大和版【10月11日(金)号】
県厚木保健福祉事務所大和センター

インフルエンザ 流行は1月ごろの見通し 感染者数は例年並み

 大和市・綾瀬市のインフルエンザ感染者数は、定点あたりの報告数が39週(9月23日〜29日)に0・08、40週(30日〜10月6日)が0・33で、「流行」の目安となる1を下回った。両市を管轄する県厚木保健福祉事務所大和センターによると、今季の流行は1月ごろとみられる。一方でマイコプラズマ肺炎や手足口病の感染者数は増加傾向にある。

 定点あたりの報告数は、県内およそ380カ所、同センター管内12カ所の医療機関が保健所に報告した週次のインフルエンザ患者数から計算される。1を超えると「流行」、10以上で「注意報」などと判断される。

 昨年は、管内の定点あたりの報告数 が37週(9月11日〜17日)で6・67を記録するなど、9月時点で感染者数が増加傾向にあった。担当者は「新型コロナウイルスの『5類』移行、人的交流が再開しマスク着用の意識も低下したことが一因では」と話す。

 今年のインフルエンザの感染者数は、過去およそ20年間の平均と同程度であることから、流行は1月ごろとみられる。

市内小学校で初の学級閉鎖

 一方、下福田小学校の4年生1学級で10月4日〜6日、今季初となるインフルエンザによる学級閉鎖があった。風邪症状などを訴えた9人のうち3人がインフルエンザと診断。市教委では手洗いやうがいなどの指導を行い、警戒を強めている。

 県内では発熱、倦怠感、頭痛などを伴うマイコプラズマ肺炎が、38週で1・92(前週1・50)と増加傾向にあるほか、同センター管内の手足口病の定点あたり報告数も38週で13・38と高い水準で推移している。

 担当者は「明確な原因は分からないが、集団活動が増えたことが挙げられるのでは」と話す。

標準予防策の徹底を

 医師で同センター保健予防課の平野湧暉さんは「感染症には手洗い、うがい、マスク着用など標準予防策の徹底と継続が肝心になる」と話す。

 市では10月から65歳以上の市民を対象にインフルエンザ予防接種を開始した。12月31日まで。自己負担額は2千円。

 (問)市医療健診課【電話】046・260・5662

頂点に立った田口さん(左)と川上さん

マスボクシング 市内の2選手が日本一 田口さんは3連覇

 中央林間ボクシングスタジオ(太田茂会長)に所属する田口詠美さん(32)と川上郁夫さん(61)がこのほど、長野県で開かれた第4回「全日本マスボクシング選手権大会」で優勝した。田口さんは3連覇を達成した。

 マスボクシングは相手と向き合い、寸止めで拳を打ち合う競技。パンチを当てると減点、防御動作をとれなかったり、反応が遅いと攻撃側に加点される。技術や戦術、積極性などにより審判が勝敗を決める。

 同大会は日本ボクシング連盟が主催で約280人が出場。年齢や身長、性別で40階級に区分され、田口さんはU-40(30〜39歳)女子の部160cm超、川上さんはU-70(60〜69歳)男子の部170cm未満の部に出場した。

 二人は共通する素早いフットワークを武器にトーナメントを勝ち抜き、決勝に進出。大一番で田口さんは大阪府の済城綾乃さん、川上さんは宮崎県の原田行雄さんと対戦。それぞれ左ストレートやワンツーなどの持ち味を発揮し、田口さんと川上さんともに2対1の判定で接戦を制し頂点に立った。

 田口さんは7年前に同ジムに運動不足解消のために入会し、3年前からマスボクシングを始めた。川上さんは17年前に入会。マスボクシングが競技化された4年前から腕を磨き続けている。

 田口さんは「プレッシャーもあったが試合を楽しむことができた。3連覇を達成できてうれしい」と喜びを語った。川上さんは「昨年は4位と悔しい結果だったが、優勝という最高のリベンジができてよかった」と振り返った。

 太田会長は「年々レベルが上がる中、頑張っていい結果を出してくれた」とたたえていた。

10月1日付で大和市教育長に着任した 藤井 明さん 南林間在住 62歳

子どもたちの成長第一

 ○…中学生の時、苦手だった数学を分かりやすく教えてくれた恩師が、教育行政の舵取り役となった。10月1日の辞令交付では、古谷田市長から「大和の子どもたちのために」と激励された。これに対し「大きな責務を感じている。未来を担う世代の成長のために」と真剣な表情。執務室には、各校の校長や関係者から贈られた胡蝶蘭が並ぶ。期待と責任を背に、スタートを切った。

 ○…横浜市に生まれた。両親は小学校の教諭で、祖父母は幼稚園を運営する「教育一家」に育った。しかし、多忙な親の姿を見て「自分は先生にはならない」と考えていた。転機は中学生の時。バスケットボール部に入り、競技の楽しさにのめり込んだ。「顧問の先生が大きく育ててくれたと今も感謝している」。「先生のような人物になりたい」と教員の道を志すようになった。

 ○…大学卒業後、教員として下福田中学校へ。2年目にはバスケットボール部の顧問に就いた。バスケットコートでは細かな戦術ではなく、人生訓を説いた。「勝ち負けがすべてではない」、「自分と他者を安易に比べるな。君は君らしくそれでいい」。その後は上和田中学校でも教鞭をとり、教育委員会の指導室長や大和中学校長などを歴任した。「多くの思い出を頂いた」とこれまでを振り返る。

