海老名・座間・綾瀬版【2月21日(金)号】
予算案を説明する佐藤市長

座間市25年度予算案 子育て、市民生活に重点 財源確保で特別職給与減

 座間市の佐藤弥斗市長は2月17日、総額848億888万円となる2025年度の当初予算案を発表した。一般会計は、508億2235万円で前年度より9・6%増加。過去最大を更新し、4年連続の増額編成となった。子育てや市民生活支援、脱炭素社会の推進に重点配分した。当初予算案は19日に開会した市議会定例会で審議される。

 歳入のうち自主財源は全体の47%を占めた。柱となる市税収入は前年度比5・8%増の206億6375万円を見込んだ。定額減税の終了や納税義務者の増加、市内企業の業績良化に伴い、個人市民税と法人市民税がいずれも増額となり、全体を押し上げた。

 依存財源では、社会教育施設や小中学校の整備事業に関連する教育債の増加で、市債は前年度比137%増の31億1590万円となる見通し。

 歳出では、人件費と扶助費が前年度比14・8%増えて、全体の6割を占めた。一方で借金返済にあたる公債費は前年度比2・9%減額した。

 普通建設事業費は公共施設や小中学校の改修に伴い、前年度比38・6%増となる33億3830万円とした。

 座間市では今年1月時点で15億7千万円の財源不足が見込まれていた。予算編成にあたっては佐藤市長を本部長とする健全財政戦略本部を6年ぶりに設置した。

 厳しい財政状況を背景に、歳出額削減として市長10%、副市長7%、教育長5%の減額率とする特別職の給与減額を盛り込んだ条例案も提出。市議会で可決されれば今年4月から1年間実施する。佐藤市長は予算案について「全職員一丸となって将来を見据えて編成した」と説明した。

 重点を置く子育て支援事業では、市役所2階の子育て世代包括支援センターに、子ども家庭総合支援拠点の機能を統合。母子保健や児童福祉の一体的な相談支援機関を設置するとして、事業費約664万円を計上した。今年4月の設置を予定している。

 待機児童対策として、民間保育所1施設の分園整備と小規模保育施設を新設整備する。来年4月の開設予定で38人程度の定員増につなげる。

 物価高騰の影響を受ける市民や中小事業者を支援するとして、「キャッシュレス決済ポイント還元事業」に事業費1億6千万円を計上した。

 座間市では、これまでに2度、プレミアムポイント付商品券を実施してきたがキャッシュレスの支払いに対するポイント還元事業は初めて。5月〜6月ごろの開始を予定している。

記者(右)の背を超える長さになり、花の位置を下にずらしてゆく=海老名市上郷の温室 2月19日撮影

海老名座間など 「春かなピンク」初出荷 暖冬見すえた新品種

 県が開発したスイートピーの新品種「春かなピンク」が、海老名市や座間市などで初出荷を迎えた。暖冬や気温の高い春も品質の良い花に育ちやすく、2007年から県が開発を進めていた。花言葉は『門出』『別離』で、今後卒業式などの需要シーズンを迎える。

 県内のスイートピーは冬咲き性と呼ばれる品種が主流で、気温が高くなると株が衰えやすい。また、花がつく茎(ステム)が長いと市場で評価されるが、気温が高いと長く伸びる前に花をつけてしまうという。近年の暖冬傾向や生産者からの要望もあり、県農業技術センター(平塚市)では2007年から新品種を開発を進めていた。

 同センターでは冬咲き性の白い品種「ローブデコルテ」と、高めの気温でも衰えにくい「春咲き性」のピンクを交配させ「有望系統」を選抜。数年かけて品種としての特長が受け継がれるようにする「固定」を進め、特性などを調べていた。

 2023年度に海老名市や座間市の4戸、寒川町や茅ヶ崎市の10戸の生産者で試験栽培し、その結果も良好だった。昨年7月に農林水産省に「品種登録」を出願。名前の「春かな」は、生産者が提案した。

 色は人気のピンクで、主役の花を引き立てる淡い色が特長だという。同センターによると従来より花が大きく、花の数も多めという。

 初の出荷シーズンでは3千本の出荷予定で、今後は規模を増やして4年後には4万本を目指している。海老名市上郷の深澤伸治さん(70)は昭和20年代から三代にわたりスイートピー栽培を続けており「大ぶりに育ってほしい」と期待を寄せる。「春かなピンク」は座間市入谷西や栗原中央にあるJAさがみ米ディハウスでも販売する。

