高津区版【9月27日(金)号】

神奈川18区 5人での議席争いか 次期衆院選にらみ主張

 今秋の実施が取りざたされている次期衆議院議員選挙。「1票の格差」是正に伴う新しい区割りで行われる初めての選挙となる。区内の分割が解消された中原区と高津区を選挙区とする「神奈川18区」は、現職1人と、新人4人が出馬の意向を示している。=本紙調べ、9月23日起稿

 これまで高津区は、宮前区の一部と中原区の一部とで18区となっていたが、2022年の公職選挙法の改正により中原区全域と高津区が「新18区」となった。

現職1人に新人4人

 新しい選挙区で行われる次期衆院選には、現職で自由民主党の山際大志郎氏(56)、立憲民主党の宗野創氏(31)、日本維新の会の横田光弘氏(66)、日本共産党の君嶋千佳子氏(74)、国民民主党の西岡義高氏(47)の5人が出馬の意向を示している。

 山際氏は、2021年の総選挙で自由民主党から立候補し、6選を果たした。経済産業副大臣や経済再生担当大臣、初代スタートアップ担当大臣などを歴任。現在、自由民主党競争政策調査会長を務め、企業公正取引のルール整備、スタートアップ推進、経済安全保障全般などに注力。『三代で子を育む社会』を目指し活動を行っている。

 宗野氏は早稲田大学政治経済学部を卒業後、三井住友銀行に入行。松下政経塾41期生。「人への投資」が日本経済復活の鍵とし、労働・教育・福祉政策を進め、賃金上昇を最優先に消費税還付制度や家賃補助制度の導入で家計支援を目指す。介護士・保育士・教職員らの待遇改善や、教育と中学校給食の無償化は国が取り組むべきと訴える。

 横田氏は、慶應義塾大学工学部卒、松下政経塾2期生で神奈川県議会議員を2期務めた。「国民の負担を減らし、所得を増やすために」を掲げ、「既得権益」等の利権を解体し負担減、規制改革と積極財政で経済を向上させ所得増などを主張。「癒着を断つために政治献金を受け取らず、政治家は国家国民のために存在するべき」と訴える。

 君嶋氏は、北海道大学経済学部卒で、日産プリンス東京販売に入社。厚生労働省神奈川労働局に勤務した後、神奈川県議会議員を2期務めた。「当たり前の政治をつくり出す」ことを主張し、「選択的夫婦別姓制度の実現」にも踏み込み、「企業団体献金も統一協会との癒着も断ち、国民が主役の政治を実現したい」と意欲を見せる。

 西岡氏は、駒沢大学卒後、会社員として勤務する傍ら、空手や護身術、放課後デイサービスでの運動療育指導などを通じて多くの子ども達と関わる中で、将来的に希望の持てる日本を引き渡すため出馬を決意。「国民に対して関心がなく裏金作りにばかり勤しんだ結果」とし、失われた30年を憂い、生活者の視点に立った政策を標榜する。

 なお、現職で教育無償化を実現する会の鈴木敦氏(35)は、9月23日現在、本紙の取材に対して立候補の意思を明確にしていない。

 川崎市選挙管理委員会が公表した今年9月2日時点の選挙人名簿登録数は在外登録者数とあわせて41万4182人。

市内小学校で提供されている給食の一例

川崎市 学校給食費 値上げの方針 物価高騰受け 来年度めど

 川崎市は、学校給食費を2025年度から値上げする方針を示している。値上げした場合は、1食あたり小学校で50円、中学校で60円程度を見込む。

 市では学校給食法などに基づき、給食の実施に必要な設備などにかかる経費や人件費は市が、食材費は保護者が負担している。現在の給食費は1食あたり小学校が270円、中学校が320円。小学校では2018年に料金を改定、中学校では17年度の完全給食開始以来、これまで変更はなかった。

 市によると、新型コロナの感染拡大やロシアのウクライナ侵攻などによる近年の物価高騰の影響で、保護者から徴収する給食費では食材費が不足する状況が続いていた。22年度と23年度は、国の新型コロナ対策のための臨時交付金で不足分を補った。

 今年度は給食の安定運営のために設置されている市の学校給食運営基金を取り崩しているが、物価高騰に歯止めがかからず、9月議会一般会計補正予算案に食材料費として約5億6千万円を計上。加えて、献立の変更や削減などの工夫で食材費の抑制も図ってきた。

