八王子版【4月3日(木)号】
関東総合通信局長賞を受賞した奥山さん(右)と同局の箭内さん

多摩美大学院生 アニメで地元の魅力発信 関東デジコンで入賞

 多摩美術大学大学院の奥山樹生さんの制作した八王子の歴史的な偉人・大久保長安について紹介したアニメーション動画が、総務省関東総合通信局が主催する「関東デジタルコンテンツ・アワード2024」で関東総合通信局長賞を受賞した。

 同アワードは、学生によるデジタルコンテンツの制作を通し、地域の魅力を再認識することなどを目的に行われている。

 応募資格は、関東圏の学校に在籍する個人やグループ。今年は応募された18作品の中から6つに関東総合通信局長賞が贈られた。

 奥山さんは昨年、市内で行われた「令和6年度八王子学生CMコンテスト」に、八王子の街の基礎をつくったといわれている大久保長安を題材としたアニメ動画を制作して応募。今年2月に全41作品から最優秀賞に選ばれた。そこで、CMコンテストの主催で産学連携機関である大学コンソーシアム八王子が、同時期に実施しており目的が類似している同アワードに推薦。その結果、最高賞である関東総合通信局長賞の受賞に至った。

ラップで紹介

 動画は30秒間。親しみやすい絵柄で描かれた長安と一緒に、さまざまな功績をラップで紹介する。「まちの礎 築いた ひげがお茶目な お兄ちゃん」「堤防築いた 石見土手 まちを見守り 安全に統治」など、覚えやすい歌詞を並べた。

 奥山さんは、同大学院で演劇舞踊などを学ぶ2年生。以前から長池(別所)に伝わる「長池伝説」を地域のイベントで講談調に披露するなど、まちの歴史に関心を寄せ、新しい見せ方を模索してきた。CMコンテストにも過去2回出品しており、今年の題材を探すなかで大久保長安について知り、「多くの人に知ってもらいたい」とこの動画を制作した。

 3月27日に多摩美術大学八王子キャンパス(鑓水)で行われた表彰状手交式には、奥山さんの他、総務省同局から上席企画監理官の箭内昌広さんらが出席。同賞に選んだ理由として、「ラップを入れ込む企画力の高さやリズミカルさが楽しめた」と評価のポイントを説明した。

3万9000人目の来場者(前列中央)と記念写真を撮るチームメンバーら

東京八王子ビートレインズ 来場者3万9000人達成 新B2参入条件、一つクリア

 プロバスケB3・東京八王子ビートレインズが3月29日、エスフォルタアリーナ八王子で今季の必達目標に掲げていた「ホーム戦の総来場者数3万9000人」を達成した。2026年に革新される新BリーグでこれまでのB2にあたる「Bリーグワン」の参入条件の1つをクリアしたことで、昇格へと一歩近づいたことになる。

 「八王子市民デー」の初日として行われたこの日、達成したのは試合開始約1時間前の午後4時過ぎ。アリーナMCを務める粕谷智成さんが場内アナウンスで「大切なお知らせ」として目標達成を告げると、会場からは拍手が湧き起こり、お祝いムードに包まれた。

 アナウンス後、すぐに達成記念として応援グッズになるハリセンが来場者に配られ、手拍子が始まると勝利への熱気は一層高まった。

 ハーフタイムにはお笑いタレントのはなわさんが特別ゲストとして登場。祝福のコメントと「八王子のうた」で会場を盛り上げた。試合終了後には達成記念のセレモニーを開催。代表取締役常務の高松僚さんがあいさつに立ち、「5年前から『八王子一丸』を掲げて走ってきた。3万9000人は、本当に達成できるのかという声もあったが、選手とクラブスタッフは今季、最高の興行・好ゲーム・最後まであきらめない試合をやるぞと決意してスタートした。今日は記念の日。日頃から支えて頂いている皆さまと共に目標を達成できて感謝の気持ちでいっぱい」と謝意を述べた。

