横須賀・三浦版【11月15日(金)号】
大竹夫妻(右)の話に耳を傾ける参加者ら(=11月10日、満昌寺)

こども禅大学 発達障害の可能性広げる 保護者と児童対象「学びの場」

 発達障害のある子どもと保護者を対象にした学びの場「こども禅大学」が、横須賀・三浦市内3カ所の寺院を会場に始まっている。企画しているのは一般社団法人こども禅大学の大竹稽代表(三浦市南下浦町金田在住)=人物風土記で紹介。発達障害をポジティブに捉え、保護者同士の悩みや不安を共有する場として運営していく。

 主に小学校低学年から中学生、その保護者が対象。雑談交流会や発達障害児を子に持つ当事者の講演などを通して、障害が持つ特性との付き合い方や才能の伸ばし方、考え方を周知していく。大竹さんが大学時代に追究した「禅」をテーマに「自由な学びの場」を発信している。

 2022年の文科省の調査によると、発達障害の可能性がある児童生徒の数は小学生は約10・4%で、10年前より増加傾向にある。大竹さんは個性に応じた教育支援の拡充が必要とされている現状や自身の娘も自閉スペクトラム症(ASD)と診断されたことで当事者意識が芽生え、今春から県内各所の寺院で実施してきた。9月からはクラウドファンディングで募った資金などを元に一般社団法人化。現在は試験期間で来年4月頃正式開校する予定という。

 拠点となっている満昌寺(横須賀市大矢部)と貞昌寺(同市馬堀町)では毎月第2日曜日、福泉寺(南下浦町)では毎月第4木曜日に2時間ほど実施。そのほか戸塚区などの寺院でも定期的に学びの場を開いている。

 11月10日には満昌寺を会場に市内外から5人の保護者らが参加。大竹代表の妻の侑子さんの娘との関わり方や考え方を共有する時間も設けられた。娘が発達障害と診断されてから「周囲の人に言うべきか」など葛藤やショックがあったというが、「大切なのは他人と比較するのではなく、可能性を拡げてあげるのが親の役目」という考えに至った経験を共有した。

 その後の交流会では、子どもが通う学校の情報交換なども行われた。

 場所を提供している満昌寺第31世住職の永井宗寛さんは「寺子屋のように、大人も子どもも気軽に遊んだり学んだり。そういう場として寺を提供していけたら」と話し、今後も前向きに協力していく考えだ。

協定書を交わす宇内団長(左)と上地市長

横須賀市消防団 土砂災害機動部隊を新設 東西市域で復旧体制強化

 台風や大雨などで土砂災害が発生した際、重機を運用して復旧活動にあたる「土砂災害機動部隊」(LTF)が11月10日、横須賀市消防団(宇内正城団長)内に発足した。2023年度に発足した市消防局LTFに続いて2隊目の配備で、重機を扱う消防団の専門部隊は県下でも珍しい。東西市域に部隊が配備されることになり、活断層の上に立地する横須賀エリアの災害復旧体制の強化に期待が寄せられる。

 同日、重機や活動資機材提供を軸とする協定を市と宇内建設(株)(長坂)が締結。市消防総合訓練センター(長瀬)で発足式が行われ、隊員らが活動への志を共有した。

 消防団LTFは重機を扱う資格を有する団員30人で構成。油圧ショベルを搭載した「バックホウ」や大量の土砂をすくい上げることができる「ホイールローダー」などを配備し、同社の資材置き場がある芦名を拠点に月1回程度の訓練を行っていくという。

 LTFの発足は、同社代表取締役の宇内団長が21年3月に同社としてバックホウを市消防局に寄贈したのがきっかけ。23年3月に同消防局が重機搬送車2台を導入して23年度に市消防局LTFが発足し、今年1月の能登半島地震では除雪作業などに従事した。

 かねて東西市域それぞれに重機部隊の必要性を感じていたという宇内団長。東部には重機を配備した同センターがあるが、活断層地震で東西が分断された場合を念頭に、西部の重機隊創設を模索していたという。

