八王子版【1月9日(木)号】
昨年の式典の様子

市内新成人は7258人 13日、二十歳を祝う会

 八王子市の「二十歳を祝う会」が1月13日(月・祝)、J:COMホール八王子(子安町4丁目)を会場に行われる。主催は八王子市、市教育委員会、同実行委員会。市内の対象者7258人(男性3898人、女性3360人)が新しい門出を迎える。

 式典は2部制で、午前10時からと午後0時30分から。中学校区によって分けられる。酒気を帯びた人の入場と酒類の持ち込みは禁止。なお、民法の一部改正に伴い、2022年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられたが、八王子市ではこれまで通り20歳の人を対象に式典を行っている。

 開催の準備を進めてきたのは八王子市二十歳を祝う会実行委員会(西村優太朗実行委員長=人物風土記で紹介)。公募で集まった18歳から24歳の8人が実行委員会として企画・運営を行う。

 8人は今年のスローガンを「七転び八起き〜可能性の未来へ〜」に決定。コロナ禍に中高生時代を過ごした今年の新成人へ、前向きな思いを込めたという。西村実行委員長は「これまでの20年を振り返り、ここから頑張ろうと思える機会にしてもらえればうれしい」と話す。委員会には地元出身のメンバーもおり、心を込めた企画を考案。当日配られるパンフレットに思い出を感じられる場所の写真を採用したり、高校生にも成人式を意識してほしいと、八王子学園八王子高等学校の吹奏楽部に出演を依頼したりと工夫を凝らした。また、例年恒例となっている出身有名人からのビデオレターの出演者は「当日のお楽しみ」(実行委員会)とのこと。西村実行委員長は「成人式に参加したことで、節目の年に新たな1歩を踏み出したことを感じてもらいたい。また、市内で生まれ育ち、今は市外にいる若者には『いつでも帰ってきてね』『八王子を大事にしてね』というメッセージを込めた」と話した。

桑都テラスも「ハタチマツリ」

 中町にある桑都テラスでは同日13日、「ハタチマツリ」と題したお祝いイベントを開催する。正午から午後8時まで。

 大広間を舞台に、車人形や居合、大正琴をはじめ、よさこいやお笑い、漫才、弾き語り、シンガーソングライター、DJが登場し、演技や演奏を披露。お祝いムードを盛り上げる。また、身分証明書を提示した20歳の人限定=25年二十歳を祝う会招待者対象=のお楽しみとして、桑都テラス併設店の「100圓ラーメン」は特製豚骨ラーメンを、「#NO NAME DONUTS」はシュガードーナツを無料で提供のほか、生ビール・ハイボール100円などの特典が用意される。

 詳細・問い合わせは、HCL合同会社【電話】042・686・0500(平日午前10時から午後6時まで受付)。

2024年7月、多摩都市モノレール車両基地にてあいさつをする都知事=東京都提供

多摩振興 次なる一歩 都知事 年頭インタビュー

 年頭にあたり、タウンニュースでは小池百合子東京都知事にインタビューを試み、書面で回答を得た。小池知事は多摩地域の2024年を振り返るとともに、25年の展望などを説明した。※24年12月16日回答

―八王子市、町田市、多摩市を含む多摩地域を中心に、2024年の主な出来事や施策の振り返りをお願いします。

 「2024年も多摩地域の様々な場所に足を運んできましたが、地域ごとに多彩な魅力や個性があると実感していますし、そうした多摩地域の魅力の発信に邁進してきました。東京の企業の99%を占める中小企業の技術力は目覚ましく、宇宙への道も切り拓く時代です。昨年1月、東京たま未来メッセ(八王子市)で、多摩地域最大級の展示会『たま未来・産業フェア』を初開催し、延べ7千人以上が来場しました。今年1月17日・18日に開催する第2回では140社が出展予定で、企業同士の新たなつながりによるイノベーションの創出を促していきます」

 「『山の日』が制定されて8年目となる昨年、『「山の日」全国大会』を開催しました。東京は大都市でありながら、雲取山や高尾山、市街地の緑地など、多様で豊かな自然を有する世界でも類を見ない都市です。東京の山々や生物多様性を楽しみながら体感してもらえるよう、全国へ発信しました。加えて、昨年8月から10月にかけて、多摩30市町村のおすすめスポットを『自然』『グルメ』などのテーマ別にめぐるデジタルスタンプラリーやInstagramハッシュタグキャンペーンを実施し、多摩の魅力を感じていただきました。ほかにもサッカーの分野では、FC町田ゼルビアがJ1初参戦ながら最終節まで優勝争いに食い込み、3位の好成績を収めました」

