戸塚区・泉区版【1月1日(水)号】
インタビューに答える近藤区長

近藤戸塚区長 「つながりを大切に」 新年の抱負を語る

 本紙では近藤武戸塚区長に年頭の抱負を聞いた。人と人とのつながりを大切に、誰もが安心して心豊かに暮らせるまちを目指す--。4月に就任1年を迎える区長は改めて決意を示した。

 --昨年は、道路関連事業が進みました。

 「不動坂交差点では、かねてから地域要望がありました歩道橋の開通により、歩行者や自転車利用者の安全性が大きく向上。交差点改良により、慢性的な車の渋滞緩和も図られました。また、国道1号山谷交差点から環状2号まで直線的につながる都市計画道路桜木東戸塚線の平戸地区では、11月にトンネル工事が着工し、2032年の開通を目指しています。

 戸塚駅西口は、5月に駅前道路を駐停車禁止としたことで、安全性向上と交通環境の改善を図ることができました」

--地域交通の支援も行いました。

 「東俣野町で昨年1月から実証実験を行っていた福祉施設の地域貢献による移動サービスが、7月に「ひがまた号」と新名称となり本格運行を開始。また南西部のバス路線維持・充実に向け、輸送力を確保しつつ運行便数の効率化を図る目的で、神奈川中央交通によるツインライナーの運行が始まっています」

 --戸塚に縁のあるスポーツ選手やチームが躍進しましたね。

 「パリ五輪では、セーリングの飯束潮吹選手が東京五輪に引き続き出場し、女子7人制ラグビーでは、YOKOHAMA TKMの内海春菜子選手が出場。サッカーでは、横浜FCが1年でJ1に復帰し、ニッパツ横浜FCシーガルズはなでしこリーグ1部準優勝に加えフェアプレー賞を受賞、ソフトボールでは、日立サンディーバがJDリーグ地区優勝と、素晴らしい活躍をされました」

 --公会堂もリニューアルしました。

 「昨年6月1日に約1年間の改修工事を終えて利用を再開。天井改修による耐震化、照明のLED化や舞台床の改修を行い、より安心安全に、快適にご利用できる施設にリニューアルしました」

防災対策を強化

 --防災・減災への取組みは極めて重要です。

 「昨年1月の能登半島地震の発生や8月の『南海トラフ地震臨時情報』の初めての発表など、大規模地震への警戒は引き続き必要です。現在横浜市では『新たな地震防災戦略』の策定を進めています。また、戸塚区には集合住宅も多く、発災時での在宅避難に不安を感じているという声もあり、今年はマンションにお住まいの方々が在宅避難生活を継続できるように取組をさらに進めていきます。

 激甚化している豪雨災害への取組として、昨年8月に、区民の皆様が水害を自分事として捉えていただけるよう、区内100カ所の電柱に最大想定浸水深の目印も設置しました」

 --5期のとつかハートプラン(戸塚区地域福祉保健計画)の進捗状況を教えてください。

 「現在第4期が進行中ですが、26年度からスタートする第5期の計画策定に向けて自治会町内会、福祉保健関係団体、関係施設等の代表者で構成されている『とつかハートプラン策定・推進委員会』と一緒に検討作業も進めています。5期では、誰もが主役で、その人らしく参加でき、必要な支援やサービスにつながるようにしたい。地域社会を構成するあらゆる存在を受け入れ、理解し、認め合える土壌づくりを柱として、皆様と一緒に取り組める計画づくりを進めていきます」

 --子育て支援はいかがでしょうか。

 「戸塚区の出生数は、市内18区の中で2番目に多く(23年中)、たくさんの赤ちゃんが誕生しています。これから父親となる方に向けた教室など、お子さんが生まれる前から切れ目のない子育て支援を充実し、横浜市中期計画の基本戦略『子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ』の実現を進めます」

--柏尾川の桜は。

 「区民の皆様の投票により区制60周年の1998年に『区の花』に選ばれました。江戸時代から続く柏尾川桜並木は、多くの人で賑わう戸塚区の名所の一つですが、現存する桜の多くは、昭和時代に植樹されており、老齢化や病害等による樹勢の低下や倒木が懸念されています。そこで、近隣の自治会・町内会、商店会、学校、ボランティア団体、企業の皆様にご参画いただき、『柏尾川桜並木保全・再生計画』の策定を進めています。

 景観を未来へつなぐため、来年度から計画に基づき、ふるさと納税制度等も活用しつつ、植栽や維持管理に取組みます」

--区民へ一言。

 「戸塚区は『こころ豊かに つながる笑顔 元気なとつか』を区政運営の基本目標に掲げています。その実現に向け、職員一丸となって区政運営に努めます。引き続き、ご支援、ご協力よろしくお願いいたします」

