戸塚区・泉区版【9月12日(木)号】
1F売店でPRする区職員

泉区役所 初の「いっずん」グッズ販売 区制40周年への機運も

 「楽しく過ごして、たくさん思い出をつくりたいずん♬」――。泉区役所は8月26日から、1階売店でグッズの販売を開始した。区役所によるグッズ販売は初の試み。

 ラインナップはいっずんの全身が描かれたキーホルダー(400円)と、いっずんが刺繍された子ども用・大人用Tシャツ(それぞれ1400円と1500円)の全3種。Tシャツは9月24日頃から販売予定。

 グッズの企画・製作を担当した区政推進課の川上真祐子さんは「グッズを通していっずんへの愛着を深めていただき、泉区への地域愛も深めてもらえたら」と話す。

 以前より区民から「いっずんのグッズが欲しい」との声が寄せられていたことや、2026年に区制40周年を迎えることへの機運を高めたいとして、今回の販売に至ったという。

区民の要望多く

 「今回販売するTシャツは、イベントなどで区職員が着用するポロシャツがもとになっています。『それはどこで買えるの?』と聞かれることも多く、今回ラインナップに加えました」と川上さん。今回のグッズのアイデアは、そうした区民や、職員の子どもたちの声から生まれたという。

「ぜひ民間の企業様にもご協力いただき、区内外の方たちに『いっずん』の良さを伝えていけたら」と話した。問合せは区政推進課【電話】045・800・2331まで。

資格を取得したメンバー(後列)と青山会長(左)と川畑会長

吉田矢部連合 ドローンで地域防災強化 町内会員ら6人、資格取得

 戸塚区の吉田矢部地区連合会(川畑孝男会長)では現在、災害対策の一環として、所属会員のドローン飛行資格取得を進めている。自治会町内会の活動として資格を取得するのは神奈川県内でも珍しく、新たな地域防災の手段として、活用への期待が高まる。

 同連合会は10の自治会・町内会からなり、西側には南北に渡って柏尾川が流れている。

 矢部町内会の青山勉(まなぶ)会長によると「氾濫したり、橋が壊れたりした時に、人の力だけでは川の反対側の状況が把握できなくなる危険がある」という。そこで昨年9月、同連合で行った防災会議において、青山会長はドローンの資格取得を提言。連合会として取り組むことが決定した。

「県内で初」

 川畑会長によると「長く続けられるように、会員の中でも若い世代に協力を促した」と話す。これを受け、今年5月から6月にかけて資格を取得した6人は、30〜50代で構成されている。

 これまで自由にドローンを飛ばせる環境は少なく、室内での練習にとどまっていた。防災活動の一環として特別な許可を受け、今後は打越広場(吉田町)など屋外で定期的な練習に取り組んでいくという。

 資格を取得した加藤伸雄さんは「発災時、適切に操縦できるようにするためには、天候や風などの影響がある中で練習を重ねる必要がある」と話した。

 資格取得にあたっては、(一社)神奈川県ドローン協会が協力。同会の橋口普理事長によると「県内でも自治会・町内会の活動として資格取得をしたのはおそらく初めて。万が一の際には、地域住民に信頼性の高い情報を届けられる手段になるだろう」と今後に期待を込めた。

泉区シニアクラブ連合会で女性初の会長に就いた 水野 榮子さん 和泉中央北在住 82歳

近くの仲間と朗らかに

 ○…泉区内のシニアクラブを取りまとめる「泉区シニアクラブ連合会」。長年副会長を務め、今年度から同会初の女性会長に就任した。「明るく楽しく朗らかに。そうでないと、役員を務めるなんて無理だから」と笑顔を見せる。「高齢化が進む中で親戚も遠方だったりする。そんなさみしさを、近くの仲間と家族みたいに楽しくがんばれたら」

 ○…どこのシニアクラブも会員増強は共通の課題となっている。泉区内でも役員不在で解散となるクラブも少なくない。そんな中で思うのは、会員を増やすことではなく「きれいな花には蜜蜂が寄ってくる。だからみんなが楽しんでいることがまず大事」という。連合会の会長になってからは積極的に各委員会に顔を出しては激励して盛り上げている。

 ○…香川県出身。20代まで県内で過ごした。都内で出会った夫と結婚後、マイホームを求めて今の住まいに移り、かれこれ40年以上になる。それだけに泉区への愛着も深い。自営業だった夫と共に働き続け、50歳になってからは弥生台の弁当屋に勤めたことも。「みんなのチームワークで売り上げもよかった。遠方からわざわざ来る人もいたの」。忙しい中でも楽しむことの大切さや仲間との人間関係に学ぶことが多かったという。

 ○…「地域には人材だらけ。もう高齢だというけれど、みなさんの経験はやっぱり宝。それを生かしてもらえるといい」。地元のシニアクラブ「あおばクラブ」では会のマークを考えたり、「あおば音頭」の作詞作曲を手がけるなどもしてきた。「シニアクラブも町内会や民生委員をはじめ、地域と連携していく方がいい」。その実感を胸に、連合会でも区内のさまざまな団体と協力して輪を広げていく。

