戸塚区・泉区版【11月21日(木)号】
弥生台自治会館で定期開催している譲渡会

泉区在住・伊藤さん 保護猫活動じわり広がる 緑園で23日 第1回譲渡会

 野良猫の虐待を1件でも減らそうと猫の保護活動と譲渡会を続ける泉区在住の伊藤明美さん(64)が11月23日(祝)、緑園では初めて譲渡会を開く。伊藤さんは「地元自治会の理解と協力でここまで至れた。ひとつでも良い出会いがあれば」と思いを語る。

 伊藤さんは20年ほど前から野良猫の保護活動と里親探しを始め、2017年からは自ら譲渡会を開催。弥生台自治会などの協力を得つつ、主催する譲渡会は130回以上を数え、当初は同自治会館のみだったが、オリンピック東戸塚店でも毎月第2日曜に開催するなど、活動の輪も広がりつつある。

 昨年からは活動をNPO法人化し、「にゃぶ・猫を保護する人を増やす会」を設立。会員とボランティアをあわせて100人ほどが活動に携わっているという。これまで譲渡してきた猫はのべ500頭を上回り、現在も会全体で150頭ほどを飼育している。

自治会も支援

 そんな中で今回、緑園エリアでの譲渡会初開催に至ったのには地元の緑園六丁目自治会の協力があったという。

 同自治会の林英一会長によると「自治会内にいくつか空き家があり、そこに猫が住み着いたりする」という。「その猫を捕獲して保護してくれているので助かっている。なので自治会としても活動を支援できたら」とし、同法人の賛助会員にもなったという。

 猫の保護活動は里親が見つかるまで猫を飼育する必要があるが、エサ代やネコ砂代、医療費など多くの活動資金を要する。伊藤さんは「ボランティアだけでなく、賛助会員として支援していただけるのもありがたいし、心強いこと」と話す。メンバーの手作り猫グッズなどの売り上げも活動資金に充てているという。

 第1回となる緑園保護猫譲渡会の会場はひかりの園(緑園4の6の1)のテラス。時間は正午から午後3時まで(雨天時は中止)。

 またこの日は、緑園都市駅ライフ前広場でイベント「緑園街マルシェ」が開かれ、その中で猫グッズの販売などでも出店するという。

「まいおかんしゃカレー」を持つ児童=提供

舞岡小学校6年2組 廃棄ナスが“カレー”に変身 23日農業まつりで販売

 舞岡小学校6年2組がこのほど、舞岡町の農園で採れたナスを使ったレトルトカレーを開発した。本来、廃棄されてしまう野菜を使用したことで、フードロス削減に貢献。11月23日(祝)にはJA横浜舞岡支店で開催の「農業まつり」で地域への感謝を込めて販売する。

 舞岡小学校は近くにJA横浜舞岡支店があり、周辺に農園も多く、児童にとって地元産の農作物は身近な存在。

 しかし、収穫した中には、十分に食べられる状態であるにも関わらず、規定に合わないサイズや表面の傷などが理由で廃棄されてしまうものも。児童は、総合的な学習の時間で活用できる方法を探し、目に見える形で地域に還元することで「舞岡の人や町に、日ごろの感謝を伝えたい」と取り組んできた。

児童オリジナル

 廃棄野菜の活用を模索する中で、協力を呼びかけたのはMOTTAINAI BATON(株)(東京都/目取眞興明代表)。同社は、生産・製造の過程で出た「もったいない」食材のカレー化で、フードロス解消に取り組んでいる。児童が地域の現状と学習意図を伝え、協力を得られるようになった。

 児童は、目取眞代表の特別授業や試食会を通じて「みんながおいしく食べられる」カレーの味・辛さ・匂いを追求。地元農家から提供された約90kgにもなる廃棄ナスは、キーマカレーと夏野菜カレーの2種類の「まいおかんしゃカレー」に生まれ変わった。

 さらに、パッケージデザインや価格設定、事前の宣伝も児童が工夫。11月23日(祝)、JA横浜舞岡支店で開催の「農業まつり」で児童自ら販売する。午前9時から午後2時まで。約1000箱を予定(税込600円)。