展望を語る山口区長

「区民と共に創るにぎわい」 泉区・山口区長に聞く

 2025年の年頭にあたり、本紙は泉区の山口賢区長にインタビューを実施した。山口区長は地域活動の活発化についてふれたほか、来年の区制40周年についても語った。

 ――山口区長は就任2年目ですが、まちの印象への変化はありますか。

 「昨年は区内各地での地域活動が一層盛んだった印象です。

 私もいくつかに参加させていただきましたが、地域の皆さまの笑顔や泉区への想いにふれ、身近な地域だからこそできる活動や交流の大切さを実感しています」

ゆめが丘の開発

 ――相鉄線・ゆめが丘駅前の変化は大きな話題でした。

 「ゆめが丘ソラトスが開業し、ゆめが丘という町名も誕生するなど、泉区に注目が集まった1年でした。自然豊かな泉区に、新たな都市的な魅力も加わり、住宅環境も整備されてきています。

 個人的には、30年ほど前の入庁直後に、市営地下鉄延伸(戸塚〜湘南台)の仕事に携わっていましたので当時の景色も思い出されます。あの頃の『畑の中の駅』を思い出すと、ここまで開発が進んだことはとても感慨深いものがあります。

 さらに周辺エリアでは住宅環境も整備されてきています。ファミリー層を含む多くの方が新たに泉区に住まわれているとうかがっており、大変うれしく思っています。

 これからますます、にぎわいが生まれてくるのではないでしょうか」

防災や子育て支援

 ――新たな取り組みとして、区内14拠点同時の防災訓練が印象的です。

 「11月に区災害対策本部と地域防災拠点等が連携した訓練を実施しました。通常の拠点開設・運営訓練に加え、電話や無線機を使用して情報受伝達の確認を行い、アマチュア無線非常通信協力会泉区支部にもご協力いただきました。

 参加した皆様からは、実災害時のイメージが深まり、参加してよかったとの声を多くいただいています。引き続き、地域の皆様や関係機関と連携して、泉区の災害対応力の向上に取り組んでいきたいと思っています」

 ――区庁舎1階の福祉保健センターもリニューアルしました。

 「センターの床や照明を明るくしたり、少しずつ変えています。お子さんが楽しめるキッズサークルを設置したほか、健診時だけですが、おむつ回収ボックスも新設・運用開始しました。子育て中の職員もいるので利用者目線の意見を参考にしながら、引き続き『子育てに優しいまち』を目指していきます」

まちの魅力を愛着に

 ――昨年は泉区マスコットキャラクター「いっずん」のグッズ販売も区役所で開始し、人気を集めています。

 「キーホルダーとTシャツはどちらも想像以上の反響で驚いています。今年も皆さんに喜んでいただけるような新しいグッズを企画していますが、『いっずん』をきっかけに、泉区への愛着を深めていただきたいと考えています」

 ――地元商店街についてはいかがですか。

 「11月に泉区商店街プレミアム付き商品券が販売され、今回は700セットに増やしたものの完売しました。地域からのよろこびの声も届いています。

 また商店会の加盟店が泉区にちなんだカレーメニューを限定販売する夏の企画『いっずんカレー』は昨年も各店の趣向を凝らしたメニューが揃いました。個人的に前回に続き、全店制覇もしました。どれも美味しかったです」

区制40周年に向け

 ――来年は区制40周年、さらに翌27年3月には国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」の開催も控えます。

 「今年は40周年のプレイベントを実施する予定で、皆様の区への愛着が高まるような企画に向け、地域の皆様と共に準備を進めていけたらと思います。皆様と創り上げるそんなにぎわいのムードを、国際園芸博にもつなげていきたいですね。

 横浜での国際的な博覧会は泉区の豊かな自然、美味しい農畜産物の魅力を発信できるまたとない好機です。持続可能な未来に向けて、興味・関心を持っていただく取組などを進めていきます」 

 ――区民へのメッセージをお願いします。

 「区民の皆様の想いや地域のつながりを大切に職員一同で取り組んでいきますので、引き続きご支援、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします」

取材に答える山中市長

人にやさしいまち、横浜へ 山中市長が新年の抱負

 本紙では新年を迎えるにあたり、山中竹春横浜市長に2025年の抱負を聞いた。山中市長は、子育て支援や防災・減災対策、防犯対策などの取組を積極的に進める姿勢をみせるとともに、市民の声を大切に「人にやさしいまち」の実現に向け力を尽くす考えを示した。質問に書面と対話で答えた。(聞き手/木曽祐司・添田守男)

