区内・川辺町の「帷子小学校」(小川義男校長)にあるプラネタリウム施設の再利用が進んでいる。横浜市で本格的な設備があるのは同小学校のみで、関係者は「地元の財産として大切にしていきたい」としている。
このプラネタリウムは、平成元年の新校舎増築時に設置されたもの。市立小学校には天井投射型の移動式機材が備わっているのが一般的だが、これは専用教室に固定式の映写機と約5メートル級のドーム式スクリーンがある本格仕様。市内の公立小学校で唯一となる、これほど大掛かりな機器の設置経緯については、当時を知る教諭が全員離任してしまっているため、不明だという。
副校長の赴任が転機
当時は星座を学ぶ授業などで頻繁に利用されていたとみられるこの設備も、機会を操作できる教諭が減るに連れ、徐々に日陰の存在に。およそ5年前からは全く使用されず、教室自体もいわゆる”開かずの間”となり、児童や保護者も誰一人として足を踏み入れる事がなかった。
しかし転機が訪れたのが昨年春。新たに赴任してきた中山誠一副校長が、校内に眠ったこの”お宝”に目を付け、学生時代、天文部員だった知識を活かし設備の再生に着手した。中山さんによれば「相当のブランクがあったにも関わらず、大規模な修理などを必要としない良い状態でしたね」。
交換部品も保管されていたため、数ヵ月の手入れで無事、再び動く状態を確保。2学期からは在校児童が授業で利用するようになった。しかし高学年の子ども達でさえも「学校の中に、こんな教室があるのを初めて知った」といった感想が聞かれ、設備そのものよりも、開かずの間の謎が解けた事を喜ぶ声が多かったという。
地域の共有財産に
さらに同小学校では、この設備の”復活”を、より多くの人に知ってもらおうと「保護者向け上映会」を先月26日に実施。PTAが主催となり、機器の操作から星座の解説アナウンスまで運営もすべて保護者が担当した。開催前、夏休みを利用して副校長から上映に向けてプラネタリウム機材に関するレクチャーを受けていた保護者たち(写真)は、練習の成果もあり無事、大役を務め上げホッとした表情をみせていた。
今後も同様のイベントは学年ごとに月1回程度のペースで行われる予定。学校側は「保護者からの”座席に背もたれがないので首が疲れる””音楽的な演出がないのでやや寂しい”といった意見を参考にしたい」と、今後の改善課題を分析。将来的には、一般区民向けの上映会開催などを視野に入れ、地域の財差として育てて行きたい意向を打ち出している。このプラネタリウムに関する詳細問合せは【電話】045・335・5896/帷子小学校まで。
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