戸塚区・泉区版【9月5日(木)号】
無料塾を立ち上げた田澤さん

「いずみ無料塾」が開講 小中学生対象に毎週火曜

 学習支援を通じた居場所づくりを――。小中学生を対象に勉強をサポートする「いずみ無料塾」(小山彰会長)が9月3日にスタートした。発起人の田澤浩さん(中田東在住・76歳)は「子どもたちの居場所にもなれたら」と思いを語る。

元中学教諭の田澤さんが立ち上げ

 中学校の英語教諭だった田澤さんは定年退職後、非常勤講師などを経たのちに「戸塚無料塾」の運営も手伝うように。「泉区でも同じようなものができれば」と、泉区社会福祉協議会を通じてボランティアセンターで仲間を募った。

 いずみ無料塾のスタッフは田澤さんのほか、高校教師や塾講師などの経験者も在籍。「子どもたちの勉強をサポートしたいという思いはみんな強い」と田澤さんは話す。

 会場は相鉄ライフいずみ中央M3階・泉ふれあいホーム内の団体交流室。毎週火曜の午後4時30分〜8時の間、入退室の時間は子どもたちの都合に委ね、教材などは各児童生徒が持ち込み、塾ではその学びをサポートするという。

 申込など連絡は田澤さん【メール】izumimry19@gmail.comへ。

意見交換する受講者(提供写真※過去の様子)

旧・戸塚区地域づくり大学校 「とつかさくら塾」に改名 講座内容もより気軽に

 地域づくりに関する座学や実際の活動現場の訪問を通じて、地域で活動するきっかけや仲間づくりを目的とした「戸塚区地域づくり大学校」。11年目となる今年からは「地域づくりキャンパスとつかさくら塾」と名称を変えて始動する。

 講座自体を「より気軽なものに」と変更。同講座の主催団体の1つ、とつか区民活動センターで副センター長を務める依田浩美さんは「より気軽に学んでもらおうと、ライトな講座を増やしました。それにあわせて名称も、より親しみを持ってもらえるようなものにしました」と語る。

交流の場として活躍 

 全4講に渡るプログラムの中では、グループトークなど、受講者同士で意見交換をする場が多く設けられている。依田さんは「他者の考えを多く知ることで、コミュニティーの中で自分をどう生かせばよいのか学んでもらえたら」と語る。

 昨年の受講者からは「戸塚への愛着がさらに湧いた」「同じ目的の仲間と出会い、力をもらえた」などの声が届いているという。

 過去には講座で出会った人同士で、新たな地域活動団体を立ち上げた例もあり、依田さんは「ここから『草の根』活動を広げていってくれたら」と笑顔を見せる。

現在受講生を募集中

 対象は戸塚区に在住、在学、在勤で地域に興味がある人。募集は9月13日(金)まで。問い合わせは戸塚区役所区政推進課【電話】045・866・8328へ。

プロバスケ選手らが参加 泉区救急フェア開催 9月7日 立場ヨーカドー前

 イトーヨーカドー立場店前で9月7日(土)、泉消防署が主催する「泉区救急フェア」が開催される。当日はプロバスケットボールクラブ「横浜エクセレンス」に所属する、泉区出身の西山達哉選手らが1日救急隊員として参加する。

 会場では救急活動のデモンストレーションのほか、選手たちによるバスケットボール教室等が開催される。午前10時から正午まで。参加費無料。問合せは泉署【電話】045・801・0119まで。

平戸町の神社で「神宝御開帳」 9月18日

 戸塚区の「白旗神社」(平戸町302)で9月18日(水)、例大祭が行われる。午後1時から、誰でも参加可能。

 例大祭の終了後、本殿では午後3時まで、3年に一度の「神宝御開帳」として源頼朝の遺髪などが公開される。

 また、午後4時から7時まで平戸町公民館で「カラオケ・演芸大会」も実施する。誰でも当日の参加が可能。問い合わせは同神社【電話】045・823・4488。

長年レッスンを受けた港南台の「木村公香アトリエ・ドゥ・バレエ」のスタジオに立つ榊さん

戸塚区出身・榊優美枝さん 「存在感のある表現者に」 東京バレエ団で初主演

 60年の歴史を誇る国内有数のバレエ団「東京バレエ団」で今春、東京文化会館での「白鳥の湖」で初主演をつかんだ戸塚区出身の榊優美枝さん。10月には同じく東京文化会館で歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」をもとにした作品「ザ・カブキ」でも主要キャストの顔世御前を演じる。榊さんは「どんな役でも自分で向き合って大切にしたい。存在や佇まいも魅力的な表現者になれたら」と語る。