本格的ないずみ歌舞伎(写真は昨年の公演)

「いずみ歌舞伎」今年も公演 区内各所でチケット発売

 泉区の秋の風物詩となっている「横浜いずみ歌舞伎」が今年も10月19日(土)、20日(日)の2日間にわたり公演する。9月2日から泉区役所1階売店、泉公会堂のほか、区内の各地区センターでチケットの販売を開始した。チケットは1500円で、全席自由席。

 いずみ歌舞伎は泉区の伝統文化の一つ。大正から昭和初期にかけ区内を中心に活躍した農村歌舞伎「市川花十郎一座」の功績を受け継ごうと、保存会が活動を続けている。今年で27回目公演。プロの指導を受けつつも小道具などは手作りだ。

「ぜひ期待を」

 今年の演目は「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」の二段目「角力場(すもうば)」、八段目「引窓(ひきまど)」。保存会の会長を務める馬場勝己さんは「今年の演目もなかなか面白いのでぜひ期待を。私も声で勝負したいと思います」と話す。問合せは泉区役所地域振興課【電話】045・800・2392へ。

戸塚区美術協会 地域の絵画作品が一堂に さくらプラザで18日から

 戸塚区民文化センターさくらプラザのギャラリーで9月18日(水)から23日(月)まで「第124回戸塚区美術協会絵画展・地域交流会特別絵画展」が開かれる。期間中は、同協会会員や一般から集められた油彩・水彩画の作品が90点展示される。「戸塚区以外にも泉区や港南区など、多くの地域の人に参加していただいています。ぜひ楽しんでもらえれば」と同協会。

 午前10時から午後5時まで(最終日は3時まで)。入場無料。問合せは同協会【電話】045・822・5572へ。

電柱に設置された青いテープ(上)と標識

戸塚区内100ケ所 「想定浸水深」を電柱に表示 洪水リスクを可視化

 戸塚区役所はこのほど、柏尾川流域など区内の洪水想定深が1・0m以上の場所を対象に「まるごとまちごとハザードマップ」を設置した。

 これは対象となる場所の電柱に、洪水が起こった際に想定される浸水時の深さが書かれた標識と、実際に浸水した場合に到達する高さに青いテープを設置したもの。

 戸塚区内では合計100ケ所が対象となっている。水害発生時の避難行動を考えるきっかけにするほか、災害時にとるべき一連の行動を時系列でまとめた「マイ・タイムライン」(下段の図を参照)の作成に役立ててほしいとしている。

 また戸塚区役所で10月13日(日)、自宅の崖地や擁壁などの不安や問題点について専門家が無料で応える相談会を開催する。申込みは区役所ホームページから。9月26日(木)まで(応募者多数の場合は抽選)。

水害対策を語る近藤区長

「事前の避難行動計画を」 近藤戸塚区長に聞く

 台風7号・10号が8月、連続して関東地方などに被害をもたらした。ゲリラ豪雨など、近年、予想を超えた大雨に見舞われていることは周知の通り。日頃からの準備が何より重要だ。本紙では近藤武戸塚区長に区の水害の対策、区民の避難行動・事前対策の方法などについて聞いた。

――台風シーズンを迎えています。区民に注意喚起を促したいことから教えてください。

 「河川の氾濫や内水氾濫(下水道の処理能力を超えて雨が降った際にマンホール・側溝から水が溢れ出すこと)が考えられます。また、土壌に雨水が浸透することによって崖地が崩れるなど土砂災害が起きる可能性があるほか、強風により倒木や物が飛来してくることが考えられます。

 台風は発生や進路を、事前にある程度予測することができます。天気予報で台風の接近が見込まれる場合には、事前の備えを。いざ風水害が発生した場合には、自分の命を守るため、早めの避難行動をお願いします」

――事前の備えを具体的に。

 「まずはハザードマップで自宅や学校、職場などの水害リスクの確認を。もし洪水や内水氾濫、崖崩れの危険性が高い場所だったら、どのタイミングでどういった避難行動を取るか、あらかじめ決めましょう。天気予報で夜に大雨が降る見込みであれば、昼の間に避難の準備をしておく。大雨警報が出たらすぐに親戚宅へ移動するなどです。

 市作成の『マイ・タイムライン作成シート』を使えば、地域や家族構成に合わせた避難行動計画を簡単に立てられます。市ホームページでの掲載や区役所での配布のほか、アプリ「横浜市避難ナビ」でも作成できます。

 排水溝の清掃や飛ばされやすいものの片付けなど、自宅周りの確認も合わせてぜひ。

 戸塚区では、今年8月に区内の洪水リスクが高い場所にある電柱に、その場所の洪水浸水深を示す標識『まるごとまちごとハザードマップ』を設置。浸水が想定される高さに水色のテープを巻き付けています。ぜひ実際の高さを体感いただきたいと思います」