戸塚区・泉区から多文化共生を広げる任意団体「ブレーメン」の代表 下郡(しもごおり) 麻子さん 領家在住 58歳

「互いを認める場所が必要」

 ○…国籍や民族が異なる人同士が互いの文化的差異を認め合い生きる「多文化共生」を、戸塚区・泉区から広げようと今年5月に任意団体「ブレーメン」を立ち上げた。「メンバーは3人。始まったばかり」と3回目のイベント開催を控え、緊張の面持ち。日本文化を伝えたり日本語を教えたりする一方からの支援ではなく、目指すのは「歌やアート、スポーツなど誰でも楽しめるフラットな場所づくり」。

 ○…人生の転機は、大学3年時に副専攻として学んだ日本語教育学。「現場で教えてみたらと教授の勧めで、日本語教室に片っ端から電話をかけました」。アルバイトで始めてから30年以上、今も教壇に立ち続ける天職となった。一方でここ数年、かつての教え子に近況を聞くと「職場や地域に馴染めず、帰国する人が多い。成績も高く、技術もあるのに」。思いが原動力となり多文化共生社会の創造が新たなライフワークに。今後は「日本でうまくやってる卒業生や外国人を受け入れてる企業など、好事例の発信もしていきたい」

 ○…自身のもう一つの軸は、ゴスペル。「昔から歌うのが好き。『天使にラブソングを』を見て、ゴスペルいいなって」。偶然、緑園で活動する団体を見つけたのが34歳の時。現在、当時のメンバーも合わせて5人で「横浜ファンキーシンガーズ」として活躍している。「歌っている時にメンバーみんなで共鳴する感じがたまらない」

 ○…「『同じ国同士でいた方が楽でしょ』というのが、大多数の日本人の考えかも」。しかし海外出身者も日本人と同様に地域の一員として生き、就職・子育て・老後など社会と密接に触れ合う。だからこそ「まずはお互いを日ごろから認識できる場所が必要。仕掛け屋さんになれれば」。

「立つだけでも運動になります」と宮地教授

健康づくり特別インタビュー 「運動は万能薬です」 取材協力/早稲田大スポーツ科学学術院

 ウォーキングやスポーツ、体を動かすことが心地よい季節――。本紙では(公財)かながわ健康財団=横浜市中区=の紹介で「健康づくりに欠かせない運動習慣」について健康・スポーツ科学のプロフェッショナルである早稲田大学スポーツ科学学術院教授の宮地元彦博士(59)に特別インタビューを行った。

◇  ◇  ◇

 ―運動を続けることによる身体への好影響や生活習慣病の予防効果について教えてください。

 「運動というと、激しく体を動かすことをイメージするかと思いますが、日常生活での通勤や家事、仕事中などの生活活動でも健康になることができます。人間が体を動かすことを総じて身体活動と呼びます。米国のスポーツ医学会では『エクササイズ・イズ・メディスン』という言葉があるように、運動をすることで、生活習慣病の予防になるだけでなく、がん予防、認知症対策、うつ・気分障害などありとあらゆる症状が改善するというデータが報告されています。このように運動は万能薬なんです」

 ―働き盛りの世代と高齢者世代での運動量の基準や目安はありますか。

 「まずは働き盛りの世代ですが、歩行と同等の身体活動を1日60分、運動は週当たり60分で十分です。65歳以上の高齢者であれば、身体活動を毎日40分で大丈夫です」

 ―時間がないという人はどうすれば。

 「エアロビクスをしよう、ジョギングにいかなければと激しい運動を選択する必要はありません。通勤時に早歩きをしてみたり、家事をしながらつま先立ちをするなど、生活活動を増やすことも有効です。

 厚労省が掲げる『+10(プラス・テン)』から始めてみませんか。今より10分多く体を動かすだけで健康寿命を延ばすことができるようになります。40代女性の働く世代の運動実施率が低下していますが、家事などで十分に意識することができますのでトライしてみてください。運動の恩恵は運動をする人にだけ与えられますので、健康で長生きできるようにしていきましょう」

能登豪雨 横浜市の募金で326万円集まる

 石川県能登半島地方を襲った9月の豪雨に関し、被災地支援のために横浜市が行った募金の総額が326万4,611円だったことが11月19日に発表された。

 募金は9月25日から10月31日まで、市役所と各区役所の計19施設で実施していた。集まった募金は石川県を通じて被災地の生活支援に役立てられる。

「103万円の壁」見直しなら横浜市は1,200億円税収減 市税1割超、山中市長「基礎的サービスに影響」

 所得税の負担が生じる「年収103万円の壁」に関し、横浜市の山中竹春市長は11月20日の会見で、所得税の課税最低額が178万円に引き上げられた場合、年間で1,200億円の税収減になるとの試算を明らかにした。