「アトリエ」に通った日々

 矢部小、戸塚中出身の榊さん。4歳の頃に自宅近くのバレエ教室に通い始め、「当時はバレエ自体というより、ただ友達と過ごすのが楽しかった」と笑顔で振り返る。中学進学を前に、より本格的にバレエと向き合いたいと、港南区港南台の「木村公香アトリエ・ドゥ・バレエ」の門をたたいた。

 当初は「友達とも離れてしまい、怖いなって時期もあった」との思いも。「でも、低学年のクラスで教わることになったのが悔しくて、基礎の基礎から教えてもらい、必死に練習しました」

ケガに苦しんだ時期も

 そんな努力の日々もあり、高校卒業時には念願だった「東京バレエ団」の団員に。「先輩も多い憧れのバレエ団。まさか本当に受かるとは、って信じがたい思いでした」

 ただ、その後の道のりも順風満帆ではなく、ケガとリハビリを何度も乗り越えてきた。そうしてようやくつかんだ初の主演がバレエの代名詞ともいえる「白鳥の湖」だった。「あまりに大きな役で信じられなかった。だからこそ絶対に良いものにしたくて必死だった」

 迎えた本番では自分が思っていたよりも高い評価を受けたという。「今となれば、できるだけの準備はできたということだったのかもしれない」

刺激を受けながら

 7月には世界の名だたるダンサーとの共演も果たした榊さん。「トップレベルでも突き詰めて練習しているのを間近に見られたのは良い経験」と目を輝かせる。

 最近は日本舞踊を習い始めたほか、休日はバレエを離れてアニメで気分転換も。「声だけで演じるのって興味深い。私は身体で表現するので」

 榊さん出演の「ザ・カブキ」は東京文化会館で10月13日(日)公演予定。詳細は下記二次元コードから。

ゲームで為替変動を決めるサイコロを見守る子どもたち

野村證券戸塚支店 ゲームで「為替」を身近に 小学生対象の金融教室

 野村證券戸塚支店で8月24日、小学生がお金について学べる「野村まなぼう教室」が開かれ、約20組の親子が参加した。

 野村グループでは20年以上にわたり金融・経済の教育に力を入れており、今回の教室もその一環。同支店のスタッフが講師となって今年は小学3年生から6年生までを対象に「円高・円安」や「通貨」などをテーマにした授業が行われた。

サイコロで為替変動

 為替の学習では消しゴムを1個1ドルとして、サイコロで次々とレートを変動させるゲームも。購入金額の安さを競い合って、子どもたちはサイコロの出目を見守り、「あの時に買っておけばよかった」と購入のタイミングを見極める難しさも体感した。

 同支店のスタッフは「今日はサイコロだったけど、実際の為替は世の中のさまざまな出来事に影響される。為替の変動とともにいろんなニュースも関心をもってもらえたら」と呼びかけた。

横浜市 定額減税補足やコロナワクチン接種などで183億円の補正予算案

 横浜市は定額減税を補足する給付金や新型コロナウイルスワクチン接種の事業費など盛り込んだ総額183億9600万円の補正予算案を9月10日に始まる第3回市会定例会に提出する。

 定額減税の補足給付金は、減税可能額が所得税、住民税の課税額を上回る人に支給するもの。今年度の住民税課税情報に基づいて算定した結果、給付対象者が当初見込みの約45万人から約53万人に増えたため、115億6300万円を給付費として増額する。

 コロナワクチンは、国が想定する接種単価が見直されたため、40億6700万円を充て、自己負担額を3千円とする。対象は65歳以上か60〜64歳の一定の障害がある人で、10月から来年1月末までに49万回の接種を見込んでいる。

