八王子版【10月17日(木)号】
ごっこ遊びの小道具に夢中になる園児たち=同園提供

共励こども園 グッドデザイン賞受賞 園独自「ごっこ遊び」が評価

 共励こども園(明神町)・共励第二こども園(川口町/共に社会福祉法人同志舎)がこのほど、グッドデザイン賞2024を受賞した。40年以上、毎年企画している「ごっこ遊び」を主軸とした教育カリキュラムが、子どもの想像力や行動力を育むと評価された。

 グッドデザイン賞は、「日本で唯一の」総合的なデザイン賞で、有形無形に関わらず、すぐれたデザインのものが選定される。応募カテゴリーは、代表的な「建築」部門に始まり、地域での交流プログラムや幼稚園などの運営教育プログラムなど、形の無いものも含まれる。

 10月16日にグッドデザイン賞の1つとして発表されたのは、同園の教育プログラム「総合保育」。特徴的なのは、1年間という長期スパンで行う「ごっこ遊び」だ。まず学年ごとに担任らが、成長過程で習得させたい事柄を絡めたごっこ遊びのストーリーを決める。そして定期的に実施する総合保育時間の中で、ごっこ遊びを通して生活習慣や基礎技能、基礎体力などを身につけさせる。

 一例として2007年には、2歳児クラスで「まねっこマントマンしろうくん!」という題材が展開された。保育士が「しろうくん」というキャラクターに扮し、たびたび園を訪れる。子どもたちは大好きなしろうくんと触れ合いながら、洗濯の仕方を覚えたり、消えてしまったマントの行方を一緒に考えたり、河原まで一生懸命探しに行ったりと、ストーリーの中で経験を重ねていく。そうすることで、「単に衣類の洗い方を教えるより、お話の中で目的を持って行う方が子どもたちの意欲が違う」と共励こども園の今井ゆきの園長は熱を込めて語る。

保護者巻き込み

 もう1つの特徴として、このプログラムでは保護者の関わりも重視する。子どもが着用するマントを保護者が手作りしたり、運動会の親子競技で「マント探し」を行うなど、話の世界を共有。保護者からは「洗濯物を取り込みたがるようになった」「休みの日に公園で一緒にマントを探した」などの変化や体験が報告されている。

 毎年新年度前に、1学年4〜5人の担任らでストーリー構成を企画するのが恒例で、共励第二こども園の長田豊司園長は「職員たちは(ある意味)デザイナー。職員たちの40年間の実績や功労が評価されたことがうれしい」と受賞を喜んだ。

「快進」ポーズを決める八王子学園八王子高等学校吹奏楽部

八王子高校吹奏楽部 6年ぶりの全国へ 難曲に挑み 目指すは金

 八王子学園八王子高等学校の吹奏楽部が9月の都吹奏楽コンクールで金賞を獲得し、10月20日(日)に栃木県で開催される「第72回全日本吹奏楽コンクール」に都代表として出場する。同校の全国出場は6年ぶりの快挙。

 並みいる強豪校がしのぎを削る都大会。八王子高校はここ数年の間、金賞を獲得しても代表校の2校に選ばれない状況が続いていた。1年生からコンクールメンバーに選ばれ、昨年の秋から部長を務める飛川希さん(3年/コントラバス)も、そのくやしさをかみしめてきた一人だ。3年生を中心に話し合い、「次こそ全国へ行く」という強い思いで選んだのが課題曲『メルヘン』と、自由曲『モンタージュ』だった。後者は個々に高い技術、表現力が求められる超難曲として知られているが「強豪校はみんなそういう曲を選んでいる。全国を目指すなら、自分たちもそのラインに立たなくては」と飛川部長。

 日々練習を重ね、メンバーで曲の解釈を共有するために曲に物語や歌詞をつけるなどの取り組みも行った。そうした努力が実を結び、都大会で念願の代表校に選ばれた。飛川部長は「ここまで支えてもらったコンクールメンバー以外の部員や先生、保護者への感謝を込め、自分たちにしかできない演奏を披露して全国でも金賞を目指したい」と目標を語った。副部長の土方稜香さん(3年/ファゴット)も1年生の頃からコンクールメンバー。「これまでのくやしい思いを全国という大舞台にぶつけて、観客に最高の演奏を届けたい」と意気込む。