「子育てしやすさ」実感を

 ――市長就任時より、子育て支援に力点を置いてきました。

 「一昨年は子どもの医療費を無料化し、長年市民の皆様から望まれていた中学校での全員給食の導入を決定しました。

 全員給食は2026年4月の開始に向けた準備が着実に進んでおり、小学生の保護者向け試食会のアンケートでも75%の方に『良い印象を持った』と回答いただいています。

 昨年は、出産や妊婦健診に係る費用への市独自の助成を新たにスタートさせました。出産費用については、国の出産育児一時金50万円に加えて最大9万円を市独自で助成することで、市内公的病院での出産に係る基礎的費用を100%カバーできるようになりました。

 妊婦健診の助成額は5万円を上乗せし、政令市トップの水準となりました。46万人もの子ども(中学生以下)が暮らす『日本最大の子育て支援都市』として、皆様が安心して子育てをしていただけるよう取り組んでいます」

 ――子育て支援では公式アプリのリリースや保育の負担減、いわゆる「小1の壁」対策等にも取り組んでいます。

 「10月にリリースした全国初の総合的な子育て支援アプリ『パマトコ』は、現在5万人以上の方にご利用いただいています。例えば出産費用助成の申請は、ほぼすべての方が『パマトコ』から申請されています。

 また、アプリには母子手帳機能や予防接種のスケジュール管理、イベント情報のプッシュ通知など、さまざまな機能を搭載しています。ユーザーの皆様のお声を聞きながら、これからもどんどん進化させていきます。

 また、保育園に持参するおむつなどの準備や持ち帰りの負担を減らす『にもつ軽がる保育園』も、導入する施設が広がっています。

 さらに、『小1の壁』の代表例である夏休み中のお弁当づくりの負担を軽減するため、すべての学童等での昼食提供をモデル実施し、95%以上の保護者から『ゆとりを感じた』との満足の声をいただきました」

市民目線の地震防災戦略

 ――防災・減災対策は、横浜市にとって喫緊の課題です。

 「能登半島地震など大きな災害の経験を、横浜でもいつ起きてもおかしくない大規模地震への備えに生かすため、地震防災戦略を刷新し、災害対策を大幅に強化します。

 【1】市民や地域の"発災前からの備え"の強化【2】誰もが安心して避難生活を送ることができる仕組みの構築【3】救援活動や緊急物資輸送の要となる横浜市初の広域防災拠点の整備【4】上下水道の耐震化や緊急輸送路の整備などを加速化する災害に強いまちづくり――の4つの柱に沿って徹底的に『市民目線』に立った取組を進め、市民の皆様の命と暮らしを守るための災害対策を進めていきます」

「環共」テーマに脱炭素も山中市長インタビュー

 ――地域の防犯対策も急務です。

 「地域での平穏な暮らしを守るためには、行政と地域の皆様が連携して取り組むことが必要です。

 地域からいただいたLED防犯灯の設置要望について、当初予定を拡充し、設置基準を満たすものは全て年度内に整備するなど、スピーディーに対応します。

 また、市内すべての不審者情報をGoogleマップで確認できる市独自の『こども安全・安心マップ』の活用や、学校と家庭との連絡アプリ『すぐーる』を活用した適切なSNS利用の情報発信など、ハード・ソフトの両面から地域防犯の取組を強化します」

市民・企業の行動変容促す

 ――脱炭素社会の実現に向けた取組みについてお聞きします。

 「気候変動を食い止め、環境にやさしい循環型の社会にしていくためには、市民の皆様の行動変容が鍵になります。横浜市は、市民の皆様の身近なアクションを後押しし、環境にやさしい社会につながっていることを実感していただけるような取組を進めています。

 プラスチック資源のリサイクルを拡大するため、昨年10月に先行9区でごみの分別ルールを変更しました。

 今年4月からは、全18区で新たな分別ルールがスタートします。他にも、消費期限が近くなったパンをお得な値段で販売するロッカーを設置して食品ロスを減らす取組や、ご家庭で揚げ物などに使った油(廃食油)を回収し、飛行機の燃料に生まれ変わらせる取組も進めています。

 昨年12月には、『地球1個分で暮らそう STYLE100』プロジェクトを始動し、地球にやさしい新しい暮らしを市民や企業の皆様と一緒に発信していく取組がスタートしました。

 市内企業の99・6%を占める中小企業の皆様の行動変容につなげるため、『脱炭素取組宣言』制度を昨年6月に創設し、環境に配慮した経営、脱炭素経営に取り組む中小企業の皆様のチャレンジを、積極的に後押ししていきます」