綾瀬市中央公民館で「ブリラン展」を初開催した 西村 美加さん 綾瀬市早川在住 56歳

眠れる魅力 引き寄せる

 ○…「魔女の館」やトルコ風ランプなど幻想的な作品展をプロデュースした。これまで自身の店に展示していた作家たちによるもので、中には趣味の域を超えてプロになった仲間もいる。「店内だけではもったいない。才能を紹介したい」と外に発信することに決めた。自身の作品は控えめに、主役は仲間。受付で来場者が驚く様子を幸せそうに眺めていた。

 ○…寺尾の風車公園近くで生花店を営み、普段はオーダーの花束などを販売している。来店者のリクエストをしっかり聞いて「全力投球する」のがポリシー。ドアを開けると生花店のイメージとは違ったアートとのコラボスペースで「中に入るのに勇気がいる店」と朗らかに笑った。年に一度の成人の日になると若者が行列を作る。花束を大切な人に贈るらしい。

 ○…「カシ中」(柏ケ谷中学校)出身。忠実屋(現在のドン・キホーテ)にあった生花店でアルバイトを始め、来店客の笑顔を見るうちに「この道を究めたい」とアレンジなどを独学した。タウンヒルズ内の生花店で10年店長を務め、その後独立した。「最初はお客さんが来なくて、いつも一人ぼっちでした」。このままでは、と外に出てハンドメイドイベントなどに参加、店を知ってもらい来店者を増やした。今は商工会女性部の副部長も務め、多忙な中で仲間と地域向けのクリスマスイベントなどを開く。

 ○…近年、築100年の古民家に移った。間取りは土間つき7LDKと、作品収蔵庫にはもってこい。手を加えた内部も作品のようで障子もステンドグラス風に仲間が模様替えした。「私は35年間花だけでした。できないことは助け合えばいい」。ミステリアスな個性が大らかな器に集まり、異色のモザイクをなしている。

楽しく学ぶ防災フェス 23日 海老名で

 災害に対する正しい知識と適切な行動を楽しく学べる「扇町防災フェス」が、2月23日(日)に海老名駅西口中心広場で開かれる。

 会場では水消火器や煙ハウス、起震車、災害対応型自販機の実演など災害体験コーナーやペットの避難の注意点を学ぶブースを用意。消防車や救急車、ポンプ車などの災害車両の展示コーナーでは乗車体験や写真撮影もできる。

 避難所での食事提供を想定した豚汁炊き出し訓練も実施。500食を無料配布する(一人1食、先着順)。ららぽーと海老名1階では、「フェーズフリー」をテーマとした防災スタンプラリーも同時開催する。

 時間は午前11時から午後4時(荒天中止)。

 (問)(一社)海老名扇町エリアマネジメント【電話】046・204・6721

座間市役所で行われた出陣式

「防犯の目」広がれ 座間市で一斉パトロール

 座間警察署(佐々木進署長)と座間防犯協会(近藤昭夫会長)が2月14日、緊急防犯対策として一斉パトロールを実施した。

 座間署管内では、昨年1間で633件の刑法犯が発生した。前年よりも15件減少したが、闇バイトに関連する強盗事件や特殊詐欺が各地で増えていることから、市民の体感治安が低下しているとして一斉パトロールを企画した。

 出陣式には、自治会や防犯協会構成団体の関係者らが出席。佐々木署長は、「闇バイトによる強盗事件では、数名が犯行の下見でコンビニなどに集まる特徴がある。普段から防犯の目を意識して周囲に広めてほしい」と呼びかけた。

あいさつする鈴木ガバナー補佐

人の魅力で「増強」 4市10クラブから200人

 海老名市や座間市、大和市、厚木市の10ロータリークラブ会員が集う国際ロータリー第2780地区第6グループのインターシティーミーティング(鈴木義隆ガバナー補佐、以下IM)が、2月9日にレンブラントホテル海老名で開かれた。

 IMは近隣都市単位で開かれる会合の一つで、地域の未来や今後の奉仕活動について話し合うもの。海老名ロータリークラブ(内野一成会長)がホストクラブを務め、約200人が参加した。

