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2024年9月、神奈川県小田原市に小学生を対象としたジュニアスクール&アフタースクール「かくれんぼ村」(小田原市南鴨宮1-5-43)が開校した。教育への豊かな知見を活かしたオルタナティブスクールやフリースクールとして、また地域に開放された「居場所」として注目される新拠点を取材した。
感性に寄り添い、確かな学びを
かくれんぼ村は、同地域で幼児教育を行うNPO法人こどもの夢と未来舎(佐藤節子代表)が運営。幼児施設「未来っ子幼児教育センター」で培った知見を活かした教育拠点だ。『子どもたちが主体的に活動し、感動と発見をする教育』に特化した未来っ子幼児教育センターの取り組みを小学生の教育でも実践しようというのが「かくれんぼ村」だ。
※未来っ子幼児教育センター...富士山登山などのアウトドア教育や体験学習を軸にした幼児教育を長年展開しており、2021年から認定こども園となった人気の施設
未来っ子幼児教育センターに隣接するかくれんぼ村には、子どもたちの要望をもとに、学習教室や工作・アートの創作スペース、運動用スペース、音楽室など8室を整備。ほか家庭菜園やビオトープづくりも進められ、児童の興味を直に実行できる環境がそろう。施設長の小嶋晃子さんは「施設の姿は敢えて設定せず、『一緒にかくれんぼ村を描いていく』イメージかもしれません。従来の小学校では目が届かないかもしれない、一人ひとりの感性に寄り添い、学びの機会を提供したい」と話す。
ジュニアスクールは小学校と連携したサポート体制
午前中からのジュニアスクールは、通常の小学校とは別の視点で教育を行うオルタナティブスクール(=新たな選択肢の学校)。24年9月に開校したこともあり、当初から夏休み明けに伴い心が疲弊してしまった児童の保護者からの問い合わせも多かったという。「学校とは別の居場所として、フリースクールとしての役割も担いたい」と小嶋施設長。子どもたちはそれぞれの小学校に籍を置き、かくれんぼ村が学校と連携して出席や学習状況などを共有し、個々のペースを維持しながら小学校課程修了までをサポートする。
~1日の主なスケジュール~
かくれんぼ村は朝8時半過ぎ、読書や庭遊びなどからスタートする。9時には「サークルタイム」でその日の取り組みを話し合い、その後は各教科の個別学習時間。スタッフが個々の特性や学習状況を見極めながら「机に向かう時間」を確保している。
10時半からは「プロジェクト」の時間。子どもたちは自分たちで決めたテーマに関する体験学習に取り組む。これまではビオトープづくりや日本地図を用いた調べごと、科学実験に加え、県外遠足のルートや目的地の情報などを協力して調べてきたという。「自分たちで決めたテーマに取り組みながら自主性を育んでいます」(小嶋施設長)。
バイキング形式のランチが終わると1日のまとめ、午後3時の下校まで自由な時間を過ごすのがジュニアスクールの1日だ。
アフタースクールでの多彩な体験
午後3時以降は市内外の児童が集まり、木工やクッキング、アートなどの多種多様な体験レッスンが行われる学童型のアフタースクールがスタート。元々は未来っ子幼児教育センターで行われていた交流の場が、レッスン型教室としてJR鴨宮駅近くに移っていたが、かくれんぼ村開校に合わせて戻ってきた形だ。
アフタースクールは週1日~5日と通う頻度はさまざまだが、自主性が軸に据えられているのはジュニアスクール同様。小嶋施設長は「宿題だけで終わらせず、各分野の講師と一緒に多様な体験を行い、『興味の種』を増やすことが大切」とその役割を話す。
「自分のペースで成長を」
かくれんぼ村をサポートするのは元教員や専門講師、高校生チューターなど。教育現場を長年経験してきた「村長」(校長)は、「楽しく過ごす雰囲気づくりも大切にしているので、保護者から家庭でも(子どもが)穏やかになったと聞くと安心しますね。ここでは自分のペースを大事にしながら中学やその先の準備をしてほしい」と笑顔を見せる。
地域に開放された交流拠点
かくれんぼ村では地域とつながる場として「おしゃべりサロン」を月1回開催している。未就学児親子やシニアも顔を見せる、多世代が集まる居場所となっている。小嶋さんは「ここは地域の拠点で、そこに学校や交流の場があるイメージ。幅広い世代が日常的に関わる、そんな居場所が求められていくのでは」と展望を語る。
学びと交流―。かくれんぼ村では児童もスタッフも、時には子どもたちを見守る地域の目も温かく自由。自分のペースで成長し、地域とのつながりを深めることができる場所として、地域コミュニティの在り方に新たな提案を示している。