――各種警報、発令時の区の対応は。

 「区役所としては、大雨警報や水防警報(河川の水位が一定程度上昇した際の警報)の発令に伴い、即時に職員が参集し災害対策警戒本部を立ち上げ、各種情報収集を実施。区ホームページやX(旧ツイッター)などを活用し適時適切な情報提供を行うほか、河川の氾濫や土砂災害の危険性が高まる見通しが立った場合には、避難所を開設します」

内水氾濫にも注意

――戸塚区の水害で心配することは。

 「柏尾川やその他7つの2級河川で、多量の大雨が長時間継続して降った場合の氾濫が心配の一つ。マンホールや側溝などから水が溢れ出す内水氾濫の危険性もあります。また、区内には崖地が多く存在し、土砂災害の発生も危惧しています」

――戸塚区の内水氾濫の危険性について教えてください。

 「内水氾濫は河川から離れた場所においても発生する恐れがあり、区内では最大2・0mを超えて浸水する可能性がある場所も存在します。家の近くに河川がないからと油断してはいけません。内水ハザードマップをご確認ください。マンホールから水が噴き出るなどの兆候があった場合には、避難の検討をお願いします」

――大雨時に下水道から溢れた水が地下街などへ流入する浸水被害が危ぶまれています。2014年10月には台風18号により柏尾川の水が戸塚駅に流れ込みました。2024年度末から戸塚駅周辺で下水道管内水位の情報提供が開始されると聞いています。

 「河川の水位と異なり、下水道管内の水位を直接見ることはできません。そこで、マンホール内に水位計を設置し、計測したデータをウェブサイト上でリアルタイムに公表するシステムを公開する予定です。区民の皆様や戸塚駅周辺地下施設管理者の皆様が、避難行動や水防活動を開始いただく際の、判断材料になります。今後、水位計の設置工事、配信テストを実施し、今年度末までに情報提供を開始する予定です」

――区内の地形から土砂災害も心配です。

 「台風により大雨が降っている際や晴れたあとも時間があまり経っていないときには、崖地に近づいてはいけません。崖から小石がパラパラ落下し、斜面に亀裂や湧き水が発生しているときは、安全な場所へ避難してください。一方、夜間で大雨が降っており、外に出ることがかえって危険な状況の場合は、家の中で少しでも崖地から離れた部屋に移動するなどの行動を」

――最後に区長から区民に求めたい(特に自助)対策を教えてください。

 「自分事として避難行動計画を立て、日ごろからの備えをお願いします」

耐震給水栓=横浜市提供

横浜市 災害時給水所の確認を 断水時の対策強化

 横浜市は市内各地の地域防災拠点などに、災害時給水所を整備して断水に備えた応急給水体制づくりを進めている。今年度は新たに5カ所で耐震給水栓を整備。市水道局では各家庭での飲料水や容器の備蓄とともに、近隣の災害時給水所の確認を呼び掛けている。

 市防災計画では、最大震度7の元禄型関東地震が起きた場合、市内約25%の約40万世帯で断水が発生すると想定している。断水発生時には、各自が備蓄する飲料水を活用してもらうほか、各家庭からおおむね500m圏内の小中学校や公園などに設置されている災害時給水所で誰でも飲料水を得ることができる。

 市内の災害時給水所にはさまざまな種類があり、浄水場でつくった水道水を貯留する配水池22カ所、地域防災拠点や公園などにある災害用地下給水タンク134基や緊急給水栓358基、主に同タンクなどがない拠点にある耐震給水栓48カ所、配水池の水を運搬する給水車19台がある。市によると配水池だけで市民1週間分に相当する水を確保しているというが、施設の老朽化なども踏まえて必要な施設整備を続けている。

今後3年で27カ所に

 市内の地域防災拠点では災害時給水所のほか、一部では学校受水槽を応急給水施設と位置付けて飲料水を確保する。しかし、受水槽の撤去などにより、2023年度末時点で459カ所ある拠点のうち17カ所で給水施設が無い状況。そこで、市は27年度までに17拠点に加え、受水槽の容量が小さいなどの課題がある10拠点を対象に耐震給水栓の整備を順次進める。

 耐震給水栓は、蛇口までの水道管を耐震化した地震に強い屋外の水飲み場。特別な開設作業を必要とせず、発災後も蛇口をひねれば飲料水を確保することが可能だ。今年度は5カ所で整備を進めている。

 市水道局担当者は各家庭で飲料水を備蓄することを求めつつ、「日頃から近くの災害時給水所の場所を確認し、容器の準備などの備えを」と話す。各区の災害時給水所は区役所などで配布している災害時給水マップや、同局ホームページから確認できる。