心をひとつに

 今年度の部のテーマ『快進』(勢いよくみんなで全力で進み、明るい未来をつかみ取ろう)を胸に、強豪ひしめく全国に挑む同部。顧問の高梨晃教諭は今年のコンクールメンバーを「3年生を中心に個々の技術と思いが強い生徒が揃っている」と評し、「あとはチームワークが加われば、もっと強くなれる。苦しくても本番ギリギリまで練習を積み重ねて、全国でも輝いて良い結果をつかみ取ってほしい」とエールを送る。

今夏、八王子警察署の署長に就任した 四郎園(しろうぞの) 文明さん 八王子警察署在勤 58歳

好きな柔道 仕事に

 ○…八王子に越してきて約2カ月。朝、浅川沿いをジョギングしていると、すれ違う人からあいさつをされる。「温かい人が多いまちだな、と感じましたね」。他自治体と同様、八王子でも還付金詐欺やオレオレ詐欺など、特殊詐欺事件の被害が後を絶たない。すれ違った人は自身の職業を知るよしもないだろうが、「まちの安全な暮らしが続くよう、頑張らないとな」と気を引き締める。

 ○…出身は鹿児島県。熱中していたことといえば、中学1年生のときから始めた柔道だ。警視庁OBの叔父から、警察官に柔道を教える柔道助教という職業があることを教えてもらい、「好きな柔道で食べていきたい」と目指すことに。高卒で警視庁に採用され、夢に一歩近づいたが、周囲は腕に覚えがある有段者ぞろい。「周りがあまりに強すぎた」。柔道助教の道は諦めたが、警視庁の中で五段を取得した。

 ○…6年前に在籍していた渋谷警察署の10月が印象に残る。ハロウィーンが近づく週末の深夜、センター街で軽トラックが酒に酔った若者たちの手によって横転させられた。副署長として、「警察の威信がかかっていた」。捜査員を投入し、現場にあった防犯カメラなどを調べ上げ、関わった十数人を検挙までこぎつけた。

 ○…息子も同じ制服を着ている。「ほら、苗字が変わっているでしょう」。父親の話題を出されやすいかもしれない、と心情を察する。ただ、会えば仕事の相談をしてきたりと、同じ職業を選んでくれたことにうれしさも感じる。リフレッシュ方法のひとつは、15歳になる愛犬と朝、ジョギング前に散歩に出かけること。愛犬を通した知り合いも増えてきた。まちに馴染むことが、まちを守る第一歩だ。

かがくい氏の代表作に出てくる「だるまさん」=『だるまさんが』(ブロンズ新社)原画/いずれも八王子市夢美術館提供

約600点を展示 11月4日まで “愛されだるま” 夢美術館に

 累計発行部数900万部を超え、子どもたちに広く愛される絵本「だるまさん」シリーズを生み出したかがくいひろし氏の作品などを集めた展覧会が現在、八王子市夢美術館(八日町)で行われている。

  「だ、る、ま、さ、ん、が――」のフレーズが耳心地よく、子どもたちが夢中になる「だるまさん」シリーズの絵本たち。

 作者であるかがくい氏(1955-2009年)は東京都生まれ。東京学芸大学で美術を学んだ後、特別支援学校で教員を務めた。50歳で作家デビューし、病で急逝するまでのわずか4年間に、『おもちのきもち』『もくもくやかん』、『おむすびさんちのたうえのひ』、『まくらのせんにん』シリーズなど、16冊の絵本を次々と生み出した。これらの絵本は、長年にわたる障がい児教育現場の経験から生みだされたものだ。

未完成作品「巡回館で最多」

 本展は、作者没後初の大回顧展。全国を巡回しており、関東地方での開催は同館が初めて。絵本の原画、ラフスケッチ、制作アイデアノートだけでなく、『だるまさん』シリーズ続編で未完成作品の『だるまさんがたべた』などのラフスケッチ画も展示。約600点を展示する。