 記念すべき3万9000人目の来場者となったのは諸原悠人さん(東浅川小4年)。セレモニーでは選手のサイン入りTシャツが贈られ、選手たちと記念写真も撮影。バスケ教室に通う諸原さんは「すごくおどろいたし、うれしかった!」と目を輝かせ、1階席で観戦した感想として「(プロ選手は)プレーがうまくて、かっこいい。自分もダンクをたくさん決める選手なりたい」と話していた。

岐阜に惜敗

 29日はお祝いムードの中、いつも以上に熱のこもった声援が送られると、ビートレインズは好発進。第1・2クォーターを終え、9点リードで迎えた第3クォーター。立ち上がりを突かれ同点に追いつかれると、抜きつ抜かれつの大接戦に。試合終了まで残り1分13秒で1点リードしたが、フリースローに加えラスト16秒で1ゴール決められ、71―73と惜敗。30日も奮闘かなわず76―79と惜しくも2連敗を喫した。

 成績は20勝28敗で全17チーム中13位。2日間の来場者数は3682人でホーム戦24試合消化時点での総来場者数は4万1570人となった。

 次のホーム戦は4月4・5日、東京ユナイテッドバスケットボールクラブと対戦。今季最後のホーム戦で、4日は午後6時20分、5日は2時、公演開始(試合はその1時間後に開始)。詳細はクラブ公式ホームページやSNSへ。

旗揚げから10周年を迎えた社会人劇団「パフォーマンス集団ヨロコンデ」の代表を務める 倉上 由香さん 大和田町在住 53歳

次世代につなぐ演劇愛

 ○…劇団立ち上げ時からのメンバーで、昨年10月から代表の座を引き継いだ。劇団は今年で創立10周年、7月から全6回の記念公演を予定しており稽古にも熱が入る。「観客がセリフを読み上げて参加できるのが体験型演劇の面白さ。観るだけではない、新感覚の没入感を楽しんでもらえれば」

 ○…八王子出身。演劇との出会いは小学生の時まで遡る。漫画「ガラスの仮面」に影響を受け、友人と演劇クラブを創部。中学、高校でも演劇部に所属したが、当時流行した不条理劇に馴染めず、演劇から離れた時期もあった。ところが米国留学中にブロードウェイで観劇した「レ・ミゼラブル」に感動、帰国後は働きながらミュージカルの専門学校へ通うほど演劇熱が再燃した。やがて「商業演劇よりも純粋に芝居に取り組んでいるアマチュア演劇の方が自分に合っているのでは」と社会人劇団や市民劇団に所属し、後のヨロコンデの旗揚げに至った。

 ○…当初は役者として舞台に立っていたが、演出の面白さに目覚め、現在は演出や脚本、広報などを担当。「観客に楽しんでもらうことが一番」をモットーに、役者のメンタルケアにも心を配る。課題である人手不足を逆手に取った観客参加型演劇は好評、放課後子ども教室での体験講座を実施するなど地域活動にも取り組む。「今後は後進の育成にも少しずつ力を入れていきたい」と将来を見据える。

 ○…現在は働きながら通信制の大学で文学部の「表現文化」を学んでいる。普遍的なテーマを描いた国内外の名著を読み解くことや美しい文章、表現を学ぶことを楽しみ、またそれが演劇にも役立つと感じている。「好きなことなら続けられる」とまだまだ演劇への探求心は尽きない。

北RCが国際奉仕 ランドセル219個を寄附

 東京八王子北ロータリークラブ(北RC/伊藤和生会長)が3月25日、市内外から集まったランドセル219個をアフガニスタンの子どもたちへ寄附した。

 北RCの創設30年を記念した事業で、今回初の取り組み。ランドセル用素材を生産する(株)クラレが主催する奉仕プログラム「ランドセルは海を越えて」に協力する形で実現した。

 役目を終えたランドセルを集めるため、100個を目標に掲げ八王子市教育委員会や小中学校のPTA連合会、校長会などに協力を依頼。北RCが毎年開催しているふれあいコンサートへの持参を呼びかけると、予想以上の数が集まったという。