 市は、今後も物価高騰が続いた場合、将来的に給食の質を維持していくことが難しく、料金改定の検討が不可欠と判断。5月の市議会文教委員会で現状を報告して今後の対応について協議に入り、8月の同委員会で値上げに向けて取り組みを進める方針を示した。

11月規則改正目指す

 改定の場合、金額は前回改定後の18年4月から今年4月までの市の消費者物価指数の上昇率などから試算し、1食あたり小学校で320円、中学校で380円程度になると見込む。

 市は9月中に保護者アンケートを実施し給食の感想や要望、改定に関する意見を聴取。校長会やPTA、教職員組合の代表者らからなる市学校給食運営連絡調整会議での検討を経て、11月中をめどに学校給食費が定められた市の規則を改正したい考えだ。市の担当者は「市議会や保護者アンケートでの意見を踏まえて検討を進めていきたい」と話している。

 今年度、政令市ではさいたま市と神戸市が小学校の給食費を改定。差額分は市が負担している。

晴れ舞台となる会場

音楽好きに、発表の場を 「糀ホール」の恒例行事、定着

 「日頃から音楽の練習に励んでいる人々に発表の場を」という趣旨の下で企画される「コージーコンサート」が10月6日(日)、大山街道沿いの「糀ホール」(【電話】044・812・6090)で開催される。音楽が好きな人のために広く発表の場を提供しようと始まったこの企画。詳細と、関係者の想いとは―。

ジャンル問わず熱演

 2001年から行われているこのコンサートは高津区役所、「音楽のまち・かわさき」推進協議会が後援しているもの。今回もピアノやバイオリンの独奏、ソプラノ独唱やなど様々なジャンルの熱演が予定されている(入場無料)。

地元の文化、これからも

 またアマチュア・プロの区分けはもちろん、年齢などにも制限を設けずに幅広く門戸を開き、参加者同士が和気藹々と交流を楽しめるのも特徴。1組の出演時間は約10分程度と短めだが、参加者の家族や友人が聴衆として駆け付けるケースも多く見受けられ、当事者以外のステージでも場内の盛り上げにひと役買う事も。入場無料のかわりに出演者が「参加費」という形で運営費用を負担するのスタイルも、すっかり定着している。

地元の文化、これからも

 会場を提供している糀ホールでは「元々、単独でのコンサートはできないが、機会があればステージに立って演奏してみたいという方や、楽器を習っている方が練習成果を披露する場が少ないという声を聴いたのが、開催のきっかけ。これからも地元の文化として皆さんと共に続けていければ」と話している。

桂さん(左)と神田さん

講談・落語 岡本太郎と母・かの子 描く 神田京子&桂春蝶 高津区文化祭で登場

 今年は芸術家・岡本太郎の母で、歌人・小説家の岡本かの子生誕135周年。高津出身の岡本かの子と太郎が10月25日(金)、高津区文化祭のステージで講談・落語となって甦る。

 講談は人気の講談師・神田京子が「岡本かの子伝」を口演。自由奔放に誇り高く生きた、かの子の生涯を辿る。落語は桂春蝶が、太陽の塔制作秘話でもある創作落語「太郎と太陽と大(後編)」を披露。観客をハッとさせる名作で、太郎の思いを落語に込める。

 主催は高津区文化協会。午後6時30分開演、高津市民館大ホール。前売券3千円(当日3500円)、全席自由。申込は同協会に枚数・氏名・住所・電話を明記して同協会へFAX(【FAX】044・322・9647)又は田村さん【携帯電話】090・9314・1430。詳細は同協会HP(ホームページ)。

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メッセージとともに展示された本

川崎図書館 未来の科学・技術者を応援 寄付金で入門書集め、展示

 「青少年のために入門的な理工系図書の充実を」と、県立川崎図書館(坂戸・KSP西棟2階)が募集した図書購入用の寄付金で目標の50万円以上が集まり、9月13日から本の公開が始まっている。

 寄付金で購入した本は現在、ものづくり入門コーナーに所蔵され、「本でつなぐエール 司書が選んだ科学技術の本」として展示中(来年2月12日まで)。寄付した人から寄せられた、科学技術の未来を担う青少年への応援メッセージも展示されている。