 未完成作品について、同館の担当者は「これまでの巡回館の中で最多の出品数」と紹介する。「絵本の原画はもちろんのこと、作者自身にもスポットを当てている。たくさんの子どもたちに笑顔を届けてきた作者のあたたかい人柄や、豊かな創造性を感じてほしい」と話している。

 ◇展覧会名「 日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家 かがくいひろしの世界展」。会期は11月4日(月・祝)まで。

 問合わせは同館【電話】︎042・621・6777。

2日目、最多22得点のタレン・サリバン選手

ビートレインズ 待望のホーム初勝利 2日間で2813人が来場

 プロバスケB3・東京八王子ビートレインズが10月11・12日の2日間、エスフォルタアリーナ八王子(狭間町)でトライフープ岡山と対戦。初日は80―83と惜敗するも、翌日は85―70で1勝。待望の今季初、ホーム戦での勝利となった。

 初日は第2クォーターで同点に追いつくも、一進一退の攻防戦で点差は開かないまま1歩及ばず。翌日は第1クォーターから副キャプテンのタレン・サリバン選手が続けて得点し序盤から14点差に。そのまま点差をキープし、列車は勝利へと駆け抜けた。

 第3節を終え成績は2勝4敗で、17チーム中14 位。また、2年後のBリーグ改革時に昇格条件の1つとなる来場者数は初日は987人、翌日は1826人で合計2813人。年間目標3万9000人まであと、約3万2000人となった。

次のホーム戦は10月18・19日

 次戦は10月18日(金)、19日(土)、さいたまブロンコスと対戦。エスフォルタアリーナ八王子のサブアリーナで、18日は午後7時、19日は4時30分に試合を開始する。

 チケットや無料招待の詳細はウェブサイトへ。

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ビートレインズ×はなわさん 椚田小で「いただきます」

 市内唯一のプロスポーツチーム「東京八王子ビートレインズ」のバスケットボール選手ら5人が10月7日、椚田小学校を訪れた。10月14日のスポーツの日にちなみ、体育館で5年児童らとバスケを楽しんだ後、教室で一緒に給食を食べた。またこの日は、サプライズでお笑いタレントのはなわさんも登場。5年2組の教室でキャプテンの大城侑朔選手と児童らとともに大盛りのご飯を味わった=写真。

 この日の献立は鮭の塩焼き、五目煮豆、具沢山のきのこ汁、白米、牛乳、みかんの6品で、子どもたちの体力アップを図るために栄養バランスが重視されたもの。児童らは食事中、「(はなわさんに)なんで髪の毛とがってるの」「(大城選手に)何歳からバスケしてたの」など積極的に質問。和やかな時間を過ごした。

 市内小学校では今年度から、給食の時間に「はなわ×八王子ビートレインズのはちおうじっ子だよ!全員集合!」と題した校内放送が流れている。平岩篤人さん(11)は「選手と話せて、(プレーを)うまいねと言われてうれしかった」と話し、横森航さん(11)は「はなわさんが面白い人だった」と話した。

講演する小国さん

インクルーシブ教育とは 八王子学園で無料セミナー

 共生社会の実現に向け注目が集まる「インクルーシブ教育」について考えるセミナーが11月23日(土)、八王子学園(台町)で行われる。午後1時30分から3時15分。

 主催は、市内で重症心身障害者の療育支援や通所事業を行う島田療育センターはちおうじ(台町)。

 多様な子どもたちがそれぞれに必要な配慮を受けながら学べる仕組み「インクルーシブ教育」。この題材に取り組んでいる小国喜弘教授(バリアフリー教育開発研究センター副センター長)を招き、日本のインクルーシブ教育の現状や課題について話す。