 1,200億円は年間市税収入の13%に相当するとしており、山中市長は「子育てや福祉などの基礎的なサービスに影響する」と述べ、国に対して代替財源の確保など、一体的な見直しを求めた。

 見直しをめぐっては、総務省が約4兆円の減収になるとの試算を示しており、自治体の首長から懸念の声が相次いでいる。

 山中市長ら政令市の市長が出席した18日の「指定都市市長会」の会議では「税収への影響が甚大であり、行政サービスの提供に支障をきたす可能性がある」との意見をまとめている。

舞岡町の農園 秋の味覚、収穫体験 かねこふぁ〜むで受付中

 舞岡町にある農園「かねこふぁ〜む」で、秋の味覚の収穫体験が多数行われている。

 11月24日(日)と、30日(土)から12月8日(日)までの週末は里芋堀り。12月1日(日)・7日(土)・8日(日)の3日間はヤーコン収穫体験を実施する。各日午前11時開始(開始時間までに受付を済ませて参加)。雨天決行。

 3歳以上は入園料200円。収穫したものはその場で量り売りする。汚れても良い履物と服装を着用し、軍手と持ち帰り用の袋を持参。

 同園の金子政也さんは「今ならサツマイモも間に合います。予約時にお問い合わせください」と呼びかけている。申込は【電話】045・823・1222または、【メール】info@kaneko-farm.co.jp(月曜、火曜定休)。

中学生たちも楽しみながらイベントをサポート

ベイスターズ 野球の楽しさ「ゲームで」 泉区・中学野球部が手伝い

 横浜DeNAベイスターズが主催する野球ふれあいイベント「B─PARK」が11月16日、泉区の中田中央公園で開かれ、親子連れなどでにぎわった。

 未就学児や小学生を対象に野球の楽しさにふれてもらおうとベイスターズが県内各地で開催しているイベント。泉区では区内の中学校野球部員が学校の垣根を越えて企画や運営にも携わり、バッティングやベースランニングなどのゲームコーナーを盛り上げた。

 参加した保護者は「お兄さんたちがやさしくお世話をしてくれるので、子どもも楽しめているよう」と笑顔を見せた。

 緑園学園野球部の顧問を務める平山俊一教諭は「試合以外での交流はこれまでほとんどないので、中学生にとっても同じ区内の部員たちと交流する良い機会になったのでは」と話した。

地元の歴史を紹介する新井さん

名瀬連合・新井会長 秋葉小で歴史を紹介 「かつては果物の名産地」

 今年40周年を迎えた秋葉小学校で11月15日、総合の授業の一環として名瀬連合町内会の新井敏行会長が6年生に40年前の地元の様子を語った。

 新井さんは昭和22年生まれで、「40年前は30代半ば。このあたり一帯はまるきり山だった」と紹介。「なのでかつては『空場』だった。それから農作物が採れるようになり、『秋庭』に変わっていった」と地名の変遷について話した。新井さんによると秋葉は果物の一大産地で、銀座千疋屋の農園もあったという。

 また秋葉小の開校は東戸塚駅開業(1980年)の5年後だったこともあり、「駅開業と共に急激に発展して街は姿を変えた。地元の歴史を知ることを通じて、誇りや愛着をもってもらえたら」と児童に呼びかけた。

そうてつローゼンで集めてもらった衣類を回収した児童たち

中和田小6年2組 世界には衣料品に困っている難民がいる 不要になった服「難民に」 ユニクロのプロジェクト

 泉区の中和田小学校6年2組がこのほど、近隣の店舗や幼稚園、泉区役所などの協力で着なくなった子ども服を集める活動に取り組んだ。

 ユニクロとUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の「”届けよう、服のチカラ”プロジェクト」の一環で、集めた子ども服は難民などの服を必要とする人に届けられるという。

地域と関わる経験

 児童たちは今回のプロジェクトに参加するにあたり、児童自身が施設・店舗に電話するなどして回収箱を設置。「話したことのない人に電話したり、会いに行くのは緊張したけど、みんなやさしかった」と振り返った。