観客の間近で演奏を披露した長島達也さん

「ホールでは聴けない音を」 緑園で12日間の音楽祭

 ピアノの修理・調律から輸入販売まで行う泉区緑園のピアノクリニックヨコヤマ(横山彼得代表)で7月25日から8月5日までの12日間、初となる「緑園都市音楽祭」が開かれた。久元祐子さんや青柳いづみこさんといった国内有数のピアニストがコンサートやレクチャーで演奏を披露し、観客を魅了した。

 8月2日にはピアニスト・長島達也さんのコンサートを開催。ドイツ・ブリュートナー製のピアノなど、曲ごとにピアノを観客に選んでもらいながら、すぐ目の前でシューベルトやショパンを披露した。

 会場を訪れた人は「音だけでなく鍵盤を叩く振動や演奏者の息づかいも感じることができた。そんな機会はなかなかないのでうれしかった」と感想を話した。

 主催した横山代表は「作曲家が生きていた時代のピアノで、作品が作られた当時の音色を堪能してもらえるコンサートが実現でき、大盛況で終えられた。熱心に聴き入るみなさんの姿勢にも感動しました」と話した。

戸塚区議員団 下川町と協力して脱炭素 「カーボンオフセット」活用

 戸塚区選出の県会・市会議員団9人がこのほど、戸塚区と友好交流協定のある北海道下川町から「カーボン・オフセット・クレジット」を購入した。

 カーボン・オフセットはCO2削減に取り組む中でなおも削減しきれない部分について、別の場所や人が削減・吸収したもので埋め合わせる(オフセット)するというもの。下川町は森林の管理で認証を受けており、クレジットを販売してその売り上げをまた森林の整備費に充てている。

 戸塚区の議員団による同町のクレジットの購入は2020年に続き2回目。8月28日には戸塚区役所と下川町をオンラインでつなぎ、証明書の授与式が行われた。

 今回は議員1人につき2トン分ずつ購入した。議員団を代表してあいさつに立った松田良昭県議は「こういう方法でも脱炭素の取り組みができるということを広めていけたら」と話した。

大森さん(右)と関野さん/秋葉中の柔道部員(青い道着が佐々木教諭)

秋葉中柔道部 創部4年で急成長 関東個人出場など好成績

 秋葉中学校柔道部は、2021年に同校にできた新たな部活動。4年目の現在、部員は25人で創部者である佐々木太一教諭の指導の下、練習に励んでいる。

 3年生の大森颯太さんは今夏「神奈川県中学校総合体育大会」の男子個人73kg級で3位となり、関東大会に出場。創部以来の最高成績で柔道部の着実な成長を体現した。

 大森さんは部活動を引退した現在も、後輩の指導のため練習に参加している。大森さんは「自分が入部した時は、先輩が2人しかおらず練習で苦労した」と2年前を振り返った。「後輩たちには強くなって部をつくっていくためにも、しっかり指導したい」と語った。

他の競技で体幹強化

 佐々木教諭の方針で同部では、体力や体幹強化のため、柔道以外にレスリングやサンボ、相撲などにも挑戦。2年生の関野心奈さんは8月下旬に山梨県で行われた「関東女子相撲大会 中学生の部」にも出場。1回戦負ではあったが「いろいろな練習で筋力と体幹を強化して、柔道の新人戦では階級を上げて挑戦したい」と意欲を見せた。

 佐々木教諭は「部員を増やし競争力を上げることで全体を強化したい。目標は団体での関東出場」と今後を見据えた。

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腹話術を披露する会員

腹話術の会 3周年の記念公演 戸塚・泉の会員、躍動

 戸塚区と泉区を拠点に活動する「とつかコラボ倶楽部 きずな腹話術」(渡邉勉代表)が先ごろ、踊場地域ケアプラザで活動3周年を記念した発表会を実施した。

 発表会には練習を重ねた会員9人が出演。オリジナルの台本や自らの特技を腹話術と合わせた演目などを披露し、中には初めて人前で腹話術をする会員もいた。来場者25人は演目が終わるごとに、温かな拍手を送った。

 渡邉代表は「腹話術のすそ野を広げ、戸塚区・泉区は腹話術が盛んだねと言われるようになれば」と話した。公演依頼などは渡邉代表【携帯電話】080・5532・7852。

工夫を凝らしたコマで戦う

県内高校生が自作コマで火花散らす「コマ大戦横浜場所」 横浜市役所で9月14日

 神奈川県内の高校生が作ったコマを使い、相撲のように一対一で戦う「第6回高校生コマ大戦2024 横浜場所」が9月14日(土)午前11時から午後3時まで、横浜市役所1階アトリウム=中区本町=で開催される。

 「コマ大戦」は製造業を元気づけようと中小企業などが2012年に横浜で「全日本製造業コマ大戦」を開いたのが始まりで、その後、全国に広がっている。今大会はその高校生版で、中小製造業に根付いたコマ大戦の取り組みを若者に広げることが狙い。神奈川県高校生コマ大戦実行委員会が主催し、横浜市経済局が共催する。