 伊藤会長は「目標をはるかに超えて、こんなに集まるとは思っていなかった。市内だけでなく近隣からもご協力をいただき感謝している」と話した。

 集まったランドセルは伊藤会長、石井洋平幹事、田中隆実行委員長が横浜の倉庫へと送り届けた=写真。この後、コンテナへと積み込まれ船便で発送されるという。

咲き始めた桜の花=3月31日撮影

片倉町で「花見の会」 5日、つどいの森公園で

 片倉つどいの森公園で4月5日(土)、地元町会主催による「花見の会」が行われる。

 14回目となる今回も、からあげや焼きそばなどのキッチンカー・模擬店、太鼓やよさこいなどのステージ発表、ビンゴゲームなどを開催。

 主催する西片倉町会の塚本富男会長によると、同地区には神社や寺がなく、地域住民が集まる季節の催しがなかったことからこの会を始めたという。「子どもたちのためにも開催している。会場を訪れた人同士、ぜひ顔見知りになってほしい」と塚本会長は話している。

 桜のスポットしても知られる同公園。同町会では過去2回ほど、公園内にソメイヨシノを植樹するなど桜の育成にも力を入れている。

 会場は同公園内の調整池がある「森のステージ」付近。公園に駐車場はあるが台数に限りがあるため公共交通機関での来場を呼びかけている。

 時間は午前10時から午後3時30分頃。雨天時は6日(日)に順延。

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今年度の市のリフォーム補助金「居住環境整備補助金」の申請が4月15日からスタートするのを受け、対象工事などを解説する説明会が4月12日(土)に八王子商工会議所(... (続きを読む)
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寄贈されたランドセルカバー

スリーボンド 1年生にランドセルカバー 交通安全の願い込め

 南大沢に本社がある接着剤・シール剤製造メーカーの株式会社スリーボンド(上畑祐二代表取締役社長)が、市内市立小学校の新1年生にランドセルカバーを寄贈した。

 蛍光イエローの生地と反射材の帯はドライバーからも視認されやすく、カバーの中央には市の交通安全推進キャラクター「あんプリくん」とスリーボンド野球部のマスコットキャラクター「キング・ビータ」が仲良く手を挙げて横断歩道を渡っているイラストが描かれている。

 市内企業からのランドセルカバーの寄贈は初めてで、これまでは交通安全の一環として市の予算で購入し、児童に配布していた。対象の新1年生は、3月1日時点で約3700人。市を通じて約4000枚を寄贈した同社宣伝企画部の担当者は「子どもたちが安全に通学でき、楽しい学校生活を過ごせるよう願っています」と話している。

コップを手にした児童らとメンバー

西RC タイへ浄水器寄贈 6年目、今年は4校に

 東京八王子西ロータリークラブ(西RC/山口覚会長)が継続して取り組んでいるタイの学校への浄水器設置事業を今年も行った。3月10日には現地で式典が行われ、西RCからは会員11人が参加した。

 友好クラブの締結を交わしている現地のノンケームロータリークラブの協力のもと2020年からはじまった事業。今年で6年目となり、これまでに24校へ寄贈している。今年は、幼稚園から中学生までが在籍するワット・チャナ・ソンサーン校(244人)とワット・ファスアン校(108人)など全4校に浄水器セットを寄贈。うち2校を訪れ現場を視察し、メンバーは歓待を受けた。

