八王子版【12月12日(木)号】
優勝した八王子警察署の署員たち。左上から時計回りで印出井巡査部長、後藤巡査部長、赤羽根巡査部長、古川警部補=同署提供

八王子警察署 57大会ぶりの栄冠 警視庁拳銃大会 団体戦で

 11月12日から14日にかけて、「警視庁創立150年記念第74回警視庁拳銃射撃競技大会」が開催され、八王子警察署(四郎園文明署長)から団体戦にエントリーした4人が優勝した。同署にとって57大会ぶり2回目の栄冠となる。出場した署員の1人である後藤彰巡査部長は「訓練は厳しかったが、優勝という成果を残せてうれしい」とコメントを寄せた。

 同大会は、警察職員の射撃技能の向上を図り、現場執行力を高めることを目的に行われているもの。歴史は古く、1950(昭和25)年に第1回を開催。同署は1965(昭和40)年に行われた第16回大会で優勝した経験がある。

今年は記念大会

 今大会は、明治7(1874)年に警視庁の前身である東京警視庁が設置されてから150年という節目の大会。防犯上の観点などから開催会場や詳しい競技種目の詳細は公にしていないが、個人戦・団体戦に分かれて拳銃の扱いや狙撃の精度などを競い合った。

「来年も優勝を」

 八王子署から出場したのは、古川伸二警部補、印出井勇臣巡査部長、後藤巡査部長、赤羽根亘巡査部長。4人は大会に向けて射撃練習を重ね、技能力とともにチームワークも向上させていった。後藤巡査部長は大会を振り返り、「訓練は厳しいものだったが、優勝という成果を残せてうれしい。来年も優勝目指して頑張りたい」と、早くも次回への意気込みを見せた。

 四郎園署長は「今後も拳銃訓練をはじめとした様々な術科訓練に励み、署員一丸となって地域の皆様の安心・安全を確保してまいります」と話している。

学校給食センター寺田の敷地内で行われた式典のテープカット

学校給食センター 全5館、整備完了 温かい給食を全中学に提供

 八王子の中学生に温かい給食を配膳しようと、2019年から工事が進められていた市内全5館の八王子市学校給食センターの整備がこのほど完了し、市内全38校で温かい給食が提供されるようになった。最後に完成した寺田町の「学校給食センター寺田」では12月7日、全館完成を記念した式典とイベントが行われた。

 式典では初宿和夫市長があいさつに立ち「5カ所すべての給食センターが完成した。日頃の子どもたちへの給食提供はもちろん、災害時の食にもつながっている。万が一の支えという意味でも完成は大きな意味を持つ。今後も、地域の皆様と普段の料理教室など、センターの付加価値についても見出しながら、子どもたちの健やかな成長を願う」と話した。

 来賓のあいさつの後、初宿市長や安間英潮教育長らがテープカットを行い、完成を祝った。代表生徒として式典に参加したみなみ野中で給食委員を務める藤田彩心さん(2年)は「温かいのでおかわりする人が増えた。自分もスープが好きなので、うれしい」と話し、松下治夢さん(2年)も「給食が好きなので関われてうれしい。小学校では揚げパンが好きだったので、中学でも楽しみ」と話していた。

 「はちっこキッチンフェスタin寺田」と題したイベントでは、地場産野菜の販売や災害時に使用する業務用釜の調理体験のほか、きなこ揚げパンやカレーライス、スパゲティ、かてめしなど実際に提供される給食メニューの販売なども行われ、近隣住民が訪れた。

配送方式2通りに

 寺田の完成は、南大沢、元八王子、元横山、楢原に続き5館目。旧稲荷山小学校の敷地を利用し2024年9月に竣工。10月21日から、みなみ野中、七国中、高尾山学園の3校へ給食の配送を開始している。

 これまで、市内の中学校給食の提供方法は3通りだった。自校で調理、または近隣小学校で作った給食を運ぶ「自校・親子方式」と、調理センターから複数の近隣校に運搬する「センター方式」、栄養士が考えた献立を調理委託業者が調理し、弁当箱に入れて学校に配送する「デリバリーランチ方式」だ。

