川崎区・幸区版【10月25日(金)号】
照明塔碑の前で記念撮影に納まる野球ファン

旧川崎球場 照明塔伝える碑完成 富士見公園 「10・19」に一般公開

 川崎市市制100周年を記念した花と緑の祭典「全国都市緑化かわさきフェア」の開幕にあわせて10月19日にリニューアルオープンした富士見公園に、富士通スタジアム川崎の前身・川崎球場から使用されていた照明塔のモニュメントが設置された。公園事務所「パークセンター」には、旧事務所にあったギャラリーを継承した展示スペースも開設。川崎球場の歴史を伝える拠点として、新たに始動した。

 オープン初日が1988年にプロ野球・ロッテオリオンズと近鉄バファローズが同球場で死闘を演じた日「10・19」と重なり、同公園の羽田剛マネージャーは「歴史の因縁を感じます」と語る。

 開設された照明塔モニュメントは、川崎球場時代の1954年に建てられ、2023年に取り壊された照明塔を記憶に残そうと、同スタジアムに隣接するかわQホール近くに整備。照明塔があった基礎の一部を保存し、部材の一部を使ってつくられた。歴史を伝えるサインも設けられ、球場の歩みや照明塔の役割などが写真とともに紹介。取り付けられた二次元コードにアクセスすると、取り壊される前の照明塔の動画を見ることができる。

 一方、パークセンター内の展示スペースには10・19の死闘を繰り広げたロッテオリオンズと近鉄バファローズのユニホームのほか、張本勲選手が3千本安打、王貞治選手が700号ホームランを同球場で達成記念のプレートが飾られている。ケースには10月17日まで使用されていた富士見通りの信号表示「川崎球場」の看板も置かれた。公開されているのはギャラリーにあったアイテムの一部で今後は様々な企画や催しなどを通じて紹介していきたいとしている。

 10月19日になると同スタジアムには、毎年全国各地のプロ野球ファンが「巡礼」と称して訪れ、スタジアムもちょっとしたイベントを開催している。オープン初日のこの日は同スタジアム前支配人で、川崎球場の歴史発掘に力を尽くした田中育郎さんが参加。パークセンターのある場所は川崎球場時代はチケット販売所だったといったガイドを集まったファンに行った。富士通スタジアムの野球イベントに参加経験のある女性は「モニュメントは照明塔の大きさを近くで感じることができた」と笑顔を見せた。

HIV患者福正さん 「告白の旅」を映画化 海外でLGBTQ特別賞

 川崎市内で社会福祉士として働く福正(ふくしょう)大輔さん(42)が、自身にフォーカスして制作したドキュメンタリー映画「カミングアウトジャーニー」が、各地で上映されている。ゲイで元薬物依存症、そしてHIV感染者である自分の真実を、大切な人たちに伝えて回る「告白の旅」の記録が、国内外で静かに共感を呼んでいる。

 ドキュメンタリー映画「カミングアウトジャーニー」は、舞台俳優であり演出家でもある福正さんが2022年に制作した。映画監督の山後勝英さんと共に舞台仲間や職場の上司らを訪ね、秘めてきた自身の「真実」を告げ、対話した時間を映像化したものだ。

 映画は昨年12月の東京ドキュメンタリー映画祭で上映されたほか、インドやフランスの映画祭で上映され、LGBTQ特別賞などを受賞した。国内でも更生支援や性の多様性などをテーマにしたイベントで上映が続く。

 福正さんは広島県呉市出身。18歳で上京し、都内の短期大学で演劇を学び、卒業後に劇団を立ち上げた。20歳のころ覚せい剤を使い始め、不特定多数の同性と性行為に及び、24歳でHIV感染が判明した。

「診察拒否」に怒り

 そして東京都内の小学校で特別支援学級の介助員として勤務した11年9月、薬物取締法違反(使用)の疑いで逮捕・起訴され、懲役2年4月(執行猶予3年)の実刑判決を受けた。29歳だった。

 罪と引き換えに、自分の破滅的な行動の原因は「依存症」という病なのだと自覚した。更生支援の一環で依存症回復プログラムに取り組み、14年から福祉施設「ホッとスペース中原」(中原区)で働き始めた。回復プログラムを続けながら心理学などを学ぶ傍ら、依存症当事者や元受刑者らの支援にも携わる。