 ノンケーム市では土壌汚染や古い水道管により石灰が水に混ざってしまい、不衛生で白く濁った水を飲料水や調理用に使用している現状があったという。

 西RCは「浄水器の導入で健康維持の一助としたい。子どもたちの笑顔と健康のためにこの取り組みは継続していきたい」と展望した。

パネリストの(左から)奥さん、青木さん、中野さん

「なりたい八王子」を語ろう 初開催の勉強会に90人

 まちの未来を考える「八王子まちづくり勉強会」が3月26日、東京たま未来メッセで初めて開催された。主催は同実行委員会(滝田泰彦実行委員長)。

 JR八王子駅周辺エリアの「こうなったらいいな」をみんなでアイデア出ししてみよう、という趣旨の集まりで学生や社会人など約90人が参加。

 全国の駅周辺の再開発やにぎわい創りの事例を学んだ後、地域を盛り上げる3人がパネルディスカッションを行った。登壇したのは肌着専門店イツミヤ代表でご当地YouTuberの中野智行さんと、若者の雇用創出に取り組む会社めだかやドットコム代表の青木崇浩さん、音楽フェスHACHIDORI実行委員長を務める奥泰正さん。進行の永澤明彦さんからの「八王子の弱みは?」「アイデアの源泉は?」などの質問にそれぞれ答えた。3人の軽妙なやりとりに会場は笑いに包まれる場面もあった。その後は参加者が5・6人のグループに分かれ、感想や自分の考えを述べあい、「八王子がもっとよくなるアイデア」を全員で輪になり発表した=下写真。

 参加した小野道人さん(44)は「日頃は男性経営者と話すことが多いので学生や女性、いろんな人と話せてよかった。柔軟性を感じて気づきがあった」と話していた。

 滝田実行委員長は「初回だったので結論は求めず、皆さんのアイデアがどんどん出る運営を目指した。参加者自身がなりたい街を考えるきっかけが作れた。次回は夏ごろに開催したい」と手応えを話した。

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真剣そのものの稽古風景=3月22日・北野市民センター

社会人劇団ヨロコンデ 10周年公演 稽古に熱 観客参加型劇 7月より公開

 八王子を拠点に活動する社会人劇団「パフォーマンス集団ヨロコンデ」(倉上由香代表=人物風土記で紹介)が旗揚げから10周年の節目を迎え、7月から始まる記念公演に向けて熱の入った稽古に励んでいる。3月22日には北野市民センターで公開稽古を披露した。

 ヨロコンデは2015年に市民劇団から独立した3人を中心としたメンバーで「自分たちでオリジナルの作品をやろう」と発足。観客を喜ばせ、自分たちも喜んで活動する団体を目指して命名したという。以来、市内で舞台公演や演劇ワークショップを開催するなど精力的に活動し、19年に初めて体験型演劇「銀河鉄道の夜」を公演。観客が物語の登場人物の一人としてセリフを読み上げることで、より深い没入感を感じられるというユニークな朗読劇を生み出した。コロナ禍で集まっての稽古や公演が難しくなった際も、ビデオ通話アプリで戯曲の読み合わせを行うなどオンライン稽古を取り入れて演劇の種火を守り続けてきた。

 10周年を迎えた今年、記念に大きな会場で公演を催すことも考えたが、「これまで地域密着で活動してきた志を変えず、小さくてもできる範囲で地域を巡って公演をしよう」と7月から10月にかけて、市内の市民センターなどを会場に6公演を実施することを決めたという。

ホームズが事件解決

 記念公演は、観客参加型ミステリー劇「ミス・シャーロック・ホームズの憂鬱」。いずれも女性の名探偵ホームズと助手のワトソンが殺人事件の謎を解いていく物語で、希望した観客がセリフを読める登場人物も用意されている。またホームズファンならニヤリとできるような要素も散りばめられているという。脚本・演出も担当する倉上代表は「演劇を観るだけでなく、体験する楽しさを気軽に味わってもらえれば。おかげさまで10年の節目を迎えることができた。これからもできる限り長くお客様と一緒に喜びながら活動していきたい」と話した。

 公演の詳細は劇団HP(「八王子 ヨロコンデ」で検索)で確認を。

事業の案内チラシを手にする担当課職員

八王子市 高齢者の聞こえを支援 補聴器購入費を助成

 市は高齢者の健康寿命の延伸と介護予防・フレイル予防を目的とした「高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業」を4月1日から開始した。加齢性難聴に関する知識の普及啓発や補聴器購入費の一部助成を行うことで、聞こえづらさによる高齢者の社会参加の障壁を取り除き、誰もが健康でいきいきと生活できる社会を目指す。