234冊を購入

 川崎図書館は全国でも珍しい、ものづくりや科学技術に特化した図書館。専門書や研究開発に関する専門誌などを揃えるが、予算の関係から入門書まで揃えるのは難しかったという。

 それでも「世界で活躍する科学者や技術者だって最初は素人。その道に進むきっかけになった本があったに違いない」との思いから、若い世代に興味を持ってもらうための図書充実が目標に。教育環境整備のための神奈川県まなびや基金を活用し、昨年度に寄付を募集。その結果、利用者をはじめ賛同者らの協力で59万円近くが集まり、234冊を購入できた。

 本は中高生らに相応しい、ビジュアル解説の多いものなどを司書が厳選。人工知能等の先端技術や、理工系の進路選択の参考になりそうな職業に関する本もある。「ぜひ手に取ってみて活用してもらえたら」と担当者は話す。

 展示にあたり、同館の今部一良館長は「県民の皆様や企業の方からもご賛同頂き目標を達成することができた」と感謝。「寄付してくださった皆様からのエールが形となり、手に取った一冊の本が新たな世界の扉を叩くきっかけになれば」としている。(問)同館【電話】044・299・7825

川崎市役所

感染症「リンゴ病」流行 市、6年ぶりに警報発令

 「リンゴ病」の通称で呼ばれる発疹性感染症「伝染性紅斑」が川崎市内で流行している。6月に感染者が増え始めて8月下旬から急増し、市内の患者発生状況を定点調査する「感染症発生動向調査」で基準値を超えたため、市は9月10日に流行発生警報を発令した。伝染性紅斑の警報発令は6年ぶり。

 伝染性紅斑は「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスが引き起こす感染症で、主に就学前後の子どもを中心に流行する。接触で感染するほか咳やくしゃみなどの飛沫でも感染するため、市はこまめな手洗いや咳エチケットを呼び掛けている。

妊婦の感染に注意

 感染初期には微熱やくしゃみなど風邪に似た症状がみられ、感染後10日から20日で両方の頬に赤い発疹が現れる。発疹が出てから1週間前後で感染力は消えるが、妊婦が感染すると胎児の心機能低下につながり、胸や腹部に水がたまる「胎児水腫」を引き起こすこともあるため、注意が必要だ。

 「感染症発生動向調査」は複数の医療施設で感染症の発生状況を定点調査し、1週間ごとの患者数の平均値から流行の度合いを判断するというもの。今回は小児科37施設で、伝染性紅斑の患者が9月2日から8日の間に警報の基準値である「2人」を超える2・19人となったため、警報発令となった。

申込は上記・二次元コードから

子どもアレルギー教室 高津区役所で

 高津区主催のこどもアレルギー教室「こどものアレルギー〜アトピー性皮膚炎、ぜん息、食物アレルギーとの上手な付き合い方」が10月18日(金)、高津区役所地域みまもり支援センター1階保健ホールで開催される。

 講師は神奈川県立こども医療センター看護師の川辺厚子さん。日常生活の過ごし方や受診のタイミングなどを学べるほか、石鹸の泡立て方やスキンケアの実演も。

 午前9時30分から11時で、参加対象は区内在住の人。申込は10月1日午前8時30分開始で、先着20組(未就学児保育は先着6人)。16日締切。

 (問)区役所地域みまもり支援センター【電話】044・861・3315

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紙のリサイクル学ぶ 10月10日に講演会

 古紙再生促進センターの濱野彰吾氏から「紙リサイクル」をテーマに家庭ごみの減量、リサイクルの方法を学ぶ「3R推進講演会」が10月10日(木)、高津市民館大ホールで開催される。

 時間は午後2時から3時50分。参加無料。申込は不要で当日先着600人。(問)川崎市環境局減量推進課【電話】044・200・2580

サポーターと一緒にごみ拾いをする高井選手(中央)

選手9人と清掃活動  サポーターら300人参加

 川崎フロンターレ選手会主催の「清掃、緑化・美化活動」が8月25日、等々力緑地周辺で行われた。選手やサポーター、市民ら約300人が参加し、多摩川河川名の標識の塗り替えや、全国都市緑化かわさきフェアに向けたパレット塗装、競技場周辺のごみ拾いを行った。