 この日の協定式で、宇内団長は20年に逗子市のマンション敷地の斜面崩落で女子高生が巻き込まれて死亡した事故に触れ「建設業、消防団として何かできることはないかと考えたのが大きなきっかけだった」と回顧。「最前線で活動する組織に重機があれば助かる命があるかもしれないという思いでゼロから準備を重ねた」と万感の思いを明かした。

 協定を受け、上地克明市長は「LTFが東西に配備されることでより一層の土砂災害対応力の強化になる。心からの感謝を申し上げる」と謝辞を述べた。

 この日は救助隊の精鋭から成る中央消防署高度救助隊「スペリオルレスキュー」(SR)の発足式も行われ、新たな部隊章が授与された。

発達障害児を育てる保護者らを対象にした学びの場「こども禅大学」を主宰する 大竹 稽(けい)さん 三浦市南下浦町金田在住 54歳

心ほぐす禅の学び舎

 ○…「発達障害は特性の一つに過ぎない」。多くの人が集団行動の可否やテストの成績でその人を判断してしまう。そのため、わが子の将来を憂いてしまう保護者も少なくない。「子どもが幸せになるには保護者も幸せでなければならない」。神奈川県内各所の寺院で実施する「こども禅大学」には、そんな思いが詰まっている。

 ○…愛知県出身。中学生の時、叔父ががんで早逝。医師を志し、名古屋大や慶應義塾大などの医学部を転々とした。しかしある時、医者は命を救えるが、人生までは救えないと気付く。その後、予備校の講師を10年間ほど務めたある日、教え子の自殺の報せが飛び込んできた。「もう少し話し相手になれたのでは」。自責の念に駆られ、哲学の道へ進むことを決意。36歳で再び大学へ入学し学問を深めた。

 ○…その後、哲学者・教育者として執筆や講演、寺子屋活動を続けてきた。自身の娘が5歳の時、物事への強いこだわり、対人関係が苦手といった特徴がある自閉スペクトラム症(ASD)と診断された。しかしショックを受ける妻の横でワクワクが止まらなかった。「発達障害の子どもとお母さんの支援に身命を賭すことが使命」だと直感したから。

 ○…ひとたび当事者になると子どもを取り巻く教育環境に潜む課題が見えてきた。人によって成長速度が異なる一方で一斉に学年は上がる。上がった先で取りこぼされ、いわば「落ちこぼれ」のレッテルが貼られてしまう。「教育現場という一つのワクに当てはめる必要はない。一人ひとりの特性にあった学習の場を提供し、その保護者の心のケアも出来れば」。自由を最重要事項とする「禅」の教えをもって悩める人々の心をほぐしていく。

強盗事件や悪質な業者の訪問への注意を呼び掛けるポスター(左は神奈川県警、右は横須賀警察署作成)

増える強盗被害 「物音しても近寄らない」 ポスターや巡回で啓発

 首謀者が実行犯をSNSなどで募る「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」による強盗事件が首都圏などを中心に発生している。11月12日現在、三浦市内では匿流との関係は不明だが、同3日、コンビニエンスストアで強盗事件が発生。横須賀・三浦市内県警各署は巡回などで防犯対策を呼び掛けている。

 一連の事件は警察や役所などをかたった電話で資産状況や家族構成などの情報を得てから、実行に移す事案も多い。横須賀警察署では、不審な電話や訪問に対する注意喚起のチラシを町内会の掲示板に貼付するなどで対策の周知を図っている。

 従来の不在時を狙った犯罪とは違い、在宅時でも押し入るケースが多い今回の一連の事件。在宅時に侵入された場合はどうすれば良いのか。現場によって状況が異なるため一概には言えないが、三崎警察署の小野里裕副署長は「在宅時、不審な物音がしても近寄らない。身の安全を確保し、110番することが大事」と注意喚起する。