 映画の構想は数年前、川崎市内の歯医者で診察を拒否されたことがきっかけだった。HIV患者に対する偏見と差別に怒りを覚え、訴訟も考えた。だが「舞台に立ち、この怒りや自分のことを自分らしく表現していこう」と思い直し、「自分はゲイでHIV患者だと、大切な人たちに打ち明けよう」とも考えた。「真実を伝え、彼らを欺いたことや傷つけたことを謝り、改めて向き合いたかった」

 そして自分のように真実を隠しながら生きる人たちのために映像化を着想。知人の山後さんに撮影を依頼した。

 告白の旅は22年8月に始まった。演劇仲間に会い、母校である広島市の高校で親友と恩師と向き合い、呉市の実家で母と対面した。ある者は驚いて涙をこぼし、ある者は納得し、ある者は自分の態度をわびた。

 カメラはそれぞれの心の動きをとらえ、渾身の告白から始まる深い対話が、映像として映し出される。福正さんは「この映画は、相談する先のない当事者たちにも見て欲しいし、彼らの近くにいる人たちにも見て欲しい」と言う。

 福正さん自身は、この映画によって「心が軽くなった」そうだ。「自分のことを説明してくれる。もう取り繕って生きなくていい」。一方で依存症は根治が難しいとも言われる。福正さんは「この映画が私の抑止力でもある。映画と共に頑張りたい」と語った。

小田五六町内会の防災担当部長で、防災士の資格を取得した 蔵光 裕(ゆたか)さん 川崎区小田在住 76歳

「備え」の意識を日常化

 ○…能登半島地震などにより防災への意識が高まる中、「防災士」という資格を知った。同時期に町内会の防災担当部長への推薦話もあり、「町内の防災活動に寄与できれば」と受験に挑戦。「70過ぎてテストを受けるなんて思わなかった」と笑う。2カ月半、毎日2時間半の勉強の成果が実り、5月24日に見事合格した。「自分の限界まで勉強した。手上げて大喜びしたかったけど、いい大人だから」と静かに喜びをかみしめた。

 ○…防災士とは、防災力を高める活動を期待され、一定の知識・技能を修得したことを認証する民間資格。10月6日には町内会幹部を集め、机上で地図を囲み議論する「災害図上訓練」を実施した。「避難経路や危険な場所など新たな発見が多々あった。でも、これで終わっては意味がない。『備え』を日常化させれば必ず減災につながる」と意識を高める。

 ○…鳥取県で生まれ、3歳からはずっと小田で過ごしてきた。「子ども会の女子バレー部の監督は務めたことがあったけど、あまり町内のことには参加できてなかった」と振り返る。日産自動車での海外勤務の経験を生かし、定年後はタイを中心に中国やインドなどで工場のコンサルティング業務を行った。「人と一緒に改善、改革をして喜んでもらえるのがやりがいだった」。昨年3月まで振るった手腕は、今度は町内の防災担当として発揮できそうだ。

 ○…タイ駐在中に目覚めたゴルフは、今も続けている大切な趣味。仲間と千葉や厚木のゴルフ場に行くのが楽しみで、リフレッシュになっているという。旅行も好きで、3年前には四国を制覇。国内で残すのは宮崎県と鹿児島県のみになった。「残りの2県は妻と行きたいね」と優しい笑みを浮かべた。

かわさきドリームミュージカル 出演者募集中

 幸区の夢見ヶ崎が舞台の創作ミュージカル「太田どうかんと夢の城」が来年3月22日(土)、23日(日)に幸市民館で上演される。主催する「かわさきドリームミュージカル実行委員会」は現在、出演者を募集している。

 同作は夢見ヶ崎動物公園のある加瀬山が夢見ヶ崎と呼ばれるようになった伝説を題材としたオリジナルミュージカル。

 対象は小学3年生以上、演技経験不問。稽古・リハーサル・公演に参加できる人。未成年者は無料、成年者は月5500円(イベントや合宿、Tシャツなどは要負担)。練習会場は幸区周辺の公共施設。