 毎年恒例となっている清掃活動。今年は川崎市市制100周年の記念事業の一つ「緑化フェア」を盛り上げようと、緑化・美化にも取り組むことに。当日は、家長昭博選手や高井幸大選手ら9人の選手が参加。選手と共にユニフォームを身にまとった子どもやサポーターらが複数のグループに分かれて、選手たちと会話をしながら、ごみを拾った。昨年も参加したしたという麻生区在住の丸林拓真さん(小3)は「選手と一緒に活動ができて楽しかった」と笑顔で話した。母親の典(つかさ)さんは「こうした地域貢献活動はフロンターレならでは。いつまでも続けてほしい」と期待を寄せた。

 最後には、参加選手が一堂に会し、私物をプレゼントする抽選会も行われ、盛り上がりを見せた。今回初めて参加した山田新選手は「サポーターと一緒に作業できて良かった。日頃からの感謝を伝えられる機会になったので楽しかったし、貴重な経験になった」と笑顔で活動を振り返った。

現在売れ筋の高井選手のユニフォームを持つ谷口さん(写真上)、話題を集めた2(木)行アクリルキーホルダー

アンテナ張って新作続々 グッズ企画・谷口さん

 試合の応援グッズだけでなく、生活雑貨や川崎の名店とのコラボグッズなどさまざまな商品が並ぶ公式グッズショップ「アズーロ・ネロ」(中原区)。店内には毎週のように新作が登場し、サポーターを楽しませている。この発表ペースと品数は、他クラブからも一目置かれる存在だ。

 「サポーターの皆さんから『おもしろい』と思ってもらえることを意識しています」と話すのはグッズ企画担当の谷口洋勝さん。企画会議は毎週行われ、谷口さんを含めたスタッフ3人で意見を出し合うところから始まる。「SNSや選手の一言などをチェックして、良し悪し決めずにアイデアを出します。ネタ探しも楽しみになっています」と常にアンテナを張っているようだ。

最速1カ月で商品化

 通常商品化するには2〜3カ月かかるというが、旬な話題の時は1カ月ほどで商品化することも。今年1月には、小林悠選手が目標として掲げた「二桁ゴール」を「二行」と書き間違えてしまったことがSNSで話題になると、企画スタッフはそこを逆手に取り、「2(木)行アクリルキーホルダー」として商品化。小林選手を「いじった」商品は話題となり、すぐに完売となった。

「フロンターレらしく」

 新作の数が少ないと「フロンターレらしくない」と言われてしまうこともあり、サポーターからの期待値も高くなっている。谷口さんは「もっと喜んでもらえるようなグッズを考えていきたい。グッズを通してプライベートでもフロンターレを身近に感じてもらえれば」と思いを込めた。

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選手入場前のファンファーレ演奏

トランペットで勝利に導け 洗足学園音楽大学「フロントールズ」

 等々力でのホームゲームで、選手入場の直前に流れる「ファンファーレ」。音色を奏でているのは、洗足学園音楽大学のブラスバンド「フロントールズ」のメンバー。このうちの5〜6人が試合ごとにトランペット隊を結成。試合前のみならずフロンパークで行われているステージイベントでの「時報演奏」、ハーフタイムショー等でも場内を盛り上げている。

本格的な活動は'04年から

 同大学教授でフルート奏者の渡部享さんが率いる演奏会実習ゼミバンドとして、2004年から本格的な活動をスタートした「フロントールズ」。スポーツと音楽の融合を図る本格的な吹奏楽を得意とするブラスバンドとして、フロンターレの新体制発表会やファン感謝イベントなどでも様々なパフォーマンスを披露している。

演奏者は「日替わり」

 ファンファーレを奏でるメンバーは試合ごとにまちまち。トランペット隊を率いるパートリーダーの依田彩貴子さんが「各自の都合」や「出演希望の有無」「高・低音パートごとの振り分け」などを考慮しながらシフトを考案している。場合によっては自身は演奏せずマネジメントに専念することもあるのだとか。「試合直前のファンファーレが上手く演奏できないと、選手の士気にも影響がでてしまうので」と、プレッシャーの存在を明かしつつも「2万人のサポーターの前で演奏披露できるのは何より嬉しい」とも。勝利を呼び込むための音色を、今日も奏でる。