 「スポーツといえば、今年7月13日に、東京2020大会のコースも活用した自転車ロードレース『THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025』を開催します。2回目となる今回、国際競技団体公認の大会としてトップアスリートが多摩地域を駆け抜けます。ぜひ沿道で応援し、自転車のスピード感、魅力に触れていただきたいですね」

―今後、知事は多摩地域のまちづくりにどのように取り組みますか。

 「新たな暮らし方、働き方の浸透など社会状況が変化し、まちづくりの課題は多様化・複雑化しています。こうした状況に的確に対応し、誰もが身近な地域で活動でき、快適に暮らせるまちの実現を目指しています。昨年1月、都は『多摩のまちづくり戦略』(素案)を公表し、将来像として、『個性が生かされ、活発な交流で活力とゆとりある持続可能な多摩』を掲げました。戦略(素案)では、TAMA拠点形成、TAMAまちづくり推進、TAMAニュータウン再生の3つのプロジェクトを示しています。今年3月までにこの戦略を策定し、魅力あふれる多摩の実現に向け、ハード・ソフト両面から取り組んでいきます」

―多摩ニュータウンにおける都の取組方針について教えてください。

 「都は、昨年1月、『(仮称)多摩ニュータウンの新たな再生方針』(素案)を公表しました。多様な主体と連携しながら、モデル地区での先行プロジェクトでまちづくりを先導します。多摩ニュータウンの第一次入居地区である諏訪・永山地区では、永山駅周辺の再構築や、団地の建替えによる創出用地の活用、近隣センターのリニューアルなどを進めます。多摩センター駅周辺においては、再構築に向けて、駅周辺を対象とした検討会議を設置し検討を進めていきます。南大沢地区では、新たなモビリティやデータ連携基盤などのスマートサービスの社会実装に向けた取組を推進していきます」

―多摩地域の交通インフラの強化・充実にはどう取り組みますか。

 「多摩地域の持続的な発展のためには、交通基盤の整備が重要です。多摩ニュータウンを東西に横断し、稲城、多摩、八王子を経由し、町田に至る南多摩尾根幹線について都は現在、全線4車線化に向けた整備を進めています。また、大規模災害時に都庁の代替機能を担い、首都防衛の要となる、立川の広域防災拠点の機能を強化するほか、拠点へのアクセスルートとなる都市計画道路等の事業も推進していきます。そして、多摩を南北に縦断する多摩都市モノレールは、多摩の成長に不可欠な基幹的なインフラです。都は、上北台から箱根ケ崎方面への延伸について、30年代半ばの開業を目指し、都市計画決定に向けた手続等を進めています。多摩センター駅から町田方面への延伸については、多摩市と町田市が沿線まちづくり構想を策定したことを踏まえ、導入空間となる道路の検討や延伸の事業検証に着手しています。多摩地域には、JRや私鉄が多く走っており、住民の大切な足となっています。鉄道駅のホームドア整備を加速するため、国や鉄道事業者から成る協議会を設置しており、コスト縮減や工期短縮につながる対応策の検討を進めています」

―知事は、デジタル化や子育て施策にも熱心に取り組まれています。

 「デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出す『スマート東京』を実現し、都民のQOLを向上させていきたいと考えています。例えば、多摩・島しょ地域を皮切りに都内全域で3次元点群データを取得し、オープンデータとして公開しました。点群データは、様々な分析・シミュレーションに活用できますが、特に多摩地域の防災やまちづくりでの取組に生かしています」

 「自動運転技術の実装も進めており、昨年12月、多摩センター駅で運転手搭乗型の自動運転バスを運行しました。今年2月には箱根ケ崎駅周辺でも運行するなど、取組のステップアップを図り、技術精度の向上につなげます。さらにこどもDXとして、保育園探しから入園までの手続がオンラインで完結する『保活ワンストップサービス』を調布市、板橋区、足立区の保育施設で先行実施しています。DX推進に当たっては、デジタルの専門家集団『GovTech東京』の力も生かし、市町村が抱える課題の解決に向けた支援のほか、都民の利便性の実感に向け、オール東京で推し進めます」