「環共」テーマの国際博覧会

 ――旧上瀬谷通信施設で開かれるGREEN×EXPO 2027まで、いよいよあと2年です。

 「『GREEN×EXPO 2027』は、環境と共生し、皆様と共につくる『環共』がテーマの世界で初めての国際博覧会です。

 会場では、まず、皆様を圧倒的な花と緑でお迎えします。脱炭素技術を体験したり生物多様性への理解を深めたりできるエリアをはじめ、農と食が近い暮らしの体験や、子どもたちが自然の大切さを楽しみながら学べるエリアなど、国内外のあらゆる世代の皆様にお楽しみいただける場所となるよう、着実に準備を進めています。

 今後、各エリアの出展内容など、会場計画についてタイムリーに市民の皆様にお伝えし、開催への期待感を高めていきたいと考えています」

 ――会場周辺交通への影響について、対策は。

 「会場および周辺の整備は、地元の皆様の生活に影響がでないことを大前提に、多くの皆様が安全・円滑に来場できる環境を整えていきます。会場周辺の道路整備や主要ルートの交通円滑化をはじめ、環境にやさしいシャトルバスの導入など環境に配慮した対策を関係者と連携して進めています」

 ――2025年度予算編成の方向性を聞かせてください。

 「地震防災戦略を刷新し災害対策を大幅に強化するとともに、子育てしやすさを実感できる更なる取組の推進、医療・福祉の充実などあらゆる世代の暮らしを支えてまいります。

 また、地域交通の拡充に本格的に着手するほか、公園や学校のトイレの洋式化、学校体育館の空調整備など、市民の皆様からの改善要望が多かった身近な環境の整備を大幅に加速させます」

再選出馬、明言せず

 ――今夏の市長選について再選出馬の考えは。

 「市民の皆様から託された任期の中で、成果をしっかりとお返ししていくことに全力を尽くしていきます」

 ――市民へのメッセージをお願いします。

 「地域に足を運ぶといろいろなお声をいただき、その一つ一つがとても大切なものです。今年も、市民の皆様の『声』を第一に、人にやさしく、誰もが安心してくらせるまちの実現に向けて、力を尽くしてまいります」
選手らを乗せてハンマーヘッドを出発するパレードのバス(11月30日撮影)

横浜DeNAベイスターズ 「リーグ優勝で価値を本物に」 チーム統括本部長に聞く

 横浜DeNAベイスターズは昨季、26年ぶりの日本一に輝いた。リーグ3位から厳しいクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がっての日本一は「最大の下克上」とも呼ばれたが、それゆえに「リーグ優勝」は今季の大きな宿題だ。編成トップのチーム統括本部長・萩原龍大さんに話を聞いた。(聞き手/本紙・岩田潤)

26年ぶり「日本一」の熱狂

 ――日本一の優勝パレードは30万人もの人が沿道に駆けつけました。

 「パレードの日は早朝から準備のためにハンマーヘッドに向かったのですが、すでに会場に向かう多くのファンのみなさんの姿を目にしました。その後、沿道がすべて人で埋まっている光景には圧倒されましたね。

 我々は球場スタッフも含めて500人くらいの中小企業。こんなことが起こせるのかというのは、想像をはるかに越え、泣きそうになりました。あれを知ったら毎年やりたくなる。選手スタッフみんなにとって大きかったと思います」

 ――一方でビールかけの時ですが、日本一を喜びながらも牧秀悟主将は「来季はリーグ優勝」と引き締めていました。

 「私の立場でも、少なくともリーグ優勝をしていない段階で手放しで喜ぶことはできないです。来季も全力ですね」

 ――日本シリーズ出場は17年以来でした。

 「今でも覚えているのが、その翌18年の春のキャンプです。選手、コーチ、スタッフみんな一言でいえば浮足立っていました。あの時もリーグ3位で、結果を出せなかったのですが。

 当時を知る選手がベテランとして在籍しているのは大きく、秋のトレーニングも、全員が何をすべきか、リーグ優勝に何が必要かを考え、取り組んでいました。今年リーグ優勝してはじめて、昨年の日本一の価値が本物になると思います」

絞り尽くした1年

 ――とはいえCS、日本シリーズでは勢いや力強さを見せました。

 「『意図をもって勝つ』という取り組みが実を結んだと思います。本当はリーグ終盤に発揮できればよかったですが。ただ、チームとして『最高の準備をする』とはどういうことかがわかってきたと思います。

 例えばCSからの戦いは、初日にピークを合わせることを徹底して共有しました。全員が意思統一を図り、そこからは日々を全力で。息切れしてもいいから、乗り切ろうと心を揃えたんです。

 だから日本一のビールかけが終わった後は、みんな疲弊していたので飲みにも行かずに帰っていきました。余力なく絞り尽くした1年でした」

 ――中川颯投手(戸塚区出身)ら新戦力も躍動しました。

 「うちのノウハウ、技術環境なら伸びるはずという選手を獲得していますが、戦力外から加入した選手たちは想定以上の活躍でした。補強の形として新しい引き出しを増やせたと感じています。

 またベテランがチームを引っ張ることに目覚めてくれた1年でもありました。うちは優勝を経験していないメンバーがほとんどで、強い文化がなかった。『勝ち切る覚悟』というスローガンを掲げた頃から、遠慮せずに力を発揮してくれました。

 牧が主将として引っ張ってくれましたが、さらにベテランの中心にゴウ(筒香嘉智選手)がいたのは大きかった。相当いろんなことに腐心してくれたと思います」

 ――編成トップとして現状の手応えは?