 寺田から提供される3校を含む市内14校は、これまで「デリバリーランチ方式」と持参弁当との選択制で、量の調整ができないことや、衛生上の理由でおかずを温かい状態で提供できないことなどから喫食率が上がらない状況が続いていた。これを受け、八王子市はより早期に整備が可能なセンター方式を全市的に導入する方針を2017年に打ち出した。

 全館が完成したことで中学校給食は「自校・親子方式」と「センター方式」だけになり、市内全38校で温かい給食が提供されるようになった。

視覚障害者で、「ケア」に関わる人の地域談話会「ケアカフェ」の講師を務めた 藤崎 舞雪さん 楢原町在住 37歳

当たり前を噛みしめて

 ○…「私くらいの年齢でも、病気で障害を負うことがあることを知ってほしい」。1年前の今頃、運転中に激しい頭痛に襲われた。看護師として訪問看護先に向かう途中だった。血管にできた血栓が原因で、入院中に視力が低下。「まさか自分が、とショックだった」。ケアする立場だったのが、される側になったことで、見えてきたことを講演会などで話し、障害者に優しい街づくりを訴える。

 ○…国立市で育つ。持病のあった親族の付き添いで、病院によく行った。患者に寄り添い、人のために働く看護師の姿に憧れ、3歳の頃には将来の夢として周囲に話していたという。夢を叶え、就職のため、勤務先の病院がある八王子へ越してきた。

 ○…障害を機に日々の生活はガラリと変わった。看護師の仕事は続けられなくなり、家の2階にあったベッドなどはすべて1階に移した。白杖の使い方も教えてもらった。ただ、「目だけで済んでよかった」と思っている。2人の子どもや夫と変わらず暮らせる日常に、「当たり前の生活は当たり前じゃない」と噛み締める。市外の特別支援学校で教員をする夫の支えも大きく、自身に起きた変化を広い心で受け止めてくれる。

 ○…インスタグラムや地域の講演会で寄せられる相談に適切に答えるため、心理カウンセラーの資格取得を目指している。明るく、何事にも前向きだが、「この先、落ち込むこともあるかも」とポツリ。でも、「1年前のあのとき死んでいたかもしれない」と思うと、自分が生きていることに大きな意味を感じる。立場が変わり見えてきたことは、「人は誰しも支え、支えられて生きている」ということ。それに障害の有無は関係ないのだ。

組合がある八王子繊維貿易館(同寺提供)

八王子織物の歴史たどる 大善寺で文化講座

 大善寺(大谷町1019の1)が開く毎月恒例の文化講座「お寺の学校」が、12月21日(土)に開催される。今回の演題は「八王子における織物産業の歴史」。

 講座では「1100年の鼓動、桑都に紡がれる伝統と革新」と題し、八王子の代表的な地場産業である織物工業の歴史について八王子織物工業組合の巻田浩行専務理事から詳しい話を聞く。

 境内に養蚕と機織りの神様を祭る機守(はたがみ)神社がある同寺は、「当山にある機守神社とも深いつながりを持つ八王子織物について、たっぷりとお話を頂きます」と参加を呼びかける。

 午後2時から3時まで。参加費300円。事前申込制で定員50人。問い合わせは同寺【電話】042・642・0716。

ポイントで撮影する参加者ら

ロゲイニングで町おこし 滝山城周辺で100人楽しむ

 地域の魅力を発信しようと、滝山観光まちおこし実行委員会(大澤敬之会長)が12月1日、「ナビたびロゲ滝山城2024」と題したスポーツイベントを開催。市内外からロゲイニング愛好者を中心に約100人が参加し、競技を楽しんだ。

 ロゲイニングは、オーストラリア発祥の地図を使ったスポーツ。オリエンテーションに似た競技で、コンパスと地図を持ち指定されたチェックポイントを回り写真を撮影すると得点。時間内にいかに多く得点を獲得するかを競う。