 体験参加希望者は10月31日(木)までに左記の二次元コードから申し込みを(小学生は保護者同伴)。詳細は幸市民館日吉分館【電話】044・587・1491へ。

最優秀賞の味の素(株)川崎工場の鈴木さん(右)ら

かわさきSDGs大賞 最優秀賞に味の素 地域・社会部門は保育園

 国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を目指し、優れた取り組みを表彰する「第3回かわさきSDGs大賞2024」が決定し、最優秀賞2団体と優秀賞6団体の授賞式が10月16日、川崎市役所(川崎区宮本町)で開かれた。

 今年から「経営部門」と「地域・社会部門」の2部門制となった。計15団体から応募があり、選考の結果、「経営部門」の最優秀賞には味の素(株)川崎事業所(川崎区鈴木町)、「地域・社会部門」の最優秀賞には、社会福祉法人檸檬会レイモンド元住吉保育園(中原区)がそれぞれ選ばれた。

 味の素(株)川崎事業所では、他社と協力してペットボトル廃棄物の有用化を進め、「フードロス削減」のために社内の社員食堂の残飯を肥料や飼料として活用。加えて社員による事業所界隈のゴミ拾い運動「海ごみゼロ活動」を同社の東海事業所(三重県)も巻き込んで実施した。授賞式に出席した同社の鈴木航介さんは「2年前に応募して以来、社内で取り組みをより磨いてきた。近隣の事業所とも連携して評価されたので、関係会社各社にも感謝したい」と喜びを語った。

 一方、レイモンド元住吉保育園では、園内で子どもたちが野菜栽培を始め、野菜を育てながら「一人一人に何ができるか」を考えながら、ゴミを減らす工夫や古着の寄付などを続けていることなどが評価された。

 優秀賞は以下の通り。

 ●地域・社会部門 プロジェクトK(川崎市立川崎高校生活科学科2年、有限会社グリーンフーズあつみ「おつけもの慶」=いずれも川崎区)▽(一社)サステナブルマップ(麻生区)▽スナイプバレー合同会社(川崎区)▽特別養護老人ホーム潮見台みどりの丘(麻生区)

 ●経営部門 (株)ノンバーバル(高津区)▽(株)SKLO(高津区)

教科書のデザインを手にする宮本さん(右)と大平理事長=同スタジオ提供

支援学校テキストグッドデザイン賞 宮本さん作品が寄与 抽象画が表紙飾る

FLATアーティスト

 NPO法人 Studio FLAT(スタジオ フラット)(幸区北加瀬/大平暁理事長)に所属する抽象画アーティストの宮本憲史朗さん(35)の作品が表紙となった、全国の特別支援学校で使用するテキストがこのほど、グッドデザイン賞の金賞を受賞した。

 対象となったのは、知的障害特別支援学校高等部生徒向けの教科書で、知識と教養を楽しみながら学べる「くらしに役立つ」シリーズ。実生活と学習内容がリンクした内容になっていることやグラフィックのわかりやすさなどが評価された。

 同書の表紙は宮本さんが2013年から15年に描いたデザインの中から、6作品を起用。色鮮やかなデザインが表紙を飾っている。

 宮本さんの活動を見守ってきた大平理事長は「今後、この教科書を使う後輩たちが何かの目標にしてもらえたら嬉しい」と話した。

外国ルーツの子 貧困問題考えるフォーラム 11月9日 カルッツで

 外国につながる子どもをめぐる貧困問題を考えるフォーラム「この国で未来を切り開く」が11月10日(日)、カルッツかわさき大会議室1・2・3(川崎区富士見)で開かれる。主催は社会福祉法人青丘社、The Lit Zone Beside(ザ・リットゾーン・ビサイド)、共催は川崎区役所。

 日本に在留する外国につながる子どもの多くが厳しい家庭環境にあるとされ、在留資格の問題や進学・就職の壁、不安定な経済環境など、二重三重の課題にも直面する。フォーラムでは、どうすれば貧困の連鎖を断ち切れるのか、また、貧困の要因を参加者同士でグループトークして考える。基調講演もあり、東京都立大学人文社会学部の阿部彩教授が「子どもの貧困の現状」をテーマに語る。

 開催時間は午後2時から4時30分。参加費は無料。定員は100人。申し込み、問い合わせは青丘社(【電話】044・288・2997・【メール】hara@seikyu-sha.com)へ。