 そのほかカメラ付きインターホンや防犯カメラの設置、見知らぬ人からの訪問にはドアスコープなどで「直接応対しない」ことも重要で在宅時の施錠も有効という。

「デロリアン」登場 17日、アイクルフェア

 横須賀市リサイクルプラザ「アイクル」(浦郷町)は、市民にリサイクル活動について学んでもらうため、恒例のアイクルフェアを11月17日(日)に開催する。

 今回の目玉は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場し、ごみで走る車として有名な「デロリアン」の展示。車内への乗車も可能で、記念撮影もできる。そのほか、粗大ごみとして回収された家具を修理・再生した品の有償提供や、貝殻アートのリサイクル体験教室、ごみ収集車の体験乗車など、多世代が楽しめる企画を用意している。

 午前10時から午後3時。追浜駅から夏島方面へ歩いた先にある追浜消防出張所付近からは、無料送迎バスを運行する。

横須賀でベイ応援 秋季練習に合わせ連携企画

 26年ぶりに日本シリーズを制した横浜DeNAベイスターズと横須賀市との連携企画が11月17日(日)まで行われている。追浜地域の参加店で買い物し、シールを集めると抽選で選手の直筆サイングッズが当たる。

 ベイスターズは追浜地区にファーム拠点「横須賀スタジアム」「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」(いずれも夏島町)を構えており、毎年秋季練習を実施。今年は11月19日(火)まで予定されている。この期間に市内外から多くのファンに訪れてもらおうと市が企画した。

 参加方法は横須賀スタジアムなどで配布している台紙を入手。追浜地域の参加店舗32店で500円以上の買い物をするとシールが1枚もらえ、2枚台紙に貼って同スタジアムなどに設置された応募箱に投函する。市によると、このほかにも「ファンを楽しませる企画」を準備中。参加店舗やイベント詳細は特設サイトなどで案内する。

 秋季トレーニングは、選手の練習風景を間近で見ることができる。「連携企画と合わせて、横須賀でベイスターズを満喫してほしい」と市担当者は話す。

シラスをルーペで観察する児童

ソレイユの丘×慶大SFC 骨の秘密に興味津々 児童対象に体験教室

 児童らが健康や食育について1泊2日で学ぶ企画が11月9日から2日間、長井海の手公園ソレイユの丘で初めて実施された。同園主催で、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の健康情報コンソーシアム「TeamBONE」などが企画協力する産学連携の形で行われた。

 同大と同園はこれまで熱中症リスク分析や混雑時人流データ測定などの共同研究、家族連れの骨密度を測る企画などを実施してきた。

 すべての子どもが幸せな生活を送る事が出来る「ウェルビーイング社会」を目指すための取り組み。横須賀・三浦市外から参加した7人の児童らは同園の動物や自分の骨の密度測定などを通して、健康な体を構成するための骨、それを醸成する栄養素などを学んだ。同団体の本田由佳同大特任准教授は「ソレイユの丘は子どもたちの健康教育に欠かせない自然や食が豊富な場。今後も継続的に実施していきたい」と話している。

「ガレージセール」オーナーの私物

 若者を意識した古着店やビンテージ雑貨店の出店が相次ぐ上町銀座商店街で11月16日(土)・17日(日)、ショップオーナー有志による「上町SELECT GARAGE Sale」が開かれる。

 各ショップのスタッフが店先に洋服やレコード、アンティーク品など私物のコレクションを並べる。スタッフの人となりや素顔を知ってもらう狙いで、来店者とコミュニケーションを図る。

 全9店が参加予定。時間は両日午前10時から午後4時。雨天順延。

横須賀商工会議所セミナー 芸人考案 面白メニュー

 横須賀商工会議所では地域の飲食店支援の一環として、お笑い芸人が考案した面白メニューで集客アップを図るユニークな試みをスタートさせる。

 同商議所の特命職員で吉本興業所属のお笑い芸人、石橋尊久さん(コンビ名「イシバシハザマ」)がお笑いの発想力を駆使して、各店の個性を生かした集客アイデアを捻出。話題作りで来店客やリピート客の増加につなげる狙い。

 現在、参加飲食店を募っており、11月26日(火)に企画の趣旨などを説明するセミナーを実施する。当日は石橋さんによる「お笑いで集客アップ」と題した講演のほか、面白メニューの事例紹介がある。実際のメニュー開発などは個別相談を行って戦略プランを組み立てる。