 「チームの究極のゴールは世界一のチームですから、やらなきゃいけないことは山ほどある。破綻しないように、緩まないように、仮説と検証を繰り返して着実にゴールに向かっている手応えは感じています」

建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を昨年、受賞した建築家 山本 理顕さん 神奈川区在住 79歳

建築でコミュニティ豊かに

 ○…「公と私の境をなくした建築空間が、コミュニティを豊かにしている」と評価され昨年、プリツカー賞を受賞した。「『言ってもらいたい』と思っていたこと。受賞そのものより、その評価が嬉しい」。人は一人では生きられないからこそ、人を巻き込み、人と人が関わりあう建築を提案し続ける。「だから、波風が起きることも多いんだけど」といたずらな笑みを見せる。

 ○…4歳の時に亡くなったエンジニアの父の素晴らしさを母から聞いて育った幼少期。「その影響か、技術者への漠然とした憧れはあった」と振り返る。青年期は南区三春台の関東学院中学高校で過ごした。記憶に残るのは、当時の学校にあった木造平屋の礼拝堂や建築家・モーガンが設計した旧本館。そのユニークな構造や迫力に、「今も強く印象に残っている」と話す。湧いてくる興味を育て、建築の道を志した。

 ○…東京藝大大学院修了後は、東大生産技術研究所の原広司研究室の研究生に。世界各地に赴き、集落の調査を行った。数ある住居を見る中で、共通して「プライバシーとパブリックの間の空間」=『閾(しきい)』が存在することに気づいた。「かつて日本の住居や店舗に当たり前に見られた空間だが、現代社会では失われつつある」と危惧する。

 ○…横浜駅西口から徒歩圏内の自宅がある反町を、「田舎感がすごい」と評する。その言葉から、自身のコミュニティに対する愛情が滲む。緑園都市のほか神奈川県内の横須賀美術館や子安小学校、さらに世界中で著名な施設や住居を手がけてきた。建築作品を通して一貫して提示し続けているのは、「コミュニティの在り方」だ。「専門家はみんな哲学者。思想をもってやるべき」

化粧品技術者・研究者の世界的学会で約600件中「Top10」に選出された 小林 一貴さん 柏尾町在勤 29歳

研究を「製品」として世界へ

 ○…化粧品技術者・研究者にとって最も権威ある世界的な学会にこのほど、ポーラ化成工業(株)(戸塚区柏尾町)の研究員として臨み、約600件中の「Top10」に選出された。題材は自身が研究を続けてきた「ウルトラファインバブル(UFB)」だ。超微細な泡を液体中に分散させることで従来より刺激性のない洗浄を可能にするという。「世界にはいろんな人、環境がある。その選択肢の1つになれたら」

 ○…今回の発表は社内選考を含めると準備に1年半以上を費やした。ポスター発表という形式で、情報をまとめた大判のポスターの前に立ち、来場者の質問に個別に答える。その中に審査員が紛れる。「例えば、ナノメートルと言うより『髪の毛の700分の1』など、多くの人に伝わる工夫を心がけた」

 ○…千葉県松戸市出身。子どもの頃、「バック・トゥ・ザ・フューチャーが大好きで、デロリアンを作りたかった」と理系少年に。東京理科大では大学院まで進み、物理化学や界面活性剤の研究を続けた。界面活性剤は洗剤だけでなく食品や医薬品まで幅広く使われているが、「研究が楽しくて仕事にしたいと思った時に、化粧品メーカーが自分のやりたいことに合っていた」と明かす。「少数精鋭なところもあって、それは自分に合っている」と2020年春、同社に入社した。

 ○…UFBは現在、ふき取り化粧水などでの活用を想定されているが、「それだけで終わらせたくない」。洗浄効果だけでなく、肌への浸透効果もあるため、可能性を模索し続けている。「自分は成分は作れるけど、化粧品は作れない。だから他部署の人たちはすごい」。日々の研究は地道な試行錯誤。その成果が製品となって世界に広がる日に思いをはせる。

