2月17日から自身初の回顧展を開催する ビッグ錠さん(佃 龍二) 湘南台在住 78歳
漫画で人も街も元気に
○…『週刊少年ジャンプ』に連載され、若者を中心に一世を風靡した漫画『包丁人味平』の作画をはじめ、数々の名作を世に生み出した。今月、湘南台で自身初の回顧展「ビッグ錠のわが町とマンガ展」を開催する。「湘南台に移り住んで45年。『味平』も、以後の作品もすべて湘南台で生まれた。私の作品を育ててくれたこの町のために、恩返しができれば嬉しい」
○…大阪生まれ。世間に漫画を低俗とする見方が少なくなかったという幼少時代、手塚治虫の出世作『新宝島』に衝撃を受けた。「驚くほど画期的な手法で描かれ、『こんな漫画があるんだ』と感銘」し、次第に漫画家に憧れを抱いたという。出版社に作品を持ち込み、デビュー作は高校時代の貸本漫画『バクダンくん』。のちに編集者から紹介された原作者・牛次郎さんと組むと、『釘師サブやん』『味平』と立て続けにヒット作を生み、一躍名声を得た。「次回も読みたくなるよう、最後の1コマをいかに面白く描くか。それが毎回勝負だった」
○…ペンネームは、米国ドラマ「コンバット!」に登場する「リトルジョン上等兵」に由来する。リトルの正反対で「ビッグ」、ジョンは「錠」と改めた。藤沢に転居したのは「僕の好きな海や田園風景があり、湘南に憧れていたから」という。構想を練るため、夜遅くまで湘南台の喫茶店やレストランに残った。当時に思いを馳せ「あの時代は『あしたのジョー』『巨人の星』などの傑作が数多く描かれ、漫画界にとって『質的な黄金期』だったと思う」と笑顔で語る。
○…数々の連載を終えた現在は、湘南台のキャラクター「ゆめまる」を描くなど積極的に地域活動に尽力。演劇が趣味で「ふじさわ市民ミュージカル」にも度々出演した。将来は「僕のかつてのファンたちが再び感動し、元気になってもらえる漫画を描きたい」。地域もファンも大切にしながら日々を過ごす巨匠の情熱に終わりはない。
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