 主催者としてあいさつした鈴木ガバナー補佐は「親睦を深め、共通課題や問題点を考える機会。今後の発展につなげよう」と呼びかけた。

 この日は、クラブの活性化は魅力ある人からとして「THE増強」をテーマに、各クラブが自慢の会員を紹介し、活動に取り組む姿勢や人柄などを披露した。

「魔女の館」に熱視線 ブリラン展にぎわう

 綾瀬市の中央公民館で2月15と16日に独創的な工芸品を集めた「ブリラン展」が開かれた。

 作品は西洋花館ブリランテ(綾瀬市寺尾中)で展示している作家などによるもの。もっと多くの人に個性を知ってもらおうと西村美加代表=人物風土記で紹介=が初企画した。レジンで水晶のように仕上げたアクセサリーやトルコランプ風の照明、レトロな金属製品にしか見えない紙を使った工芸のコーナーも。

 3年ほど前から創作を続ける山浦しのぶさん(海老名市在住)は魔女の館(=写真上)を展示。中には苔むした階段を備え、虫眼鏡で作ったとしか思えないサイズ。手のひらほどの戸棚には試験管や妖しい巻物が並び、来場者が熱心にのぞき込んでいた。

楽しく運動 成果を実感 海老名市社協の健康教室

 海老名市社会福祉協議会が海老名市在住の65歳以上を対象に実施している「こころとカラダの健康教室ともの輪」が賑わっている。

 健康教室は、認知症や介護予防を目的に海老名市からの委託事業として実施されており、コミセンや自治会館などで開かれている。全身のさすり運動やストレッチ、筋トレなど運動が苦手な人でもできるのが特長で、休憩を入れながら計90分の体操を行う。

 参加者からは「継続することで身体が動くようになった」という感想や「通っていたら友達ができた」という声も。希望者は上履きや飲み物など持参で直接会場へ。参加無料。主催者は「自宅で体温を測ってから来場ください」と話している。3月の日程は表参照。

(問)海老名市社協【電話】046・232・1600

自己流の墨絵。楽しむが基本スタンス

俳優の石丸さん「ネバー・トゥー・レイト」の精神 好奇心に駆られるままに

 ウインドサーフィン、登山、スキー、自転車、ピアノ、墨絵…と多趣味で知られる俳優の石丸謙二郎さん。中にはプロ並みの腕前を誇るものもあり、多才ぶりに驚かされる。そんな石丸さんを突き動かすのは好奇心。「興味が湧いたらまずやってみる」のスタンスが人生をより豊かに、楽しくしてくれるのだとか。”石丸流”の人生100年時代を生きるヒントを聞いた。

 ――熱中できる楽しみをたくさんお持ちです。

 「ベースとなるのは『海と山』。風が吹いたらウインドサーフィンを楽しんでいるが、毎回コンディションが整うとは限らない。のんびり風待ちをして過ごす人もいるが、性格的にぼーっとできないのでそんな時は自転車を漕いだり、山に出向いてクライミングをしたり。欲張ってあれもこれも楽しんでいる。よく動いて、よく食べて、よく寝る。遊びが心身の健康維持に欠かせない」

 ――37歳まで趣味を封印していたそうですね。

 「役者という仕事柄、怪我をすることができない。日焼けもご法度。自分の立ち位置を確立しなければならないという思いもあり、あえて遠ざけていた。余裕を持てるようになって、一人で楽しめるものはと考えてウインドサーフィンにチャレンジしたが、簡単にはいかない。その悔しさがのめり込むきっかけとなった。上達の早道は実戦だと教えられ、レースにも参加。10年でアマチュアのトップレベルになり、61歳の時に73・71Kmという当時の日本第2位のスピード記録を出すことができた」

 ――スキーも60歳になってからです。

 「スノーシューを履いて雪山を歩いていた時、スキーならもっと楽に動けることに気付いて。これも夢中になって練習して1日にリフト80本乗った日もあった。上達すると世界が広がって、もっと楽しくなる。今シーズンはスノーボードにも初挑戦する。5年周期くらいで自分を突き動かす何かとの出会いがある。いつも心を開いているからこそ、新たな価値観を受け入れられる」

 ――ピアノもその一つですか?