 使用するコマは直径20mm以下、高さ60mm以下で、重さ・形は不問。工業高校の生徒が支給された材料を使い、自ら工夫を凝らして製作したコマで戦う。ルールは相手のコマより長く土俵で回り続けた方が勝ちで、土俵の外に出たら負け。

県内10校、横浜市内からは2校出場

 出場するのは五十音順に県立小田原城北工業(小田原市)、県立川崎工科(川崎市)、県立向の岡工業(同)、県立神奈川総合産業(相模原市)、県立平塚工科(平塚市)、県立藤沢工科(藤沢市)、私立三浦学苑(横須賀市)、県立横須賀工業(同)、県立磯子工業(横浜市)、県立神奈川工業(同)の10校。

 入場無料。問い合わせは市経済局ものづくり支援課【電話】045-671-2567。

アクセサリーなどが紹介された

女性起業家の商品・サービス一堂に 市役所で展示会

 横浜市内を拠点に活動する女性起業家の商品やサービスの展示会「横浜女性起業家コレクション2024」が9月5日、市役所で行われた。

 展示会は市経済局が主催し、50事業者が参加。漆喰を原材料にし、花を使ったフラワーアレンジメントやジュエリー、焼き菓子などが販売された。

 展示会は市が連携する市内百貨店や大型商業施設とのマッチングの場にもなっており、バイヤーらが訪れていた。店側との交渉が成立すると、10月以降、店舗や施設が行う催事に出店できる。

 出展した女性は「ここに参加すると、ほかの人がどんな物を作っているのかが見られて刺激を受ける」と話していた。

桜木町駅前で演説を行う小泉氏

自民党総裁選 小泉進次郎氏が桜木町駅前で演説 菅前首相は支援明言

 自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)への立候補を表明している小泉進次郎元環境相(衆院神奈川11区)が8日、桜木町駅前で街頭演説を行った。演説には菅義偉前首相(2区)も駆け付け、小泉氏を支援することを明言した。

 小泉氏は6日の出馬会見で主張した「聖域なき構造改革」や「人生の選択肢を増やす」などの政策を進めていくことを訴え、「私が総理総裁になったら、足りないところを私以上の力をもって支えてくれる完璧なチームを作る」と述べた。約20分間の演説を終えると、約1時間をかけて集まった聴衆とグータッチを行った。

 小泉氏の前には菅氏がマイクを握り、「小泉進次郎さんに日本のかじ取りを託したい、そんな思いで皆さんと一緒になって応援している」と総裁選で小泉氏を支援することを明かした。

 演説には、小泉氏の地元である横須賀市、三浦市選出の県会議員、市会議員なども駆け付け、自民党の多くの地方議員が集まった。

 演説に参加した横浜市内が選挙区に含まれる衆議院議員(比例含む)は、本紙の調べでは菅氏のほか、山本朋広氏(4区)、坂井学氏(5区)、古川直季氏(6区)、三谷英弘氏(8区)。次期衆院選への立候補を予定している丸田康一郎氏(13区)と草間剛氏(19区)も姿を見せていた。

大さん橋から望む月景色

横浜市内 お月見スポット「日本百名月」の大さん橋と横溝屋敷 中秋の名月は9月17日、夜景情報発信団体が認定

 「中秋の名月」が9月17日に迫る中、夜景情報を発信する一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローなどが観月スポットを選ぶ「日本百名月」に横浜市内から中区の「横浜港大さん橋国際客船ターミナルから望む月」 と鶴見区の「みその公園 横溝屋敷の月」が認定されている。

 日本百名月は同ビューローが「月」を観光集客につなげようと、2016年に始めたもの。

ベイブリッジと海面に伸びる「月の道」

 百名月の100番目に認定された大さん橋客船ターミナルは、日本夜景遺産にも登録されているビュースポット。現地調査や審査、認定を行った同ビューローの担当者は絶好の撮影スポットに大さん橋の先端を挙げ、「特にベイブリッジ側の風景がおすすめ」と話す。満月の夜は、揺れる海面に月光が一筋となって「月の道」が現れる。

江戸時代の雰囲気感じられる屋敷

 みその公園は江戸時代からの主屋、長屋門、蚕小屋、穀蔵、文庫蔵が残り、江戸時代の雰囲気が感じられる見学施設。同ビューローの担当者によると、おすすめの観月場所は横溝屋敷。「母屋2階から長屋門と獅子ヶ谷市民の森の上空に昇る月が眺められる」としている。

 同公園では9月21日(土)午後5時〜8時に「竹とうろうまつり」が開催される。竹林や庭、屋敷から裏山への道が竹灯篭で飾られ、幻想的な雰囲気の中で観月できる。参加費100円。詳細は同公園【電話】045・574・1987。

