「ボクシングを教えて」と請われ教えるうちにまた格闘をやりたくなった。壊した拳の負担にならないようMMAを選び、こちらも2戦2勝2KOという戦績で雑誌にも取り上げられるなど活躍したが、仕事で独立し忙しくなったため生活を優先させた。
今は久々の格闘技を楽しむが、かつて体育教師になりたかった時期もあり、「自分が勝つ以上に教え子が勝つことが嬉しい」と話す。今は自分のジムを作るという夢を持つと同時に、「還暦まで続け子どもたちに背中を見せたい。その時、ベルトを持っていられたら最高です」と語った。
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