 「また、子供は次の時代を担う大切な存在です。これまで、チルドレンファーストの社会の実現に向け、18歳までの子供へ月額5千円支給する018サポートや第二子の保育料無償化、高校等授業料の実質無償化など、子育て支援の充実に全力で取り組んできました。今後、第一子の保育料無償化について今年9月からの開始を目指すなど、支援の充実に努めていきます」

 「学校給食について、都は、昨年4月から国に先行し、区市町村が行う学校給食費の負担軽減に向けた取組を支援しており、この3学期から、都内全ての区市町村で無償化が実現しました」

 「増加する相談件数に対応するため、25年度、町田児童相談所(仮称)を開設します。多摩地域では、今後、武蔵野、福生に新たな児童相談所の開設を予定しており、きめ細かな相談体制を整備していきます」

―多摩地域で暮らす都民へメッセージをお願いします。

 「30市町村、約437万人が暮らす多摩地域は、緑豊かな自然、良好な住環境、企業や大学が集積するなど、多様な魅力とポテンシャルを持つ、東京の持続的な発展に欠かせない存在であり、より一層、多摩振興に取り組んでいきます。そして、多彩な魅力を全国の人に知ってもらうことで、多摩はもっと輝きます。多摩を戦略的かつ大胆にPRし、誰もが訪れたい、住みたいと思う地域をつくり上げてまいります」

2025年の二十歳を祝う会で実行委員長を務める 西村 優太朗さん 中野町在住 24歳

教育へ情熱抱く行動派

 ○…「20歳を祝うことに携わってみよう」と実行委員会の公募に申し込んだ。初参加で、18歳から24歳までの8人のまとめ役を任された。昨年夏から月に1回話し合いを重ね、ようやく本番を迎える。地元出身で地元愛が強いメンバーの提案をうまく取り入れ、「なるべくみんなの想いが反映できるように」を心掛けた。「華やかな姿を見るのが楽しみ」と見守る目線はまるで兄のようだ。

 ○…2020年のコロナ禍で自身の成人式を迎えたのを懐かしむ。規模の縮小、分散開催など例年通りにいかない部分は多々あったが、「それでも開催してくれた」という感謝の念を抱く。久々の友との再会で、対面で直接会うことの大事さを感じた。「意気込んで行ったわけではなかったけど、元気をもらえた。参加することで後々思い出に残ると実感した」

 ○…京都府出身。中1で将来の夢を教師に決めた。担任に何気なく勉強の質問をした際に「先生もわからない」と言われたが翌日、1枚の紙に答案レポートをまとめてきてくれた。「ちゃんと向き合ってくれている」と感激したのがきっかけだ。大学進学を機に八王子へ。教育学部に通い、小学校教諭を目指した。実習期間とコロナ禍が重なってしまい現場で経験を積めなかったという思いから大学院へ進学。現在は創価大学の教職大学院で学んでいる。

 ○…「いろんなことをやってみたくなっちゃう」の言葉通り、野球に陸上、卓球や合気道、マーチングなどたくさんのことに挑戦してきた。最近はウルトラマラソンに出場したり、スキューバダイビングを楽しんだり。好奇心と行動力はあると自負している。教師になって伝えたいのは、そんな視野の広さや視点の多さ。「やらない後悔よりやって後悔したい」

東京八王子ビートレインズ 2025年は13位発進

 プロバスケットボールB3・東京八王子ビートレインズは12月28・29日の2日間、アウェーで湘南ユナイテッドBCと対戦。2024年最後の試合は62―61、66―82と1勝1敗となった。このため、ビートレインズの今季成績は9勝17敗で、新年は全17チーム中13位発進となった。

 年明けは1月11日(土)、12日(日)にアウェーで岐阜スゥープスと対戦した後、ホーム2連戦。狭間駅徒歩2分のエスフォルタアリーナ八王子で1月18日(土)と19日(日)の2日間、12位の山口パッツファイブと対戦する。18日は午後4時、19日は午後1時試合開始。また、24日(金)と25日(土)は14位の金沢武士団と対戦。負けられない戦いが続く。24日は午後7時、25日は午後2時試合開始。

 クラブは現在、2階自由席を無料で招待している。希望者はクラブ公式HPから申込みを。詳細・問い合わせはチーム公式SNSへ。

ポスターを手にする枝川親方(左)と初宿市長

大相撲春巡業 6年ぶり「八王子場所」 4月 エスフォルタアリーナ

 幕内を含む総勢約190人の力士らが八王子に集結--。大相撲春巡業の「八王子場所」が、4月27日(日)に狭間町のエスフォルタアリーナ八王子で開催される。これに先立ち日本相撲協会巡業部の枝川親方(元幕内 蒼樹山)と主催者らが昨年12月20日に初宿和夫市長を表敬訪問し、概要について説明した。八王子市での大相撲巡業の開催は2019年以来、6年ぶりとなる。