 担任の新留克教諭は「地域の人と関わる経験は大きな学びになる。活動がクラスの一体感にもつながれば」と語った。

「クールフライヤー」の実機と同社代表取締役会長の山田さん(提供)

クールフライヤー(株) 安心できる揚げ物調理を 独自の冷却技術を開発

 独自の冷却技術で揚げ物調理に「革命」を起こす――。泉区緑園に本社があるクールフライヤー(株)は「油が劣化しにくく、はねにくい」フライヤーを飲食店に向けて提供している。

 「揚げ物はにおいの問題や油はねの危険があるので、お店でも調理をためらわれることがある」と同社代表取締役会長の山田光二さん。従来のフライヤーについて「空気で油槽を冷却するので、冷却能力が高いとはいえず、油全体が高温になりやすい」と着目した。

 電機メーカーを54歳で早期退職後、他メーカーを経て59歳から10年以上かけてクールフライヤーを開発。油槽を水で満たした冷却水槽で覆うことで、底部の油を常に低温に保つ仕組みという。

 さらに油槽内に下降対流を起こし、揚げかすや水分を沈殿させることで、油が長持ちしやすくなったという。

 現在では、都内を始めとする多くの飲食店で導入され、中にはクールフライヤーでなければ調理が実現できなかったメニューもあった。

「脱炭素」の取り組みも

 10月には市がものづくりに挑戦する企業を応援する「販路開拓支援事業者」に選ばれた同社。

 今後は製品性能の向上のほか、他企業と連携し、CO2排出量を削減する厨房システムの開発など、脱炭素に向けた取り組みを続けていく。「飲食という過酷な業界の問題を解決できることは、とても社会的意義のあること」と語る。

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競技用の車いすと日常で使う車いすについて説明するアカデミーのメンバー(左が熊谷さん)

名瀬中2年生 車いすバスケ体験教室で理解 「競技の魅力にふれて」

 名瀬中学校で10月22日、2年生を対象にした車いすバスケットボールの体験教室が開かれた。

 講師を務めたのは(一社)日本車いすバスケットボールアカデミーの熊谷昌飛(まさと)さん。熊谷さんは23歳の時に仕事中の事故で腰を強打し、車いす生活に。障害者スポーツの魅力にふれてもらおうと、関東を中心に小中学校での出前授業を続けている。

 この日の講座では競技用の車いすについて「バスケには向いているが、傾けにくいので前輪を上げて段差をのぼるのは難しい」など特徴も説明。生徒たちも実際に乗車して操作を体験し、試合形式でシュートの難しさなども感じながら理解を深めた。

見事な演奏を披露したアリューのメンバー

超小編成マーチングチーム イベントで観客圧倒 東戸塚地区センで披露

 超小編成マーチングバンド「スリークロス」を考案したNPO法人マーチング祭主催の大会で2年連続チャンピオンとなった「アリュー」。同チームが先ごろ、東戸塚地区センターまつりの冒頭でファンファーレを演奏した。

 アリューは、20代前半が中心で構成されるチーム。先駆的な演奏をすることで知られている。メンバーの一人は「貴重な体験ができてありがたい」と話し、観客からは「力強い演奏に圧倒された」との声が上がった。

 同法人の鈴木優一理事は「来年2月と3月に東戸塚で小編成マーチングバンドの大会を予定している。戸塚の住民の皆さんにさらに浸透させていきたい」と笑顔だった。

 スリークロスは、管やドラム&パーカッションなどの楽器演奏、各種ダンスで順位を競う新しい競技。

申込は下記から

戸塚町地域交流施設 「テニピン」に挑戦 11月23日 子ども対象

 戸塚町の地域交流施設・ONE FOR ALL横浜で11月23日(祝)、「テニピンしよう」が開催される。主催は多文化共生を考える「ブレーメン」(代表・下郡麻子さん=人物風土記で紹介)。

 テニピンとは、手につけたラケットと柔らかいボールを使うテニスのようなスポーツ。午後2時から3時30分まで。対象は5〜10歳で定員15人。参加費500円で付き添いは無料。飲み物持参。

フラを披露する小林さん(右端)