 参加無料。定員は先着申し込み250人(11月15日(金)締切)。申し込みは【電話】042・634・9559。

輪になって日舞に親しむ参加者ら

芸妓小太郎さん 「日舞で伝統を身近に」 無償で稽古を開始

 「日本舞踊を通して伝統文化を身近に感じてほしい」と、八王子芸妓衆の一人・花柳菊小太郎さんが10月5日、「伝統文化こども日本舞踊教室」を参加費無料で初めて開催した。中町の黒塀通りにある桑都テラスに幼稚園児から小学6年生までの8人と保護者らが集まり、浴衣に着替えて日舞に親しんだ。子どもらは今後月2回の稽古に励み、2025年1月26日(日)の発表会でその成果を披露する予定。

 稽古初日は参加者全員で浴衣に着替えると、座学として小太郎さんが日本舞踊の起源を紙芝居で紹介。日本の代表的な神話に登場する天照大神(アマテラスオオミカミ)が隠れた天の岩屋戸の前で、天鈿女命(アメノウズメノミコト)が踊ったのが舞や踊りの起源だと言われているという。

 座学の後は座り方や立ち方、お辞儀の作法を学び、実践。日舞の基本動作を取り入れた振付で、童謡の「たきび」にあわせて体を動かした。

 第四小学校から参加した原明音さんは「普段はバレエを習っているが、(動き方が)全然違うのですごくびっくりした。最後まで頑張りたい」と話していた。

 初回稽古を終えた小太郎さんは「伝統を未来につなぐ何かができれば。10年計画で今後も続けていきたい」と意気込みを語った。

市民ボランティアの出発式

被災地支援で輪島市へ 市民ボランティア14人ら

 地震と豪雨により甚大な被害を受けた能登半島の復興を支援しようと、八王子市の災害ボランティアリーダーを中心とした市民14人が10月10日に石川県輪島市へ向けて出発した。市社会福祉協議会の職員4人も同行し、現地ボランティアセンターとの調整役を務めながら災害ボランティア活動に一緒に汗を流す。

 災害ボランティアリーダーは、大規模災害時に開設される災害ボランティアセンターで運営の中心を担う人物。社協の養成講座を修了することで登録が可能となり、有事に備えて日頃から研修や訓練を積んでいる。市内では10月2日時点で59人が登録している。

 9月3日に開かれたフォローアップ講座で、被災地支援活動から帰ってきた社協職員から「今後も継続的な復興支援活動が必要な一方で、応援体制が縮小している」という現状を聞いた災害ボランティアリーダーから現地へ支援活動に赴きたいという声が上がったことが、今回のボランティア派遣につながった。

「八王子の心届ける」

 参加メンバーは、10日の夜に市八王子駅南口総合事務所に集合。出発式の後、電車で現地へ向かった。富山で一泊後、バスで輪島市のボランティアセンターへ赴き、市内で11日と12日に災害廃棄物や家財道具の片づけ、土砂かきなどの災害ボランティア活動に従事する。一行のリーダーを務める工藤裕子さん(41)は、今年災害ボランティアリーダーに登録し、「現地で復興に役立つことをしたい」と参加。出発式で「2度も大きな自然災害に見舞われた被災地で、ボランティア活動を通じて八王子市民の被災地へ寄せる思いを届けてきたい。14人で力を合わせて頑張ってきます」と決意を語った。

助成金も活用

 市社協は被災地で支援活動を行った3人以上の市民グループに1人1回3万円を上限に助成する取り組みを設けており、今回の派遣でもその助成事業が活用されている。

観覧無料で楽しめる

必見、猿まわし 19日・20日 別所の商業施設

 猿の軽快な演技が楽しめる文化芸能「猿まわし」が10月19日(土)・20日(日)、ぐりーんうぉーく多摩(別所)で行われる。観覧無料。

 時間は各日、午前11時、11時40分、午後0時20分、1時20分、2時、2時40分、3時20分、4時、4時40分から。晴天時は1階フードコート特設ステージ、雨天時はコーナン2階。