 ○…現在、家族と南林間に暮らす。自宅には段ボールが置かれ、中にはこれまで指導した生徒の作文が保管されている。「体育祭や合唱祭を振り返る課題。成長を感じさせる一文を読むと今も涙が出る」。趣味のバスケットボール観戦はしばらく封印し「これから先は、少しでも大和の教育にお返しをしていきたい」。子どもたちへの熱い思いを原動力に、再び走り出した。

赤白の彼岸花 境内を彩る 常泉寺

 市内福田にある常泉寺(青蔭文雄住職)で9月30日、境内の彼岸花が見ごろを迎えた=写真。

 現在、7000本以上の彼岸花が植えられている同寺。今年は猛暑の影響を受け、第2陣以降の開花が遅れたという。

 30日は、境内の至るところに赤色や白色の彼岸花が咲いており、参拝者の目を楽しませていた。また、満開の彼岸花を撮影しようと、カメラを手にする人の姿も見られた。10月7日には見ごろを過ぎたとのこと。

 青蔭住職は「彼岸花が終わると、石蕗(つわぶき)など秋の花へと花のリレーが続きます」と話した。

大和シルフィード ホームでR湘南と 12日「TM平田DAY]

 女子サッカーのなでしこリーグ2部を戦っている「大和シルフィード」は10月12日(土)、ホームの大和なでしこスタジアム(大和市上草柳1の1の1)で「SEISA OSAレイア湘南FC」(第20節)と対戦する。午後1時キックオフ。

 この一戦は「TM平田DAY」と銘打ち、シルフィードの公式スポンサーで平田葬祭を運営する「株式会社TM」(平田俊博代表取締役)の冠試合として行われる。

 シルフィードは第19節まで終えて現在、6勝8敗5分の7位につける。

吹奏楽部の演奏

文化祭にぎわう

 文化・芸術の秋が深まる中、市内の各校でも学園祭や文化祭が開かれ、にぎわいを見せている。

 大和高等学校(石井富佐子校長/つきみ野)では9月28・29日に「槐祭(えんじゅさい)」が開催され、2日間でおよそ5千人が来場した。

 校内では飲食やアトラクションのブースが軒を連ね、 アニメのキャラクターに扮した生徒らが来場者をもてなした。体育館では吹奏楽部や創作舞踊部のパフォーマンスに多くの人が駆けつけた。

女性の運動促進 イオン大和と座間で

 イオンモール大和(下鶴間1の2の1)とイオンモール座間(座間市広野台2の10の4)が県と連携し、館内のウォーキングコースを活用し、女性の運動促進キャンペーンを始めた。

 これは働く世代の女性の運動習慣のきっかけとなるように企画された。2025年1月31日までの期間中に「イオンモールアプリ」内のウォーキング機能を使って、イオンモール大和・座間の館内で1日千歩以上歩き、達成回数に応じて、デジタル買物券や「WAON POINT」を獲得できるというもの。

 参加条件は、県内在住の女性で「イオンモールアプリ」をダウンロード。デジタル買物券は達成ごとに500円。WAON POINTは12回達成時に40ポイント、24回、36回達成時ごとに200ポイント、36回達成時から1カ月後のアンケート回答後に200ポイント付与される。詳細は県ホームページで。

地域防災学ぶ 引地台小52人が参加

 草柳自治会(高橋忠広会長)の自主防災会が9月30日、市立引地台小学校(岡田弘美校長)で防災講話を行った。同校4年生52人が参加し、地域防災について学んだ=写真。

 この講話は社会科の一環として、昨年に続き2回目の実施。今回は、高橋会長が同会で行っている日頃の活動などの説明や、「自助」「共助」「公助」に加え、「互助」について語った。

 参加した児童は「災害の時のために準備をしたい」と感想を話していた。高橋会長は「地域防災について伝えることができて良かった」と話していた。

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徒然想 連載319 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

 一般的に「神無月」と呼ばれる十月ですが、出雲(島根県)では「神有月」と呼ばれます。

 今月は、何かをして、後で後悔し、その結果に涙を流して泣くのは悪い行為であり、反対に後悔することなく、うれしく、楽しくなるような行為は善い行いだ、です。

 出典は、インド、原始経典『ダンマパダ』六七〜六八。

 釈尊が善・悪をどう説いたかというと、それを行って後で悔いることのない行為が善だと説いています。善・悪を絶対的な基準を作って決めるのではなく、自分自身がどのように受け止めるかによって決めるということです。

 釈尊は人生の不安、苦悩の原因は欲望からと教えています。私達は常に「ないもの」を欲しがり、「限りなく」欲しがる。それを「ないものねだり」だと説いています。これだけ豐かな社会になりながら、私達は「限りなく」ねだり続け、もっともっとと欲しがりながら、様々な欲求不満に悩みだす。これでよいと満足することはありません。

 大切なのは、仏教の教えに従い「心の平安」を求めて「善」を行う行為をすることです。このことが宗教的な良心に立ち戻りつつ、主体的に善悪を選び取っていくことだと、師は教えています。

桃蹊庵主 合掌