戸塚区小雀町小林さんのフラ 障害者知識を普及 12月7日 横須賀市で披露

 戸塚区小雀町在住・小林順子さん主宰の「ジュンコ・フラサークル」が12月7日(土)、横須賀市立総合福祉会館5階のホールで障害者週間キャンペーンに合わせて開かれる交流会に出演し、フラを披露する。同サークルは、最重度障害児の母で乳がんを乗り越えた小林さんが、「フラで人を幸せにしたい」との思いで立ち上げたもの。

 当日は4部構成。障害者団体の活動紹介や手話講習会なども行われる。11時半〜15時半(ジュンコフラは15時〜)。参加無料。問合せ・申し込みはよこすかボランティアセンター【電話】046・821・1303。

三宿のジオラマを見学する来場者たち

戸塚区 歴史楽しむまつり盛況 三宿のジオラマ展示も

 戸塚区総合庁舎3階でこのほど、「とつか宿場まつり」が開催され、多くの人が足を運んだ。

 戸塚の歴史を楽しんでもらおうと企画されているイベントで、当日は戸塚歴史の会による講演会のほか、戸塚・保土ケ谷・藤沢の三宿を再現したジオラマの展示なども行われた。

 来場者は展示された資料やジオラマを興味深そうに眺めていた。

ソラトスのエントランス前に立つ公塚館長

ゆめが丘ソラトス 「周辺地域の魅力を広く」 公塚館長インタビュー

 今年夏に開業したゆめが丘の大規模商業施設「ソラトス」。地域待望の施設はオープンから賑わいを見せ、週末には多くの人が訪れる泉区有数のスポットになっている。館長を務める公塚順一さん((株)相鉄ビルマネジメント)にソラトスのこれまでとこれからについて話を聞いた。

◇     ◇

 さかのぼること8年前の2016年。公塚さんはソラトスの基本構想段階からアシスタントマネージャーとして開業準備を進めていた。「農業が盛んだったり、自然が豊かだったりという、この土地の良さを知ってもらいたい」――。そんな思いでハード・ソフト両面を整備してきた。

”御殿場”のように

 大規模施設を作り上げる中で公塚さんが憧れていたものの1つが御殿場のアウトレットという。「富士山周辺の観光もでき、沼津港も近いなど、買い物だけに訪れるのではなく、ショッピングセンターの周辺も楽しんで帰る人が多い。スケールは違っても、ゆめが丘もソラトスだけでなく、周辺の魅力を知ってもらいたいと考えていました」

 また、公塚さん自身が小学生と園児の2児の父でもあり、「子育て世代のための利便性は実体験をもとに盛り込みました」という。各階のトイレにはすべてに授乳室とキッズトイレを備えており、「全国のショッピングセンターの中でも、ここまで徹底しているのはなかなかないはず」と自負する。

 一方で、「老若男女に愛される施設でありたい」との思いも当然あり、「誰もが快適な空間になるよう、エスカレーターの速度は何度も試しました」と明かす。

空間の気持ちよさ

 開業前、図面を見ながらの打ち合わせを何度も重ねてきた公塚さん。それゆえ、実際の建物が仕上がってきたときには感動があったという。「イメージ図は見ていましたが、実際にその場に立った時の吹き抜けの壮大さは素直に良い空間だなと感じました」

 また1階と2階を中央でつなぐ大階段は椅子として休憩場所にしてもらえたらとの思いがあり、「開業してすぐみなさんが座ってくれて。説明せずとも意図が伝わったのかなと、うれしかったです」と笑顔で明かす。

「育ててもらえたら」

 今後について公塚さんは「開業以来、数多くイベントも開催してきましたが、地元農家さんの協力を得た料理教室など、ゆめが丘ならではのイベントなどにも取り組んでいきたい」と語る。

 周辺地域でもまださまざまな工事が行われており、「ゆめが丘の発展は現在進行形。ソラトスも利用していただく人と共にあり、ぜひみなさんに育てていってもらえたら」としている。

生徒を前にクイズも交えて性教育の講演をする高野さん

舞岡町在住・高野さん 性の知識が不十分な子どもたちが増えている 性教育通じ、「命の大切さを」 戸塚中で全校生徒に講演

 助産師としての経験を生かして市内小中学校を中心に性教育の授業を展開する高野しのぶさん(舞岡町在住)が11月8日、戸塚中学校を訪れて講演をした。

 同校では2年前から2年生を対象に高野さんの性教育の講演を開催。同校の栗田智則校長は「(高野さんは)専門的な経験を生かして、親や教師ともちがう立場から大切なことを伝えてくれるのは大変貴重」とし、今年度は学年ごとに内容を変えながら、全校生徒を対象とした。