 会場は平成町の同商議所特別会議室で午後2時開始。問い合わせは同商議所情報企画課【電話】046・832・0421。

横須賀防犯協会 通話録音機器100台を寄贈 「詐欺被害防止の一助に」

 特殊詐欺の被害防止に役立ててもらおうと、横須賀防犯協会は11月12日、横須賀警察署に迷惑電話防止機器100台を寄贈した=写真。過去4年間、同機器を贈っており計350台になった。

 機器は家庭用固定電話機に取り付けるもので、着信すると相手に「防犯のため、通話内容を録音する」というメッセージが流れる。

 この日の贈呈式で同協会の上田滋会長は「特殊詐欺を横須賀から少しでも減らすため、防犯効果があればうれしい」とあいさつ。長谷善明署長は「有効に活用し、1件でも被害を減らしたい」と謝辞を述べた。

 寄贈された機器は特殊詐欺の被害者や前兆電話を受けた経験がある管内高齢者の希望者に無償提供する。同署によると、管内の特殊詐欺の被害件数は同日現在で18件、被害額は約3500万円。54件約1億400万円の被害があった昨年と比べると減っているが、年末にかけて前兆電話が増える傾向にあり、同署が注意喚起している。

10月26日、長井に現れたサル(読者提供)

「左手のないサル」 相次ぐ目撃 遭遇したら?

 横須賀・三浦両市では10月下旬ごろから野生のサルの目撃情報が相次いでいる。11月12日には三浦市南下浦町上宮田に出現。市や警察は「遭遇したら刺激せず、目を合わさないように」と注意を呼び掛けている。

 都内や湘南地区でも目撃されたサル。左手の一部が欠損しているのが特徴で「左手のないサル」としてSNS上でも多くの情報が投稿されている。

 10月23日の湘南国際村をはじめ秋谷、長井など西部地区で目撃され、三浦市初声町和田、三崎町小網代、諸磯でも出没。その後北上し、横須賀市の久里浜・大津地区に1週間ほど滞在し、再び南下を続けている。

 「追いかけられた」「威嚇された」という情報も寄せられている。池田町在住の女性(25)は5日午前8時頃、馬堀町を散歩していた際にサルに遭遇。約3mの距離からスマホで写真を撮影しようとしたところ襲われ、100m程追いかけられたという。女性にけがはなかった。

秋から冬に移動

 愛知県でサルをはじめとする霊長類の調査研究を行う日本モンキーセンターによると、ニホンザルのオスは繁殖の機会を得るために群れを離れる習性があり、「秋から冬にかけての交尾期に大きく移動する可能性がある」としている。

 他の野生動物と同様、遭遇した際は騒いだり走ったりして逃げない、食べ物を与えない、カメラを向けないといった点に注意する必要がある。同センター担当者は「日本は身近に野生のサルを観察できる稀有な環境。静かに移動を見守って」と話している。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)
全国大会出場枠獲得に向けて意気込む三浦学苑駅伝競走部男子(左)と女子チーム

三浦学苑駅伝競走部 男子3年連続5回目/女子16年連続16回目 悲願の全国 切符つかめ あす関東大会号砲

 三浦学苑高校駅伝競走部の男女がそれぞれ、あす11月16日(土)に群馬県前橋市で開かれる関東高校駅伝に出場する。男子は3年連続5回目、女子は16年連続16回目の快挙だ。悲願の全国大会出場に向けて大一番に臨む。

 10月に行われた県大会で女子は関東出場権の6位以内をかけて4強の白鵬女子、川崎市立橘、法政二、東海大相模に挑む展開。関東大会3000m障害で優勝し日本選手権にも出場経験のある2年生エース、前田二千翔さんをけがで欠く中、選手層の厚さでカバー。1区で7位につけると2区で順位をひとつあげ、3・4区が6位を維持。1年生アンカーの松田琴乃さんが1人を追い抜き、5位でテープを切った。松田さんは「いいリズムで走れて長距離の自信がついた」と振り返り、関東大会に向けては「自分の走りで順位を上げたい」と意気込む。