 今回のイベントには市民限定のチームや一般のファミリーチーム、男性、女性、混合チームなどさまざまな形態のチームが参加。加住市民センターをスタート・ゴール地点とし、「かたらいの路案内板」や「熊野神社鳥居」などの48カ所のチェックポイントから高得点が取れるルートをそれぞれ相談しながら、滝山城跡周辺を散策した。

 大澤会長は「老若男女に参加してもらい、加住を知ってもらえてよかった」と手応えを語った。

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3大特別セールを見逃すな
肉の富士屋
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賞状などを手にする入賞者(前列左から2人目が長尾さん)

身近な疑問を徹底研究 中学校科学コンクール

 中学生による身近なことをテーマにした研究の優秀作品を称える「第16回八王子市中学校科学コンクール」の研究発表会と表彰式が、11月30日に散田町の市教育センターで開催された。

 市内の市立中学校からエントリーされた自由研究の中から69作品が1次審査を通過し、2次審査を経て最優秀賞1件、優秀賞1件、審査員特別奨励賞6件、佳作12件が選ばれた。また来年度のコンクールで使用されるポスターイラストも発表され、12件の応募の中から2件が受賞した。

長尾さんが最優秀賞

 この日は最優秀賞と優秀賞に選ばれた作品のプレゼンテーション、特別奨励賞作品のポスターセッションが行われた。

 最優秀賞に選ばれたのは、七国中学校1年の長尾錬さんによる「野球のバントをするときのコツを明らかにする研究」。自身が野球部でバント練習をする際に浮かんだ疑問を解明しようと、自作のバント装置を使ってボールの軌道などを調べる実験と考察を行った。長尾さんは「(最優秀賞に選ばれて)うれしい。研究の成果を実際のプレーで生かせれば。今後も機会があれば、興味をもったことを研究してみたい」と受賞の喜びを語った。

 このほか特別奨励賞の受賞作品には、風車の羽の数や形が風力に与える影響を調べた実験や、使用する植物や覆い方を変えることで最も効果的なグリーンカーテンを考察するものなどがあり、ポスターセッションでは審査員や聴講者からさまざまな質問やアドバイスが投げかけられた。

探究心を大切に

 同コンクールは、子どもたちの「科学する心」を育てることなどを目的に、八王子市立中学校PTA連合会と市教育委員会の主催で開催されているもの。市立中学校長会が後援し、オリンパス(株)とNPO法人SSISSが協賛している。式の最後に行われた審査員による講評で、校長会の上田太会長(長房中校長)は「どれもわかりやすく、工夫された発表で皆さんの頑張りを感じた。これからも身近な疑問から生まれる『興味の種』を大切にして、探究を続けてほしい」と呼びかけた。

ビートレインズ 次戦は湘南と対戦 あす13日、14日

 プロバスケB3・東京八王子ビートレインズは12月13日(金)、14日(土)の2日間、本拠地エスフォルタアリーナ八王子(狭間町)で湘南ユナイテッドBCと対戦する。13日は午後7時、14日は3時に試合開始。専属チアリーダー「Raily`s」のパフォーマンス=写真=のほか、14日にはゲストとして日本工学院専門学校ダンスパフォーマンス科のチーム「Tiara」も登場。会場を盛り上げる。

先着千人を無料招待

 ビートレインズは今季の目玉企画「39000プロジェクト」を実施中。すべてのホームゲームで、先着1000人を2階自由席へ無料で招待している。希望者は試合前日までに記事内の2次元コードから申込みを。

 2026年に革新される新Bリーグでは、戦績による昇降格制度を廃止し、クラブとしての売上げや来場者数、アリーナ規模を重視する基準が設けられる。このためビートレインズは、新B2リーグとなる「B.LEAGUE ONE」への参入を目指し、今季必達の2大目標を掲げた。1つは総来場者数3万9000人=平均来場者数1500人。2つ目は債務超過の解消の実現だ。

