「産科拠点病院」設置へ 医師不足に“集約化”で対応
横浜市は産科拠点病院の設置について検討を始める。市内では病院での分娩割合が年々増えていることに加え、周産期の救急患者を受け入れている現状から、夜間当直医の確保が課題になっている。市は拠点病院に医師を集約するなどして、夜間に複数医師が勤務している状態を目指す。
病院に分娩が集中
横浜市が発表した市内産科医療と分娩に関する調査結果では、平成22年度の分娩取り扱い施設は、病院と助産所で1施設ずつ減少し、全体で59施設。分娩件数は2万8041件だった。
内訳を見ると、病院での分娩が2万240件で、前年度比963件増となっている。一方、診療所と助産所では前年度比1018件減。病院でも分娩を扱う施設が減少傾向にある中、1施設あたりの分娩件数と全分娩数における病院の割合は年々増加している。比較的大きな病院などに分娩が集中し、病院勤務の医師の負担が増える傾向の中、各病院では、特に夜間の救急に対応する当直医の確保が課題になっている。
夜間救急に不安の声
現在、神奈川県の周産期救急医療システムで市内では3つの基幹病院と11の中核病院・協力病院が連携して救急時の医療体制を整備。しかし医師が不足する中で、夜間当直の医師を1人しか配置できない病院も多いという。そのため自院内の分娩や入院患者の対応で手がふさがり、他からの周産期救急患者の受け入れが難しい場合も。年々病院に分娩が集中する中、さらにその懸念が叫ばれている。
3施設の整備めざす
安定した救急体制を整えるために、市が今年度から検討を始めるのが「産科拠点病院」だ。現場では「限られた人材で安定した救急体制を整えるには、医師の集約化が不可避」との声もあり、各施設の医師が連携して拠点病院での当直を担当する形などを模索する。市は25年度までに方面別に3施設を指定して24時間365日複数医師の常勤を目指す。今夏中に検討委員会を設置、今年度中に1施設を準備病院にして、まずは夜間の医師確保を進めたいとしている。
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