80周年のお祝いケーキを披露したバイク川崎バイクさん(右)、福田市長、青木市議会議長

交通事業80周年を祝って 誕生イベントに5千人

 「川崎市交通事業80周年バースデーイベント」が10月14日、飛鳥ドライビングカレッジ川崎(川崎区下並木)で開催された。約5000人が訪れ、交通事業の80周年を祝った。

 1944年10月14日に、川崎駅から臨海部まで市電(川崎市営軌道)が開通。今年で80年を迎えることから、市交通局ではこれまでの日頃の感謝を市民に伝え、一緒に祝う場として同イベントを企画。

 セレモニーでは80周年記念事業広報アドバイザーを務めるお笑いタレントのバイク川崎バイクさんが登場。この日限り「バス川崎バス」に改名することを発表し、サプライズで80周年のバースデーケーキを披露した。

 会場ではさまざまな催しが行われ、市バス初となるオリジナルミニカーの販売には長蛇の列ができたほか、市電をデザインしたラッピングバスで記念撮影をする来場者や、バスとの綱引きなどを楽しんだ。市交通局の担当者は「これだけ多くの方々に来場いただき、楽しんでもらえて良かった。これからも利用者の足を守っていけるように頑張っていきたい」と話した。

優勝を喜ぶメンバーら

ドッジボール城南カップ杯 河原町しんわ、3位に 連盟23チーム初の全参加

 城南進研グループが主催する「第2回城南カップ杯ドッジボール大会」が10月14日、古市場小学校校庭で開催され、川崎ドッジボール連盟に加盟する23チームが熱い戦いを繰り広げた。決勝戦は下新城子ども会が小杉陣屋1丁目を2対1で下して初優勝を飾った。幸区の河原町しんわブラックシスターズが3位入賞。前回の同大会と春季大会の覇者・陣二シャインズサファイアが4位だった。

 加藤勉理事長は「手に汗握る試合が続いた。下新城子ども会はトーナメント初戦から勢いがあった。参加チームの実力は拮抗し、どこが勝ってもおかしくない」と振り返った。同連盟に登録する全チームが顔を揃え「意義深い大会だった」と加藤理事長は語った。

 同連盟によると次の大会は「YOUテレビ杯」で11月23日に市立川崎高校アリーナで開催する。

小田原の組合員(左)から受け取るFDAの利用者

就労移行支援事業所 「おが粉」寄贈に感謝 小田原から 着火剤材料に

 障害者就労移行支援事業などを行うNPO法人フューチャードリームアチーブメント(川崎区駅前本町/坂田浩次理事長、以下FDA)は10月9日、小田原地区木材業協同組合からスギやヒノキのおが粉の寄贈を受けた。

 FDAでは、昨年から使用済みのろうそくを再利用し、木くずと混ぜ合わせて着火剤を製造、販売することで、障害者の就労支援につなげる取り組みを行っている。

 一方、同組合は川崎市木材利用促進フォーラム、全国都市緑化かわさきフェアに参加しており、FDAの取り組みを川崎市から紹介され、おが粉を提供することに。スギやヒノキのおが粉約100kgを寄贈した。

 一つの着火剤をつくるのに必要な木くずは8〜10g。約800個できる計算になるという。坂田理事長は「とても良質なおが粉をいただくことができ、感謝している。生産活動を通じて工賃を稼ぐだけでなく、SDGsに貢献し、お客さまや社会に役立つことができることも、利用者のやりがいになる」と話す。

 着火剤は、二子橋(高津区)、丸子橋(中原区)の多摩川河川敷バーベキュー場で販売されている。坂田理事長は「今回ご提供いただいたことで、良質な着火剤を作ることができる。今後、販路を拡大していきたい」と話している。

社交ダンス 川崎文化に 荘 清二郎さん

 社交ダンスの見どころの一つは、華やかな音色を響かせる「ビッグバンド」。相次ぐダンスホールの閉館に伴い、減少しているビッグバンドの素晴らしさを再度伝えたいと、企画を持ち込んだ。熱い思いが実り、かわさきジャズ初となる社交ダンス企画の旗を振る。