 来場者数は開幕からこれまでで、約1万7000人。目標達成まであと約2万2000人に迫る。クラブは「ぜひお誘いあわせの上、ホームゲーム会場にお越しください」と呼びかけている。

歌声を披露するDr.Shige&MID Singers

八王子医療センター 一足早くクリスマス気分 公開講座後にコンサート

 館町の東京医科大学八王子医療センターで、12月7日に「第69回市民公開講座&クリスマスコンサート」が催され、来場者80人以上ががんについての講演とクリスマスソングに耳を傾けた。

 公開講座では同センター副院長で消化器外科・移植外科の河地茂行主任教授が講師を務め、「消化器がんを知る」と題してがんのしくみや種類、部位ごとの診断や治療の最前線について解説。早期発見につながる検査や、日頃の運動の大切さなどついて語った。

 講座終了後、河地副院長と仲間によるコーラスグループ「Dr・Shige&MID Singers」が登場。ギターの生演奏やパイプオルガンの映像の音楽に合わせて、ジョン・レノンの『ハッピークリスマス』などの合唱を披露。会場にいる全員で『ジングルベル』などを歌う時間もあり、一足早いクリスマス気分を味わった。

庭園の松や梅の木に取り付けられた「雪吊り」

信松院 冬の風物詩「雪吊り」 滝山町・鈴木造園が施工

 積雪の重みから樹木を守るために設置される「雪吊り」が、この冬も信松院(台町)の庭園に設置された。

 北陸や東北地方などの雪深い土地で見られるもので、都内に先駆けて雪が降ることで知られる八王子市内でも設置する庭は珍しい。同院では訪れた人に「冬の風物詩」として楽しんでもらおうと毎年取り付けている。

 雪吊りの本場・石川県から招いた職人の指導のもと、滝山町の(株)鈴木造園が12月7日から8日にかけて作業を行い、園内の松と梅の木に取り付けた。支柱の竹は境内の裏に自生しているものからなるべく真っすぐなものを選んで切り出し、縄は石川県で使用されているものを持ち込んだ。

 同社の安川美智太専務は「都内で雪国のような大雪になることはあまりないが、こちらの雪は水分を多く含んでいて重いので、こうして備えておけば、いざという時に木も楽ができる」と語る。寒い日の早朝には、縄に白い霜が降りて幻想的な美しさを見せることもあるという。

 設置は来年の3月末頃まで。

武相ブリュワリー関係者らのパネルディスカッション

公認会計士、地域活性を考える 三多摩会が初開催

 東京たま未来メッセ(明神町)で11月29日、日本公認会計士協会の東京会三多摩会が初めての「地域活性化支援コンベンション」を開催。公認会計士68人のほか、多摩地域の金融機関、商工会議所、行政機関などの関係者ら合わせて約90人が参加し、多摩地域活性化のために公認会計士ができることなどについて考える機会とした。

 はじめに、同会の木下政昭会長が「顔の見える活動を通じて地域のニーズに応えていきたい」とあいさつ。武蔵野商工会議所の高橋勇会頭の基調講演の後、パネルディスカッションが行われた。

 事例として、町田市の地域活性プロジェクトとして進行中の「武相ブリュワリー」について紹介。コロナ禍で募った危機感から地元飲食店ら10社が共同ブリュワリーを設立し、地元産クラフトビールの醸造所が併設された店舗をオープンさせる企画で、国や行政の助成金などを利用している。

 ディスカッションには、(株)武相ブリュワリー代表、町田市経済観光部職員、多摩信用金庫町田支店支店長とブリュワリーの公認会計士が登壇。事業者と行政、地域金融機関が三位一体となってプロジェクトを進めてきたこと、その中で公認会計士が担った役割などについて話し合った。

 コンベンション終了後には懇親会も行われ、参加者らは有意義な時間を過ごした。

選手に新品のユニホームを手渡す岩崎さん(右)