互いを思いやるため

 講演会では性被害に遭った場合の対処法やSNSの危険性などにも触れながら、1年生には第二次性徴について説明。「自分と違う性について学ぶことは、お互いを思いやるために大切」とし、生理や射精の仕組みなどについて語った。

 また命の誕生について「3億の精子のうち、受精するのはたった1つ。そうして生まれてきた自分ってすごいでしょ。隣の友達もそう。奇跡なんだよ」と語りかけた。

政令市の市長が参加した会議(横浜市提供)

指定都市市長会「103万円の壁」見直しに懸念 税収減で行政サービスへの影響危惧

 所得税の負担が生じる「年収103万円の壁」の見直しに関し、横浜市など全国20政令市で構成される「指定都市市長会」は11月18日、東京都内で開いた会議で「税収への影響が甚大であり、行政サービスの提供に支障をきたす可能性がある」との意見をまとめた。会議には横浜市から山中竹春市長が出席した。

 総務省は所得税の課税最低額が178万円に引き上げられ、個人住民税の基礎控除を引き上げた場合、約4兆円の減収になるとの試算を示している。

 今回の意見では「手取りの増加、労働市場への労働力の供給などの効果が期待される」とした一方、「全国の人口の約2割を占める指定都市では約8,000億円の減収が見込まれるため、強い危機感を持っている」と懸念を示した。その上で「代替となる財源を確保し、住民に必要な基礎的行政サービスを提供するための基盤である地方税財源に影響を及ぼすことのないよう強く求める」とした。

金沢地区センターのプレイルーム

地区センターのプレイルームがリニューアル 市内27館、イラストレーター・市原淳さんプロデュース

 横浜市はこのほど、市内27館の地区センターのプレイルームを親子が利用しやすいようにリニューアルした。全体のデザインは横浜市在勤のイラストレーター、市原淳さんがプロデュースし、絵本コーナーを充実させたほか、壁面をカラフルにするなどした。

子どもの意見を反映

 プレイルームは市内に81館ある地区センターのうち、79館に設けられている。これまで利用者から「古くて暗いイメージがある」「絵本やおもちゃが古い」などの声が出ていた。

 リニューアルは、乳幼児の利用者数や交通の利便性などを考慮して27館を選定。事前に希望が丘、神奈川、金沢、寺尾、生麦、西の各地区センターで子どもたちに投票してもらい、3パターンの中から人気の高いデザインを選んだ。

絵本コーナーに120冊を配架

 壁面や家具には市原さんが描いた船やカモメ、魚など、横浜をイメージしたイラストが配置され、カラフルな空間にした。絵本コーナーには、中央図書館の司書が推薦した120冊の乳幼児向けの新しい絵本セットを27館共通で配架。プロデュースを担当した市原さんは「明るく、楽しい場所になるよう、そして不快感を与えないように心掛けた」と話す。金沢地区センターで実際の仕上がりを見て、イラストの大きさやレイアウト、発色の良さにとても満足したという。

 市の担当者は「このリニューアルで、より快適な親子の居場所として活用してほしい」と話す。利用者の反響を見ながら、他の地区センターのリニューアルも検討する。市は今後、子育て相談会や絵本の読み聞かせ会などのイベント開催も拡大していく方針だ。

ファンとともに祝う

ベイスターズ 11月30日に日本一パレード ハンマーヘッドから1.5Km

 プロ野球の横浜DeNAベイスターズが日本一になったことをチームがファンとともに祝う「横浜DeNAベイスターズ日本一 優勝パレード2024」が11月30日(土)に行われることが15日、球団から発表された。

 パレードは球団や横浜市などで構成される実行委員会が主催する。

 コースは横浜ハンマーヘッドを出発し、赤レンガ倉庫前を通って横浜スタジアムにつながる日本大通りまでの約1.5Km。午前10時から11時30分の予定。

クラファンでパレード参加権利も

 出発地点の一部を特別観覧エリアとしてチケット販売する。最前列エリアは5千円、特別観覧と車椅子観覧エリアは各3千円。実行委員会は警備や交通誘導などにかかる費用を募るクラウドファンディング(CF)を実施。第一目標を1千万円に設定し、16日午後3時に開始する。4千円から50万円まで、9つのプランを用意。10万円の返礼品は「パレードで行進できる権利」(ファンクラブ会員対象、100人)、最高額の50万円(1人)では、パレードの先頭で使った横断幕に参加選手や三浦大輔監督のサインが入ったものが渡される。最終目標は5千万円。CFはCAMPFIRE(https://camp-fire.jp/projects/808506/view)のサイトから。