内灘サンセットパークから望む河北潟越しの立山連峰=2023年1月11日撮影、杉村一馬さん提供

「今行ける能登」を発信中 マップで観光地を公開

 (公社)石川県観光連盟が運営するwebサイト「ほっと石川旅ねっと」では現在、能登で安全に行ける施設や観光地などをまとめたデジタルマップを公開している。

 通行可能な道路もマップ上で確認できるため、車での旅行も安心。宿泊施設や飲食店、観光地などカテゴリー別で探せる利便性の高さも魅力だ。

 さらに1月31日(金)まで「能登ぐるっとスタンプ旅」を開催中。観光スポットをまわり、デジタルスタンプを3つ集めると能登の特産品が当たる抽選会に参加できる。

ごみ拾いする建設業協会戸塚区会の会員

戸塚土木×建設業協会 駅伝に向け道路掃除 活動の継続・拡大に意欲

 戸塚土木事務所と(一社)横浜建設業協会戸塚区会は12月20日、不動坂交差点から保土ケ谷区の区境までを清掃した。

 毎年12月下旬に両者協力で行っている活動で、清掃場所は1月2日、3日開催の箱根駅伝コースの一部にあたる。

 今年の参加者約30人は二手に分かれ、戸塚区会は保土ケ谷区との区境から赤関橋まで、土木事務所所員らは不動坂交差点から赤関橋までを担当した。道中にはたばこの吸い殻やティッシュなどの細かいごみが落ちており、トングを使って回収するとおよそ20袋ほどになった。

 さらに大量の落ち葉も拾い集めると、合計で60袋以上にもなった。戸塚区会の武田幸光会長は「清掃活動を知らない人も多いと思う。自分の住む町がきれいに保たれていることを知れば、安心にもつながるのでは」と話した。

 戸塚土木事務所の担当者は「毎年の恒例行事として継続させるとともに、清掃するエリアや参加者も拡大していければ」と語った。

賞状を手にする柾谷さん(上)金子山常設コースで日々腕を磨く

和泉町在住・柾谷さん TBGで全国大会優勝 35年のキャリアで初

 泉区和泉町在住の柾谷龍子さん(72)がこのほど、ターゲット・バードゴルフ(TBG)の全国大会で初優勝を飾った。

 柾谷さんが出場したのは、鳥取県で10月に行われた「ねんりんピック」。横浜市の代表選手として臨み、2日間の合計スコア149で優勝を果たした(2位は151)。なお、泉区から出場した高橋英子さんも3位に入ったほか、佐藤力男さんは89歳という最高齢出場ながら15位という結果を残した。

「続けて良かった」

 柾谷さんはこれまで県大会優勝など多数の実績があるが、全国大会は準優勝までだったといい、「続けてきてよかった。楽しい仲間がいてこそ」とよろこびを語った。

 泉区TBG協会(遠藤瑞行会長)に所属する柾谷さんは、和泉町の金子山常設コースで日々腕を磨く。35年前に体育指導員だった夫の影響で始めて以来「かごに入った時の快感がたまらない。思い切りクラブを振れるのも気持ちいい」と話す。

 協会の遠藤会長は「腕はトップクラスだし、役員も務めてくれて欠かせない存在」と称えた。

出初式は11日開催 戸塚も泉も

 今年の消防出初式は戸塚区も泉区も1月11日(土)に行われる。

 戸塚区では午前10時から戸塚公会堂で式典・表彰と日立製作所横浜音楽隊によるコンサート。11時50分から柏尾川河川敷で一斉放水を実施予定。

 泉区では午前10時から泉公会堂で式典などが行われ、11時10分から泉区役所正面入口付近で一斉放水が行われる。泉署のガレージでは9時30分から正午まで地震体験も。

元タウン記者・杉村さんが語る 能登半島のその時と今

 元・戸塚区編集室所属のタウン記者で、現在は地元の石川県金沢市で家族と暮らす杉村一馬さん(36)。現地の被害状況や人々の生活、そして震災を経て今、伝えたいこととは――。

一瞬で変わった町の姿

 昨年、実家のある石川県かほく市に帰省していた杉村さん。「午後1時頃に近所の神社に初詣に行き、妻と娘とショッピングモールでお笑い芸人のショーを見ていました」。すると突然、激しく長い揺れに襲われた。

 「幸い実家は無事でした。テレビやラジオでは何度も『逃げてください』と半ば絶叫していて怖かったです」。恐怖心をあおられたという。

 余震が落ち着いた午後8時頃、父と町の様子を見るため外へ。地割れや液状化が見られ、左右で明らかに高さが違う場所もあった。初詣に訪れた神社は、垣根が倒壊し「ショックでした。数時間前に来た場所がこんなことに……」と精神的なダメージも大きかった。