 八王子場所は、市制100周年を記念して26年ぶりに開催された2017年以降、3年連続で開かれていたが、コロナ禍もあり5年間にわたり行われて来なかった。今回は大相撲八王子場所実行委員会の構成企業の一社であるTOKYO MXの開局30周年を記念して催される。八王子市と市教育委員会などが後援。

 幕内と横綱の土俵入り、幕内取組み、弓取り式などが行われるほか、公開稽古や幕下以下の取組み、髪結い、初っ切り、相撲甚句、太鼓打分なども披露される。

相撲を身近に

 市役所の特別応接室で行われた表敬訪問で枝川親方は「再び八王子で開催できることをうれしく思う。巡業を通じて市民の皆様に相撲を身近に感じてもらえれば」とあいさつ。初宿市長も「6年ぶりの開催ということもあり、市民も楽しみにしている。成功を期待している」と歓迎した。

 チケットは2階イスB席4500円、タマリS席1万8000円など。チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、大相撲巡業チケット事務局で購入できる。詳細は公式ウェブサイト(【URL】https://www.hachioji.lme-sumo-jungyo.jp)。

 問い合わせは大相撲巡業チケット事務局【電話】0570・05・3366(午前10時から午後5時まで)。

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織物の町 八王子を体感 12・13日、メッセで催し同時開催

 東京たま未来メッセで1月12日(日)、13日(月・祝)の2日間、織物の町・八王子を体感できるイベントが2つ同時に開催される。午前10時から午後5時(13日は4時まで)。ともに入場無料。

 1つめは「日本遺産桑都フェスタ2025〜繊維でつながる"織物のまち"」と題した、日本遺産「桑都物語」推進協議会が主催する初開催のイベント。市内染織事業者との協働で開発したオリジナルブランド「ottary(オッタリー)」の発表展示のほか、山形や新潟、京都、岡山、徳島など、全国から「繊維」をテーマにした日本遺産が集結する。染物屋のワークショップや桑の葉を使ったお菓子販売など盛りだくさん。問い合わせは同協議会【電話】042・620・7434。

 2つめは八王子織物工業組合が主催する「千百年を紡ぐ八王子織物展」=外面で紹介。360度が見渡せるVRゴーグルで体験する織物工場見学など、デジタルコンテンツが充実。ほかにも多摩織伝統工芸士の指導による手織り体験などが楽しめる。また、「2024マルベリーシティーネクタイデザインコンペ」の入選作品も展示され、12日午後3時からは同会場で入賞者の表彰式も行われる。問い合わせは同組合【電話】042・624・8800。

初宿市長(左)と、パラリンピックに出場した宮嶋さん

市内在住 宮嶋選手、夢のパラ出場 パリで自己ベスト更新

 昨年8月28日から9月8日まで行われた「パリ2024パラリンピック競技大会」にカヌー競技で出場した市内在住の宮嶋志帆選手(33)が12月23日、初宿和夫市長に結果報告を行った。

 宮嶋さんはフランスのセーヌ・エ・マルヌ県にあるベール・シュル・マルヌ競技場で行われたカヌー・スプリントの女子バーシングル(運動機能障害VL3)と女子カヤックシングル(運動機能障害KL2)の2部門に出場。それぞれ12位、10位の成績を収めた。

 カヌーのスプリントは、流れのない静水で200メートルの直線コースでタイムを競う。大会当日は風も波も荒く条件は厳しかったが、宮嶋さんはカヤックの順位決定戦で自己ベストを更新したものの、0・11秒差で10位に。「うれしいけど、悔しかった。全レースしっかり漕ぎ切れた達成感もあった」と、レース直後の複雑な心境を振り返った。

 宮嶋さんは長崎県出身。0歳で先天性左下肢形成不全と診断され、生まれつき左足が右足の半分以下の長さ。3歳から水泳を始め、9歳の頃にテレビで見たシドニーのパラ大会の開・閉会式に感激し「いつか、絶対に出たい」と強く誓った。当時は、周囲に障がいがある人はおらず会えても年に1、2回。テレビに映る障がい者たちの輝く姿が心に刺さった。