中学野球 地域移行 地元企業も応援 オール八王子桑都クラブ

 中学軟式野球のクラブチーム「オール八王子桑都クラブ」(川上一樹代表)に12月4日、寺田町の有限会社岩崎鉄筋(岩崎盛司社長)から新品のユニホームが寄贈された。中学校部活動の地域移行に伴い、今年10月に発足したばかりの同クラブ。地域で安定して野球ができる環境を提供することを目的に活動を始めたクラブを、地元企業も応援している。

部活動改革の受け皿に

 少子化による部員減少や指導者不足などの影響で、十分に活動することができない学校が増えている中学校の部活動。とりわけ人数が必要な運動部では廃部を決断する学校がある一方で、拠点校方式による統合やクラブチームなどへの地域移行が進められている。

 明神町にある市立第五中学校(鴨狩淳一校長)の野球部も例外ではない。部員・指導者不足のため、校長と副校長が顧問を兼ね、練習は外部指導者を招いて週2回という状況になっていた。市内には同様の状況にある学校も多く、来春には市内にある市立中学校の野球部が半分になると言われている。こうした状況の中で誕生したのが同クラブだった。

心身を育む

 野球経験者や少年野球チームのコーチなどを務めた指導者が揃い、練習日は土日を含む週5日、第五中学校のグラウンドを使用する同クラブ。市内を中心に小学5年生から中学3年生までを対象に受け入れ、現在は27人が所属している。石川中学校(久保山町)1年の森工海さんは「学校の野球部がなくなってしまったので、野球を続けられる場所が見つかってうれしい。高校でも続けられるようにここで頑張りたい」と練習に励む。

 発足から2カ月、川上代表は「野球が上手くなるだけじゃない、協力や思いやりの心を育む指導をしていく」と語る。一方、虎見真孝監督は「質の高いコーチ陣や学校の設備が使えるという恵まれた環境を生かし、技術面だけでなく野球頭脳も鍛えて、全国大会に出場できるチームにしていきたい」と目標を掲げる。

地域で支える

 ユニホームを寄贈した岩崎社長は第五中の卒業生。野球部のOBでもあり、現在の校舎の鉄筋工事も手がけた。贈呈式では「みんなを応援したいという鴨狩校長や川上代表の熱い思いが伝わり、スポンサーになることを決めた。このユニホームを着て、力を合わせてチームを伸ばしていってほしい」と選手らにエールを送り、鴨狩校長は「地域の人たちが支えてくれていることに感謝して、日々練習に励んでほしい」と呼びかけた。

 同クラブへの入会、協賛などの問い合わせは公式HPやSNSから。

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講師を務めた藤崎さん

アンテナ、高く張って ケアカフェに50人

 楢原町在住で視覚に障害のある藤崎舞雪さん=人物風土記で紹介=が11月19日、片倉町1丁目町会片倉時田ホールで講演を行った。

 医療法人社団永生会などで組織する実行委員会が主催する「ケアカフェかたくら」の第105回として実施。同委員会は毎回テーマを替え、医療・介護・福祉など「ケア」に関わる人を中心に一般人も交え、定期的に集いの場を開いている。

 当日は「障害者とのかかわり方〜困っている人を助けよう」というテーマで開催。看護師として働いていた藤崎さんが障害を負った経緯が語られ、障害者とのかかわり方も提案、オンライン参加含め約50人が聞き入った。藤崎さんは「街で困っている素ぶりをする人がいないか、常にアンテナを張ってみてほしい」と話している。

樽から搾りたての生酒を瓶に注ぐ

酒ステーション賑わう JR八王子が地元を応援

 八王子市内の地域活性や農業振興のため、八王子産の酒米づくりに取り組むNPO法人はちぷろの活動を多くの人に知ってもらおうと、東日本旅客鉄道(株)八王子支社が12月5日から4日間、JR八王子駅コンコースで「SAKE STATION@八王子 Ⅴer.2」を開催した。