 高齢化が進む中で、市は加齢性難聴が認知症や要介護状態の要因となることに着目。フレイルや社会的孤立、交通事故、うつ病など様々な健康リスクとなる難聴を早期発見・早期対応することで、高齢者の社会参加を促進し健康寿命の延伸を図る。

 市は昨年9月に市の健康アプリ「てくポ」を通じて利用者(60歳以上)に聞こえづらさや補聴器の購入に関するアンケート調査を実施しており、2000人以上から得た回答をこの事業の参考にしている。

補聴器の助成所得制限なし

 事業の一環として、加齢性難聴のセルフチェックなどを推進する講演会の開催、市のSNSや地域情報紙などを活用した情報発信を行い、高齢者の聞こえに関する知識の普及啓発に取り組むとしている。

 また65歳以上で中等度難聴と診断された市民を対象に、補聴器購入費の一部を助成する。特徴として所得制限がないことが挙げられ、市によれば「24年度時点で補聴器の購入費助成を実施している多摩地域の自治体は、いずれも何らかの所得制限を設けている」という。

 助成対象は管理医療機器の指定を受けた5万円を超える補聴器で、超えた分の金額を最大5万円まで助成する。たとえば購入価格が4万円なら助成の対象外、8万円なら3万円、10万円を超える場合は5万円が助成される。

申請の注意点

 助成金は事前申請制。オンラインフォームのみで受け付ける。申請には八王子市医師会に加盟している医療機関(耳鼻咽喉科)での聴力検査の結果と、市で登録している補聴器販売店が発行する補聴器の見積書が必要となる。自身でオンライン申請が難しい場合は、対象の補聴器販売店で代理申請も可能だ。ただし助成金の交付決定前に購入した補聴器は助成対象外となる。また身体障害者手帳(聴覚障害)を所持している人は、この助成金を申請できない。

 申請受付期間は第1次が2025年4月1日から8月31日(日)まで、第2次が10月1日(水)から26年2月28日(土)までで、いずれも予定申請額の上限に達し次第、受け付け終了となる。

 総事業費は1125万円。都の補助金を活用し、普及啓発事業の全額、購入費助成に関わる費用の半額を都が負担する。担当の市高齢者いきいき課は「聞こえに不安を感じている高齢者の皆様に本事業が早期対応の一助となり、より豊かな生活を送るきっかけになれば」と話している。

 事業に関する問い合わせは、同課【電話】042・620・7243。

東京八王子酒造でしぼりたての日本酒を楽しんだ参加者

花街で日本酒を堪能 飲み歩きイベント、盛況に

 西放射線ユーロードにある花街エリアを中心とした飲食店を巡り、日本酒を堪能するイベント「八王子花街日本酒めぐり」が3月29日に行われ、多くの日本酒ファンや地元住民で賑わった。

 参加者はイベント限定の「酔いどれ猫」のおちょこを手に参加店を巡り、各店舗がこの日のために用意した「ちょい呑みセット」と日本酒を楽しんだ。

 各店舗を巡るスタンプラリーや多摩地域の蔵元による日本酒の試飲・即売会も同時に開催され、長蛇の列ができる店舗もあり、貴重な日本酒を求める人々で賑わった。

 参加店の東京八王子酒造を訪れた古田文雄さん(74)は「黒塀通りは知っていたけど、来たことはなかった。日本酒が好きなので参加した。まだ2杯だけど、どんなお店があるのか楽しみ」と話していた。

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かてめしおにぎり(同社提供)

「かてめし」が商品に スーパーなどで限定販売

 八王子の伝統的な郷土料理「かてめし」を再現したおにぎりとごはんパックが、4月1日から30日(水)までの期間限定で市内の一部スーパーなどで販売されている。米穀卸の株式会社ミツハシ(本社=横浜市金沢区)が市と協働で開発し、商品化した。

 「かてめし」は人参やごぼうなどの地場野菜を混ぜ込んだご飯で、八王子周辺の農村で親しまれてきた郷土料理。近年は家庭で作られる機会が減っているが、市は学校給食での提供や文化庁「100年フード」認定などを通して、食文化の継承に力を入れている。