 「ウインド仲間にジャズピアニストがいて、教えてもらった。1曲だけに絞って練習を重ね、駅にあるストリートピアノをこっそり弾いたことも。指先を通して身体と音が一体化する感覚が新鮮で、ピアノの魅力を理解できた。自分とは無縁の世界だと思っていたが、やってみることが大切。年齢は関係ない。『ネバー・トゥー・レイト』の言葉通りだ」

 ――登山家なら誰もが憧れるマッターホルン登(とう)攀(はん)に成功しました。

 「成功率は五分五分と言われていて、体力的にも厳しいものがあったが、挑戦してよかった。実は登山から派生した趣味に墨絵がある。訪れた先で感じたことを揮毫する野筆セットをアウトドアメーカーから渡されたが使い方を勘違いし、スケッチブックを山に持ち込んで絵を描いていた。恥ずかしい思いをしたが、それが今では個展を開くまでに。うん、これはこれで楽しい」

《石丸謙二郎(71)/俳優でナレーター。登山をテーマにしたラジオ番組『山カフェ』が人気》

大黒天にちなむ鮮やかな衣装が印象的

動きぴたり大黒舞 海老名市ちふれん

 海老名市地域婦人団体連絡協議会(海老名市ちふれん・紅野弘子会長)の有志が、2月13日に市文化会館のステージで「大黒舞」を披露した。

 同会は小学校の新入学児童のために折り鶴を作って渡したり、市文化芸術協会の文化祭で手作り品を販売するなどの活動を続けている。

 大黒舞はこの日開催された「第62回県地域婦人団体活動研究発表大会」の最後を飾ったアトラクション。大黒天にちなんだ衣装に身をつつんだメンバーが、鈴のついた打出の小槌を鳴らしながら揃った動きで観客を魅了した。50年以上前から受け継がれており、最近は1年に1度海老名市はやし保存連絡協議会の叩き初めに参加、舞い手が観客に飴をまくのが恒例という。

綾瀬市 遺跡調査の報告会 3月8日 中央公民館で

 綾瀬市の遺跡調査成果報告会が3月8日(土)午後1時30分から4時まで中央公民館で開催される。

 市内では開発にともない2020年に吉岡地区の山崎遺跡、23年と24年に寺尾地区の中尾遺跡で調査が行われ、2つの遺跡からは縄文時代の住居跡や土器・石器などが発見された。中尾遺跡では奈良・平安時代の「溝」が見つかっている。

 調査に携わった(株)アーク・フィールドワークシステムの吉岡秀範氏が講師として語る。土器や石器も展示される。

 定員50人で、申し込みは3月7日までに同市生涯学習課に申し込みを。

 (問)同課【電話】0467・70・5637

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)

茶道を身近に 海老名で体験教室

 海老名市茶道協会「和会」(荒井祐子代表)は、3月23日(日)にえびな市民活動センタービナレッジの3階和室で「第3回茶道体験教室」を開催する。会費は1人500円。

 教室では、茶会の所作や茶道の作法を初心者にもわかりやすく解説する。和菓子や自分で点てた抹茶を楽しむことができる。

 同会の荒井会長は「茶道は敷居が高いと思われがちですが、この体験会を通じて、茶道を身近に感じてくれたらうれしい」と話している。

 当日は、午前10時から11時30分。午後0時30分から2時。2時30分から4時の3組制で実施する。定員は各組10人程度。事前申し込み制で、定員になり次第締め切り。服装は自由だが、参加希望者は白のソックスの持参を。

 (問)荒井会長【携帯電話】090・5498・1267

仕事の魅力が語られた

海老名JC 中学生に職業講話 将来を考えるヒントに

 (公社)海老名青年会議所(鈴木輝彦理事長)が2月5日と6日に、海老名市立大谷中学校と同有馬中学校で職業講話を行った。

  職業講話は将来を考えるヒントにしてもらおうと、海老名市教育委員会から同団体に依頼し、中学1年生を対象に実施した。飲食業やダンサー、弁護士など、10職種10人の同団体メンバーが講師として登壇。それぞれの職業の魅力や仕事へ向き合う姿勢などを語った。

 生徒らは、普段の授業と異なる内容に興味を持って耳を傾け、「給料はいくらですか」「仕事で一番大変だったことは何ですか」などと積極的に質問していた。

 講師を務めた成井侑さんは「子どもたちの将来にとって、職業の選択肢を広げる一助になれば嬉しいです」と話した。

相武台前でちょい呑み 2月18日(火)、19日(水)に

 地域密着型はしご酒イベント「相武台前ちょい呑みフェスティバル」が、2月18日(火)と19日(水)に小田急線の相武台前駅周辺で開かれる。

 このイベントは座間市商工会青年部が主催で、今回が9回目。

 チケットは3枚つづりで、価格は3千円(前売り2800円)。 36店舗の参加店から行きたい3店舗を選び、ちょい呑みセットを楽しむことができる。

 チケットの販売は、当日午後5時から10時まで、相武台前南口駅前と北口アンクルサム付近で行う。前売り券は、各参加店で販売している。

 (問)座間市商工会青年部【電話】046・251・1040