 実行委員長の山中竹春市長は「皆様の心に残る素晴らしいパレードとなるよう、横浜のまちを挙げて全力で取り組む」とコメントしている。

周辺施設はライトアップ

 パレードに合わせ、コース周辺の45施設が29、30日の午後5時から9時まで、ブルーのライトアップを実施する予定。

「THE LIVE」のイメージ((C)YDB)

ベイスターズが関内駅前に日本最大級の常設型ライブビューイングアリーナ 2026年春開業、試合やライブ放映も

 横浜DeNAベイスターズは11月13日、JR関内駅前に2026年春に開業する大規模複合施設「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」内にベイスターズの試合などの様子を放映する日本最大級の常設型ライブビューイングアリーナ「THE LIVE(ザ ライブ)」を開設すると発表した。

大型LEDビジョンで試合放映

 「THE LIVE」は約2,800平方メートルの空間に、幅約18m、高さ約8mの大型LEDビジョンと高性能音響設備を備える。ベイスターズのホームゲームとビジターゲームをはじめ、バスケットボールやサッカー、音楽ライブなど多様なコンテンツを放映する。施設内には8つの飲食店とバーカウンター「CENTRAL BAR」を設置し、飲食を楽しみながらライブビューイングができる新しいエンターテインメント体験となる。

没入型施設も

 ベースゲートには、ディー・エヌ・エーが没入型エデュテインメント施設「Wonderia(ワンダリア)」を開設する。約4,200平方メートルの空間にプロジェクションマッピングなどを駆使し、想像上の島を再現。スマートフォンを使って空間を撮影すると、環境や生物に関する情報が得られるなど、同社がゲーム事業で培ったノウハウも活用する。

 ベースゲートは、旧横浜市庁舎の跡地を活用する事業で、三井不動産を代表企業とし、ディー・エヌ・エーや京浜急行電鉄など8社が進めるプロジェクト。飲食店が集まるゾーンや星野リゾートによるホテルも設けられる予定。

淡島大明神(大橋袂)

第111話 〜紡ぐ古道・その四:多くの地元の古道〜 とつか歴史探訪

 戸塚・泉の両区には、この土地に根付いた多くの古道があります。

 「ほしのや道」は、関東地方の観音菩薩を祀るお寺を札所とする坂東三十三観音のうち、8番札所の座間・星谷寺と14番札所の弘明寺をつなぐ霊場巡りの道です。旅人の向かう方向により「ぐみょうじ道」とも呼ばれました。

 南区の弘明寺から芹ヶ谷あたりを経て、平戸の交差点あたりで旧東海道と合流し戸塚区に入ります。向かいの東福寺には"従是弘明寺観音"の道標があります。そのまま旧東海道を下り柏尾通り大山道から泉区・岡津の不動橋付近で大山道と分かれ、新橋で左折し松陽高校正門前を右折し宮沢の六道の辻の前に出ます。この辻の"これより ぐみょうじ道""これより ほしのや道"の道標を左に見ながら"ほしのや観音"に向かっていきます。

 大橋の袂の碑には"大善寺 ほしのや 虚空蔵菩薩"と刻まれ、大善寺の淡島大明神と福泉寺の虚空蔵菩薩を経て「ほしのや」への参詣の道でした。原宿交差点付近の道標には、"北 星のや"と刻まれています。原宿から岡津〜藤沢・小田原をつなぐ「岡津道」を通り、地元で「鄕境道」と呼ばれる道を経て松陽高校付近で「ほしのや道」と合流します。

 「ほしのや道」へは各地の道標から、いくつも辿る道があったことが窺えます。

 又、「谷矢部道」は中田から谷矢部池前を通っていました。五太夫橋に名を残す石巻五太夫も家康を迎えにこの道を通ったのかも知れません。多くの地元の古道は、正に歴史を紡いだ証と言えます。