 15歳で東京純心女子学園高等学校に編入するため、八王子へ。学生時代は水泳で出場を目指したが、怪我などがきっかけでボートに転向。26歳で出会ったカヌーにパラ出場の可能性を見出し、練習に励んできた。「出場できてほっとした。自分の中では20代前半で叶えてる予定だったので。やっとか、という気持ちだった」と出場決定の瞬間を振り返る宮嶋さん。

 今後の目標を尋ねると「もう1回、やってみようと思う。一桁台の順位が欲しい。8位以内を目標にパラリンピック出場を目指す」と話した。

地震により破損した花瓶や香炉を手作業で補修

一歩の会 能登被災寺の仏具を修復 八王子近隣の青年僧侶ら

 昨年の元日に発生した能登半島地震で被災した寺院を支援しようと、八王子市を中心に多摩地域の曹洞宗寺院に属する青年僧侶でつくる「一歩の会」(志茂智裕会長)が立ち上がった。石川県輪島市にある大本山總持寺祖院から震災により破損してしまった仏具を借り受け、同会の僧侶らが金継ぎなどを施して、手作業で修復を試みている。

 同院は曹洞宗の大本山の一つである總持寺が、火災をきっかけに1911年に現在地(神奈川県横浜市)へ移転する前まであった場所。後に祖院として再建された。

 能登半島地震で最大震度7の大地震に襲われた同院は、国の有形文化財に登録されている建物の一部が倒壊するなど甚大な被害を受けており、法要で使用する陶器や漆器の仏具の類も数多くが破損してしまったという。同会はこの修復に名乗りを上げた。

 昨年8月にプロを招いた研修会を開いて金継ぎの手法を学び、10月に役員らが現地を訪れて被害状況を目の当たりにするとともに、破損した花瓶や香炉などの仏具を預かってきた。志茂会長は「大本山としても、まずは文化財の建物などを補修しなくてはならず、仏具まで手が回っていない状況。自分たちができることで復興のお手伝いをしたいと考えた」と思いを語る。

心支える一助に

 今年度設立から55周年を迎える一歩の会は、仏具の修復を通じた復興支援を記念事業とした。昨年11月に初沢町の高乘寺で1回目の修復作業が行われ、13人の僧侶が破損した仏具の断面をやすりで削ってなめらかにしたり、欠けた部分をパテで埋めたり、ボンドで接着して上から金漆を施すなどの作業を7時間ほどかけて行って、生まれ変わらせた。55周年記念事業実行委員会の高野泰弘実行委員長(日の出町・天正寺)は「歴史ある寺院で長く使われ、今後も50年、100年と使われ続ける仏具を修復するというありがたい仕事をさせていただいた。現地の老師からも『仏具に残った跡から、後の世代に大きな地震があったことや、その時に修復をした人たちがいるということが伝わる』という言葉をいただいた。この作業が現地の人々の心を支える一助になれば」と話している。2月に2回目の修復作業を行い、3月に返還する予定という。

八日町で手作りイベント 乙女ヤアミアン店で

 八日町の乙女ヤアミアン店で1月中に、2つのイベントが行われる。

 12日(日)は、ハンドメイド体験イベント「第9回ワークショップDAY」。編み物、ミニサンキャッチャー、ブレスレット、キャンドル、ハーバリウムのボールペン・印鑑など手作り体験ができる。包丁研ぎやキッチンカーで米粉たこ焼き屋=写真=も参加。

 17日(金)・18日(土)は、第27回乙女ヤハンドメイドマーケットを開催。人気のワンコインマッサージやアクセサリー、消しゴムはんこ、編み物、布・和布小物、焼き菓子、リカちゃんのお洋服など手作り作品が販売される。

 両イベント共に、午前11時から午後4時まで。問い合わせは同店【電話】042・622・3518。

堆積した土を掘り出すセガサミーの選手たち

池の土、全部掘る セガサミー 選手がボランティア

 セガサミーホールディングス(株)所属のセガサミー野球部(西田真二監督)は昨年12月、市内各所でボランティア活動を行った。

 同部は以前から市内で災害復興ボランティア活動などを行っていたが、4年前に八王子市社会福祉協議会と正式に災害時ボランティア協定を締結。平時から顔の見える関係になることが災害時にも役立つとして、オフシーズンなどに奉仕活動を行っている。

バット置いて地域貢献

 昨年は、子ども向けにはティーボール教室を開き野球の楽しさを教えたほか、ラベンダー畑の整備やシイタケの原木運びなど、野球以外の力仕事にも奮闘。老人ホームや障害者通所施設などに選手が出向いた。