 「頑張るお猿さんを応援してあげて」と同所。(問)ぐりーんうぉーく多摩【電話】042・670・3181。猿の体調などで中止になる場合もあり。

話者のそばで手話通訳を行う江草さん。口の動きや表情も情報の伝達には欠かせない

求められるスピーディーさ 手話・要約、「伝わる」世界目指し

 ニュース番組や講演会などで、一度は「手話通訳」「要約筆記」を見たことがあるだろう。それぞれ、聴覚に障害のある人や高齢で耳が聞こえづらい人などの情報取得を支える方法だが、どのような思いで活動をしているのか。実際に活動している人に話を聞いた。

 8月4日、旭町の八王子市学園都市センターの一室。八王子空襲や広島原爆の体験者・被爆者が一般聴講者に向け戦争の悲惨さを訴える「語り部」が行われていた。

 話者の傍らで、話す内容を素早く手話に変換する女性が1人。2人体制で交代しながら「戦争」や「逃げる」などの単語を紡いでいく。

 下柚木在住の江草尚美さん。「ドラマでしか見たことがなかった」という手話だったが、たまたま市主催の手話講習会の募集が目に留まった。2年間通った後、手話サークルにも入会。さらに技量を身に付けるため、「八王子市手話通訳協力者の会」の一員として活動を始めて11年になる。

 もう1人、話者の傍らで黙々とペンを走らせている女性がいる。原爆の当日の情景を即座にわかりやすい短文に直し、手元の紙に書き込みスクリーンに映し出す。こちらも交代制で、話者の熱がこもればこもるほど、単語量も増えるスピード勝負だ。

 川口町在住の若松理惠さんは、市や東京都の要約筆記者として登録して約10年。「聞こえに困る人の支援になる職種」と使命感を持って活動する。話の早さに遅れないよう、話者の意図をいち早くつかむことに注力する。最近のテレビには字幕サービスもあるが、「短い文章で早く伝えることが利点」という。

社会参加支え

 両者に共通するのは、手話や要約筆記で「情報の保障」を担い、「誰もがいつでも安心して参加できる社会」を目指している点だ。江草さんは「『伝える』ではなく『伝わる』ことを念頭に今も手話の勉強を続けている」と日々研鑽し、若松さんは「多くの場で要約筆記がスタンダードになることを願っている」と展望する。

 市障害者福祉課によると現在、市の派遣事業に登録しているのは手話通訳者40人、要約筆記者17人。依頼があった催しに対し派遣され、活動に対して謝礼が支払われる。

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左から完山一範社長、佐藤秀仁貫首、完山貫一会長

完山金属 高尾山に杉苗奉納 30周年記念事業で

 (株)完山(さだやま)金属(館町/完山一範社長)の設立30周年記念式典が10月12日に京王プラザホテル八王子で催され、取引先や地元政治家、社員など200人以上が出席した。記念事業として高尾山に杉苗を奉納することが発表され、完山社長から高尾山薬王院の佐藤秀仁貫首に目録が手渡された。奉納は毎年継続するという。

 同社は1965年創業、95年に法人化。廃棄物処理や行政の委託業務を行い、近年はRPF(廃棄物固形燃料)製造や太陽光パネルのリサイクルなどにも取り組む。

 式典で完山社長はこの30年を振り返り、事業を支えてくれた関係者や社員への謝辞を述べるとともに「これからも果敢に挑戦を続けて、この国になくてはならない会社を目指したい」と力強く宣言。創業者である父・貫一さんに感謝の花束を贈る一幕もあった。

さまざまな悩みを抱えた相談者が訪れた

無料相談に38組 不動産協会の地域貢献

 (公社)全日本不動産協会東京都本部多摩南支部(谷合ひろよ支部長)主催の「不動産無料相談会」が10月6日にサザンスカイタワー八王子4階の八王子駅南口総合事務所を会場に開かれ、住まいや相続などの悩みを抱えた相談者38組が相談に訪れた。

 同支部が毎年開催している地域貢献活動の一つ。弁護士や税理士、宅建士などの各種専門家が常駐し、不動産に関するさまざまな悩みに個別で相談に乗っている。

相続の悩み多く

 この日は午前10時から午後4時までの6時間、4つの窓口を設けて来場者の相談に応じた。同支部によれば、法改正で今年4月から相続登記申請が義務化されたこともあり、「相続関連の相談が多かった」という。