コミュニティの喪失

 昨年2月には、ボランティア活動のため県北西部の志賀町へ。動かせなくなった家具の間で寝起きする人もおり、倒れたり壊れたりした家具を外へ運ぶ作業に尽力した。「被害状況は北に進むほど倒壊した家屋が増えていき、道も悪くなっていった」と振り返る。

 さらに「地域のコミュニティがなくなることも大きな被害」という。初詣に訪れた神社は、祭りも中止を余儀なくされた。コロナ禍を経て一昨年、ようやく再開したばかりだった。「祭りがなくなれば、地元の人が集まって伝統を楽しむ一体感も失われる」。災害によって失われてしまった住民同士のつながりは、一朝一夕には戻らない。目には見えない被害も多くあるのが実情だ。

 1年経った今も、建設や整備業者が立ち代わり作業にあたる。「被害が大きかった奥能登は県の中心から距離が遠く、集落同士も離れている。これが復興の遅れに影響しているのでは」と話す。

「”里山里海”の魅力も知って」

 「『能登はまだ行っちゃいけない』というイメージがあると思う。でも、安心して観光に来てほしい」と杉村さん。発災当時はボランティアの受け入れにも制限があったが、現在は観光地の情報公開もされており、安全に楽しめるという。

 杉村さんは能登の魅力について「世界農業遺産認定の『里山里海』。美しい自然と人々の暮らしが融合した、素晴らしい景色や伝統がたくさんある」と目を輝かせる。

 復興が思うように進みづらい現状はあるものの、杉村さんは「被災地は被災地のままになってしまいがち。けれどやはり、現地のことは行かないとわからない。ぜひ一度、足を運んで能登の魅力を知ってください」と語った。

大凧も空に(写真は昨年)

いずみ相模凧が空に 1月6日 和泉遊水地で

 泉区の伝統文化のひとつ、いずみ相模凧の新春凧揚げ会が1月6日(月)、和泉遊水地4池(和泉中央北5の4)で開かれる。午後1時30分から3時30分まで。

 今年で4回目の新春行事。岡津太鼓・岡津囃子連による演奏などほか、いずみ相模凧の保存会による大凧上げ、凧揚げ体験(若干名)も。また保存会の体験授業を受けた小学生による手作りの凧揚げも。

 参加無料。雨天や強風時は中止。駐車場はないため、会場へは公共交通機関で。

戸塚の歴史の会に聞く 開運「巳/蛇」スポット

 今年の干支は「巳」。蛇は古くから人々の信仰をあつめ、実際に戸塚にも蛇にまつわるスポットが多くある。

 戸塚区の歴史を研究する「戸塚見知楽会」の代表・根岸正夫さんによると、一番のおすすめは秋葉町の長蔵寺敷地内の増威八幡社だという。

 秋葉幼稚園の門をくぐり、長い階段を登り切ると、右側に「弁財天宮」の看板が見える。その近くには小さな洞穴があり、なかを覗くと、確かに蛇を模した置物が安置されていることが分かる。「戸塚区内で弁財天と蛇の両方を祀っている神社は、私が知る限りここにしかないですね」と根岸さん。

 弁財天と蛇の関係は、どちらも水の神様だということや、蛇は弁財天の遣いだと考えられていることにあらわている。だからこそ双方の力を持つこの場所は、大きなパワースポットになっているのではないかとする。

 また歴史的な背景として、秋葉地域は古くは洪水に悩まされた地域であり、村人たちが弁財天に村の安全を託したのではないかと指摘。

他にも見どころ多い

 次におすすめスポットして挙げるのは戸塚駅にほど近い「妙見様」だ。もともと現在のトツカーナの駐車場付近にあったといい、妙見菩薩という北斗七星を本源とした神様が祀られている。

 所々に蛇と亀があしらわれているのは、中国で「北」をつかさどる玄武という神が、亀に蛇が巻き付いた姿で描かれているからなのだそう。そんな妙見菩薩は「眼病平癒」があると言われている。

 また名瀬地域には「白神社」がある。金運や開運のご利益をもつ白蛇を祀っており、一説には同地域の白窪という場所に、大きな白蛇が棲んでおり、そこから蛇を祀るようになったという。

人情はらんだ伝承も

 同会の副代表を務める大関彰一郎さんは、影取町の名前のもとになったとされる一匹の蛇「おはん」の伝説を挙げ、「戸塚と蛇の関係は、土地だけではなく、人情をはらんだ伝承にもあらわれている」と語った。