 12月10日には、聖パウロ学園高等学校(下恩方町)を選手7人が訪問。昇降口近くにある池に堆積した土を掘り出す作業に精を出した。同校の担当者は「(土で埋まっており)長らく池として使われてなかったが、これで大雨時は雨水を溜めておける」と謝意を表した。佐藤俊和助監督は「八王子に応援されるチームになるためにもこのような活動は続けていきたい」と話した。

 同部は2009年から戸吹町に専用球場を構え活動しており、プロ野球選手も輩出している。

冬晴れのもとで張替え作業が行われた

八幡八雲神社 年始 清らかな気持ちで 御神灯を張替え

 元横山町の八幡八雲神社(柚井正道宮司)で昨年12月22日、年末年始に向けた御神灯の張替え作業が同神社青年会の手で行われた。

 この日は会員ら約30人が参加。冬晴れの下で、36灯ある御神灯から前年の奉納者名が書かれた和紙をはがして、新しいものに張り替える作業に汗を流した。青年会の栗原一会長は「再びコロナやインフルエンザが流行し、闇バイトなどの物騒な事件も起きている中で、少しでも平和な世の中になればと会員一同で思いを込めて作業した。初詣に訪れる皆様が清らかな気持ちで新しい年を迎えてもらえれば」と語った。

節分まで設置

 張り替え作業を終えた御神灯は大みそかの日中に参道の両脇に設置され、31日の夜から年越しにかけて、中のろうそくに火を灯して参詣者を迎えた。このほど青年会の奉納で15年ぶりに新調された大旗(鳥居の前に立てるのぼり旗)とともに、2月の節分まで設置されている。

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昨年の出初式で行われたはしご乗り=市防災課提供

新年恒例の出初式 1月12日 浅川河川敷で

 八王子市役所前の浅川河川敷広場(元本郷町)で1月12日(日)、八王子市消防団による新春の風物詩・出初式が催される。

 消防団の幹部団員による分列行進や消防車両の展示、色付き水を放水する「七色の一斉放水」、音楽隊による演奏などが行われる。八王子消防署のはしご車演技、八王子消防記念会によるはしご乗り演技や木遣(きやり)の巡行も。

 午前9時から11時まで。(木遣の巡行は8時50分ごろから)。荒天中止。駐車場がないため、担当の市防災課では公共交通機関での来場を呼びかけている。

―連載小説・八王子空襲―キミ達の青い空 第16回 作者/前野 博

 (前回からのつづき)

 村上の運んできてくれたお茶を飲みながら、キミは村上の気持ちはよく分かると思った。

 「ねえ、おばさん達、今度、いつ来るの?」

 男の子が傍に立ち、キミの袖を引っ張った。

 「こら、おばさんとは、失礼だろう。恵介、お姉さんと呼びなさい」

 村上の指が、恵介の頭を弾いた。

 恵介の髪は、かなり伸びていた。今日、散髪をしてやれた子ども達は、全体の三分の一ほどであった。

 「わたし達が今度来るのは、いつになるのかしら?」

 キミは由江の方を見た。

 「今月の勤労奉仕の予定は、いっぱいよ。来月になるか、それも、理容組合で決めることだから、何とも言えないわね」

 戦局が厳しくなるに連れて、若い娘達は勤労動員され、勤労奉仕に出る日が多くなっていた。月一回が今は週三回になっていた。キミ達は、散髪の仕事が主であったが、山へ入っての薪拾いや、軍需工場の手伝いにも出かけて行った。

 「来月になっちゃうのか!」

 恵介ががっかりした声を上げた。

 「そんながっかりすることはないさ。恵介の頭は、明日早速、先生が散髪して、きれいにしてやる」

 村上が言った。子ども達の散髪は、通常、先生や寮母さんによって行われていた。専門の理容師と違って、上手ではない。虎刈りだったり、髪が揃っていなかったりと、子ども達からは評判が悪かった。

 「先生の散髪は、痛いから、嫌だよ」

 恵介が頬を膨らませた。

 西の山並みが夕焼けに染まり始めていたが、キミの頭の上の空はまだ青かった。空気が冷たくなってきた。キミは空を見上げ、静かで、とてもきれいだと思った。このところ、空襲警報が発令されることが多くなっていた。

〈つづく〉

◇このコーナーでは、揺籃社(追分町)から出版された前野博著「キミ達の青い空」を不定期連載しています。