 補正予算案などの議案の議決は9月25日。その後は2023年度の決算審査が行われる。

視線入力装置で絵を描く参加者

視線入力装置を使ってアート制作のイベント 東俣野特別支援学校で初開催

 東俣野特別支援学校で先ごろ、視線入力装置を使ってアート作品をつくるイベントが初めて行われた。視線入力装置とは手足や口を使わず、視線のみでパソコンなどを操作できる装置。

 戸塚区内でバリアフリー造形教室を開く白瀬綾乃さんと、同校の在校生・保護者などからなる「こどもハッシン!呼吸器生活向上PROJECT」(鈴木妙佳子代表)が共催。

 参加したのは同校生徒や近隣住民など約20人。視線入力で描いた自身の作品を別の参加者と交換し、その上にモールや毛糸などで装飾を施し思い思いの表現を楽しんだ。

 初めて視線入力装置を使用した女性は「コントロールするのがすごく難しかった。スムーズに操作できたら便利になると思う」と話した。

あくまでも「ツール」

 「こどもハッシン!」の鈴木代表と白瀬さんは今年4月ごろに出会い、同イベントの企画に向けて準備を開始。同校が開催場所を提供したことで、「ケアの環境やトイレの問題なども解決できた」と白瀬さん。

 鈴木さんは「視線入力装置はあくまでもツール。作品制作を通して、今まで知らなかったこと・人を知ってもらうきっかけになれば」と今後について話した。

 白瀬さんは「障害の有無に関わらず、共通の体験で対等な関係が築ける。それこそが本当の意味の『理解』につながるのでは」とイベント開催の意義を語った。

 

 

9〜11月号の表紙

神奈川県が文化芸術の情報冊子発行 「かながわ県民文化祭」を特集

 神奈川県は、県内の魅力的な文化芸術イベント情報をまとめた冊子、「イベントカレンダー」の9月〜11月号をこのほど発行した=写真。

 文化芸術の魅力で人を引きつけ、地域のにぎわいをつくり出すマグネット・カルチャー(マグカル)の取り組みを推進している県が発行する冊子で、毎号、県内文化施設の公演や展示情報などがカレンダー形式で紹介されている。今号では、9月から県内各地で行われる「かながわ県民文化祭2024」を特集。県、各市町村で開催される主なプログラムを紹介している。また、アンケートに答えてチケットやカレンダーが当たるプレゼント企画も実施している。

 冊子はA4判で、オールカラー32ページ。県内各文化施設や一部の商業施設、自治体などで無料で受け取ることができる。

救命講習の様子

横浜市消防局 救命講習の受講者を募集 10〜12月分を受付

 横浜市消防局が10月から12月に行う救命講習の予約受付が始まっている。受講対象は市内在住、在勤、在学(中学生以上)者。

命をつなぎ留める

 救命講習とは、突然の病気で心臓が止まって倒れた人や、大けがをして大出血をしている人を発見した時、救急車が到着するまで、その人の命をつなぎ留めるための応急手当法を身に付けるもの。 病気やケガで心臓が止まると、約4分で脳の細胞が死んでしまうといわれている。救急車が到着するまで、心肺蘇生法などの応急手当をいかに早く始めるかが傷病者のその後を左右することになる。

 横浜市内では救急車の出動件数が増加傾向にあり、119番通報から救急車が現場に到着するまで平均8.8分かかっている(2024年上半期の発表データ)。この約9分間にできる応急手当を学ぶのが救命講習だ。

 主に成人に対しての応急手当を学ぶ「普通救命講習I」で空席のある(9月2日時点)開催日は10月15日(火)、25日(金)、11月15日(金)、18日(月)、12月6日(金)、12日(木)。教材費は1,200円。会場は横浜市民防災センター=神奈川区沢渡=または長津田消防出張所=緑区長津田=で、開催日により異なる。定員になり次第、受け付けが完了。