ブースを訪れる来場者

赤レンガで体験型防災イベント ラジオ日本と市が8日まで

 体験型の防災イベント「横浜防災フェア2024」が9月7日に横浜赤レンガ倉庫イベント広場で始まった。8日まで。ラジオ日本=本社・中区長者町=と横浜市の主催。

 「学ぼう やってみよう 自助・共助」をテーマに、消防車やはしご車、防災関係車両が展示されたほか、トレーラーハウスなどの体験もあった。

 非常用のトイレ処理パックを展示していた防災用品などを取り扱う「セットアップ横浜」=港北区新横浜=の山田紀雄さんは、能登半島地震の被災地で目の当たりにした状況を踏まえ、「避難所のトイレが汚れ過ぎていて行くのをためらい、具合が悪くなった人もいる。トイレパックを家庭でも備えてほしい」と訴えていた。

 8日の開催は午前10時30分から午後5時。午後1時からは東京大学地震研究所准教授の青木陽介さんやお笑いタレントで防災士の赤プルさんなどが出演するトークイベントがあり、この様子は13日午後8時から9時30分までラジオ日本で放送予定。午後3時からは市消防局、海上保安庁、県警水上警察署の船舶紹介もある。

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青木小児童の動画が披露された

横浜市教育委員会による教員向け研究協議会で児童・生徒が意見発表 神奈川区の青木小、青葉区の市ケ尾中

 横浜市立の学校教職員を対象とした「横浜市教育課程研究委員会 総則部会 研究協議会」が8月20日、関内ホール=中区=で開催され、神奈川区の青木小学校、青葉区の市ケ尾中学校の児童・生徒が意見を発表した。

「自立した学習者の育成」がテーマ

 同協議会は「横浜市立学校カリキュラム・マネジメント要領」に基づき、学びの質の向上を目指し、教育課程のあり方を研究するために開かれている。参加したのは会場を訪れた教職員約600人と、オンライン参加の約400人。児童・生徒の意見発表は事前に学校内で撮影した動画を投影する形で行われ、普段の学習の様子や自立した学習についての意見が披露された。同協議会で児童・生徒の生の声が発表されるのは初めて。

台本なしで撮影した動画で活発な意見が

 台本、筋書きなしで撮影に臨んだ青木小の児童は「総合、特別活動は内容を自分たちに委ねられていて楽しい。先生は必要な時には助けてくれる、補助のよう(な存在)」などの意見が出た。市ケ尾中の生徒からは「正解が一つではない課題について、自分たちで調べることによって、学びが深まると思う」と述べた。

 これらの意見を受けて、青木小の後明好美校長、市ケ尾中の竹下恭子校長、教育委員会教育課程推進室の丹羽正昇室長らが座談会を展開。これからのカリキュラム・マネジメントに、子どもの声を積極的に取り入れること、学校、家庭、地域と連携して新しい学びの形を探していくことなどが話し合われた。

丁寧に仕上げをする生徒(中央が土屋代表)

泉区・秀英高校 プロに学んでパン作り 「セレクト授業」の一環で

 泉区和泉町の秀英高校で8月20日から22日にかけて、生徒がオリジナルパン作りに挑戦する特別授業が行われた。

進路選択のきっかけに

 同高では週に2回ほど、企業や大学、専門家の協力を得て「セレクト授業」として幅広い分野の講座を展開。様々な体験が進路選択のきっかけになればと取り組んでいる。

 今回のパン作りもその一環で、日頃から同高でパンを販売している「パン香房つちや」(相模原市)の土屋涼介代表が講師を務めた。座学からはじめ、最終日の22日にはパンを実際に焼く工程を体験。今回の講座では生徒たちの希望でスティックチョコパンやメロンパンを作り、オーブンで焼きあがると香ばしい匂いが家庭科室に広がった。

 参加した生徒は「生地を練るのに力が必要で思ったより大変だった」と感想を話した。土屋代表は「パン業界も人手不足。どう作られているのかを知って興味も持ってもらえたら」と話した。

夏の夕べを照らす竹灯籠 泉区・新橋地区社協

 泉区の新橋連合自治会館前の広場で8月23日から25日にかけて、「新橋竹灯籠祭り」が開催され、地元住民らが足を運んだ。

 新橋地区社会福祉協議会が主催するイベントで、今年で2回目。灯籠はいずみ野中学校や新橋地域ケアプラザの協力で集まったもので昨年より多い142基が夏の夕方を彩った。

 同地区社協の伊東崇さんは「今年もなんとか開催できた。恒例にしていけたら」と話した。

9月4日にあったキックオフイベントには約120人が参加した

仕事のスキル 企業・団体で活かすマッチング事業 横浜市が参加者募集

 仕事などで培ったスキルを地域の企業や団体で活かす横浜市のシニア×生きがいマッチング事業「よこはまポジティブエイジング」の基礎を学ぶ講座が9月20日(金)、10月4日(金)に日本丸メモリアルパーク=西区=内の訓練センター会議室で行われる。