エピソードを語り合い、笑顔の2人

愛する地域へ「結果で返す」 GK早坂選手、MF山内選手が決意

 川崎から世界へ――。「川崎フロンターレ」を背負っていく選手として期待されるGK・早坂勇希選手(25)と、MF・山内日向汰選手(23)。ともに、若手育成に定評があるフロンターレアカデミー出身で、桐蔭横浜大学サッカー部の先輩後輩として汗を流してきた間柄だ。川崎市制100周年を現役で迎える今、さらなる飛躍を誓うとともに、チームが地域と歩んできた軌跡を新時代へとつなぐ覚悟も示した。

◆ ◆ ◆

 早坂選手がサッカーを始めたのは小1の頃。友人に誘われ夢中になり、当時から身体が大きくパワーとスピードを備えていたこともあり才能を開花。そんな息子の姿をみたスポーツ好きの父がサッカーを始めたことも大きな後押しになった。「親と意見がぶつかったこともあったけど、同じ目線に立ってくれたことは本当にありがたかった」と感謝を口にする。

 山内選手は幼稚園でサッカーと出合った。「日韓W杯の余韻が残っていた頃かな」。それからサッカーにのめり込み、良き指導者にも恵まれたという。「学生の頃はよくコーチとぶつかって態度に出していた。でも今思うと、言われた通りだったなって思うことばかり」と振り返る。

 2人とも口にするのは地域への愛着と感謝だ。今年初めて商店街へのあいさつ回りをしたという山内選手。「地元の方の温かい応援や、アカデミー時代から試合に足を運んでくれる方もいて、嬉しかったですね」。早坂選手も「まるで親戚のように気さくに接してくれるのが川崎の魅力。地域に支えていただいている分、結果で還元するしかない」と力を込める。

 海外移籍や日本代表も数多く輩出しているフロンターレ。2人も刺激を受けながら日々練習に励む。早坂選手は「自分も川崎育ちの誇りがある。まずはデビューして活躍し、日本代表になって地域に恩返ししたい」と強調(※取材3日後の8月17日横浜FM戦でプロデビューを果たした)。山内選手も「フロンターレが強いと、まちも盛り上がると思う。個人としてはJリーグでゴールを獲りたい」と意気込む。

「初めて褒められた(笑)」 

 アカデミー・大学時代から切磋琢磨してきた2人だからこそ、互いに尊重もし合う。「ひなたは自分自身に対する厳しさがチームトップクラスだと思う。試合に勝ってもプレーに納得できなければ、とことん結果と向き合い自分を追い込む。それはプロになっても変わっていない。尊敬するところですね」。先輩からの思わぬ言葉に、「初めて褒められました!」と照れた表情を見せた山内選手。その早坂選手に対しては「ゆうきさんは普段の生活習慣から隙がない。人への接し方や、グラウンドを離れた仕事にも真摯に向き合う人格者。大学時代はよくお説教をもらって反省していました」とも。「それは期待の表れだから」と早坂選手も笑い、良き信頼関係をみせた2人。

 100周年を迎えた川崎市の将来にも思いを巡らす。公園でサッカーを楽しんでいる子をよく目にするという山内選手。「僕も『いつかプロになるぞ』と思って公園で練習していた。挫折も経験したし、つらい事もあったけど、続けていれば達成できるという姿を見せたい。みんなと一緒に喜べるように、サッカーでまちに貢献できるように、もっとトレーニングを重ねたい」。早坂選手は「市制100周年という節目にフロンターレでプレーできる喜びを感じている。まずは応援してくれる皆さんに結果で恩返しすること。そして、僕たちが達成できなかったことを、未来を担う子どもたちが塗り替え、より良い川崎を作っていけるような環境を作ること」と思いを込める。

 「プロスポーツ不毛の地」で、市民との絆を深め成長を遂げた川崎フロンターレ。その若き2人が新たな歴史を刻む。

はつらつとプレーする参加者©川崎フロンターレ

Anker フロンタウン生田 「シニアサッカー」が好評 新たな交流も芽生え

 生田浄水場用地の活用のため、フロンターレと川崎市が地域住民や大学などと連携して整備し、昨年3月に開業した複合スポーツ施設「Anker フロンタウン生田」(多摩区生田)。アカデミーの拠点として若手選手の育成に取り組むとともに、市民向けの健康促進事業なども展開。市が整備した広場も隣接し、災害時の一時避難場所としての機能も併せ持つ。

 昨年11月には新たな試みとして、シニア向け個人参加サッカー「over60」をスタート。60歳以上の男女を対象に、毎週金曜日の午前10時から正午まで、同施設の青々とした人工芝グラウンドの上でサッカーが楽しめるという取り組みだ。