オリックスのユニフォームに袖を通す山中選手と球団の福良淳一GM

戸塚区出身・山中稜真さん 「憧れられるプロの選手に」 社会人からオリックスへ

 ようやくスタート地点――。「自分がそうだったように、プレーだけでなく子どもたちから憧れられるような選手になりたい」

 戸塚区出身の山中稜真選手(24)は昨秋、プロ野球ドラフト会議でオリックスバファローズから4位指名を受けて今年からプロ野球選手に。

 倉田小2年の時に下倉田シャークスで野球をはじめた。父・竜美さんは社会人野球の元選手で、当時はシャークスの監督だったという。弟の海斗さんと共に豊田中央公園や下倉田小松ヶ丘公園などで3人での練習が日課だった。豊田中時代は深谷通信隊跡地グラウンドを拠点にする硬式野球の横浜泉中央ボーイズで過ごした。

 高校は千葉の名門・木更津総合高へ。対戦相手が高卒でドラフト指名を受けたのを見て、「自分が一緒に戦った相手だったので、初めてプロを具体的に意識するようになりました」と明かす。

 青山学院大時代にプロ入りは叶わず、社会人野球の三菱重工イースト(練習拠点・金沢区)へ。社会人でさらに力をつけ、念願を叶えた。

「手本のような振る舞い」

 社会人野球は、会社員として働きながら野球の練習を続けるという、いわば二足のわらじだ。午前中に都内のオフィスに出勤し、午後からは金沢区のグラウンドへ。大会が近づくと、練習に専念するという。

 「上司が野球に理解のある人で、まわりの人も応援してくれた。それは心強かったです」。京セラドームのある大阪まで駆けつけてくれた同僚たちもいたという。

 三菱重工イーストの佐々木玄マネージャーも「社会人になってすぐの時期は学生気分の選手も少なくないが、山中は何も言わなくてもしっかりしていた。日頃の振る舞いも手本のようで、彼を悪く言う人はいないでしょうね」と評価する。

 山中選手の最大の武器でもある打撃についても「木製バットと金属バットでは音が違うけど、木製で金属のような甲高い音を響かせる。力強さに驚いた」と入部当時を振り返る。明るい笑顔でひたむきに練習する姿は「チームにとって、いてくれると助かる選手。なので、プロ入りは祝福すべきですが、ちょっとだけ寂しさも」と明かす。

試合に出て活躍を

 ポジションは「投手以外はほとんどやった」と山中選手がいうように、青学時代には捕手から外野手に転向。三菱では主に外野手と一塁手での起用が多かった。今回のドラフトでは捕手として指名を受けたが、「ポジションのこだわりよりも、試合に出られることが大事。試合で活躍して、チームの勝利に貢献したい」と力を込める。

 高校から戸塚を離れた山中選手だが、「子どもの頃は家族でアピタに出かけるのが楽しみだった」と笑顔を見せる。地元出身の中村俊輔さんや遠藤航選手らについて「子どもの頃から戸塚の誇り。自分もプロ野球でやれるからには、しっかり活躍して、地元のみなさんに明るいニュースを届けられたら」。期待の春を楽しみに待つ。

汲沢町 五霊神社 恒例のどんと焼き 1月14日

 五霊神社(汲沢町1273)の境内で1月14日(火)、どんと焼きが行われる。午後1時から3時ごろまで。

 どんと焼き(左義長斎灯焚き上げ祭)とは、年初に飾ったしめ縄や書初め、正月飾りのほか、昨年のお守りや願い護摩板などを焚き上げる伝統行事。

 さらに、その火で焼いた団子(300円)を食べることで無病息災などを願う。希望者は直接現地へ。

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初夏に園路で出会ったアオダイショウ

金沢動物園のヘビ 金沢動物園 干支コラム

 令和7年は巳年。金沢動物園では身近ないきもの館で、アオダイショウ・シマヘビ・ジムグリという日本産のヘビを飼育しています。冬の間は冬眠するためほとんど動きませんが、園内では1月5日(日)まで巳年にちなんだ撮影スポットの設置や、1月13日(月・祝)までヘビに関するパネル展示をしています。記念撮影を楽しみつつ、ヘビについて知るきっかけになりましたら幸いです。

 暖かい季節でお客様が少ない日は、園路を悠々と蛇行する野生のヘビと出会うことも。緑豊かな金沢動物園の園内にはアオダイショウ、シマヘビの他、ニホンマムシ、ヤマカガシなど本州に生息する8種のヘビすべてが生息しています。出会った時は驚かさないようにそっと見守ってくださいね。こちらから驚かさなければおとなしい生き物ですし、観察するのも楽しいものです。

 ※毒のあるヘビ、気性の荒いヘビもいますので、種類がわからない場合は近づき過ぎないようにお気を付けください。

■金沢動物園【電話】045・783・9100/金沢区釜利谷東5の15の1、元日は休園日