 男子は5月の全国高校総体県予選で5000mの大会新、3000m障害との2冠も達成した不動のエース、向田泰誠さん(3年)を4区で起用。1区7位スタートし、3区6位でたすきを受け取ると大会新の好走で2つ順位を上げ、後続が4位を守り切った。

 強豪校として存在感を示してきた同部だが、全国大会出場は未経験。都大路がかかる高校生活最後の大会に向け、向田さんは「都大路を目標に掲げてやってきた。集大成として関東に臨みたい」と闘志を燃やした。

協定書を交わす石渡理事長(右)と上地市長

横須賀市×神奈川大 まちの魅力向上へ協定 上地市長「若い感性に期待」

 横須賀市と神奈川大学(横浜市神奈川区)は11月11日、地域社会に貢献できる人材の育成やまちの魅力向上に向け包括連携協定を締結した。多岐にわたる領域で連携し、市の課題解決に学生の感性を取り入れたい考え。

 協定の主な内容は【1】教育・研究活動の推進【2】市民生活・都市魅力向上への後押しの2つ。【1】では▽商店街などでの起業体験▽市役所でのインターンシップ▽空き家を活用した地域活性化の取り組み―など、【2】では▽文化活動への協力やスポーツ教室、健康教室の実施▽SNSなどを活用した観光スポットの紹介▽農水産物の魅力発見や新たな商品開発―などを想定している。

 この日の締結式で、上地克明市長は「時代のニーズを捉えることが行政にも求められる」と狙いを説明。「学生の柔軟な発想や若い力をお借りすることで、これまでにない効果を生み出すことができるのでは」と期待した。横須賀市出身で同大OBの石渡卓理事長は「教育には学問だけでなく、地域に根差した実装が必要。学生や学校が持つものを提供し、シナジー効果を狙っていきたい」と展望を述べた。

 両者はこれまでも大学生の意識調査アンケートや大学生が動画で横須賀の魅力を発信するプロジェクトなどで連携してきた。同大は県や横浜市、鎌倉市などとも同様の協定を締結している。

ひとり親支援「ひまわり」 年越し向け寄付募る

 生活困窮するひとり親家庭の年越しを支援するため、NPO法人ひまわりは支援品の提供を呼びかけている。食品や日用品などを詰め合わせた「年越しパック」として2021年から毎年実施。昨年は市内外から多くの支援があり、60世帯以上のひとり親家庭に届けられた。

 受け付けている物資は米、餅、レトルト食品、乾物、菓子などの「食品」やマスク、生理用品、洗剤、衛生用品、タオルなどの「日用品」。図書カードや施設招待券などの「チケット類」など。未使用・未開封で、期限内のものに限る。

 受け渡しは汐入駅近くの市民活動サポートセンターで12月1日(日)から21日(土)。横須賀市ボランティアセンター(本町2の1総合福祉会館2階)でも20日(金)まで受け付ける。詳細は同法人【携帯電話】070・6635・7365。

家康の国際感覚に迫る 17日、按針セミナー

 徳川家康の外交顧問として活躍した三浦按針(ウィリアム・アダムス)の功績を伝える「第6回按針セミナー」=写真=が11月17日(日)、生涯学習センター(まなびかん)大学習室で開催される。横須賀市と三浦按針の功績を称え広く伝える有志グループ「三浦 按針の会」の主催。

 今回のテーマは「家康の優れた国際感覚〜外国人サムライ三浦按針と築いた平和外交〜」。講師は、歴史ミステリーや時代小説など多数の著書を執筆する郷土史研究家の市橋章男氏。家康と按針の関係性から鎖国時代の日本の外交政策について解説する。耳が不自由な参加者に向け、手話通訳もある。

 午後2時から4時。参加費無料で、定員は180人。申し込みは開催前日までに同会事務局(浄土寺内)【電話】046・822・1033。申し込み時点で定員が集まらない場合は当日の飛び入り参加も可能。