 集まった人数に応じてコートの広さを変え、約15〜20分のゲームを繰り返して汗を流す。プレー前には簡単なトレーニングや練習の時間もあり、スタッフが指導してくれるので初心者でも安心だ。基本は予約制だが、当日参加も可能。参加費は一人1回1100円。

 開始して約1年。市内外から参加者が集まっており、リピーターも多いという。「和やかな雰囲気で楽しんでいただいており、サッカーを通じて新たな交流も生まれている」と事業担当の出口陽介さんは話す。

 加えて、同施設では今年10月から金曜日に「スナッグゴルフ」のグラウンド開放を開始する。以前から取り組んでいる「ポールウォーキング教室」とあわせて、金曜日の午前中は中高年向けの事業が充実。「フロンタウンを皆さんの生活の一部にしていただけたら」と出口さんは呼びかけている。詳細は【電話】044・328・5771。

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不定期連載 市民健康の森だより 第154回 残暑の中での「9月度菜園体験教室」について

 今年の夏は本当に異常な暑さです。9月19日は秋のお彼岸の入りだというのに真夏以上の蒸し暑さでした。それでも今年の菜園体験教室受講生の皆さんは熱心に参加して頂けます。今回も8名参加、受入れ側も力が入ります。

 今回の主作業は青首大根の種蒔きです。何度かご紹介しているように私たちが育てる大根は11月30日に予定している「親子大根抜き体験」で区民の親子に楽しんでもらえるイベントで使用する大根です。菜園体験教室と親子で楽しむ野菜収穫体験シリーズのイベントを上手く連携させています。

「大根畑は10回耕せ!」と園農部会長が力説

 大根は畑の準備が大切です。今回、講義部分を受け持った園農部会長の説明です。『大根畑は種まき前に10回耕せと言われています。小石や土の塊があると成長しようとする大根の妨げとなり二股に割れたりします。今回、10回は耕していませんが4週間前にまず苦土石灰を入れて耕しています。これで土をアルカリ性に戻しています。3週間前には鶏糞などの有機肥料を入れて耕し、2週間前には土に栄養を与える化成肥料を入れて耕しました。先週は大根用に少し高い畝を作り、マルチ張りまで終わっています。』

 これらの準備は私たちの会員によって実施されました。受講生の皆さんには用意された畝にまずシャベルで30cm程の深さに穴を掘り、底に防虫剤を入れてから土を戻し、種を並べた上に土を被せてもらいました。たっぷり水を施すのも大事です。最後に畝全体を防虫ネットで覆って終了です。

 畑の準備を行ったのはほとんどが以前、菜園体験教室を受講しそれを切っ掛けに会員になった皆さんです。私たちにとって各種体験教室は会員獲得の主な手段にもなっています。今回参加頂いている受講生の皆さんへも来月の最終回では入会のお誘いをするつもりです。

教えて!職人さん vol.56 外壁塗装でDIYする方法を解説します!【1】

 Q...依然続く値上げの嵐で外壁塗装についても「自分で行いたい」という方が増えたのだとか?

 A...ええ。「外壁塗装をDIYしたいけど、どうしたら良いか分からない」という問合せを多く頂戴するようになりました。そこで今回からは、外壁塗装におけるDIYについてお話します。

 Q...まずはメリットついて教えて下さい。

 A...最大のメリットは費用面です。例えば30坪程度の塗装を業者に依頼したときの相場は大体100万円です。これをご自身で行えば(DIY)約半額で済みます。また打合わせの必要がなく短期間でできるため、お好きなタイミングで施工できるのも特長です。

 Q...デメリットは?

 まずは「危険が伴うこと」です。高い外壁や屋根を塗装する際は高所作業になってしまい、転落の可能性が高まります。

足場の設置が難しい方はぜひ塗装会社に依頼してみてください。次に「下地処理ができないケースがあること」です。破損具合にもよりますが、一般の方が行うと下地処理がうまくいかず、雨漏りの原因になってしまう恐れがあります。さらに言えば「失敗する可能性が高いこと」もデメリットです。外壁塗装を全く経験したことがない方がDIYすると、失敗する可能性が高くなります。失敗して、塗料を買い直すことでさらに費用が上乗せするケースもあるので、注意しましょう。