 かつては日本有数のダンスホールを運営する企業の役員として、社交ダンス界のきらめきを間近で目にしてきた荘さん。半年ほど前から自身も踊りを習い始め、人と接する楽しみを実感しているという。当日はパートナーを問わず誰とでも踊れる「ミキシング・タイム」を実施。「憧れのプロダンサーと踊れるチャンス」と笑顔を見せる。

 演奏には社交ダンスの国際大会で活躍する全ダンサー憧れのバンド「クミ伊藤とニューサウンズオーケストラ」を迎える。壮大なサウンドに包まれ、ダンサーたちが華麗に舞う姿は必見だ。

 荘さんは「市民の一人として提案したものだからこそ、これからも続けたい。新たな川崎の文化として親しんでもらえれば」と期待を寄せた。

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新テーマソングのジャケット写真

銀柳街 テーマソング一新 25日10時から変更

 川崎駅東口の川崎銀柳街商業協同組合(吉澤慶太理事長)のリニューアルしたテーマソングが、10月25日から商店街内で流れることが決まった。

 新テーマソングを歌うのは、8月の最終審査会で投票により決まったご当地アイドル「川崎純情小町☆」。以前よりアップテンポな曲調になり、4人の元気な歌声が響くかわいらしい楽曲となった。4人は「お買い物をしている方たちに、楽しい気持ちをお届けしたいという気持ちを込めて歌わせてもらった」とコメントした。

 銀柳街では広い世代へのPRや認知度向上を目的に、約30年流れてたテーマソングを一新させる企画を4月から進めてきた。吉澤理事長は「前の曲も良かったけれど、また違う良さのある曲に生まれ変わった。『商店街をみんなで楽しもう』という思いが感じられる曲になったのでは」と期待を寄せた。

 川崎純情小町☆が歌う銀柳街テーマソングは各種配信サイトでダウンロードできる。

戸手教会でバザー 10月27日 人形劇公演も

 川崎戸手教会(孫裕久牧師/幸区戸手)で10月27日(日)、バザーが開催される。午前11時から午後2時まで。

 雑貨や古着、焼き鳥、チヂミを販売。人形劇団「てっぺん一座」による人形劇公演も行われる。観覧無料で1回目は午前11時30分、2回目は午後1時開演。

 詳細は同教会【電話】044・555・2827。

推奨本を手にする東さん

書評家・東えりかさんに聞く㊤ 読書週間 川崎の今を知る本

 10月27日から読書週間が始まる。川崎市制100周年の今年、宮前区在住の書評家・東えりかさんは、「川崎とは何か」を考えて本を開く機会が増えたという。本と向き合い続ける東さんが薦める「川崎を知る本」を、2回に分けて紹介する。

 東さんは千葉県出身で1995年から宮前区犬蔵で暮らす。毎年200冊以上の本を読み、ノンフィクションや文芸作品の書評を執筆している。

 今年は「市制100周年」関連のイベントで講演依頼が増え、少し困ったそうだ。「川崎はエリアごとに文化が違い、全体のイメージをつかむのが難しい」と語る。

 そんな時に図書館で出会ったのが、市立小学校で3年生から配られる副読本『かわさき2024』だった。「開いてびっくり。歴史や文化、産業など、知りたい情報が網羅されている。川崎の今を知るにはぴったりの一冊」と絶賛する。

 市では小学校の地域学習の資料として、副読本『かわさき』を1955年から発刊してきた。ただあくまで教材のため一般市民は図書館で探すほかない。東さんも図書館の「郷土史コーナー」で偶然見つけたそうだ。

北部の歴史は面白い

 続く一冊は、同じく宮前区在住の文筆家・小倉美恵子さんの『オオカミの護符』(新潮社)だ。

 東さんが転居したてのころ、犬蔵地区には田畑や里山が広がっていた。散策中、所々で黒い犬が描かれた護符に遭遇した。「何かが分からず、不気味だった」

 数年後、ドキュメンタリー映画「オオカミの護符」を見て正体が判明。田畑を守るために農民たちが「お犬様」に祈りを捧げた信仰の跡だった。感銘を受けた東さんは映画製作者の小倉さんに手紙を出し、書籍化を懇願。そして2011年秋に出版された。「足元の歴史への好奇心をかきたてる一冊。私も、川崎の北部の歴史は面白いと気付かされた」と語る。