 小児・乳児・新生児に対しての応急手当法を学ぶ「普通救命講習III」やさらに詳しい応急手当を学ぶ「上級救命講習」なども開催される。

 申し込みは予約ページ(https://sy-koushu.city.yokohama.lg.jp/kyumei/)または救命講習受付(市防火防災協会)【電話】045-714-9911。10人以上の団体の場合は、各消防署での開催も可能。

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台風10号 横浜市内で倒木、護岸変形の被害

 大雨や突風などで各地に被害をもたらした台風10号に関し、横浜市内では倒木によって家の一部が壊れるなどの被害が出た。

 市の発表によると、緑区東本郷で倒れた木によって家の一部が壊れたほか、瀬谷区阿久和南では川の護岸の一部が変形した。南区では永田東で12㎥の土砂が流出し、中里ではマンホールの枠が陥没した。

 8月30日に土砂災害のおそれがある区域に避難指示(警戒レベル4)が出され、市内94カ所の1482世帯・3101人が対象となった。ほかにも、浸水被害のおそれがある地域にも高齢者等避難(警戒レベル3)が発令された。地区センターや学校など、61カ所で避難所が開かれたが、避難者は11カ所、14世帯・23人だった。避難所は9月1日午前に閉鎖された。

 消防局の雨量計では、戸塚区の大正消防出張所で8月31日午後6時からの1時間に37ミリ、都筑区の仲町台消防出張所では29日午後2時からの24時間で214.5ミリを記録した。

戸塚区民と意見交流を行う山中市長

横浜市・山中市長 戸塚区民と意見交換 NPO団体と対談

 山中竹春市長と各区の団体などが対談する「市長と語ろう!」が7月23日、交流広場とつかで行われた。今年度の第4回となる今回は戸塚区のNPO法人「くみんネットワークとつか」が選ばれ、同団体の代表、理事、会員らと対談した。

 テーマを「区民力の向上と豊かな地域づくり」とし、司会は近藤武区長が務めた。序盤は団体が運営する各施設の活動説明や結果報告、運営方法が説明された。その後、市長との質疑応答・意見交換が行われ、同会は「区には市民の活動場所が足りていない」ことを指摘し、改善を求めた。

 山中市長は戸塚区について「いきいきとした活動が多い印象」とし、さらに若者が地域活動に参加しやすくなる仕組みづくりについて意見交換をした。また行政として市民団体とどのように関わるべきかについて話し合われた。

 

通行人に向けて花を販売するこどもたち

とつながり祭り 子どもたちが職業体験 花やお菓子を販売

 トツカーナモール、東急プラザを始めとする戸塚駅前周辺施設で8月3日、子どもたちがイベント運営を通じて職業体験をする「とつながり祭り」が開催された。

 戸塚駅周辺の企業の協力のもと、実際に子どもたちが花や、自分でデコレーションをしたお菓子などを販売したほか、パフォーマンスが行われるステージの司会や音響スタッフなども務めた。働いた分の報酬は、イベント独自の通貨「トッツー」として支給され、買い物なども楽しんだ。

 実際に職業体験に参加した子どもは「緊張したけど、普段できないことができて楽しかった」と笑顔で語った。

 また会場には縁日のコーナーも設けられ、射的やスーパーボールすくいのほかに、戸塚のラグビーチーム「YOKOHAMA TKM」によるストラックアウト体験なども行われた。

8月31日の「ドラクエ花火」打ち上げ可否は当日午後3時発表 横浜スパークリングトワイライト

 横浜港周辺で8月31日(土)に予定されている打ち上げ花火のイベント「横浜スパークリングトワイライト」について、主催する実行委員会は台風10号の影響を見極めながら、当日午後3時に開催可否をサイト(https://www.yokohama-sparkling-twilight.com/)で発表するとした。

