良質で安全な県内産農林水産物などを登録する「かながわブランド」に、1月25日、片瀬から辻堂の海岸で育った「湘南はまぐり」が新たに認定された。県と生産者団体で構成される「かながわブランド振興協議会」が審査し、今回の登録で計92品目。ハマグリが承認されるのは初めて。
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市漁業協同組合によると、湘南はまぐりは7cm以上と大ぶりで、身は肉厚、風味豊かな味わいが特徴。粒が細やかで質の良い砂でなければ育たず、江の島に続く浅瀬の砂が生息に適しているという。
登録を目指し、長年育成に取り組んできた同組合の葉山一郎組合長は「藤沢だけで獲れる、価値があるハマグリ。色、ツヤが良く『湘南しらす』と並ぶ『ふじさわ特産品』にも認定されている。今回の登録は大変嬉しい。注文が増えれば供給は大変になるが、たくさんの人に味わってほしい」と期待を込める。
ハマグリ復活へ 努力結実
市漁協によると、ハマグリ漁は、県内では藤沢のみで行われ、水揚げ量は年間約5tに上る。
今でこそ有数な生産を誇る藤沢のハマグリ漁だが、衰退に追い込まれた時期は長かった。1964年までは盛んに行われていたが、高度経済成長が進むにつれ、大量の工場排水などが河川を通じて海に流入。底質環境が悪化し、ハマグリが激減した。市漁協の葉山組合長は「悪い環境でも育つバカガイなどに漁獲対象を切り替えざるを得なかった」と振り返る。
河川や下水道などの環境改善が進み、水質が復調したのは2001年以降。市漁協は「美味しいハマグリを何とか復活させたい」と、稚貝の放流事業を開始した。また、月2回前後、1回あたり300kg以内の漁獲規制も功を奏し、09年以降、水揚げ量が安定したという。
今後の展開として、葉山組合長は「ハマグリを年中出荷できるように、5月ごろには漁協内に大きな水槽を設置したい」と話す。
湘南はまぐりの販売は、同漁協(辻堂東海岸4の3の21)の朝市で3月1日(水)と、11日(土)以降の第2土曜、午前9時30分から。堀川網(本鵠沼3の11の37)でも購入できる。数が限定されるため、事前に同漁協【電話】0466・36・8220に連絡を。
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