 今年2月に続き2回目の開催。高月地区で市民参加の酒米づくりに取り組むNPO法人はちぷろの活動紹介展示や、創価大学など近隣大学と連携して開発した製品展示などが行われた。昨年オープンした都内10番目の酒蔵「東京八王子酒造」が、はちぷろの育てた酒米で醸造した日本酒をその場で樽から瓶詰めにして販売し、にぎわいを見せた。

 購入した明神町在住の男性(57)は「美味しいし、地元を応援したいので繰り返し購入している。毎回味が微妙に変わり、手づくりなことがわかるのも楽しい」と話していた。

 はちぷろ代表理事で東京八王子酒造代表の西仲鎌司さんは「日本酒は食中酒としては世界一だと思っている。呑み手を増やしたいとこれまで活動してきた。リピーターの方もいて、企画を応援してもらっているのを感じている。ありがたい」と手応えを語った。

誰でも参加できる

障害に理解深めて 中央図書館でイベント

 千人町にある八王子市中央図書館で12月21日(土)、体験イベント「こどもとしょかん」が開催される。子どもはもちろん、大人も参加できる。入場無料。

 盲導犬とのふれあいや車いす体験、障害や認知症について話を聞くことができるほか、絵本の読み聞かせも。

 午後1時から3時まで。事前予約制で定員10人。申込みは同館【電話】042・664・4321。

エンディングノート講座 市生涯学習センターで

 東町にある八王子市生涯学習センター(クリエイトホール)10階の第2学習室で1月15日(水)、市民自由講座「年の初めに『エンディングノート』を書いてみよう」が開催される。

 新年を迎えた1月だからこそ、自分の人生を見つめ直しエンディングノートをしたためようという企画。講師に行政書士の檜垣丞さん(公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ)を迎え、ノートの書き方や基礎知識を学ぶ。

 午後2時から3時30分まで。講座終了後には個別相談を30分程度設ける。定員60人(応募多数時は市内在住者を優先し抽選)。費用200円。

 申し込みはメールで、件名「エンディングノート」、氏名(ふりがな)、年齢、住所、電話番号を記入し、【メール】kouza-create@city.hachioji.tokyo.jpへ。12月16日(月)必着。

 問い合わせは同センター【電話】042・648・2231。
イベントに参加する元競泳選手の田中雅美さん

オリンピアンに聞く子育て フォーラム参加者募集

 市は12月21日(土)、2024年度子ども・子育てフォーラム「自分らしく等身大の子育てしよう!」をクリエイトホール(東町)で開催する。

 子育て中の親などを対象に、子育てに関する活動への参加や協力を促すことが目的。今回は、八王子ゆかりのオリンピアンで元競泳選手の田中雅美さんをゲストに迎え、トークイベントを行う。

 田中さんは、市子育て応援サポーターで教育委員でもある。第1部は、現在2人の子どもがいる田中さんが、自身の経験を踏まえながら、周りと比べて無理をしてしまうのではなく、自分らしく等身大で子育てをするためのポイントを語る。

 第2部は、初宿和夫市長も参加し、「八王子の子育て」をテーマに、子どもの育成や保護者へのサポートについて、トークセッションを行う。

 会場はクリエイトホール5階イベントホール。午前9時45分から11時15分まで。定員150人(要申し込み・先着順)。参加費無料。申し込みは電話(【電話】042・620・7391)か、市ホームページの専用フォームから。

 問い合わせは市子どものしあわせ課【電話】042・620・7391。

市場での買い物のコツを語る栗原理事長

教えて「市場人(いちばびと)」 八王子綜合卸売協同組合 物価高騰の正月準備

 2024年も、あと半月ほど。北野町にある卸売市場「八王子綜合卸売協同組合」では、年末年始に備えて買い物に訪れる来場者で連日にぎわいを見せている。

 一般消費者にも常時開放されている八王子の市場には、肉や魚、青果などの生鮮や惣菜、加工食品や雑貨などを扱う店舗が軒を連ねる。「モノ(扱っている商品の質)は間違いない。物価が高騰しているこんな時代だからこそ、市場でお値打ち価格の良いものを見つけてほしい」と話すのは、同組合の理事長を務める栗原一さんだ。