 市内の高齢化率が25%を超える中、コロナ禍もあって、地域活動やボランティアへの参加者が減りつつある。市はシニア世代の新たな社会参加のきっかけづくりを進めようと、2023年から同事業を開始。おおむね60歳以上を対象に、仕事などを通して得た経験や技術を企業や団体の活動にマッチングさせる。

元公務員や建築士、保育士など

 昨年度は元公務員らのチームが金型の製造メーカーに対し、障害者雇用に関するアドバイスを行った。ほかにも、建築士、保育士、潜水士などの資格を持つ人が講座に参加していた。

 講座は活動するための基礎を学ぶもの。専門家から地域とつながる意義や自己発見、コミュニケーション力の向上法を聞いて考える。時間は両回とも午後6時30分から8時30分。参加無料。受講後は25年2月まで、受講者の希望に合わせて企業、団体の活動に参加していく。市は「社会参加の機会や場を得ながら、自身の楽しみや健康づくりにつなげてほしい」と呼び掛ける。

 プログラムのキックオフイベントが9月4日に開港記念会館=中区=であり、事業への参加を検討している人など約120人が集まった。

 講座申込は専用サイトで9月16日(祝)まで。定員30人で多数の場合は抽選。基礎講座は9月25日(水)、10月9日(水)に金沢区で、10月3日(木)、18日(金)に都筑区でも開かれる。問い合わせは企画・運営を行う関内イノベーションイニシアティブ株式会社【電話】045・274・8701。

市内各地に広がっているシェアサイクル

横浜市 全市一体でのシェアサイクル展開へ 2025年度から全国初の事業者間相互乗り入れ目指す

 横浜市は2025年度からのシェアサイクル事業について、市内全域を対象区域として事業者の公募などを進めることを9月5日に発表した。

 市は全国に先駆けて2011年度から、都心部でシェアサイクルの社会実験を開始。2022年度からは都心部以外の北部・南部・中部の各エリアでも社会実験を始め、2024年度末までを事業期間としている。

 現状では事業を全市展開しているものの、市内で複数の事業者によるサービスが展開されており、事業者をまたいだ相互利用はできないことが課題となっていた。

 そこで、市内全域を一つの事業区域とし、事業者に共同ポート化を求めて相互乗り入れを図り、利用者の利便性を向上させる狙い。他都市では異なる事業者間の相互乗り入れの事例はなく、実現すれば全国初の取り組みとなるという。

通勤・通学の利用促進へ

 市が行ったアンケートによると、これまでの事業では利用目的は「通勤」「買い物」「遊び」がそれぞれ約3割を占め、残りの1割が「業務」だった。今後の事業でも都心部での観光・遊び目的での利用にとどまらず、通勤・通学など、日常からの利用促進を目指す。

 同日に開かれた定例記者会見で山中竹春市長は「(シェアサイクルは)環境にやさしいまちづくりを進めている横浜の方向性に合致する。多様な移動手段の一つとして促進していきたい」と話した。今年中に事業者を公募し、2025年4月から事業開始の予定。

ドリンク付きポラタセット(1,000円)

横浜ほっこり純喫茶【1】 南区南太田の「ぱぁらー泉」で横浜発祥のナポリタンを味わう 本紙記者のひと息時間

 どこか懐かしい雰囲気やメニューで、若い世代の注目も集める純喫茶。純喫茶とはアルコールの提供がなく、純粋にコーヒーや軽食を楽しむための空間だ。日々地域を回るタウンニュース記者が、取材の合間に立ち寄り、ほっとひと息ついている純喫茶を紹介する。

どこか懐かしく、ぬくもりある店内

 京急南太田駅前にある「ぱぁらー泉」は1967(昭和42)年創業。れんが造り風の2階建ての店内は、まさに昭和の純喫茶といった趣だ。1階は赤、2階は緑のベロアを使った椅子やソファ、木目のぬくもりが感じられるテーブル、キャンドル型のレトロな照明などが、ゆったりと過ごせる雰囲気を生み出している。店内に流れるのはゆったりとしたヒュージョン系のジャズで、耳に心地いい。

 ランチタイム後を狙って訪問したが、1階は地元の常連客でいっぱい。それというのも、店長の八亀淳也さんをはじめ、スタッフの接客が気持ちよく、初めて訪れた人も常連客もついつい腰を落ち着けてしまうから。そこで、2階の広々としたソファ席に案内してもらった。

開業当初からのナポリタンが名物

 注文したのは開店当初から続く定番メニューの「ポラタ」。いわゆるスパゲティ・ナポリタンで、愛好家団体の「日本ナポリタン学会」から認定も受けている。

 ナポリタンは横浜の山下町で昭和初期に開業したホテルニューグランドが発祥の地と言われているが、ぱぁらー泉のナポリタンはニューグランドスタイルのトマトソースではなく、トマトケチャップでの味付け。

 ユニークな名前は、デミグラスソースの一種で、ソーセージやベーコンが入った「シポラタソース」にちなんでいる。八亀さんによると、具材にソーセージ、ベーコンが入っているので、ポラタと命名されたそう。そのほかの具材はピーマン、タマネギ、マッシュルーム。