 予定では午後8時から5分間、新港ふ頭から花火を打ち上げることになっている。

 同イベントは8月10日の開催も台風5号の影響で中止になっており、31日はその時に行う予定だった「ドラゴンクエスト」をイメージした花火が打ち上げられる。

秋の月が観賞できる

三溪園 秋の夜に観月会 9月14日から、音楽も

 三溪園=中区本牧三之谷=で日没後に音楽と月見を楽しむ「観月会」が9月14日(土)から18日(水)まで開催される。

 観月会は三溪園の秋の風物詩だったが、コロナ禍の影響で2022年から中止されていて、今回3年ぶりの開催となる。

 期間中の5日間は日替わりで、いずれも午後6時台から園内の臨春閣で雅楽、筝曲、サックスとピアノ、薩摩琵琶、篠笛の演奏が披露される。臨春閣は江戸時代に建てられたと伝えられる重要文化財。22年に屋根の葺き替えなどの保存修理工事が終わり、装いを新たにした。

 三溪園は実業家の原三溪によって創られ、古建築と自然が調和した四季折々の景色が楽しめる日本庭園として名高い。

 入園料は大人900円。観月会への参加は無料。問い合わせは三溪園【電話】045・621・0635。

出席フォームはこちら

横浜泉中央ボーイズ 宇野前監督の「お別れ会」 みなみ総合センターで12日

 泉区の深谷通信隊跡地グラウンドを拠点に活動する中学硬式野球チーム「横浜泉中央ボーイズ」で20年以上にわたり監督を続けてきた故・宇野和之さんのお別れ会が9月12日(木)、JA横浜みなみ総合センター(泉区中田西)4階で開かれる。午後5時から8時まで。

 会費は1万円。出席の連絡は上記二次元コードまたはチームのHPから(「横浜泉中央ボーイズ」で検索)。お別れ会についての問合せは同チーム【携帯電話】080・2523・8397へ。

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脇雅昭氏

参院選 自民が脇雅昭氏擁立へ 42歳、前県局長

 来夏の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に自民党が前県産業労働局長の脇雅昭氏(42)を擁立することを決めた。

 脇氏は東京大学大学院を卒業し、2008年に総務省入省。13年に神奈川県へ出向した後、県へ転籍していた。自民党県連の公募に応募し、41人の中から選ばれた。

 脇氏は8月29日の会見で「県で働く中で国だからできることがあると感じた。行政のデジタル化を進めたい」と述べた。

河野署長(左)から感謝状を受けた川邊さん

戸塚消防 区民の救命処置に感謝状 心肺停止から蘇生

 戸塚消防署で8月6日、心肺停止になった人を救命処置により救ったとして区内在住の川邊昇一さん(48歳)に同署の河野宏紀署長から感謝状が贈られた。

 川崎市消防局で消防隊員として働く川邊さん。勤務から明けて帰宅しようと、戸塚駅近くを歩いていた午前10時頃、ベンチに座っていた40代の女性が倒れ込むのを目の当たりにした。「最初は何か拾おうとしているのかなと思った」と川邊さん。すぐさま異変に気付き、商業施設の警備員にAEDの搬送を依頼しながら、胸骨圧迫を開始。その後、AEDも活用して救急隊員を待った。

 女性は病院到着前に意識を回復し、退院して社会復帰を果たしたという。川邊さんは「適切にできていただろうかと心配したが、無事と聞いてほっとした。自分でもこうなのだから、経験したことのない人がAEDのボタンを押すのも怖いだろうなと思う」と話した。

 河野署長は「消防職員であっても、装備もなく仲間のいないプライベートの場面では難しいことがある。躊躇なく適切な行動をとってくれたことに感謝するとともに敬意を表したい」と称えた。

渡邉仁史院長

お口の健康塾 5th Vol.6 今日はブレイクタイム!歯科訪問診療について

 当院はご病気や障害(知的障害も含む)のため、お一人での外出が困難な方を対象に「往診・歯科訪問診療」を行っております。畳半分のスペースがあれば、車いすでもベッドの上でも外来に準じた歯科治療をしています。レントゲン撮影・むし歯・歯周病・抜歯・差し歯・ブリッジ・入れ歯の修理や製作、飲み込みの検査(内視鏡検査)、口腔ケアの指導と一般的なことは全て可能です。

 ただし「外来と同じ治療」かというと少し違います。患者様のご年齢やご病気の状況に応じて「安全な範囲で最も望ましい口腔内を作る」ことが私たち訪問歯科医の仕事です。敷居が高いと感じるかも知れませんが、当院でも相談だけのお電話がたくさん来ます。まずは気軽に聞くことで疑問や不安を減らすことが大切ですので、かかりつけの先生にご相談してはいかがでしょうか。