 「年末年始にむけてどの家庭でも買い物の量が増えるので、あまり遅いと品薄になっている可能性がある。必要なものは早めの購入を」とアドバイスし、「とくに生鮮は上質なものから売れてしまうので、年末ぎりぎりより12月28日・29日ごろに買っておくのがおすすめ。おせちで日本の伝統を感じながら、より良い新年を迎えてもらえれば」と話している。

 14日(土)まで歳末感謝セールを開催中の同組合では、あす13日(金)と14日にガラガラ抽選会を実施する。同組合の市場(向かって右側の市場)内の店舗で使える商品券が当たる。ハズレなし。午前7時30分から11時30分まで(なくなり次第終了)。問い合わせは同組合【電話】042・645・6300。

スマホを手に駅周辺をめぐる

初のスタンプラリー 元気な街南大沢協力の会

 南大沢駅周辺の事業者と地域住民らが地域を盛り上げることを目的に活動している「『元気な街』南大沢協力の会」(佐々木秀之会長)が、初イベント「南大沢駅前施設めぐりLINEスタンプラリー」を12月15日(日)まで開催している。

 南大沢駅前にある商業施設を回って、買い物などの条件を満たすともらえるスタンプを集めると、抽選でギフト券や各施設で使える買い物券などが当たるというもの。三井アウトレットパーク多摩南大沢の協力で、三井ショッピングパークポイントLINE公式アカウントのスタンプラリー機能を活用している。

 南大沢エリアの一層のにぎわいと活性化を図ろうと今回、同会が初めて実施。佐々木会長は「南大沢駅周辺の商業施設が連携してスタンプラリーを実施するのは初めて。これまで訪れたことがない施設に足を運んでもらうきっかけになれば」と参加を呼びかける。

 詳細は記事内の二次元コードからHPを参照。

―連載小説・八王子空襲―キミ達の青い空 第15回 作者/前野 博

 (前回からのつづき)

 村上が女の子に声をかけた。

 次の順番の女の子がキミの前に座った。

 えつ子は、まだ停留所の方を見ている。

 「親が、子どもに面会できるのは、月一回と決まっているのですよ。えつ子の母親は、面会に来たばかりだから、暫く来られない。でも、来るのではないかと、バスの停留所を見ている。どの子どもも同じですよ。親に会いたいし、一緒にいたいんですよ。寂しいんです」

 村上は、由江がバリカンでくりくり坊主にした男の子の頭を撫でながら言った。

 元八王子村から八王子の駅まで行って、電車に乗れば、品川には一時間半ほどで到着する。北関東や、東北に集団疎開した学童に較べれば、ずっと便利であった。面会は月一回とは言うものの、病気に罹ったり、緊急の用事がある場合は、親が迎えに来て、家に帰ることができた。

 最初の内は、親も何かと理由をつけては、子どもに会いに来たし、家に連れて帰ってもいた。でも、十一月になると、そういう訳にはいかなくなった。いつ空襲されるのかと、危惧が増してきていた。親も、食料の調達、防空訓練や勤労奉仕と忙しくなった。月一回の面会に来るのが、やっとの親が多くなった。

 集団疎開先の食料事情も悪くなった。いじめも増えてきた。腹は減るし、嫌なことが多くなった。親に会いたい、家に帰りたい気持ちが募っているのがよく分かった。逃げ出す子どもも少なくなかった。八王子駅で、駅員や巡査に捕まって、連れ戻される。うまく逃れて、親元に帰っても、二、三日経って、親と一緒に帰って来た。

 「可哀相だけれど、この非常時だ、誰もが大変で辛い思いをしている。子ども達に我慢を強いるのも、仕方のないことだ」

 村上が空を仰いで、言った。高尾の山並みが、夕日に染まっていた。キミ達の散髪の勤労奉仕も、ようやく終わった。    〈つづく〉

◇このコーナーでは、揺籃社(追分町)から出版された前野博著「キミ達の青い空」を不定期連載しています。