8月に「もう1つのW杯」と呼ばれる知的障害者サッカー世界選手権がブラジル・サンパウロで開催される。港南区在勤の利根川俊介さん(30)は、日本代表チームのマネージャーコーチとして帯同し、18人の選手とともに優勝を目指す。
同大会は1994年のオランダ大会以来、4年に1度、W杯と同じ年に「国際障がい者スポーツ連盟」(INAS-FID)が知的障害者の大会として開催しているもの。地区予選などはないが、試合はFIFAと同じルールで行われており、2002年の日本大会からW杯と同じ開催国で開催しているため「もう1つのW杯」と呼ばれている。日本代表チームも同年から大会に出場している。
前回の10年南アフリカ大会では、日本チームは出場11チーム中10位。サウジアラビアが2大会連続の優勝を果たした。今年は8月12月から24日までの間、ブラジル・サンパウロで開催。イングランドやアルゼンチンなど16の国と地域が参加予定だ。
2大会連続の帯同
利根川さんは、知的障害者が日中活動を行う就労継続支援B型事業所「はばたき」(港南区大久保)に勤め、ハンカチの検品や、弁当の調理・販売などに取り組む同所で、作業指導員としてサポートにあたる。
他方、横浜F・マリノスの知的障害者サッカーチーム「フトゥーロ」や、知的障害者サッカー神奈川県選抜チームなどにコーチとして在籍し、代表チームへの帯同も前回の南ア大会に続き2度目。マネージャーの役割は「なんでも屋」と利根川さん。「選手が試合で良いパフォーマンスを発揮できるためのものならすべて。物品の準備や合宿所の手配、人数が足りない時はグラウンドで一緒にボールを蹴ることも」と笑顔を見せ、「8月のブラジルは冬だけど、気温も20度前後。選手たちも力を発揮できる環境だと思う」と期待を込める。
知的障害者サッカーとの出合いは06年、東海大学体育学部の4年時のこと。W杯を現地で観ようとドイツに渡った際、代表チームのスタッフを務めていた大学の先輩から「もう1つのW杯も観てみたらどうだ」と誘われた。「サッカーの醍醐味はスピードと技術。だけど正直、それは期待できないんじゃないかと思っていた」と当時の気持ちを明かす。だがスタジアムに足を運ぶと、「皆どこに障害があるんだろうと思うくらい、レベルの高いサッカーだった」と驚かされた。
帰国後に紹介を受け、重度の知的障害がある小中学生チームのコーチに就いた。試合中にボールを手で持って走ってしまう子がいるなど、教える難しさを感じたが「ゴールの喜びや負けた悔しさを素直に表現する姿に、サッカーの素晴らしさを思い出させてもらった」。
「Tシャツで支援を」
大会への出場を含め、海外遠征には3千万円ほどの資金が必要だが、助成金などではまかないきれず、「日本知的障がい者サッカー連盟」(JFFID)では応援Tシャツの売上金などを遠征費に充てている。JFFIDのHP(jffid.com)などで購入可能。
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