展示作品の一例

三浦でキルト展

 三浦・横須賀を拠点に活動する「青木眞澄パッチワークの会」による第18回パッチワークキルト展「四季折々『作る』くらしの幸せ」が11月17日(日)まで、三浦市勤労市民センターで開かれている。見どころは会員が全員で作る「フレンドシップ」(手まり)。今回は「三浦・横須賀サクマ教室」の生徒が手がけた洋裁作品も展示している。16日(土)まで会場で即売会も実施。午前10時か午後4時30分まで(最終日は3時)。問い合わせは青木さん【携帯電話】090・2233・4322。

勇人氏から新社長のバトンを受けた柾人氏(右)

法塔ベーカリー創業100周年 「パンで地域つなぐ」 森新社長が決意表明

 パン製造・販売の「法塔ベーカリー」(久里浜8の30の1)が創業100周年を迎えた。11月8日に地元政済界や取引先企業など総勢230人を集めた祝賀会を横須賀市内のホテルで開き、小泉進次郎衆院議員ほかが祝辞を述べた。

 同社の屋号にある「法塔」は、1924年に創業者の森末蔵氏が佐野町法塔に製造拠点を構えたことに由来する。2代目の守氏が戦中・戦後に事業を拡げ、昭和の時代は学校給食と店舗販売の両輪で経営基盤を強固なものにした。平成に入ると3代目の勇人氏が当時では先駆的なベーカリーレストラン「カフェ・ド・クルー」を開業。2010年には、「日本全国ご当地パンまつり」に出品した「よこすか海軍カレーパン」が日本一に輝き大きな話題を呼んだ。23年に本社兼新工場を久里浜地区に建設。パンの自販機の設置を積極展開するなど、新しい販売手法にも挑んでいる。

 この日の祝賀会で4代の新社長に柾人氏が就いたことが発表され、「パンをハブにして地域をつなぐ」独自の未来戦略が伝えられた。

湘南菱油のアップサイクル体験。中央がコーディネーターの池井さん

提供するのは「体験」 幼稚園と企業つなぐ池井さん

 岩波幼稚園(横須賀市鴨居)の園児が環境に目を向ける体験学習の一環として、ペットボトルキャップのリサイクルに挑戦した。三浦半島を拠点にガソリンスタンドを運営する湘南菱油(株)(同市森崎)が協力。同社では環境問題に対する身近なアクションとして、樹脂再生装置を用いて製品化(アップサイクル)する取り組みを行っており、ミニサイズのうちわづくりを約30人の園児と一緒に行った。

 今回、幼稚園と企業を繋いだのが地域体験コーディネーターとして活動する池井将さん(根岸町在住)。「幼稚園は保護者ニーズの高い体験学習や園外交流を求めているがノウハウと受け入れ先の情報を持っていない。地域の企業も社会貢献活動を充実させたいが、アピールする機会が限られているなどの悩みを抱えている」と池井さん。学童保育運営や不登校児童の居場所づくりと並行して、農業体験の事業などを複数手掛けてきたノウハウを活かし、両者のニーズを実現化していく。子どもたちの地域愛醸成にもつながるものとしており、体験コンテンツのバリエーションを増やしていく計画だ。

西地区の芸能お披露目 24日、ソレイユの丘

 横須賀市西地区の連合町内会が各地に伝わる囃子や踊りなどの伝統芸能を披露するステージが11月24日(日)、長井海の手公園「ソレイユの丘」で開かれる。大楠、武山、長井各連合町内会の主催。

 イベントは3連合町内会と同公園が昨年、相互支援に関する協定を締結したことを機にスタート。2回目の開催で、園内のレイクサイドステージで10団体が舞台に上がる。演目は井尻木遣り保存会(長井)、北武若武中・謡(武山)、飴屋踊り(長井)、大楠・アロハウォービッシュ(大楠)ほか。正午から午後4時50分。荒天中止。

