地域のオピニオンリーダーたれ。報道機関の自覚と責任を
当社では現在、神奈川県内の全市町村および東京都多摩地域をエリアに162万部以上のタウンニュースを発行しています。
地域情報紙として定期的に、地域ごとに、これだけの部数を発行している新聞は、日本広しといえどもそうあるものではありません。
全国紙や全県紙などでは取り上げない地域のニュースを丁寧に取材し、記事にしていく...。ここに地域紙としての役割、そして存在価値が生まれてきます。 たとえどんなに小さな街であっても、その街特有の問題や話題というものは必ずあるものです。
日刊紙やTVニュースといったマスメディアのように決して全国規模ではありませんが、取材して、編集し記事にしていく立場は同じ記者です。 だからこそ、その地域の問題、話題を紙面を通してその地域の人たちに届けていくオピニオンリーダーとしての責任は重いのです。
編集記者は一人二役
タウンニュースの編集記者としての仕事は、広告の営業、街の話題等の取材・原稿書きの2本立て。普通、 新聞社は記者編集部門と広告営業部門を分離していますが、当社の場合は常に記者兼営業マンとして、一人二役をこなしていきます。
これはクライアントが街の話題を提供してくれたり、街記事の取材先が広告を出してくれたりということが多くあるため。 記者としての仕事と営業としての仕事を切り離してしまうより、情報をすばやく的確につかむ、つまり話が早いという大きなメリットがあります。 例えば、担当する中学校のPTA会長が商店街の会長も務めていて、中学校の周年行事を取材しているうちに、 商店街のセール広告を依頼されるといったケースも。タウンニュースの仕事では、このようなことは実によくある話なのです。
広告も街のニュース
タウンニュースと日刊紙との一番大きな違いは、購読料の有無。タウンニュースは、新聞折込形式で無料配布 しています。そのため、クライアントからの広告掲載料金で一切の経費を賄わなければなりません。
従って、紙面の中で広告の占める重要性も必然的に大きくなってきます。しかし、チラシ同然の紙面づくりをすれば、 読者からはつまらないとそっぽを向かれてしまうのは必至。広告でありながら、いかに読者に興味深く一つの情報として読んでもらうかは、 それを表現する記者の腕にかかってきます。
普段、何気なく見過ごしてしまうようなお店でも、それぞれがどの様に顧客に喜んでもらうか、 足を運んでもらうためにはどうすれば良いのかといったことを必ず考えているものです。
そこをプロとしての目で的確にアドバイスし、読者が求めるような情報を見つけだし、 魅力ある店づくりの提案を忘れないことも大切な記者の役割。これはつまり記事の取材・原稿書きと共通するところが多いのです。 取材相手たるクライアントから情報を引き出し、読者に効果的に訴求する原稿を作り上げていく。広告も街のニュースとして取り上げ、 街に届けるタウンニュース記者ならではの仕事といえます。
街の著名人は全て顔見知り
一つの街(市や町や村)には、さまざまな職業の人たちが住んでいます。また、いろいろな団体があります。
例えば市や町の行政を動かしている首長や行政の幹部、広報課や観光課など多くの職員。また、 タウンニュースに広告を掲載してくれる街の有力企業の社長や多種多様な商店主。街の郷土史家などの文化人やスポーツ選手、地元の芸能人。 その時々に話題となった一般の街の人たちなどなど。数えあげたら切りがないほどの多様な人たちと出会う機会があります。
タウンニュースの社員は仕事を通じてこれら街の著名人と毎日のように顔を合わせることになります。一般の職業では、 その街の首長や議員と親しく話をする機会はめったにありません。まして、商工会議所の会頭や警察署長、国会議員ともなれば、なおさらです。
こうした多くの人たちとの出会いは、タウンニュースの記者としての特権ともいえるものです。
楽しくなければやってられない
タウンニュースの仕事の楽しさは、多くの人たちとの出会いのほかにもたくさんあります。 それは各自の自由な発想やアイデアが即仕事に活かされることです。
各編集室では、締め切り明けに編集長を中心にスタッフ全員でミーティングをします。一面トップ記事は何を書くのか、 広告企画はどんな内容にするか...。この自由さがタウンニュースの精神ともいえ、この場での意見やアイデアが採用されると、 すぐ次号の紙面に反映されることになります。
もちろん、どんな意見でも即採用という訳にはいかないですが、この自由でアットホームな雰囲気は社内で行う全ての仕事に共通しているから、 自然とやりがいも出てくる。
この仕事の最大の特色は、毎日が変化に富んでクリエイティブであることです。 商店や企業の広告担当者との打ち合わせや宣伝コピーの考案など広告関係の仕事をしていたかと思うと、 次の瞬間には人物紹介欄や街の話題を追って取材に、撮影に飛び回っている。
仕事となれば、全てが楽しいとはいきませんが、トータルに考えて「面白いから仕事を続けているんだ」という実感は必要だし、 この気持ちがあってこそ初めて仕事を通して自分を表現したり、さらには成長させることもできるはずです。 当社には、そんな社風が好きな社員がたくさんいます。