給食の味を再現

 今回ミツハシは、市学校給食課の協力のもと、半年以上をかけて開発。同社の担当者は給食で提供されている「優しい味わい」の再現に苦労したと話し、2月28日には初宿和夫市長が試食して「給食の味を再現している」と太鼓判を押した。

 また家庭でも作ってもらおうと、商品パッケージの二次元コードから市が紹介しているレシピを見ることができるようにしたといい、同社では「かてめしを通じて八王子の食文化を広め、郷土料理を次世代に伝えていく一助になれば」と話している。

 「かてめしおにぎり」と「かてめしごはんパック」は、関東を中心としたスーパーマーケットなどで販売。市内では道の駅八王子滝山(週末限定)や一部のスーパーマーケットで購入できる。問い合わせは同社お客様相談室【電話】0120・39・3284。

高乘寺で花まつり

 高乘寺(初沢町1425)で4月5日(土)、花まつりイベントが開かれる。午前10時から午後3時まで。入場無料。

 花まつりはお釈迦様の生誕を祝う行事。同寺では浅川中学校吹奏楽部の演奏や障害者就労支援施設によるリメイクキャンドル販売、野菜やアレンジフラワーのマルシェ、模擬店などを催す。

 問い合わせは同寺高尾霊園管理事務所【電話】042・661・6852。

朗読を楽しむ シニア講座

 生涯学習センター川口分館主催のゆうゆうシニア講座「朗読のすすめ」が5月21日(水)、6月4日(水)、6月18日(水)の全3回の日程で開催される。

 講師の矢内佑奈さんから発声の基本を学び、早口言葉やショートストーリーの朗読に挑戦して脳や舌筋の活性化を図る。

 受講料600円。対象は60歳以上で定員20人。メール(kouza-kawaguchi@city.hachioji.tokyo.jp)に講座名「朗読」、住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号を記載して申し込む。4月21日(月)必着。問い合わせは同館【電話】042・654・8450。

―連載小説・八王子空襲―キミ達の青い空 第19回 作者/前野 博

 (前回からのつづき)

 洋品店の今の家賃から、キミの月々の介護施設料金を捻出していた。隆達夫婦は、年金と貯蓄を切り崩しながらの生活であった。家賃の値下げになれば、隆達の生活を相当に切り詰めなければ、キミの施設暮らしは維持できない。その時は、キミを自分の家に引き取ればいいと兄弟達は言うかもしれない。

 だが、それは無理であった。認知症の進んだキミを再び自分で世話をするなど、隆には気力も体力もすでになかった。妻の咲子もご免だと言っているし、その時は駅前通りの家を処分するべきだと、主張していた。処分と言っても、そう簡単に行くはずはない。面倒なことが山積みしている。

 キミは気持ち良さそうに寝ていた。隆は、キミのベッドの下に布団を敷いたが、まだ寝るには早いと隣の部屋でテレビを見ていた。駅前通りから、時々、酔っ払いの騒ぐ声が聞こえてきた。以前の駅前通りは、もっと騒々しかった。二十四時間営業をしている、コンビニ、カラオケ、インターネットカフェ、ファミレスと、並んでいるが、客の入りは今ひとつであった。客引きだけが増えている感じであった。

 「報道ステーション」が終わった。

 「わかったわ、帰るわよ。傍へ寄らないで、あっちへ行っておくれ!」

 突然、キミの叫び声が聞こえた。

 隆は、テレビを消した。

 ―やっぱり、母は、落ち着いては寝ないだろうな。まあ、いいや。私も、寝ようとすれば、苛立つだけだ。そのつもりで、母の部屋で、横になっていればいい。

 「母さん、どうした?」

 「ほらっ、あそこにお父さんがいるだろう」

 キミはベッドに腰かけ、部屋の隅にある仏壇を指差した。

 「そうだよ、父さんは、あそこにいるよ」

 そこには、父親の位牌がある。

      〈つづく〉

◇このコーナーでは、揺籃社(追分町)から出版された前野博著「キミ達の青い空」を不定期連載しています。