 もう一冊、「北部の歴史」関連の本として、宮前区在住のノンフィクション作家、高橋秀実さんの『パワースポットはここですね』(新潮社)を挙げた。地盤が安定している市北部には古墳や遺跡が多く、土器などが度々出土する。高橋さんは自宅敷地で土器が出土した話も交え、現代人が歴史と共にあることを伝える。東さんは、本の「パワースポット」も歩いてみたそうだ。「土地の歴史を知らない人たちに薦めたい」と笑う。

 東さんは「土地の歴史」という観点から、約40年前に話題を集めた本の名も挙げた。写真家の藤原新也さんの『東京漂流』(新潮文庫)だ。藤原さんは著書の中で、ある殺人事件で全国区になった「宮前平」を、宅地化により大地の歴史が寸断された「新しい日本の家と土地」として憂いている。

 「40年が過ぎ、彼が憂いた未来とは異なる風景が広がっていると思う。そういう意味で興味深い」と東さん。10月26日(土)には高津区梶ヶ谷のカフェ「アンジュ」で、藤原さんと小倉さんのトークイベントも開かれる。

図上訓練に集まった参加者ら(同町内会提供)、訓練で書き込まれた地図

机上で防災訓練 小田五六町内会で初実施

 小田五六町内会幹部らが10月6日、自主防災訓練として、机上で議論する「災害図上訓練」を実施した。

 防災士の資格を持つ防災担当部長の蔵光裕さん=人物風土記で紹介=により初実施された。訓練では冬の寒い夕方、最大震度6強の地震が発生したことを想定。町内の地図に避難経路を書き込んだり、建物倒壊や火事延焼など起こりうることを付箋で貼り付けたりして、災害時の避難経路などについて話し合った。

 蔵光さんによると同町内は幅2m以下の狭い路地が多く(地図上のピンク色部分)、建物倒壊などにより道が塞がれてしまう恐れがあるという。「さまざまなリスクを想定し、議論することで災害に備えてもらいたい。近隣の町内含めて、防災意識を向上できれば」と話す。

 同町内会では今後、理事や委員などで同訓練を行い、次年度からは町民も参加してもらう予定という。

看護職の魅力を紹介 11月2日 川崎病院でフェア

 川崎市、川崎市医師会らが共催し、川崎市看護協会の主管で11月2日(土)、川崎市立川崎病院(川崎区新川通12の1)で「KAWASAKI看護の魅力発見フェア2024」が開催される。午後1時から4時。入場無料。入退場自由。

 復職を考える看護職、看護学生、看護に関心のある中高生、関心のある市民なら誰でも参加できる同フェア。午後1時からは「看護の魅力シンポジウム」と題し、病院や診療所、訪問看護、介護施設など、さまざまな現場で働く看護師が職場とやりがいを語る。

 模擬病室では、認定看護師のサポートのもと、電子カルテの操作や採血など現場体験ができるほか、復職や就職に関する相談コーナー、市内で働く場や看護師として働く魅力についての情報展示コーナーも設けられる。

 当日は、子ども連れでの参加も可。詳細についての問い合わせは、同協会【電話】044・711・3995。

マラソンランナーとしても活動する猫ひろしさん

GO!GO!!フロンターレ

ワンダーニャンド開催猫ひろしさん登場

 サッカーJ1・川崎フロンターレは11月1日(金)にU等々力で開かれる鹿島アントラーズ戦(午後7時キックオフ)で、犬・猫にまつわるイベント「ワンダーニャンド」を開催する。時間は午後3時30分から6時30分。

 ハーフタイムには人間界の"ネコ"として猫ひろしさんが登場!また四足歩行100m走15秒71でギネス世界記録保持者のいとうけんいちさんも参戦し、正体不明のスプリンター「スプリン太」とガチンコダッシュ対決を行う。

 また、元保護犬たちが活躍する日本で唯一のわんちゃんだけのパフォーマンス集団「わんわん大サーカス」も開催!元気いっぱい駆け回るわんちゃんたちのかわいさに釘付けになること間違いなし。パフォーマンス後はふれあい時間もある。

 ほかにもイヌ耳・ネコ耳カチューシャづくりや盲導犬との体験歩行、おワンづくり陶芸教室などワンダフルな企画が目白押し。時間など詳細は川崎フロンターレ公式ウェブサイトへ。