原宿わたなべ歯科診療所

戸塚区原宿3-8-6二八五番館1階

045-443-5519

http://hwdc2015.com/

御朱印探訪【1】 横浜最古の寺 南区 弘明寺 記者の参拝レポート

 御朱印(ごしゅいん)とは、神社や寺を参拝した証として押印される印章印影のこと。参拝の記録として集める人も少なくない中、タウンニュース記者が横浜市内の寺社で入手できる御朱印を紹介する「御朱印探訪」。第1回目は横浜最古の寺として知られる南区の弘明寺(ぐみょうじ)を訪れた。

本堂の床板も1000年級の歴史

 京急線の弘明寺駅から徒歩2分、市営地下鉄ブルーラインの弘明寺駅からは商店街を通って約5分。弘明寺には2つの門があり、京急側からは楓関門(ふうかんもん)、ブルーライン側からは市指定有形文化財の仁王門(におうもん)が近い。

 御朱印は参拝の証のため、まずは本堂にお参りを。1044年(寛徳元年)に光慧上人が建立、開山したもので、現在の本堂は、1766年(明和3年)に智光上人によって再建されたもの。拝観料500円を納めて中へと進むと、重厚な雰囲気に圧倒されている。すると、通りかかった僧侶と思しき人から、「床も1000年前のものですよ」と声を掛けられた。調べると、光慧上人が建立した際の古材が床板に使われていた。自分の足元にそんな歴史を経たものがあるとは...と若干ひるむ。

国宝の本尊は十一面観音像

 奥へ進むと本尊である十一面観世音菩薩立像が姿を現す。平安時代中期の作で1915(大正4)年に国宝、1950(昭和25)年に国の重要文化財に指定されている。像高181・7cm、ハルニレの1本の木から丸ノミで観音像を彫り出したもので、表面にその彫り痕が見て取れる。

 「一刀三礼で、三日三晩かかったそうです」と教えてくれたのは、弘明寺の執事長、山下

実明(じつみょう)さん。一刀三礼とは、ノミを一回入れる度に三回礼拝したという意味で、737(天平9)年にこの地を訪れた行基が流行していた疫病を鎮めるために彫ったとされる。山下さんによると「観音様の開眼作法から1週間のうちに、疫病が去った」という。

月替わりを含め、御朱印は13種類

 弘明寺で授与される御朱印は全部で13種類。御朱印には御朱印帳に直接書いてもらう「直書き」と、あらかじめ御朱印を書いた状態の和紙を授与される「書き置き」の2パターンがあるが、弘明寺では基本的に書き置きで、唯一、本尊の十一面観音の御朱印が直書きで授与されている。絵柄が月ごとに変更される特別御朱印もあり、季節を感じられる絵は「住職の奥様が描いているんですよ」と山下さん。

 また、弘明寺の場合、本尊以外に大日如来、不動明王、身代わり地蔵などが本堂以外にも点在していて、それぞれの御朱印が用意されている。お参りをしないまま御朱印をいただくことのないよう、境内をゆっくり回る時間を確保しておこう。

パワースポット、七ツ石も必見

 山下さんは「七ツ石はぜひ見ていただきたいですね」と話す。奈良時代、インドから渡来した善無畏(ぜんむい)法師が山の上に紫雲がたなびく様子を見て、「将来、この地に観音が訪れるだろう」と予見し、七つの石で囲んで結界を立て、弘明寺一帯を霊域としたと伝わっている。現在、点在していた石は本堂近くに集められ、自由に見ることができる。

 毎月8が付く日には、病気平癒や心願成就などを願う「本尊十一面観音様ご縁日」を、3が付く日は、縁結びや子宝を願う「大聖歓喜天様ご縁日」が行われ、境内がにぎわう。

■南区弘明寺町267

【電話】045・711・1231

▽参拝時間午前8時から午後5時(境内自由。御朱印授与は午前8時15分から午後4時45分)

▽本堂拝観500円、御朱印授与1枚500円