鶴見神社の3代目宮司に就いた 金子 剛士さん 鶴見中央在住 54歳
伝統と地域の絆を大切に
○…川崎・横浜間最古の神社として、古くから地元住民に大切にされてきた鶴見神社の3代目宮司にこのほど就いた。鎌倉時代から伝わる伝統芸能「鶴見の田祭り」や夏の天王祭など、年間を通して執り行われる祭事の準備に忙しい日々を送るが、「町内会や氏子青年会の皆さんの協力がなければ成り立たない。先々代からの地域の絆に本当に感謝したい」としみじみ語る。
○…小さい頃から将来宮司を継ぐよう育てられたのかと想像したが、「全くない」とさらり。「ただ、神職の道に進むことは自然なことだった。小さい頃から父の背中を見て育ち、地域の方々との絆に囲まれる中で、年を重ねるにつれ、次第に意識するようになっていった」と語る。
○…鶴見小学校、鶴見中学校卒。國學院大學の神道文化学科を卒業し、神職に。その後すぐに神社に入るのではなく、社会経験を積もうと築地の市場で働いた経験も。「料理や魚が好きだったから」と笑うが、神社を手伝うようになってからも横浜青年会議所(JC)で活動。「神社以外の活動をすることで、人間関係も広がり、勉強になることも多かった。社会を知らずに3代目を継ぐことを避けたかったし、当時の経験や交流関係は今に生きている」と語る。
○…3代目として、「地域との絆、伝統を大切に守っていきたい」と願う。鶴見中央や諏訪坂、豊岡、佃野、鶴見1・2丁目を氏子とする同社。この2年はコロナ禍で祭事が中止になるなど難しい面もあったが、今夏の天王祭では神輿を台車に載せ、地域を巡行する。「一日も早くコロナが収束し、氏子の皆さんと祭事の後に直会(神前に供えた神酒を戴くこと)を楽しめたら」と優しく微笑んだ。
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