 谷合支部長は「来場者から『本当にちょっとした相談でも良いですか』という声も頂いたが、もちろん大丈夫。不動産に関する相談なら、相談会でなくても協会でいつでも受け付けています」と呼びかけている。問い合わせは多摩南支部【電話】042・623・7357。

「難民に理解を」 創価大で上映会

 創価大学が10月18日(金)、難民への理解を広げるため映画『ムクウェゲ〜「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』を無料上映する。申込みは二次元コードから。

 性被害を受け続けるコンゴ民主共和国・東部ブカブの女性たちの多くを無償で治療してきた婦人科医のデニ・ムクウェゲさんを追ったドキュメンタリー映画。オープニングでは同学のパン・アフリカン友好会がアフリカのダンスを披露する。午後5時から7時30分まで。会場は創価大学中央教育棟ディスカバリーホール(丹木町)。(問)同大広報課【電話】042・691・9442

日本語ボラ基礎講座

 外国人の日本語学習を手伝いたい人のための「日本語ボランティア基礎講座」が11月10日(日)、17日(日)、24日(日)の全3回で行われる。会場は学園都市センター(旭町9の1八王子スクエアビル11、12階)。主催は八王子市。

 東京日本語ボランティア・ネットワークスタッフらが講師を務める。各日ともに午後2時から4時20分まで。受講料は3000円。定員25人。申込みはメールに▽「日本語ボランティア」▽住所▽氏名(ふりがな)▽電話番号、を明記し【メール】event@hia855.comへ送信する。10月31日(木)必着。

 問い合わせは受託事業者のNPO法人八王子国際協会【電話】042・642・7091。

―連載小説・八王子空襲―キミ達の青い空 第13回 作者/前野 博

 (前回からのつづき)

 日本全国で六十万人の学童の集団疎開が開始された。東京区部では、二十万人の学童が、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、静岡、山梨へと分散して、集団疎開が実施されたのであった。

 「もう、着きますよ。あそこに見えるのが、僕と子ども達が暮らしている隣保館です」

 村上が指を差した。

 広場で遊んでいる子ども達が、近づくトラックに気がついたようだ。

 「おおい! 食料を運んで来たぞ!」

 村上が立ち上がり、手を振った。

 「村上先生だ! 村上先生だ!」

 子ども達の歓声が聞こえた。トラックが到着すると、子ども達が一目散に集まって来た。

 「さあ、みんなで手伝って、炊事場へ運んでくれ」

 村上は数人の大柄な男子をトラックに引き上げ、食料の運搬を任せた。

 由江と三人の理容師は、素早くトラックを降りた。キミは何となく、トラックの上に取り残される感じになった。キミは、トラックを降りようとして、下を見ると、意外と高いので、一瞬、足がすくんでしまった。

 「後ろ向きに降りるようにするんだ。そう、そこへ、足をかけて」

 村上が、トラックの下に来ていた。

 村上の手が、キミの胴をぐいっと掴んだ。

 キミの体が宙を飛んで、地面に着地した。

 村上は小柄なキミを、女子の児童を取り扱うような気持ちで、抱きかかえたのかもしれない。

 キミの体に、村上の力強い感触が鮮明に残った。瞬間の出来事であったが、キミには、時間が暫く止まっていたかのように思えた。やがて、キミの心臓がドキドキと音を鳴らし始めた。由江と三人の仲間はあっ気に取られ、その様子を目を丸くして見ていた。

 「みんな、集まれ。今日は、八王子の床屋さんが、みんなの髪の散髪に来てくれた。先生達の痛い散髪ではなく、優しくきれいに散髪してくれる。みんな、感謝の気持ちを込めて、挨拶しよう」     〈つづく〉

◇このコーナーでは、揺籃社(追分町)から出版された前野博著「キミ達の青い空」を不定期連載しています。