平安の伝承巡る 未病ウォーク

 地域の歴史を訪ね歩きながら健康増進を図る未病ウォーク「平安の伝承を巡る」が11月25日(月)に開かれる。三浦市社会福祉協議会の主催。

 午前9時30分に京急バス「白秋碑前」バス停に集合。県立公園、安房崎「洲の四郎社」、諏訪神社、本宮、海南神社を経由し「うらり」で11時50分頃解散。約5・2Km。

 参加費300円。対象は三浦市内在住または在勤者。問い合わせは同社協、山田さん【電話】046・874・9882。

生麦事件発生場所

OGURIをあるく 〜小栗上野介をめぐる旅〜第24回 江戸編【2】文・写真 藤野浩章

「自ら首をしめるような真似、絶対にすべきではありませぬ」(第二章)



 使節団が帰国して2年。開港による物資不足と貨幣の改鋳(かいちゅう)により、急激なインフレが進んでいた。加えて井伊直弼(なおすけ)の暗殺で幕府の権威は失墜。改革が急がれていた。

 そんな時に動いたのが、薩摩の島津久光(ひさみつ)だった。彼は朝廷や公家と示し合わせて改革案を突きつけ、兵を率いて江戸へやって来る。政治を任されている幕府に対して事実上朝廷が指示を下す形式も異例なら、藩主でもない(藩主・忠義(ただよし)の父)彼が兵を率いて江戸に圧力をかけるのも言語道断の事態。しかし幕府にはそれを押し返す力が残っておらず、しぶしぶ人事と制度の改革を受け入れる(文久の改革)。

 この渦中に勘定奉行勝手方(かってがた)に抜擢されたのが小栗だった。困ったときの小栗、ということなのだろうが、彼はさっそく冒頭のように直言する。

 小栗は久光の真意を読んでいた。改革の必要性はもちろんあるが、その主体は幕府であるべき。もし受け入れてしまえば幕府は何もできなくなることは明白で、久光は幕閣に入り公武合体(こうぶがったい)の政治をしたいだけなのだ...。

 この経緯は本書に詳しいが、結果として新人事は久光と徳川慶喜(よしのぶ)、松平慶永(よしなが)(春嶽(しゅんがく))の意見が対立。朝廷は今までできなかった政治的な動きを強めることになった。しかも久光の動きが誤解され「尊皇攘夷」に「幕府打倒」という考えが加わり、小栗の懸念が現実のものとなってしまう。

 さらに久光が帰国する際に事件が起こる。行列に行き会ったイギリス人を、あろうことか薩摩藩士が斬りつけたのだ。生麦事件である。

わたしのまちでいきる 【32】目標クリアで「認定証」「一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛」

 この連載では、障がいを持って生まれた娘うららとの歩みから、(一社)sukasuka-ippoのルーツなど、さまざまなエピソードを紹介します。

 onestepの職業体験では、目標を3段階に分け1つクリアするごとに「認定証」を発行する仕組みがあります。基本的な社会のルールを身に着ける第1段階に続き、第2段階では支援員付き添いのもと実際に仕事を体験。慣れてきたら少しずつ作業量を増やしたり時間をのばしたりして、支援も付き添いから見守りへと手を離していきます。これを複数の企業で実施し、評価をもとに認定証を発行します。

 第3段階は1人で体験先へ行き決められた時間仕事をして、onestepに帰ってくること。ここまで来ると、本人たちも色々な企業での体験を経て「自分がどんなことが向いていて、どういうことを仕事にしたいか」が見えてくるはずです。自分で希望の職種や企業を選び、学校とも連携しながらインターンという形で企業へ。企業側から十分雇用ができる人材だと評価をもらうことを目指します。最終段階で発行される認定証は彼らにとってかけがえのない"履歴書"となり、就職する際に大きな役割を担ってくれます。

 最終段階まではとても長い道のりのようですが、逆に言えば段階を踏むには時間が必要だということ。中学1年生から高校3年生までの最大6年間を使って積み重ね、必ずどんな形であれ実になると信じています。

 開所から2年。この取り組みは始まったばかりですが、数年後、卒所生を送り出すことを今から楽しみにしています。

-次回に続く