秋の叙勲で瑞宝中綬章を受章した 板倉 宏さん 鵠沼桜が岡在住 79歳
「人のために努力する」
○…内閣府から発表された秋の叙勲で、瑞宝中綬章(教育研究功労)を受章した。刑法学者として約50年にわたり、大学で教鞭をふるい法学を教えている。現在は、日本大学名誉教授。著書も数多く、受章はこれまでの功績が称えられた。「ありきたりですが、光栄に思います」と謙虚に喜びを表す。独特の語り口と分かりやすい解説で、マスコミへコメントを寄せることも多い有名人でもある。
○…東京大学在学中、師と仰ぐ団藤重光氏の「人間性のない刑法学は空虚であり、科学性のない刑法学は盲目である」という言葉に心を動かされた。「刑法学を究めたい」と大学院へ進学、博士号を取得した。刑事規制に関する研究の中で、一貫して主張をしてきたのは、より被害者の人権を重視すべきということ。常に社会的弱者を守る立場を貫き、学生たちには「人のために努力すること」を信条として伝えてきた。
○…大阪市生まれ。3人兄妹の長男。藤沢市になった1940年、藤沢に移り住んだ。小さい頃から新聞を読むのが好きで、社会の事件に関心がある少年だった。相撲を取ったり川で遊んだり、特に勉強もスポーツも得意なほうではなかったという。湘南高校から東京大学へ進学。法律に関する話題でマスコミに出るようになったのは40年ほど前から。「なぜ私だったのか分からない」と首を傾げるが、どんな事件にもコメントできるように常に情報を仕入れている。
○…性格は凝り性。藤沢市の大小すべてのお寺を、5年かけ回ったこともあるとか。80歳を迎える来年、退任となり教壇には立たなくなる。それでも、やることは今までと変わらない。「世の中の事件に関心を持っていくこと」。それは新聞好きだった少年時代から変わっていないのかもしれない。「近所で知り合った」という奥さんと2人暮らし。あまり多く語らないが、最後に「妻とは誕生日が同じ1月15日」とニッコリした。
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>