 テーブルに届いた瞬間から立ち上る香りは、ソーセージとベーコンがこんがり焼けている証拠だ。「自分がベチャっとしたのが好きじゃないから」具材を鉄製フライパンでしっかり炒めているそう。

 セットのコーヒーは、横浜馬車道創業の老舗コーヒー店「キャラバンコーヒー」の豆を使用していて、横浜の味を楽しむことができる。

■南区南太田1-27-10 【電話】045-713-7722(メニュー、価格は取材時のものです)

大山詣での様子「伊勢原市教育委員会」

第109話 〜紡ぐ古道・その弐:戸塚の血の雨〜 とつか歴史探訪

 これは明治5(1872)年7月7日に大山詣での帰りに起きた東京・横浜の二組の講による事件でした。東京の石屋講は大山での博打に興じる博徒も混じって、東京に5軒・150台の御免人力車全てを買い切り大山に出かけました。

 一方横浜のお備講は駕籠で出かけましたが、こちらは当時始まった洋服裁縫屋の連中で景気良く駕籠一挺に駕籠屋が三人付き総体で四十挺駕籠屋の数が百二十人、夏の時期なので素っ裸で彫物を見せて駕籠を担いだとあります。

 大山の帰りは江ノ島に泊まり、鎌倉で昼食、その後戸塚で石屋講(東京)は江戸屋に、お備講(横浜)は吉本に小休、その晩は保土ケ谷泊まりとなっていました。

 まだ戸塚に着く手前の貝殻坂(現・栄区)で、上りは人力車がどうしても駕籠に負ける、下りは人力車が早かったのですが、どうしたわけか人力車がひっくり返ったのです。そこで東京方は怒り、先に戸塚の江戸屋に乗り込んで、後から来た横浜の連中を吉本に入る前にやっつけたのです。

 そこへ出入りの洋服職人を救いに駆けつけた横浜之外国人が加勢に入り、東京方の石屋は丸太を振り回し、戸塚の消防夫が長梯子を持って仲裁に入ったのさえ撃ち殺されてしまいました。死人は山のよう、怪我人は数え切れないほど、戸塚の町は一軒も戸を開けることなく、屋根瓦は剥がされ・ぶん投げられ、お上の御用となったのです。

 七日七夜戦い横浜裁判所が本陣に出張し調べ、横浜の駕籠屋一人、東京は車夫一名が懲役となりました。散々人を殺して一年の懲役という安いものでした。

 大山詣がいかに市民の一大事業だったのか、とんでもないエピソードでした。

セカンドシーズン 連載【2】 介護の「本質」考えてみませんか 「気を付けたい『脱水』」

 今月は、猛暑もあり予定を変更し介護従事者として「脱水」について書かせていただきます。

 報道などで「熱中症」や「脱水症」に注意と耳にしているかと思います。高齢者だけではなく、日々生活して行く上で全員が気を付けないといけないほどの暑さとなっています。その中でも、認知症を有されている方と梗塞をおこされた過去がある方は特に注意が必要になります。

 1 認知症

 実は、夏場に症状が強く出てしまう方がいらっしゃいます。また、認知症を有されていない方でも認知症のような症状が出てしまう方がいらっしゃいます。この理由の一つに「脱水」があり、これを「脱水性認知症」と言います。今までと症状が違う、だから認知症が進んだと勘違いしてしまう介護従事者もいるようですが、この判断を間違えてしまうと本当に進行につながってしまうことや、最悪命にもかかわってしまいます。基本的に認知症は治らない(症状は落ち着く)と言われていますが、「脱水性認知症」は症状の改善ができる認知症の一つです。

 2 梗塞

 脳梗塞をおこされた過去がある方も「脱水」に注意が必要です。脱水になっている状況は「血液がドロドロ」になっていますので、再梗塞の危険性が高まります。また、血液がドロドロになってしまうことで循環にも支障が出やすく「心筋梗塞」の危険度も高まってしまいます。

 さらに、冬場に多いヒートショックが夏場でも起きている可能性が否めません。これは、エアコンなどの発達があり屋内と屋外での温度差があることもあると思いますので、脱水と温度差に注意が必要と言っていいと思います。脳梗塞に関しては、1度起こされている方は80%以上の確率で再梗塞を起こすともいわれています。さらに、1回目より2回目、3回目と大きな梗塞となっていくため重症化の危険があります。

 そのため、脱水には本当に気を付けなければならないと言えます。「脱水」から、認知症の症状が出てしまうことや命にかかわる事にもつながってしまいますし、かかわり方を間違えてしまえば「本当に認知症が進行してしまいます」ので、こまめな水分補給が必要になります。寝ている間にも脱水になることがありますので、就寝前にも水分補給されてから寝ることをお勧めします。

 そして、熱中症が疑われる際はすぐに受診し適切な治療を受けるようにしてください。